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20040807 |
| 「Just The Right Bullets」Tom Waits |
| エドワード・ウェストンとアンセル・アダムスの展覧会を見てきました。 ここも9月いっぱいで休館してしまうらしいですね。まだ奥のスペースでコーヒーが飲めた頃、いつもアンケートに「リチャード・アヴェドンの個展をぜひ」と書き続けたけれど、ついに実現しなかったです。ここでは、シーフとかブレッソンとかリンダ・マッカートニーとか、僕の好きな写真家の展覧会をずいぶんと見たので、なくなってしまうのは残念です。いつ行っても、お客さんはほとんど入っていなかったから仕方ないのかな。この2大巨匠の組み合わせでさえも、僕が入ったときには貸し切り状態――しばらくして一人やってきただけでした。 いつもそうですが、ちょっと展示が散漫なんですよね。アンセル・アダムスの写真はとくに、プリントの色調もサイズもモチーフも撮影時期もすべてごっちゃになっていて、「ふーん」といった以上の感想はなかったです。 それにしても、どうして「ヘルナンデスの月」はあんな場所に飾ってあるんだろう? 昨日からアーヴィングの「第四の手」を読んでいます。アーヴィングのほかの小説と同じく、壮大なる嘘の羅列といったところで、うまく波に乗れて嘘が気にならなくなってくると、その背後にある人と人との関わりとか、登場人物たちの抱えているものが響き始めてくるんですが、暑いせいか集中できないときもあって、ぐいぐいと読んでいくというわけにもいきません。 でも、ここのところ翻訳ものも日本のものも、「世界中で○○人が泣いた」「現代の癒し」だとかいったことことばかり重視され、読み応えのある小説があまりないので、そこはさすがアーヴィングだと思います。 この小説は、「サイダーハウス・ルール」(よい映画です)と同様にラッセ・ハルストレムによって映画化されることが決まっているらしいので、そちらもどんなふうになるのか楽しみです。主役は誰がやるんでしょう? |
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20040808 |
| 「Sweetness」 Jimmy Eat World |
| 昔々、といってもたかだか十四、五年前のことなのだけれど、僕が写真集に興味を持ち始めた頃、まだネット通販なんてなかったし、円高になっているにも関わらず洋書店は強気な値付けをしていて(だから潰れちゃうんだよな)、ほとんどの写真集は一万円以上しました。だからなかなか手が出なかったです。 そんななか、フォトポッシェというシリーズがあって、これは版型は小さいし、選ばれている写真も微妙なところなのだけれど、一応はその作家の代表作を集めていて、それなのに2千円くらいで買えたから、10冊くらい買い集めました。クーデルカもクラインも最初に買ったのはこのシリーズです。当時は「アメリカンズ」も幻の写真集だったので、フランクとの出会いもこれが最初だったかもしれません。 でも、次第に写真家本人がテーマごとにまとめた意味というのを考えるようになり、装丁を気にし始め、できれば大きく印刷のよいもので見たいと思うようになったので、好きな作家はちゃんとした写真集を買い直していきました。 でも二人だけ、未だにフォトポッシェでしか持っていない作家がいます。その二冊を久しぶりに見直したら相当によくて、インターネットで検索してみると、そのうちの一人はちゃんとした写真集が手に入るみたいなので、買うことにしました。 懐かしい写真に再会したせいか、ライカを手にして街を撮り歩いていた頃のことを思い出してしまいました。 まだ日があるうちはずっと街で写真を撮り、日が沈むと洋書屋さんに行き、ときには装丁が気になるものを、ときには名前を聞いたことがあるものを、ときにはAから順に手当たり次第に、胸のときめきを抑えることもなく写真集のページを捲りました。そこには思わぬ出会いがあったし、買わなくても刺激を与えてくれるものが多かったです。自分がどんな写真を撮っていきたいのか、そういった方向性を模索するよい機会でした。 タワーレコードなんかに行くと、「ここにはまだ自分が耳にしたことがない音楽が山ほどあって、その中には人生を変えるようなものもあるんじゃないか」と思うことがあります。未だ見ぬ写真集のなかにも、そんなものがあるといいんだけれど。 |
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20040809 |
| 「Edge Of Seventeen」 Stevie Nicks |
| 1.わりに長い付き合いの人と久しぶりに会うとき、「うわ、老けたな」なんて思うようだと辛いんだけれど、逆に元気そうな姿を見て「変わらないなぁ」と思えると、すごく嬉しくなりますね。 2.Radioheadの「Scatterbrain(As Dead As Leaves)」をウォークマン(もちろんipodなどでも可)で聴きながら人混みを歩いていると、すごく不思議な感覚に襲われます。どんな感覚かは説明しにくいので、ぜひ一度試してみてください。自分と接点の少ないタイプの人が多くいる場所がお勧めです。 3.ここのところ、マンゴーにはまっています。「松紳」の影響ではなく、南国への旅が続いたせいだと思います。千疋屋のパフェも食べましたし、今日もアメ横で買ってきました。 僕は田舎育ちのせいで、子供の頃は「お菓子なんて勿体ないから、果物でも食べていろ」といった感じだったのだけれど、東京に住んでいると果物を食べるってすごい贅沢ですよね。でも野菜の季節感が薄らいでしまった現代で、まだ果物にはいくらか季節感があるので、たまに食べると気分がよいです。 |
