20040901
「Bye Bye Bad Man」 The Stone Roses

少し前にどこかに書いたと思うんですが、ストーンローゼズのDVDが発売になっていました。手に入れにくくなっていたライブ映像が中心になっています。音楽雑誌ふうに書くなら「すべてはここから始まった」わけで、ブリティッシュ・ポップが現在に至るまでのいろいろなことを思うと、かなりグッときます。
このDVDはちょっと値段が高めですから、「絶対に買うべき!」とまでは言いませんけれど、HMVなどの試聴コーナーに置いてあることも多いようです。もし見つけたら、「Made Of Stone」でも選んで観てみてください。
それでちょっとでも興味が持てたら、イアン・ブラウンの最初のソロアルバムである「Unfinished Monkey Buisiness」もぜひ。すっごく暗いけど。
ちなみに、映画「スナッチ」のなかで、ブラッド・ピットが二度目にリングに上がる場面で流れるのもローゼズの曲です。すごくかっこいいですよ。


20040902
episode 1:
80年代に路上パフォーマンスが流行ったことがあって、あちこちで芸を披露している人がいました。玉石混同というのか、なかには何の芸だかわかりにくいものや、忘年会でもお義理の拍手ひとつ起きないだろうと思われるものもありました。
そんな頃、ぼくの友人がスーツケースを持って表参道を歩いていて、途中で忘れ物をしたような気になって不安になりました。スーツケースを開いて中身を確かめていると、新種のパフォーマンスと間違われて観客が増えてきて、やがてお金を投げ入れてくる人もいた、というエピソードがあります。
ぼくは実際にその様子を見ていないので、もしかしたら作り話かもしれません。でも、そんなことがあっても不思議ない時代でした。

episode 2:
さっきipodでオウテカの曲が流れていて、ずっと同じ音が流れたままになったかと思ったら数十秒ほど無音になり、ちょっと経ってからまた元のメロディ(と言っていいのかな)に戻りました。
「オウテカの曲にも慣れたつもりだったけれど、ここまでやるとはすごいな」と感心していたら、ipodの調子がおかしかっただけなのでした。聴き直してみたら、わりにふつう(現代の基準からすれば)の曲でした。

episode 3:
ジャスパー・ジョーンズとかデ・クーニングが好きな知人がいます。彼がある画家志望の青年のアトリエを訪ねていきました。巨大なキャンバスに向けて絵の具のたっぷり付いた筆を振っている途中だったのに、画家志望の青年は作業を中断して彼を歓迎してくれました。モダンアートは一般的には認知が低く、なかなか理解してくれる人が少ないからでしょう。
しばらく絵画の話で盛り上がったあとで、青年は「どれか一枚、好きな絵を差し上げましょう」と言いました。
彼は迷います。はっきりとしたモチーフがないために、色遣いやサイズで選ぶほかに考えが浮かびません。もし価値の低いものを選んでしまったら、彼の審美眼も疑われそうです。アトリエに置かれた絵を順に見ていって、そのなかでももっとも色が多く、筆のタッチが力強く、見た目の印象がはっきりしているものを指差して言いました。
「いちばん上に置いてあるから、君のお気に入りかもしれないけれど、これをもらっていいかな?」
青年は彼の顔を見て、それからゆっくりと首を振りました。
「それは筆を整えて色を確かめるための紙で、絵じゃないんです」
ちゃんちゃん。

*最後の話は打ち合わせに向かう電車のなかでぼくが考えました。もうちょっと頑張って膨らませたら、バルザックの「最後の傑作」を超えられるんじゃないかと思ったけれど、どう考えても無理そうなので公表しちゃいます。


20040903
仕事で必要なために、「シービスケット」と「メンフィス・ベル」のDVDを借りてきて観ました。いったい、何の仕事なんだか……。

「メンフィス・ベル」は封切りされたときに映画館で観ているんですが、肝心の場面がどの辺なのかすっかり忘れてしまっていて、結局すべて観ることになりました。フライトジャケット愛好家たちの間では、わりに定評のある映画だそうで、マシュー・モディーンの着こなしがかっこいいです。またA−2が欲しくなってきました。
マシュー・モディーンは、最近あまり見かけませんね。「ヴィジョン・クエスト」、「ショート・カッツ」、「フルメタル・ジャケット」など、わりに好きなものが多いのに。

