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講習会スカイスクリュー

最終更新日2005年04月03日

●指導者用マニュアル

スカイスクリュー完成品 先日行われた小学生高学年を対象とした模型飛行機講習会の経験をふまえて指導者用マニュアルを作成致しました。 今回の教材は株式会社ヨシダのスカイスクリューを使いました。

●スカイスクリューを教材に選んだ理由
  • 簡単に作れる
  • 調整が不要
  • 水平に放しても上に向かって飛ぶ
  • 狭いスペース(一般家庭の部屋など)でも飛行可能
  • 異常な加速をしない
  • ゴムが解けると落下してくる(不意に滑空して無くす事がない)
   等、安全性と扱い安さ、限られた時間内で完成させるためです。

●用意する工具類

道具類
共同で使う工具
キリの先端
キリの先端
四角い断面形状
●工具は共同で使えば良いでしょう。
4人〜6人程度のグループに分かれ、各テーブルに1セット用意すれば充分です。 キリは危険なので指導員が持って回り使うようにし、テーブルに置かない方がよい。
  1. キリ(てもみ、柄が短く細いものが使いやすい)
  2. ラジオペンチ
  3. はさみ(工作用)
  4. サンドペーパー(150〜250番程度)5cm角に切った物
  5. 両面テープ(紙製、手芸工作用5ミリ巾)
  6. 接着剤(木工用)
  7. 物差し(20センチ程度)
  8. 鉛筆
  9. サインペン(カラーマーカーなど)
  10. ティッシュペーパー
キットはホチキスでパッケージしてあります。開封したら危険ですのでホチキスのタマを必ず回収します。
作業中に部品を無くしたり勝手にいじって組み立てたりする子供がいるので注意しましょう。
各テーブルで出来た子が出来ない子を指導し、お互いに教え合う様に指導します。
そんなこんなで最良の方法は事前に開封し部品をまとめておき、各作業ステップで配布する方が良さそうです。

●実際に作ってみる

シャフトの先端
シャフトの先端
ペンチで曲げる
ペンチで曲げる
ヒートンの位置
ヒートンの位置
●手順
  1. 胴体にヒートンをねじ込む。 予め胴体には小さな穴が明いているのでこれにヒートンを立ててねじ込みます。 ヒートンの口元を少し広げておくとゴムの装着が楽になります(指導員が行って下さい) 口元が後ろ向きになるようにセットします。
  2. 竹籤を胴体に通す。 予め明いている穴が小さく竹籤が通りにくい場合があります。 竹籤の先端をサンドペーパーで面取りをして差込ます。 それでも入らない場合は竹籤を通す穴を広げます。 予め明いている穴をキリで両側から少し広げ竹籤が通るようにします(指導員が行う
  3. 竹籤を差し込む。 竹籤の中央部、左右から9センチ振り分けです。物差しで計り鉛筆で印をつけます。 接着剤を竹籤に塗布し差し込ます。 出来上がったら接着剤が乾くまで手を触れないで下さい。
  4. 翼紙を切る。 はさみで紙を切りサインペンで名前を書きます。 持ち主を識別する目的ですので絵を描いたり色を塗ったりすると良いでしょう。
  5. 翼紙を貼る。 両面テープ長さ16センチ・巾5ミリを角材(胴体)に貼る。 両面テープ長さ8センチ・巾5ミリを翼紙の竹籤に巻き付ける糊代部に貼る。 胴体に貼った両面テープの離刑紙を剥がし、翼紙を貼る。 翼紙をテーブルに置き、上から胴体を乗せると上手く行きます。 翼紙に貼った両面テープの離刑紙を剥がし竹籤に巻き付けます。
  6. プロペラの組立。 プロペラの縁にバリが有る場合はサンドペーパーでバリ取りをして下さい。 シャフトをコメタルに差込プロペラも差し込む。向きを間違えないように注意して行って下さい。 シャフトの先端5ミリ程度をラジオペンチで折り返す。(指導員が行って下さい) 折り曲げは直角よりやや鋭角気味に曲げます。
  7. コメタルをスティックに差し込む。 向きを間違えないように、しっかりと奥まで差し込んで下さい。
  8. ゴムを付ける。 ゴムは一度いっぱいに引き延ばしてから使うとトルクが安定します。 ワセリンを少量塗ってから使うとゴム同士がくっつかなくなります。 図を参考にヒートンへ取り付けます。 反対側をシャフトへ付けます。 ゴムは梱包用のゴムバンドです、DIYの梱包材料コーナー等で入手出来ます。

●ゴムを巻いて飛ばす

先端の銀テープ ●体育館等室内で飛行させる場合
動力ゴムは1本で充分です。滞空時間を長くするにはプロペラトルクを制御する必要があります。 この機体は、機体自体が回転する事で安定していますが回転しすぎるとプロペラの推力が弱くなります。 だからといってゴムを強くすると一気に天井まで上がり天井に突き当たって落ちてきます。
竹籤の両端にテープを付け機体の回転を調整すると滞空時間が伸びます。
テープの長さを調節してバランスをとりましょう。 写真のような銀テープを付けると体育館の天井照明に反射してキラキラ光りきれいです。

20回巻きゴム ●ゴムの巻き方
水平に胴体をもち、たるんだゴムを後ろへたぐり20回程度巻く。
ひっくり返してコメタルを持ち100回程度巻く。

←20回巻いた状態(ゴムのたるみがとれる)
100回巻き込む  
下面を上にしてコメタルを持ちプロペラに指をかけてゴム巻きをする。
コブが平均に出来るように気を付けながら100回程度巻いていく。


←コメタルの持ち方
限界巻き
←限界まで巻き込んだ状態のコブ

これ以上巻き込むとゴムが切れます。

●飛ばして見る
スタートはプロペラを上向きにし、胴体の一番下とプロペラの先端を持ち、プロペラをそっと放してから胴体を放します。
投げたりしないで下さい。垂直に上昇して行くはずです。

スカイスクリューは飛行機と言うより竹とんぼ等回転翼の仲間です。コマのように回転する事で安定します。
一般的に物が安定するには重心が低い方が良いと思われますが、コマのような回転体は全く反対で、重心が上にあるほど安定が良くなります。 従って尻尾を付けたり、胴体後部におもりを付けるのは不安定の原因になりますので注意して下さい。


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Yasuu