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20040810 |
| 「Policy Of Truth」 Depeche Mode |
| 千葉に住んでいる友だちが、会社でチケットをもらったということで、マリンスタジアムに野球を見に行ってきました。パ・リーグの公式戦も、屋根のない球場でのナイターも初めての体験でした。 マリンスタジアム名物の海から吹いてくる風は気持ちいいし、売り子さんから買って飲むビールは美味しいし、試合も5−4でホームチームのロッテが勝って、気分がよかったです。テレビのほうが試合の流れや球種なんかはよくわかるんだけれど、球場で観るほうがずっと気分はいいです。映画館とビデオの違いに似ているかもしれません。 松井選手などの活躍を伝えるニュースを見ていると、いつか一度くらいメジャーリーグのデーゲームを観てみたいと思います。 写真がらみで旅は好きだし、ジムに通って身体も鍛えているし、部屋にいるよりは外を散歩するほうを好むけれど、全体的には決してアクティブとは言えない日々を送っているので、たまにはこういった機会があるといいな、と。 ほろ酔い気分で部屋に戻ってきて、近鉄合併のニュースを見ていたら、頑張っていた選手や、必死になって応援していた人たちの顔が浮かび、複雑な心境になりました。立場もあるにせよ、怒りを露わにしていた古田選手は立派だと思います。 3時間かけても試合が終わらなかったり、買った負けたと騒いでみたところで年間に140試合もあったり、野球というスポーツが時代の流れで淘汰されて人気がなくなっていくのは仕方なくても、理不尽な力や、一部の人の思惑によって未来が黙殺されていくのは残念です。 |
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20040811 |
| 「Stanley Kubrick」 Mogwai |
| この人が出ていたら、設定や監督やバジェットや共演者には関係なく、とりあえず観ておこうと思う俳優がいます。トム・クルーズはもちろんその筆頭で、ほかに有名なところだとユアン・マクレイガーやジュード・ロウ、ケヴィン・スペイシー、ジョニー・ディップなどもそうです。 このクラスになると、脚本にしっかり目を通して、自分の納得のいく作品にしか出ないのがふつうです。だからわりに安心して観られることが多いんですよね。 ただ、このなかでジョニー・ディップって、よくわからない基準で映画を選んでいるような気がするのは僕だけでしょうか。「レジェンド・オブ・メキシコ」を観て、どうも納得がいきませんでした。「パイレーツ・オブ・カリビアン」までは、きっとジョークだろうと笑っていられたのだけれど。 もともとは「マイナーだけれど中身のある小品」といったタイプの映画をしっかり選んでいたのに、たまに「え? これジョニー・ディップが出る意味あるのかな??」と思うような作品が増えてきて、「きっとブラッド・ピットみたいに、これはお金を稼ぐ映画、これは監督のために出る映画、これは賞を狙って出る映画、これは自分の知名度を貸してやる映画、といったふうに考えているに違いない」と思っていたんですが、いつしかダメ映画のほうが割合が増えている気がします。でも次も観ちゃうんだろうなぁ。 ぼくの、ジョニー・ディップが出ている映画ベスト9 1.ギルバート・グレイプ 2.デッドマン 3.妹の恋人 4.シザーハンズ 5.ショコラ 6.アリゾナ・ドリーム 7.スリーピー・ホロウ 8.ブロウ 9.耳に残るは君の歌声 ここから下は、けっこう無惨。 |
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20040812 |
| 「Painbirds」 Sparklehorse |
| DVDやCDのおかげで、古いアルバムや映画が再発されることはよくあります。昨日の夜も、ウディ・アレンの「インテリア」を観て、ケヴィン・エアーズを聴きました。 それとは事情が違うんでしょうが、「幻の写真集」のような扱いになっていてプレミアが付き、とてもじゃないけれど手が出なかったものが、けっこうばたばたと再版されています。それも数千円なんですよね。ネットの普及によって市場が確立されたとか、そんなことも関係あるんでしょうか? 理由はともかく、すごく嬉しいです。 名作もふつうに手に入るようになって、いまプレミアが付いて幾らになっているかとか、どれくらい希少かといったことではなく、その内容や思い入れで写真集について語り合えるようになれたらいいなと思います。 音楽が好きな人同士で集まると、初めて買ったレコードだとか、無人島に持って行く一枚だとか、最近のお気に入りだとか、今年のベスト3だとか、そういった話題になることが多いです。数千円で買えるなら、CDとそんなに違いはないわけだから。 CDでオリジナル・ジャケットでの復刻があるように、「決定的瞬間」もオリジナルの装丁で再版されたらいいな。 |
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20040813 |
| 「Bizarre Love Triangle」 New Order |
