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リチウムイオン電池の充電器を試作

更新日2004年07月10日

Linear Techデータシート リニアテクノロジーのリチウム二次電池充電用チップを使って充電器を試作してみた。
使用したチップは、LTC4054  ES5-4.2 と LTC4054  LES5-4.2 の二種類。
ES5-4.2は最大800mAの充電電流が流せ、LES5-4.2は10mAから150mAの充電が出来る。
基本的な外付け部品は1μFのチップコンデンサーとPROGコントロール用の抵抗だけ。
PROGコントロール用の抵抗値を変える事により充電電流を変更出来る。
従って抵抗パターンを複数作っておき、ジャンパーピンで切り替える事で充電する電池容量を変更出来る。 抵抗値を計算する式や基本配線図はデータシートに書いてあるのでこれを参考に作れば良い。
motoさんのHPを参考に配線を決めた。
チップの入手もmotoさんにいろいろと教わり入手出来た。
チップサイズ、2.9×1.5mm  ピンピッチ0.95mm  ピン数5 の表面実装タイプと非常に小さい。
本来はパソコンのUSBポートを使って携帯電話などの充電に使うために開発された物らしいが、USBポートで800mAはとれないはず。
直接ユニバーサル基盤に半田付けしてしまうと後で回路変更が出来なくなるので、 エポキシ基盤にパターンを切り半田付けした物を丸ピンコネクタで乗せる事にした。
今回の充電器はあくまでも実験のための試作である。

ES5-4.2 LES5-4.2 写真左が800mAまで充電出来るタイプ。
電源は12Vの電源アダプターを使い、車のバッテリーからでも充電できる。
レギュレーターはJRCのNJM7805を使用、外付けに47μF(25V)の電解コンデンサーを2個使った。
通電するとCHRG端子に接続したLEDが点灯し、充電完了すると消灯する。
ケースは100円ショップで見つけた薬入れ、
85mm×55mmと小さくまとめた。
ES5-4.2 LES5-4.2 写真右が20mAhから140mAhのリチウムイオン二次電池を充電するタイプ。
電源にリチウムイオン二次電池を2個直列で使い、基盤の裏側に収納した。 従って親電源が必要なく、小さな薬入れのケース1個だけで充電出来る。
電源が電池なのでジャンパーピンを電源スイッチとして付けた。
レギュレーターはNECのμPC29M05を使い、外付けに0.1μFセラコンと47μFの電解コンデンサーを付けた。
エポキシ基盤はエッチング加工し、LEDとチップコンデンサーも表面実装した。
動作確認後、チップ廻りをエポキシでコーティングした。

塩化第二鉄 エッチングのために入手した塩化第二鉄の結晶。空気中の水分を吸収して勝手に溶け出す。
一般に市販されている物は水溶液で結晶状態では試薬として薬店でしか入手できません。
基本的な使い方をサンハヤトのHPで確認、使用する量だけ水に溶かしてポリビンで保管する事にした。
使い方の注意点などはtokoさんからメールで教わり、40度ぐらいで湯煎しながら使ってみる事にした。
銅板を溶かす薬品です、取り扱いには十分な知識と注意が必要です。



電池の電圧は表示電圧を下回らないようにし、リチウムの場合3.6V以下では使わないようにします。
負荷をかけた状態でも3.0Vを下回ったら速やかに使用を中止し充電した方が良いでしょう。
リチウムはニッカドとちがってメモリー効果を起こさないので出来るだけ充電済みの状態で保管します。
リチウムイオン二次電池 私が使用しているリチウム電池、全て上記の充電器で充電出来る。
左から、ジャンクで入手したメタルタイプ。(1000mAh)
携帯電話に使われているメタルタイプ。(400mAh)
 140mAh のポリマータイプ。 20mAh のポリマータイプ。どちらもコカム製。
ポリマータイプはメタルタイプに比べると軽くて、飛行機に向いている。
ポリマータイプは充電に失敗してもメタルタイプの様なひどい爆発は起きないそうですが、
中身は同じリチウムですので扱いに注意して充電中は絶対に目を離さない様にします。
電池のコネクタは日本圧着端子のJSTを使っている。

JST端子袋詰め JST端子の詳細 タイガー無線のリード線
秋葉原・西川電子ねじ部の二階で見つけたJSTコネクタ。
ZH用ピン:AWG32-28、ZHコネクタ:ZHR-3(3ピン)・ZHR-2(2ピン)、B3B-ZR(3ピン)・B2B-ZR(2ピン)
3ピンはRCサーボのコネクタに使うと省スペースになり便利です。リード線はタイガー無線でZH用ピンのサイズに合った物を購入。
ZH用ピンへの半田付けテクニックはtokoさんのホームページに載ってます。


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Yasuu