フライトジャケットのことを考えていたら、「トップガン」も観たくなってきて、こちらは好きな場面だけ選んで観ました。ビーチバレーをやっていたトム・クルーズが、ケリー・マクギリスとの約束に遅れるからとコートを離れて、Tシャツの上にG−1を羽織るシーンが好きです。Tシャツを着るときに、ちょっとだけサングラスを外すところ(*)が特にいいです。この場面を初めて観たとき、「いいなぁ、ビーチバレーがやれる気候なのに、革ジャンを着られるんだから」と感激したものです。当時はトム・クルーズよりも「アイスマン」と呼ばれているヴァル・キルマーのほうが好きだったですけれどね。

*)「マイノリティ・リポート」のなかでもサングラスを外すシーンがあるんですが、歳はとっても仕草は変わっていないわけで、ファンとして心揺らされる場面でした。

久しぶりに会う友人とカレーを食べました。カレーはふつうでしたが、ナンがすごく美味しかったです。


20040904
せっかく早く寝付けたと思ったのに、深夜二時くらいにワン切りで起こされて、寝不足のまま写真教室に行ったら、湿気がすごくて汗は止まらないし、足下がふわふわした感じで自分の身体じゃないみたいだったけれど、数十人も集まればいろいろな参加者がいるわけで、ミッシェル・ガン・エレファントが好きだとか、ヨガが趣味だとか、ぼくが着ている服を見て「それアバクロですよね」なんて話しかけてくれる生徒もいて、撮りたいものも、写真の経験も様々なのに、たまたま同じ時間にひとつの場所に集まって写真の勉強をするなんて、なんだか不思議なものだと思うし、人と人が接する場ならではの喜びや発見があるのが嬉しく、「たぶん、ぼくのほうが教えてもらっていることは多いのだよ」と思いました。

新たに興味を持ったものがあって、ちょっと情報を招集しようとネットを駆使しているんですが、なかなかキビシイ世界なんだと悲しくなりました。願わくば関わりを持ちたくないです。ちょっとした宗教みたいだった。
「ライカは好きだけれど、それを取り巻く世界は嫌い」と言う人たちの気持ちはとてもよくわかります。お願いですから、ぼくのこと「管理人さま」なんて呼ばないでくださいね。


20040905
写真家に必要な素養のひとつだと思うのだけれど、どんなものにも愛すべき点を見出せるのは、ぼくの自慢です。それだから映画だって、一部分でも好きなところを見つければ、それで満足できます。そうでなきゃ、これだけたくさんの映画を観ているのに、トム・クルーズのファンなんて続けていられません。
それでもさすがに「これはきつい」と思う映画もあって、トム・クルーズの主演作のなかでは「7月4日に生まれて」と「デイズ・オブ・サンダー」だけは、どんなに努力しても好きになれる部分がありません。もしこの二本のどちらかで、多少なりとも好きな場面があるという方は、その詳細を教えてください。

いちばん好きな食べ物は鰻じゃないかと思うんですが、自信が持てないのは秋刀魚があるからです。秋刀魚の塩焼きとシジミのみそ汁の組み合わせは、ぼくの最後の晩餐の最有力候補です。鰻と違って秋刀魚はこの時期しか食べられないので、かなりのハイペースで食べています。料理のバリエーションなんてなく、ひたすら塩焼きですけれど。
今年は秋刀魚が豊作(大漁というのかな?)らしく、かなり値段も安いんですが、もともと安い魚だから「値段は同じで味は二倍」なんてほうが嬉しいです。
鰻を食べに浜松や名古屋に行ったことはあっても、秋刀魚を食べに大船渡に出かけたりはしていないので、いつか挑戦してみたいです。やっぱり東京で食べるのとは違うのかな。美味しい秋刀魚の情報を希望です。


20040906
仕事で上野に行って、ちょっと時間が余ったのでHMVに寄ると、外国人がものすごく熱心にB’zを試聴していました。べつに悪いと言っているわけではなく、珍しい光景だな、と。
そのあとで日経エンタテイメントを読んだら、宇多田ヒカルさんの米国進出アルバムの評判について触れていて、面白かったです。