| 一時期、ポストカードを集めていたことがあります。写真集を買うよりは安いし、もともと僕はポストカードにできるような写真が撮りたいと思っていたので。あのサイズで成立する写真って、簡単なようでけっこう難しく、いろいろと学ぶこともあったように思います。 ただ、「絵葉書みたいな写真ですね」って、かなり微妙な褒め言葉で、どちらかといえば「きれいではあるけれど、どこかで見たような写真で、中身がない」といった意味で使うことが多いですよね。 オン・サンデーズ(青山にある老舗の洋書店)に行くと、写真家別にポストカードが並んでいて、観ているだけでもけっこう楽しいです。ブレッソンが上海を撮った写真とか、どうしてこんなのをポストカードにするんだろうと不思議なものもあります。 さっきポストカードを整理していたのですが、人にもらったものとか、写真展のDMとかも併せると、400枚くらいありました。いちばん好きなのはマリー・エレン・マークが撮ったウディ・アレンの写真です。いまでこそエレン・マークは「現代のダイアン・アーバス」のような扱いになっていますが、もっとも尊敬する作家はブレッソンと答えていて、この写真を見ると「なるほど」と納得できます。 ちなみに二番目に好きなのは、ジャック・ピアソンの写真展のDMで、これは写真展としてもすごく印象に残っています。「もし僕が生涯に一枚だけ誰かにポートレートを撮ってもらうなら、アヴェドンかピアソンがいいな」と、そのときは思ったくらいです。 でもアヴェドンはともかく、ピアソンには脱がされちゃいそうだから……と考えたのがジムに通い始めたきっかけ(嘘)。 |
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20040814 |
| 「Games Without Frontiers」 Peter Gabriel |
| 夜中に急に目が覚めて、それからしばらく眠れなかったためにテレビをつけたら、「大脱走」をやっていました。最初のうちはマックィーンの声に違和感があったのだけれど、それも慣れてきて、途中からはかなり真剣に観てしまいました。この映画を観るたびにA−2が欲しくなります。ちょっと短めのチノパンとか、七分袖のスウェットシャツとか、すごく格好いいです。あのベッカムも「マックィーンの着こなしを参考にしている」と言っているくらいですからね。 僕が映画って面白いものなんだなと最初に思ったのは、子供の頃に兄と一緒に観た「パピヨン」でした。たしか小学生でした。いま考えると、よく小学生であんなに重苦しく長い映画をじっと観ていたと感心してしまうのだけれど。 「パピヨン」は大人になって見直して、子供の頃とはべつの映画に感じられました。子供の頃には、島から逃げられるかどうかを焦点としたアクションかサスペンスみたいに思っていたんでしょう。 「大脱走」を観てあらためて感心したのですが、マックィーンはどんな役をやらせてもビシッと決まっているところが素晴らしいです。トランプを持っても銃を持ってもハンドルを握っても、ほんとうにサマになっています。知人のガン・マニアによれば、俳優のなかでもトップクラスで銃の扱い方がしっかりしているらしいです。もし写真家の役をやったら、どんなふうにカメラを構えたのか見てみたかった。 |
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20040815 |
| 「Sunday Morning」 Velvet Underground |
| けっこう夢中になってオリンピック中継を見てしまいました。 前回のオリンピックのときには何をしていたんだろう……と考えても、思い出せることはあまりなかったんですが、中田選手がPKを外したときに静岡の温泉にいたことだけ思い出しました。隣の部屋から、「なにやってるんだよ!」と声が聞こえてきたんだよな。 ちょっと話は変わりますが、アトランタ・オリンピックのとき、アニー・リーボヴィッツが選手たちを撮り下ろした写真集があります。企画ものということで時期外れのいまとなっては、プレミアが付くどころかバーゲンですごく安く売られていることは多いのですけれど、なかなかよいです。 それまでアニーというと、セレブに変わった演出をすることで知られていたんですけれど、このちょっと前から人間の内面をしっかりと捉えるようになっていて、のちの傑作「WOMEN」に繋がっていくものです。 スポーツを撮るからといって望遠レンズで……という安易さはなく、そういう点もすごいなって思います。依頼する側も、もちろんアニーも。 願わくば、ウェーバーが撮ったオリンピック選手の写真集も見てみたかったけれど、あまりにはまりすぎていて面白味はないかもしれませんね。 ところで、ギリシャ出身の有名な写真家ってのはいないんでしょうか? ギリシャのロック・ミュージシャンってのも思い付かないです。 すごく知りたいというわけでもないのですが、ご存じの方がいたら情報を。 |
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20040816 |
| 「Twisted Tenderness」 Electronic |
| 仕事先で、「ウチダさん、ポール・オースターって知ってますか?」と聞かれました。知ってるもなにも……と思いつつ理由を尋ねたら、ぼくの「ライカとモノクロの日々」を読んで、読後感が近かったのだそうです。 誰かに似ていると言われるのは、たとえブレッソンでも複雑な心境なのですけれど、写真じゃなく文章で、さらにオースターとなれば話は別です。 それに、ぼくがあの本を書いたのは、オースターをそれほど読んでいない時期だったから、影響を受けたと言うよりも、もともと大切にしているものが近いのかもしれないと(前向きに受け止めて)、すごく嬉しかったです。 その人は、オースターの作品のなかでは「幽霊たち」がいちばん好きらしいです。 |
