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入門用ライトプレーン・A-40Suの作製

2007/04/01日

A40Su完成
図面置き場 にZIP圧縮したJW-CAD図面
PDFファイルに変換した図面があります。
●初めてライトプレーンを作る人のために開発した入門機です。
以前にも書きましたが竹籤フレームの翼は加工が難しく、初めてライトプレーンを作られる人には不向きです。 ここで紹介する機体は比較的短時間で作れ、ライトプレーンを飛ばす楽しさを味わえる機体です。

主に上昇性能を重視し、初めての人でも僅かな調整で急上昇するライトプレーンの飛行を楽しめます。

一般的にライトプレーンには空力的に胴体と呼べる部分が殆どなく、胴体側面積が殆どないため上昇中の飛行方向が安定せず、
わずかな翼のねじれで上昇パターンがくずれてしまいます。
しかも胴体がスティックのためゴムのトルクで胴体がねじられ主翼にも胴体のねじれが影響してしまいます。
この機体はパイロンを工夫する事によりこう言った欠点を軽減しました。
●翼幅360mm、・機体重量約17g、・ゴムTAN-SS,1/8"を2ループ(約3.3g)
プロペラは18cmのプラスティック製空転、テスト機はユニオンモデルのU-180を使いました。
胴体:ユニオンモデルからパーツ販売しているA級用4×5×400。
コメタル:ユニオンモデルのパーツ販売、A級用4×5。シャフト及びフック:ユニオンモデルのパーツ販売、A級用。
主翼及びパイロン:2mmスチレンペーパー。尾翼:1mmスチレンペーパー。
ワインダ−は5対1のライトプレーン用を使いますが巻き戻しが必要ですので予めラチェット機構を外しておきます。

●先ずは主翼・パイロン・尾翼をスチレンペーパーから切り出します。
展開図を参照し極細の油性サインペンで寸法を書いて良く切れるカッターナイフで切り出します。
スチレンペーパーにはロール目があるのでロール目方向に翼幅を合わせます。
パイロンは2枚切り出し、貼り合わせます。
切り出した主翼の折り曲げ線に定規を当てて少し折り曲げます。(中央翼・断面形状を参照)
上反角の接着部分はサンディングブロック等で平らに仕上げておくと組み立てが楽になります。

A40Su上反角接着 ●主翼の内翼と外翼を上反角部で接着します。
接着剤は発泡スチロール用を使います。
左右の上反角が同じになるように三面図を参照し接着します。 (上反角、高さ50mm)
下面側をマスキングテープで仮止めし、充分乾燥させます。

●パイロンは2mmスチレンペーパーを2枚貼り合わせます。
平らな木片等で挟んで圧着するように乾燥させると曲がらずに仕上がります。
主翼との接着面をサンディングブロック等で仕上げてから主翼に接着します。

A40Suパイロンの接着 A40Suパイロンフロント側
A40Su尾翼 ●パイロンと胴体はマスキングテープで組み立てます。
(紙テープ)
胴体と主翼の組み立ては重心位置を確認してからテープ止めします。
飛行テストで主翼を前後し、重心位置を調整するためテープ止めとします。

●尾翼は1mmスチレンペーパーで作り胴体に接着します。
水平尾翼を胴体の下側に接着するので胴体の斜めに削った方を上向きにします。
先ずは垂直尾翼を胴体の右側に接着、次に水平尾翼を接着します。

●テールフックを胴体に取り付けます。
ユニオンモデルで販売している物を使うか1mmワイヤー(鋼線)を曲げて作ります。
自作する場合はゴムを巻いたときにゴムが胴体に触れない形状にします。
フック部を左に少しねじる事でゴムが外れにくく、ワインダ−で巻いたゴムが取り付け易くなります。
試作機はつり道具店で購入したステンレス・バネ線の1mmを曲げて作りました。

胴体に手もみドリル等で1mmの穴を開けフック先端部を差し込み瞬間接着剤で止めてから糸を巻きます。
更に上から瞬間接着剤をしみ込ませ固定します。
A40Suテールフック

A40Su胴体頭部・右下 A40Su胴体頭部・左上 ●胴体頭部にスラスト角を付ける。
プロペラの右サイドスラスト。
同じく下ダウンスラストを付ける。
厚さ0.5mm・巾3mmの紙。(名刺等)
右側面及び下面に貼り付け左側面及び上面を削りコメタルの角度を振る。
●プロペラのスラスト角はとても重要です。特に右サイドスラスト角は敏感ですので慎重に付けます。
ダウンスラストはコメタルについてますが不足気味なので追加します。
コメタルの軸受け部分にガタがあり、ゴムのテンションで戻され気味になるので少し多目に付けます。

●プロペラ・アセンブリの組み立て。
プロペラを組み立てる前にプロペラブレードのバリ取りをします。 600番程度のサンドペーパーでブレード外周のバリを磨きとります。
次にプロペラのバランス取りをします。
プロペラをシャフトに通し、手で軽く回して軽い方のブレード裏にテープ等を貼りバランスをとります。
(最初からバランスがとれていればテープを貼る必要はありません。)
A40Suプロペラ・アセンブリ ●シャフトにコメタル、ベアリング、プロペラの順に通して組み立てますがプロペラは空転式です。
プロペラハブ先端の空転装置が上手く動作するようにバリがある場合には削り取っておきます。
空転装置にシャフト先端をL字に曲げて引っかかるように組み立てます。(写真左)

●市販のシャフトはフックが円形に曲げてあるためゴムを巻くとゴムが横滑りして外れる事があります。
これを防ぐ方法としてフックを左に少しねじっておくと外れにくくなります。(写真右)
反対にねじると外れ易くなるので注意して下さい。
A40Suシャフト・フック

●コメタルを胴体に取り付け、ゴムを装着します。
ゴムはブレークインを充分行った物を使います。2ループ(4条)で少したるむ程度の長さに調節します。
ワインダ−を使って巻くのでエス管を後ろ側に付けます。ゴムのつなぎ目コブは後ろ側にします。
A40Suテールフック廻り A40Suコメタル廻り ●コメタルにスラスト角がついているか確認します。
スラスト角は飛行テストで微調整します。

●重心位置の確認。
重心位置は主翼前縁から45mmの位置です。
図面を参照して主翼下面にサインペンで印を付けピンセット等の上で重心位置を確認します。
重心位置が合ってない場合はマスキングテープを剥がし、主翼を前後して修正します。
A40Su重心位置を合わせる

●接着剤について・・。

発泡スチロール用接着剤の主成分は酢酸ビニル樹脂です。 酢酸ビニル自体にはスチロールを接着する接着力は殆どありません。
スチレンペーパーが接着出来る原理は「母材溶解」と言う原理を使っています。
「母材溶解」とは接着剤に含まれる溶剤にスチレンペーパーを溶かす性質の溶剤が少量含まれており、 スチレンペーパーの表面をわずかに溶かし、酢酸ビニル樹脂と融合する事で接着されます。
従ってむやみにアルコール等で薄めると溶剤バランスがくずれ、ほど良い母材溶解が行われなくなります。
Sony-Cler発泡スチロール用接着剤 Sony-Cler接着剤の成分表



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