■Home||◆Sunappu||[前のページ]||飛ばそう

ライトプレーンを作ろう

2001年01月03日

出来上がり ゴム動力ライトプレーンと言うと、竹籤を曲げた翼に和紙を貼って作る昔ながらのスタイルを想像される人が多いと思いますが、 今回はあえて竹籤を使わずにバルサ材で骨組みを作り、フィルムを貼る事にしました。
本格的なライトプレーンを作られている人から見たら邪道かもしれませんが、
最近は良質の竹籤が入手しづらく、文房具屋やスーパーで売っているほとんどの竹籤はローソクの火であぶるといきなり燃えてしまい、 タダでさえ難しい竹細工をさらに難しくしています。

本来の目的は飛行機を作ることで竹細工をする事ではないので「こんなやり方もあるのでは」と言う提案です。
バルサ翼を組み立てた経験のある人なら作れると思うのでぜひチャレンジして見て下さい。

Zumen 例によって図面はJW_CADで書いてありますので正確な寸法を知りたい人はCADを使って下さい。
イメージデータに変換した物も用意しました、(35.5KB)CADを使うのが苦手な人はこちらを参考にして下さい。

作図した時点ではまだ飛行テストはしていませんのでアライメントの調整は必要です。
重心位置は主翼を前後させ、取り付け角差は尾翼の後縁材の下にかい物をして調整して下さい。
プロペラスラスト調整は敏感に反応しますので注意して行って下さい。

プロペラは桐材から削り出し折りペラにしましたが製作に自信のない人は市販のプラスティックペラ(D=210mm)を使うと良いでしょう。
主翼はポリエステルフィルム12μ、尾翼は同じく4.5μを貼りましたが一般的には和紙(ガンピ紙又は良質の半紙)等を貼ると良いでしょう。

↑前)主翼材料 ↓前)上反角接着
↑前)骨組み 先ずは主翼の骨組みを2mmバルサから切り出します。(中央リブは5mm)
材質は少し硬めの出来ればCカット気味の物を使って下さい。
組立は、原寸図を書きその上にまち針で固定して行います。
上反角部のリブは内翼に接着し、上反角の接着はエポキシでしっかりと行って下さい。
その他の接着はタイトボンド又は木工用瞬間を使うと良いでしょう。
前・後縁材とリブの組み合わせは、リブを切り欠きリブの上に前・後縁材を乗せるようにします。
接着後中央リブの接着部をエポキシで補強します。
組立が終わったら前縁の断面形状を半円形に削ります。
後縁は、厚さ1mm程度を残して上面を斜めに削ります。
整形が済んだら軽くクリアー塗装をしておきましょう。
塗料はドープ又はニトロセルロース系ラッカーが良いでしょう。

パイロン部品、一番上が胴体 次はパイロンの接着です。
パイロンの側板は1.5mm厚Aカットバルサを使います。
組み立てる前に両面にクリアー塗装をして下さい。
台座部分はハードバルサを使い、胴体に固定するゴム掛けを竹籤で作り接着します。
竹籤は台座を貫通する様にして接着し、接着剤が乾いてから突起した部分を削り取ります。
接着剤はタイトボンド又はエポキシが良いでしょう。

側板で胴体と台座を一緒にはさみこむ様に組み立てます。

パイロン下から パイロン側面

↑前)水平組立 垂直組立(前→ 出来上がった骨組み
次に尾翼を組み立てます。
水平は1.5mm、垂直は2mmバルサで作ります。(水平は中央リブのみ2mm)
主翼同様原寸図を書きその上にまち針で固定して行います。
左旋回滑空に調整するので、垂直尾翼後縁の右側を斜めに削ります。
垂直は胴体の下に取り付けるので左右面を間違えないように注意して下さい。
フィルム貼りは、水平は上面のみ垂直は両面貼りとしました。