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20040817 |
| 「Smills Like Teen Spirit」 Nirvana |
| VH1が中心となって「一位になれなかった曲ベスト20」を選ぶという企画があったみたいです。インターネットのニュースで見ました。一位になって当然なのにチャンスを逃がした曲ということで、ほかにもっと強い曲があったとか、長く売れたけれど瞬発力に欠けたとか、いろいろと理由があるんでしょう。 このベスト20のなかには、「Smills Like Teen Spirit」「With Or Without You」「Livin' On A Prayer」「Take On Me」といったところも入っています。どれも「えっ、一位になってないの?」と驚くくらいの曲ですよね。 「Take On Me」は80年代のコンピレーションを作ったら真っ先に選ばれるし、「Livin' On A Prayer」が収められたアルバムは長く一位に座り続け、その後しばらくは世界一ギャラの高いバンドとして君臨していました。「With Or Without You」はアルバムとともに、ロック史上最高の名盤としていくつかの雑誌で選出されています。「Smills Like Teen Spirit」に至っては、この企画と同じくVH1による「ロック史上最高の名曲はなにか?」というアンケートで一位に選ばれていたはずです。 オリンピックを見ていてもそのことは強く感じるけれど、一位をとるって大変なものなんですね。音楽のほうは、ときとして一位よりも長く記憶に残る二位もあるわけですが。 せっかくだから、これらを抑えて一位になっていた曲も併記してくれると面白かったのにな。 |
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20040818 |
| 「Song 2」 Blur |
| 日本とキューバの野球の試合を見ていたら、ホームランを打ったときに会場に流れる曲が「Song
2」だと気づきました。誰が選んだのかわかりませんが、すごく好きな曲なので、ちょっとした喜びでした。 どんな曲だかわからないけれど興味があるという人がいたら、映画「チャーリーズ・エンジェル」の1(フル・スロットルじゃないほう)を観てみてください。ドリュー・バリモア(*)が「マトリックス」ばりのアクションで敵を倒していく場面で流れているのがそうです。 「マトリックス」のラスト・シーンで流れるマリリン・マンソンとか、「バッファロー’66」のイエスも映像と合っていてすごくかっこよかったけれど、それに負けてないと思います。 この曲は、オリジナル・アルバムでは2曲目に収められているんですが、1曲目の「Beetlebum」も素晴らしい曲ですし、お勧めです。 *最初にこれを書いたとき、間違って「ルーシー・リュウが」と書いてしまいました。もしビデオを観て、「あれ、おかしいな。どの曲なんだろう?」なんて迷った人がいたらごめんなさい。 |
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「You're Lost, Little Girl」 The Doors |
| 用があって上野の不忍池のそばを歩いていたら、すごくきれいな女性に声を掛けられました。「きっと怪しい勧誘だ」とか、もしかしたら念願の「お願い、追われているの。私と一緒に逃げて」のパターンなのかな、などと一瞬だけ考えてしまいました。ああいったときって、驚くほど頭が早く回転します。 でもどっちでもなく、彼女は韓国から来た旅行者で、上野駅に行きたいのに道に迷ってしまったようでした。もう一人の相棒らしき女性が、すぐ近くに座り込んでいました。二人してガイドブックを広げて、「ここに行きたいんだ」と必死に訴えてきます。 月カメに掲載した旅行記で書いたように、ぼくは昨年の夏にソウルで道に迷って、とても親切にしてもらった経験があります。それもあって、あまり時間がなかったのだけれど、「いまいるのがここで、この道を少し行ったら戻るように左に曲がって、あとはその道に沿って歩けばすぐだから」と、片言の英語で説明しました。 ただ、不忍池から上野駅って距離はそれほどでもないのに、かなり説明しにくいから大変でした。しばらく、「ちゃんと上野駅に行けたかな……乗り場が多いけれど間違っていないかな」と心配でした。 それにしても、あのガイドブックは「地球の歩き方」にそっくりだったし、上野駅も「上野駅」と書かれていたのだけれど、どうしてなんだろう? 旅先で、ぼくもいろんな人に道を訊いてきましたが、みんな面倒くさがらずに一生懸命に教えてくれました。自分の本のページを破いて地図を書いてくれた人もいれば、けっこう長い距離なのに途中まで一緒に歩いてくれた人もいます。マーク・ボランがぶつかって死んだ樹の場所を尋ねたおじさんは、「この道を真っ直ぐ行ったところだから、君が見えなくなるまでは、ここに立っているからね」なんて言ってくれました。 そんな人たちに支えられてきたので、人に道を訊かれたら、どんなに急いでいてもちゃんと教えてあげたいなって思います。偽善とかじゃなくて、それだけは。 「ちょっとすみません」なんて言われて立ち止まると、クリスチャン・ラッセンとかヒロ・ヤマガタとかの絵を売ろうとしている人だったりして、悲しくなることもあるんだけれど。 さて、この話には、いくつの教訓が含まれているでしょう。 |