仕事が早く終わったので少し歩いていたら、新しいラーメン屋さんがオープンしていました。鶏からとったスープが自慢という触れ込みです。ぼくはソウロンタンが大好きだし、鶏のスープに目がないんです。
かなり期待したのだけれど、醤油と塩味がきつくてまったく鶏のダシは楽しめませんでした。でも常連ふうの人も多かったから、すでにがっちりとファンを掴んでいるみたいです。
ということで、以下の情報を希望します。
★都内で美味しいソウロンタンが食べられる店
★水炊き(鶏鍋)の締めに食べるラーメンみたいな味のラーメン店


20040907
村上春樹さんの新刊を読みました。
ここの読者には村上ファンも多いようですので、これから読む人も多いでしょう。ここから先は内容に触れるために、個人の判断で読んでください。内容をばれされて腹が立った、なんて言われても責任はとれません。



村上ファンのなかでは、いまだに新刊が出るたびに「『世界の終わり……」と較べると」だの「『羊をめぐる冒険』まではよかった」なんて意見が出ますが、そんなことを言っても仕方ないと思いますし、それなりに新刊にもよいところはたくさんあります。何より、他の作家で読みたいと思えるようなものが少ないんだから仕方ないです。

村上さんが似ていると指摘されることの多い漱石は、ほぼ10年しか作家としての活動期間がありませんでした(*1)。「こころ」や「三四郎」のような人気の高い作品から、「彼岸過迄」や「虞美人草」といった問題作や、「行人」や「抗夫」みたいに不完全とされる作品まで、その評価はまちまちですが、同じことを二度繰り返そうとしなかったという点で、すべての作品を読む価値のある作家だと思っています。流行っているから恋愛小説を書いてみようとか、自分の力を試すために時代小説に取り組もうとか、とりあえず締め切りが近いから何でもいいから書いちゃおう、なんてことはなかったんじゃないでしょうか(*2)。漱石が書こうとしたからには、そこに何か意味があり、たぶん今の僕らが読んでもそこには何かしらの滋養や教訓があると感じるからです。

*1)村上春樹さんは今回の作品が25周年記念となっています。
*2)後期の漱石は筆が遅くなり、連載に苦しんだことくらいは知っています。

漱石と同じようなことは、村上春樹さんにも言えると思います。井上義夫さんというイギリス文学研究家が、「この作家は小説の執筆が読者のための皿回し的演技でも、単なる身すぎ世すぎでも、何らかの不満の解消でも、審美的欲求の満足でもない、生死大事に関わる生涯の仕事であることを自覚しています」(*)と書いています。つまり、ほとんどの作家は皿回し的演技とか不満の解消とか審美的欲求の満足のために小説を書いちゃっている、と言っているわけですね。たしかに。そして、ぼくはそういったものを読みたいとは思わないんです。

*)一部を抜粋して、かな遣いをわかりやすく直しました

そういう意味もあり、ただ内容に期待するだけではなく、村上春樹さんが今度は何をテーマに、どんな語り口で、どんな登場人物を書くのかといったことに興味がありました。世界をどう捉え、あれだけ影響力のある立場でどのようなメッセージを発し、何を示唆するのか。9・11やオウム事件は、どのような形で小説に影響したか。
村上さんと較べるわけにはいきませんが、ぼくも多少はものを書く身として表記も気になります。デジタルをディジタルと書いているのを見ただけでも、「ふぅーん」と思ったり。

さて、問題の内容は……と書きたいところなのですが、それは自分で読んで確かめてください。
これまでの作品でいちばん「つかみが弱い」ので、勢いがつくまでちょっと読みにくく感じるかもしれないです。忙しいときとか、じゃんじゃん電話がかかってくるときとか、スパゲティを茹でながらとか、そういうときに読むのには向いていないと思います。

余談ですが、「アルファヴィル」とかホッパーの絵とかホール&オーツの曲とか、ぼくの好きなものがたくさん出てくるのは嬉しかったです。


20040908
ノー・ダウトはこのまま解散してしまうのではないか、というのが大方の予想のようで、それがほんとうなら残念なことですが、グウェンはソロアルバムを出すみたいです。ニュー・オーダーや、デペッシュ・モードのマーティン・ゴアが参加しているらしいです。
ノー・ダウトは、もともと外部のミュージシャンを積極的に取り込んでいて、とくにカーズのリック・オケイセクやプリンスなど80年代に活躍した人たちが好きみたいですね。どんな出来になるのか、すごく楽しみです。これでキュアーも参加したら、ちょっとした80年代の同窓会なのにな。


