★こらむ★ -------------------------------------------------------------------------------  私が初めてデジタル回路を組み立てたのは、昭和50年代後半です。 このころは未だコンピューターの国際規格など無く、各メーカーが勝手に企画して販売 していました。そのため高価で当時の小遣いで購入出来る物では無く、本を買ってなが めるのがせいぜいでした。 それでも欲しくて探したのが中古の作りかけパソコンです。作りかけと言うのは当時 、Z80CPUを使った組立キットが販売されていて、これを購入して組み立てると言った やり方があり、キットを購入したが組立られずに放置していると言った人が居たから、 半値で引き取って組み立てる事にしました。 今のDOS-V規格はボード単位で完成されていて、ねじ止めしてコネクターを差し込む だけで組立出来ますが、当時は1枚のボードに部品を1個づつ半田付けして組み立てる と言ったやり方で、私が本当に完成出来るか全く分かりませんでした。  勿論テスターなどは持っていない、道具と言ったら30Wの半田コテとラジオペンチ だけです。ただ1つだけ組み立てられる可能性があったのは、近所にテレビの修理が 得意な電気屋さんがあったから最終手段はここに持ち込もうと考えていたので、 まぁ始めれば何とかなると楽観的に始めてしまいました。  今考えればこの時の経験がすごく役立っています。 この電気屋さんは母の同級生で、どんな小さな修理でも親切丁寧に対応してくれ、 今でも時々、量販店で4割引で売っている家電を3割引で購入したりと言ったつき合い が続いています。(笑)  最近の家電修理は基盤をそっくり交換といったやり方が主流で、実際に壊れている 場所を探して修理すると言った修理屋が居なくなっています。 電子技術の高度化・部品の小型化で修理箇所の発見が難しくなっているのは事実で、 しかも人件費を考えると仕方のない事かも知れませんが、修理屋の勉強不足も間違い ない事実です。半田にひびが入っていただけで中身をごっそり交換などと言った話も 聞きます。幸い知り合いの電気屋さんは修理箇所を丹念に探し治してくれます。 今では70歳をとっくに過ぎ、80代に手が届く年齢ですが、現役で家電修理を行って います。  当時、私は電気配線に付いては全くの素人でした。 とりあえず見よう見まねで部品に書いてある記号をたよりに基盤に部品を差し込み、 半田付けを行っていましたが、どうしても配線図に無いパターンが基盤上に見つかる のです。理解できず電気屋さんに聞くと「それは当然やるべき配線だから図面化して ないのです」と言う答えでした。プロにとっては当然かもしれないけど、私のような 素人には当然ではないのです。たしかに配線図に全て書き込んだら、とても見づらい 図面になってしまい、普段図面を見慣れている人には省略した方が良いのでしょう。 こう言った事例は電気だけでなく、色々な場面で見受けられます。 どんな人でも職業を持っている以上ある分野については専門家なはずです。 そのため、自分の専門分野で当然の事が他人に理解されていると思いこんでしまいがち です。私もこの件については時々やらかしてしまい、反省しています。  私が最初につまづいたのは電源回路でした。 回路図には信号線しか書いて無く、電源の供給が各ICに必要などとはどこにも書いて ありませんでした。冷静に考えれば当たり前の話で、家電製品がコンセントに差し込 まなければ使えないのと同じで、途中で気付き修正しましたが、こんな事ですら 初心者には大きなハードルになるのです。 あれから、電気工作は殆どやらなくなり、パソコンもDOS-V規格のパーツを組み立てる だけになりました。 当時「ハンドアッセンブラ」とか言って、Z80CPUに直接読ませるマシン語を手作業で 書いて楽しんでいたものでした。最近はスプリクト言語が主流で、perlスプリクトで インターネット上で使うCGIを作ったり、HTMLにJAVAスプリクトを埋め込んだりと ハードウェアーを全く意識しないプログラムに慣れてしまい、OSを介さず直接ハード ウェアーを動かすアッセンブラは完全に忘れていました。 -------------------------------------------------------------------------------