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20040819 |
| 「Believe」 Smashing Pumpkins |
| どうしても21ミリが必要になりました。エルマリートを持っているんですが、あれは写りはよいのだけれどデカくて重いし、Lマウントでも使えるほうがいいので、フォクトレンダーのものを買いました。近くにいた人がじーっと見ていて、「いや、これ違うんです。ちょっと必要になっただけで、間に合わせみたいなものですから」と、心の中で言い訳をしてしまいました。自意識過剰なのかなぁ。 でも、前に日本橋のカメラ店でM2を買ったら、あとから来る客に「ウチダは安いM2を買っていった」と喋りまくったようで、いろんな人から「ぼろいライカを安く買ったらしいですね」とか言われました。だから先に書いちゃいますけれど、必要に迫られただけで、とくに気に入って買ったわけじゃないから、「よし、俺も」などと考えないでくださいね。写りが気に入らなかったりしても、ぼくのせいじゃないですから。 今日はすごく日差しが強く、しばらく銀座を歩いていたら、中途半端に伸びた髪がうっとうしくなってきて、飛び込みで美容室に入りました。行きつけがないと、こういうときには便利です。飛び込みと言っても、いつも前を通りがかっていて、雰囲気とか内装は印象がよかったんです。でも銀座で髪を切るなんて、なんとなく贅沢な気がするし、気恥ずかしいので入ったことはありませんでした。 ぼくの担当をしてくれた美容師さんは、たぶん40代の半ばくらいだと思うんですが、写真を撮るのが趣味だそうで、ライカの一眼レフ(R−E)を使っているらしいです。「ネガを使うなら露出はオーバー気味のほうがよいですよ」とか、「やっぱポジで撮ると気分はいいですよね」なんてふうに話が盛り上がって、ずいぶんとゆっくりしてしまいました。 その美容師さんは、「デジカメが主流になってカメラ雑誌なんて読んでいてもつまらないし、写真の喜びってああいうものじゃないですよね。こだわるところがなくなったら、喜びもなくなってしまう」なんて言っていて、嬉しかったです。 実を言うと、ぼくはその店に入る前に、安く早く切ってくれる店にしようかと考えて迷ったんです。どうせ髪なんてすぐ伸びるし、仕上がりだってそんなに違わないって聞くから。でも丁寧にマッサージしてくれたり、髪型についての相談も聞いてくれたし、ほかの店員さんも気さくに話しかけてくれたりして、少し高かったけれど気分がよかったので、「ここにしてよかった」と心から思いました。ぼくにしては珍しく、ちょっと思い切った髪型なんですが、仕上がりも気に入っています。「少し涼しくなってきたら、次はこんな風にしましょうよ」なんて言ってくれたりして、これから通ってもいいなと思っているくらいです。 手間を省けるとか、コストが安いとか、いまの主流だとか、そういったことでは割り切れない喜びってあると信じたい。 |
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20040820 |
| 「Yawn」 AIR |
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20040821 |
| 「Clocks」 Coldplay |
| 前に書いた写真教室の第一回目でした。映画と旅行が好きだという生徒が多くて嬉しかったです。「どんな映画が好き?」とか、「どこか好きな街はある?」とか、話を掘り下げてたくても、時間が足りないのが残念。 友だちがミニ(車のほう)を買ったので、そこで聴くためのMDでも編集してくれと頼まれて、選曲に頭を悩ませています。やっぱりブリティッシュ・ロックが中心になるんでしょうが、どれくらいのテンポの曲がしっくりくるのか、よくわかりません。 とりあえず、一曲目は「Clocks」で、最後は「Because」かな、と思っているけれど、決まりすぎかな。 |
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20040822 |
| 「You Don't Remember,I'll Never Forget」
Rising Force |
| 群馬に行ったらゴーヤを置いている店が何軒かあって、不思議に思って訊いてみたら、「最近は、この辺で自家栽培しているところも増えているんですよ」と言っていました。 ゴーヤを育てるのにどんな気候が最適なのか、ぼくにはまったく知識がないのだけれど、沖縄の作物という印象があったので、沖縄と群馬の共通点ってなんだろうと考えてしまいました。 最初にホヤを食べた人はエライとよく言いますが、ゴーヤもなかなかのものだと思うな。見た目といい、味といい、知らなかったら「絶対に食べちゃいけないもの」だと思ってしまいます。 とは言え、ドリアンほどじゃないですけれど。 いまフィルム現像をしながらですが、「アポロ13」を観ていました。最初から観られなかったけれど、二度くらいは観ている映画なので問題ありません。 「スピードマスターって、いまじゃ電車のなかでいちばん多く目にする時計のひとつだけれど、ドラマがあっていいよなぁ」とか、「トム・ハンクスの映画で最後に泣いたのは何だっただろう」とか、「『ケヴィン・ベーコンの6段階』でいうと、ブラッド・ピットはいくつなのか」とか、現像タンクを振りながらもいろいろなことを考えてしまいました。 ちなみに、ぼくはこの映画のラストシーンが大好きです。ベタだけど、それでも。 最近のノンフィクション映画って、必ずと言っていいほどエンドロールの前に「○○はこれから13年後に交通事故で他界。××は南の島で余生を過ごして86歳で息を引き取り、息子は現在もNASAで勤務している」とかって字幕が出るんですが、そういうのにくらべればずっといい。 |