20040909
今日は4日に行われた写真教室の第2部なのでした。そろそろ出かけないと。

「スクール・オブ・ロック」のビデオがもうじき発売されるようです。
その記念に、以前に書いた感想を再掲載しておきます。
思いっきり内容に触れているので、観る前に読まないように気をつけてください。観終わった方がいたら、喜びを分かち合いましょう。


20040910
教え子のなかで、どれくらいの人がここを見ているかわからないですが、「『CODE 46』を見に行く会」の実現に向けて、少しずつ動いています。
ただ、今月はぼくのスケジュールがかなりタイトで不確定なのと、おそらく上映期間がそう長くないと思うので、「ウッチーを待っていたら見逃した」なんてことになると本末転倒です。だから、自分の都合で観られる人は、そちらを優先してください。
もし希望の日時があったらメールを。平日の日中なら、わりに実現は楽なんだけれど、そんな時間に参加できる人はいないですよね? ちなみに、場所は銀座のほうを予定しています。

カメラを窓に例えて話すことは多く、ぼくもその窓を通していろいろな世界を見せてもらいました。今日も、昨日まではまったく縁のなかった世界にカメラを向け、そこで新しい発見も多くて楽しかったです。

「25時」を観ました。気楽に感想を書けるような映画じゃないんですが、かなりズンときました。映画が終わってDVDを止めたら、「世界の中心で愛を叫ぶ」をやっていて、××××だなぁ、と。


20040911
もう何年になるのかな。ぼくはそのとき暗室でプリントをしていました。翌日までに仕上げなければならない写真がたくさんあるのに、思ったように作業が進まなかったんです。現像液に印画紙を滑り込ませてピンセットで揺すっていると、部屋のどこかで電話が鳴り、すぐに切れたかと思うとまた鳴り出しました。何人かの顔が浮かび、大切な用事かもしれないと思ったのだけれど、どうしても手が離せません。仕方なくそのままにしていたら、すぐに電話は鳴りやんで静かになりました――何事もなかったみたいに。誰からだろうと気になったものの、あの状態で出られるはずはありません。
数分後、プリントを水洗に回して、焼き直そうかどうか迷っていると、ふたたび電話が鳴りました。暗闇のなか、手探りで電話を取ると、大きな声が呼びかけてきました。
「テレビは見てる? 戦争が始まったよ」

9・11という日付は、それ以降にサブリミナル的に繰り返され、おそらくは二度と忘れられないでしょう。けれども、ぼくら――というか、少なくともぼくは、他に忘れちゃいけない大切な日もたくさんあったはずなのに。


20040912
「トップ・ガン」のトム・クルーズや、「パール・ハーバー」のベン・アフレックのTシャツ姿を見ると、長さも胴回りもわりにふつうにフィットしているのに、袖だけが短くて女の子みたいなんですが、あれは圧倒的な体格の違いによるものなのか、ぼくがいままでに着たことのない銘柄なのか、詳しい人がいたら教えてください。
インターネットってこういうのを調べるのには非常に不向きで、けっこう忙しいのに時間を浪費してしまいました。「トップ・ガン」の宣伝用Tシャツなんて見つかって、「こんなの、いまどき誰が着るんだろう?」と不思議になったり。暇なときに調べればいいんですけれどね、そうもいかない理由があるのでした。

耽美系というのか、やたらと装飾語の多い小説を読んだら、くらくらと目眩がしてきました。繊細であるのは美徳のひとつでしょうが、コーヒーカップを口に運ぶだけで2ページも使わなくていいんじゃないのかな。ニコルソン・ベイカーの「中二階」は楽しめたぼくも、さすがに何が言いたいのかさっぱりわからなくなってきて、ついに投げ出してしまいました。きれいな言葉ってそんなに魅力的なんでしょうか。
口直しにヘミングウェイの短編を読んだら、あまりにドライなので、それはそれでびっくりしました。でも、サウナから出て水風呂に入るみたいな気持ちよさがあるのでお勧めです。