胴体は5mm.Cカットハードバルサ又は4×8檜角を使います。
バルサ胴の場合、上下面に0.12mm厚のカーボンファイバーリボンを3〜2mm巾にカットして貼り、補強します。

尾翼組立の様子

後ろ動力ゴム掛け(前→ フックが
三角形になるように
曲げるのがコツです。
←前)尾翼・翼台と火縄ホルダー 接着は瞬間で行い
エポキシで補強します。

輪ゴムヒューズは
細長い風船を輪切りにして
作ると使いやすいです。

動力用ゴムのゴム掛けは、φ1mmの鋼線を曲げて作ります。
胴体に穴を明け先端を差し込み瞬間で接着、糸を巻き付けてしっかりと固定します。

水平尾翼は直接胴体に接着してもかまいませんが、
翼面加重が小さいためサーマルに捕まると回収不能になるのでポップアップ式のデサマ装置を付けた方が良いでしょう。
翼台は1mm航空ベニヤを18×8mmに切り、尾翼が乗るスペースを5mm巾ほど取り、輪ゴムを掛ける溝を両端から4mm、1mm巾切り込みます。
水平尾翼、後ろ側の輪ゴムヒューズ掛けは0.8mm鋼線で作ります。火縄ホルダーは必ず取り付けて下さい。

コメタルにボール盤で穴明け 鋼線を曲げてハブを作る コメタルは5mm厚ホオの木から作り、軸受け穴を明けて真鍮パイプを差込製作しました。
市販の樹脂製コメタルを使う場合、ゴムのテンションで変形する事があるのでアルミ板等で補強する必要があります。

シャフトとハブはφ0.9〜1.0mm程度の鋼線で真鍮パイプの内径に合った物を使い、銅線を巻いて半田付けします。
十字部分に0.6mm鋼線を抱かせ補強します。

治具を使ってヒンジ穴を明ける 裏面の加工 出来上がったブレード プロペラブレードは
15mm厚の中国桐から削り出しました。
最大巾は28mm、最大厚は2.0mmです。
作り方の詳細は、
「夜間飛行」「F1Bプロペラの削り方」
を参考にして下さい。

真鍮パイプのヒンジは瞬間で仮止めしてからエポキシでしっかり固定します。
塗装はドープかラッカーをしっかりと塗装して下さい。

ブレードを開いた状態 コメタルにシャフトを組み付け ブレードをハブに取り付けます。
ブレードの付け根部分を切り欠き
開閉するようにします。
ヒンジのスラスト方向のストッパーは
電線の被覆材を短く切断した物を
差し込みます。
テンションストップ方式なので、ゴムのテンションを受けるバネを作ります。
φ0.4mmの鋼線を安全ピン形に曲げて使い、圧縮されたときにつぶされない様にスペーサーを入れます。
スペーサーは太めの電線被覆材を使うと良いでしょう。
スラストベアリングは1mm厚程度のテフロン・ポリエチ等の樹脂板をφ4mmの目打ちで打ち抜き、●板にキリで穴を明けて作ります。

軸受けにシャフトを差し込みゴム掛け部分を曲げます。後ろから見て逆S形になるように曲げて下さい。
コメタルにストッパーを打ち込みます。φ1mmの鋼線で作り、瞬間でしっかり固定します。
市販のプラスチックプロペラの場合は空転式にします。
市販のプロペラはバランスがとれていませんのでブレードの裏面にテープ等を貼り付けてバランスをとるようにして下さい。

胴体とコメタルの取り付けは、輪ゴムか糸を巻き付けコメタルの前後を瞬間で点付けして仮止めします。
飛行テストでスラスト調整を行い、調整が済んでから糸をしっかりまき直し瞬間で動かないように固定します。

私の場合、仕上がり重量は19gでした。動力ゴムは3.5〜4g程度を予定しています。F1Bとほぼ同じ重量比ですね。
調整は風のない早朝に障害物のない広場で行って下さい。



||■Home||◆Sunappu||飛ばそう||

Yasuu