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20040823 |
| 「ばらの花」 くるり |
| 惜しくもメダルには手が届かなかった土佐選手ですが、「ずっと負けてきているから、負けることは怖くない。負けることに慣れて、あきらめることのほうが怖い」という言葉は、いろいろなことに置き換えられそうな重みのある言葉ですね。 まだもう少し先ですけれど、「コラテラル」が封切りになります。地下鉄の駅でも大きなポスターを見かけますし、昨日もメイキングの一部がテレビで紹介されていました。「マイノリティ・リポート」のときは事前の情報が多すぎて、楽しみが減ってしまった部分もあるので、今回はなるべく情報を持たずに見られるように努力しています。 とは言え、監督が「ヒート」とか「インサイダー」といった、ぼくのあまり好みでない映画を撮っているマイケル・マンだということは伝わってきています。 「ヴァニラ・スカイ」や「マグノリア」のなかでも人の汚れた部分は演じていたものの、ほんとうの悪役は初めてのはずだから楽しみです。デンゼル・ワシントンの「トレーニング・デイ」みたいにならなきゃいいけど。「大都市の夜を舞台に、スタイリッシュな映像によって描かれるアクション・ムービー」なんて、かなり怪しい宣伝文句が気がかり。 |
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20040824 |
| 「The Boy's Of Summer」 Don Henley |
| 熱狂的というほどではないけれど、そこそこの阪神ファンという人たち――つまり球場には滅多に足を運ばないものの、会社から帰ったらビールを飲みながらテレビに向かって「何やってんだ、赤星ッ! そこで打ち上げてどうするんだ。足を活かすために転がせばいいんだよ」(*)とか言っているような人たち――は、いま次のうちどれに当てはまる状況なのでしょう。 1.オリンピックのことなどほとんど頭になく、阪神のAクラス入りを信じて(もしかしたら優勝を信じて)応援している。 2.阪神のことよりも、オリンピックに派遣された安藤投手と藤本選手を応援している。 3.阪神ファンであることをしばし忘れ、全日本の応援をしている。 4.全日本の応援をしつつも、阪神キラーとして知られる三浦大輔投手の姿を見ると、苦々しい気持ちでいる。 5.野球のことよりも、オリンピックに夢中。 6.来年、阪神が優勝するにはどうしたらいいか、そのことばかり考えている。 7.去年と85年のビデオを見直している。 8.(西武だってそうなのに)「ほかのチームは二人なのに、阪神だけは三人だもんなぁ」(*)と、オリンピックのせいにして嘆いている。 9.その他 *関西弁で書けなくてすみません。頭の中で変換してください。 |
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| 「I Wanna Know What Love Is」 Foreigner |
| ちょっとした取材を受けてから、知人の写真展を見に行きました。その勢いに任せて二駅くらい歩いていると、たまにしか寄らないギャラリーでヘルムート・ニュートンの写真展をやっていました。何も知らずにこういうのに出会うと、すごく幸せな気持ちになります。規模は小さいのだけれど、その分だけ世界に浸ることもできてよかったです。ヘルムート・ニュートンの写真に特別な思い入れはないんですが、とにかく写真を撮るのが好きで楽しんでいたんだなと感じられて嬉しくなりました。ベタ焼きのなかの最後のほうのコマで、モデルと一緒に記念写真を撮っていたりして。 たぶんそれが刺激になって、近くの書店で洋書を一冊買いました。ほんとうは注文している写真集が届く頃なんですが、少し遅れそうだというメールが届いていたんです。その洋書のページを捲りながら、「早く秋にならないかなぁ」と。 栗が食べたい。コートが着たい。もう汗をかきたくない。 |
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20040825 |
| 「Dust In The Wind」 Kansas |
| 原稿を書いていたら現実逃避したくなってきて、ビデオで「ペイチェック」を観ました。内容に触れるので、これから観る人は読まないほうがよいと思います。 「未来を予見する(のは幸せなのか?)」ということをテーマのひとつとしている点で、「マイノリティ・リポート」と似ている部分があります。スピルバーグが各界の専門家を集めて、未来都市についてのヴィジョンを描かせたというのに対して、ジョン・ウーって昔からそういうところはおおざっぱだから、メカが出てくる場面になると急にしょぼくなります。あんまりお金もかけていないのか、質感もいまいちなんですよね。何のかんのいっても、やっぱり入力はキーボードを使っているし……。 ほかにも矛盾の多さは相変わらずで、超ご都合主義なんだけれど、それなりに楽しめました。結局は銃を投げ捨てて殴り合うシーンなんて、「M:I−2」とまったく変わっていなくて、「ああ、ジョン・ウーだなぁ」と涙が。お約束のアレも登場します。 もしジョン・ウーの映画を観たことがないという人がいたら、「M:I−2」「フェイス/オフ」「男たちの挽歌」の三本はぜひ。 |
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20040826 |
| 「One More Cup Of Coffee」 Bob Dylan |
| ちょっと別のことを考えていたせいで、いつもよりも5キロ重いバーベルを使っていたのに気付かず、わりにふつうに持ち上げていました。これはトレーニングの世界ではよく知られた話で、慣れてしまったり、先に自分で限界だと思いこむと、それよりも上のレベルがこなせる実力が備わっているのに、いつまで経っても進歩できないものなのです。 自分で先に限界だと思わないこと、常に少し上を向いて歩くこと、それが自分を押し上げるうえで大切なことなのです。 なんてエピソードを、自信たっぷりに講演会で話すスポーツマンみたいになりたいと思うのは、今日これから写真教室の第二部だからです。 写真ってどうしても技術的なことをないがしろにはできないし、ちょっとは機材のことも触れなきゃいけないし、とはいえ難しいと思われてしまったら残念だし、いろいろと気を遣うので大変です。 でも、ぼく自身も忘れかけている何かを思い出させてくれることも多いんですよね。ボランティアじゃなくて仕事だから偉そうなことは言いませんが、あとに続く人たちに何かを伝えていくのも、これからの写真家の役割だと思います。 昨日の日記にあんなことを書いていたら、どうしても「M:I−2」を観直したくなって、借りて来ちゃいました。トム・クルーズの代表作はほとんどDVDを持っているんですが、「7月4日に生まれて」と「レインマン」とこれだけは持っていないのでした。この三作がほかの作品と較べて劣るからではなく、たまたま買う機会がなかっただけです。 本編が始まって8分くらいのところで、例のテーマ曲が流れてきます。その場面――予告編でも使われていたサングラスが爆発するところ――のかっこよさは涙ものです。 でもぼくがいちばん好きな場面は別にあって、秘密基地に救出に行って燃えさかる炎のなかをスローモーションで横切る場面です。そこだけでも観る価値はありますのでぜひ。 「あれだけ警備が厳重なところに、どうしてあんなに鳩がたくさんいるんだろう」とか、「救出に来たのだからすぐに飛び込めばいいのに、横切ってどこかべつのところに行ってしまうのはなぜだ」なんて細かいことを言っていると、ジョン・ウーの映画は楽しめませんよ。 |
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20040827 |
| 「Home And Dry」 Pet Shop Boys |
| 用事があって高円寺に行ったら、やけに人が多くて、不思議に思っていたら阿波踊りなのでした。カメラを手にしたおじさんもいっぱいいました。ぼくもライカを持っていたのだけれど、一枚もシャッターを切らずに帰ってきました。 考えてみたら、ぼくは祭りって真剣に撮ったことがありません。犬はたまに撮るけれど猫にカメラを向けることも少ないし、歩行者天国で写真を撮ることもほとんどありません。花もあまり撮らないし、山を撮った記憶もないです。損しているのかな。 昼に喫茶店みたいなところでオムライスを食べようと思って、料理が出てくるのを待っている間に、女性ファッション雑誌のページをぱらぱらと捲っていました。「もう脚長パンツしか欲しくない」だとか、「今年の秋はベージュのグラデで」なんて特集に混じって、「男の人に好かれる話題ベスト50」みたいな記事がありました。 それによれば、男はサッカーの話がいちばん好きで、「中田ってユベントスに強くてゴールを決めちゃうのよね」と言うと通のフリができる、と書いてありました。 男の読む雑誌にも似たような企画があるんですが、「お互いにバカみたいな努力は止めて、本音で話し合いましょう」となったらいいのに。 |
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20040828 |
| 「Life In A Glass House」 Radiohead |
| 「村上春樹の小説で最初に読むのは何がお勧め?」とか、「レディオヘッドを聴いてみたいんだけれど、一枚だけ貸してよ」とか、そういうことを言われるとすごく悩みます。 最初の出会いがよくないと、「自分には合わないみたいだ」と思ってしまうこともあるだろうし、いずれもいろいろな作品があるので、「誰がなんと言おうと、これしかない」というものを選ぶのが難しいです。 ・デビュー作こそ最高傑作であると考えている ・いちばん売れた作品をとりあえず ・最新作がいい ・ファンの間で最も人気が高いものを ・ひねくれているので、いちばん評判が悪いものがいい なんてふうに、本人の意志がある程度はっきりしているとありがたいです。 ぼくはCDや小説の場合だと、最高傑作とされるものとデビュー作を最初に買って、そこで何か感じるものがあったら、最新作と「評価はまっぷたつ」なんてものを選ぶことが多いみたいです。 友人にそのことを話したら、「任せるよ」ということだったので、「ザ・ベンズ」と「TVピープル」を貸してあげました。どんな結果になっても知りません。どっちも、いちばん最後に収められたもの(曲と小説)がとても好きなのでした。 |
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20040829 |
| 「Can Take My Eye's Off You」 Boys Town Gang |
| 新潟に撮影会の講師で行ってきました。佐渡から参加している人がいて、言葉の響きが懐かしかったです。東京は雨だったみたいですが、新潟は天気がよくて、思いっきり日焼けしちゃいました。 撮影会って地域によって雰囲気が違うんですが、新潟の人たちはちょっとシャイで、でもすごくマナーがよかったです。最初に「ぼくは新潟出身なので」と挨拶したときに、ぱらぱらと拍手が出たのも嬉しかったです。 もうこの日記は3週間も続いています。 たぶん、ぼくの人生で最長です。「面倒じゃないですか?」と訊かれることもあるんですが、それほど大変だと思ったことはありません。 この日記を書くときは、たいてい誰かを思い描きながら書いています。知人の場合もあれば、亡くなってしまった人、会ったこともない有名人、ときには道ですれ違っただけで名前も知らない人だったりもします。でも、そういった人をしっかりと頭に思い描き、「想いが伝わるといいな」と考えながら書いています。 文章も写真も、そんなふうに「想いを届けたい誰か」を強く描いていると、多少は不器用でもしっかりとしたものが作れるんじゃないかと信じているのでした。 ようやく写真集が届きました。前に書いたように、「伝説の写真集」といった扱いを受けてプレミアが付いて買いにくかったものが中心です。それが6冊で2万円くらい。破格と言っていいですよね。 じっくりと見る時間の余裕はないんですが、ぱらぱらと捲ってみたら相当にいいので、この刺激を何か前向きに活かせればいいな。 |
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20040830 |
| 「Friday I'm In Love」 The Cure |
| 「後味は最悪だから、元気なときに観るといいよ」と知人に言われていたので、ずっと観ないで我慢していた「ドッグヴィル」をようやく観ました。思っていたほどきつくはなかったけれど、もし映画館でこんなの観たら家に帰るまでの時間は辛いでしょうね。ビデオだったので助かりました。 それにしても、 せっかくあそこまで頑張ったなら、最後のほうはもうちょっと何とかならなかったのかな。 一緒にロバート・キャパのドキュメンタリー映画も借りてきました。まだ観ていませんが、スピルバーグやブレッソンなども、映画のなかでキャパについて語っているらしいです。 中学生のとき、「ちょっとピンぼけ」で読書感想文の賞をもらっているぼくですが、写真集は持っていないし、代表的な作品しか見たことがないので、映画のなかで紹介されている(らしい)大量の写真を見るのも楽しみです。 |
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20040831 |
| 「My My, Hey Hey (Out Of The Blue)」 Neil
Young |
| 締め切りに遅れて催促されることは滅多にないですが、子供の頃はぎりぎりにならないと手をつけず、いつも「こんなことなら早く終わらせておけばよかった」と後悔していました。7月中に宿題を終わらせて8月はまるまる遊ぶ、という計画を毎年のように立てたのだけれど、実践できたことは一度もありません。 とくに嫌いだった宿題が、毎日の天気を記すもの。そんなことをして何の役に立つのかがわからないし、今日(の東京)みたいに「雨のち曇り、昼から晴れ」といった天気の場合、どう書いていいのかわからなくて嫌でした。いまだから白状しますけれど、一度だけ最後の日にまとめて書いちゃったことがあります。天気が偏らないように気を遣って、適当に埋めちゃったのだけれど、ばれなかったです。いや、ほんとうはばれていたのに、「ウチダくんは傷つきやすいから、ここは見てみないふりをしてあげよう」と思って叱らないでいてくれたのかもしれません。小学校高学年のときの担任は、数少ない「大切なことを学ばせてくれた先生」でした。 よい子は真似しないように。いまでも後悔しています。白紙で出して怒られたほうがまだよかった。 夏休み期間中の天気は、インターネットによる検索が非常に多いと新聞に書いてありました。いまどきの小学生も、あんな宿題をやらされているんですね。「無意味と思われる課題を与えられたとき、いかにしてそれをクリアするか」という術を教えたいのだとしたら、ほかに方法はあるような気がするのだけれど。 読書感想文も検索が多いらしいのですが、こちらはわりに得意でした。いまと変わっていないですね。そういえば先日、新幹線の車内誌で読んだ浅田次郎さんのエッセイ(*)に、「君は嘘つきだから小説家にでもなればいい」と担任に言われたという、子供の頃のエピソードが書かれていました。現在って、どれくらい過去に支配されているものなんでしょう。 それなりに一生懸命に走ってきたつもりだけれど、振り返ってみるとそれほど遠くまで来たわけじゃないんですね。 *)8ミリフィルムの上映会と絡めて、読後感のよいエッセイになっていたので、もし新幹線に乗る方がいたらぜひ。 真心ブラザーズのトリビュート盤が出ました。ちょっとだけ試聴コーナーで聴いたのですが、「こういうのもアリだよな」と思うものはいくつかあったものの、オリジナルが愛しくなるばかりでした。 |
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