20040913
早くも「CODE 46」を観たという友人からメールが届きました。個人的には、この秋の最高の話題作だと思っているので、あの小振りな映画館が超満員になっていて、映画が終わった後には観客全員が号泣するなか、Cold Playの「Clocks」が流れている――なんて様子を想像をしていたんですけれども、そんなことはなかったみたいです。
マイケル・ウィンターボトムの映画って、いつも予告編は最高なのに、本編はプロットが破綻して収拾がつかないままエンディングに向かい、ぐだぐだになって終わることが多いです。そこがまたいいんだけれど。

UNTITLEDのCMのケイト・モスは、すごく素敵ですね。スーパーモデルなんて呼び方そのものが最近のものなので、それ以前のモデル事情についてはあまりよくわからないけれど、あんなに長く第一線で活躍している人って、ほかにいないんじゃないでしょうか。売れ出した頃には、けっこうひどいことをたくさん言われていたみたいですけれどね。スタイルや顔立ちだけではない、特別な何かがあるんでしょう。
ケイト・モスは写真家にとっても女神であるようで、多くの写真家が素晴らしい作品を残しています。もうずいぶんと昔になりますが、ケイト・モスの写真集がありました。彼女自身が、自分の写真の中でお気に入りを集めたものです。すごく売れたみたいなので、目にした人も多いでしょう。あれのPART2を期待したいです。マリオ・ソレンティ、ブルース・ウェーバー、カーター・スミス、ナサニエル・ゴールドバーグ、アニー・リーボヴィッツ、名前を挙げていくだけでもわくわくします。


20040914
日記に関しては昔から三日坊主で、一ヶ月以上も続いたことがないから、どれくらい頑張れるか、新しい挑戦としてこうして書き続けています。それで得るものと、失うものは、どちらが多いのか、といったことにも興味があります。
その日にあったことだけ書く日記なら、楽でいいんですけれどね。どこに行って、誰と会って、何を食べて、何を買った、なんて。

90年代に起こった私写真ブームを、「つまらない小説よりは、日記のほうがまだリアルで、下世話な興味もあって、読んでいて面白いから」と言ったことがあります。もちろんそれだけじゃないことは理解している上で、一般の人に「あんなにブレてて、何が写っているかわからないのに、どこがいい写真なの?」と訊かれることが多いので、そのために用意した答えでした。

そろそろ日記も読み飽きたから、ちゃんとした小説とか、しっかりと組み立てられたエッセイとか、夢が広がる旅行記とか、そういったものを読みたいです。


20040915
どこかに書いたことがあるかもしれないけれど、ぼくは東京の街のなかで池袋がいちばん苦手です。もし住んでいる人がいたらごめんなさい。ぼくが苦手だというだけで、池袋なんて爆弾でも落としちゃえばいいんだ、なんてことは思ってません。

まだプロになる前、ぼくは東京の街を撮り歩いていたんですが、そのときにも池袋は何度も訪れたのに、一枚たりとも写真展に使える写真は残せませんでした。相性も悪いみたいです。
みんな楽しそうで、人の欲求が渦巻いている感じがして、でもそれが自分には無縁だから、ほんとうは羨ましいだけなんじゃないかと思ったこともあります。だって池袋を好きだという人もたくさんいるし、あれだけ多くの人を引きつけるわけだから。

今日の東京は、これまでの暑さがひいて涼しく、空気もさらっと乾いて気持ちよかったし、仕事関係で良いこともあり、前から欲しかったものを買って嬉しかったので、「もしかしたら池袋を愛せるんじゃないか」と思っていました。でも、やっぱりダメでした。
いろいろと考えてみて、地下がごちゃごちゃしすぎているのと、デパートを中心に発達しているせいで散歩できる通りがないのが、とくに苦手な理由みたいです。渋谷もなかなか辛いものの、平日の明治通りなどはけっこう好きですからね。
歩いている人がみんな同じ格好をしているのも、池袋の苦手なところかもしれません。池袋カジュアルと言っていいようなスタイルは確実に存在すると思う。

その昔、池袋の西武にはアールヴィヴァンという芸術書の品揃えが素晴らしい書店があって、けっこう無理してそこに行っていました。その店がなくなった今、さらに池袋は遠のくばかりなのでした。


20040916
ぼくがやっていたクロールは、本物のクロールと似てて異なる泳ぎだったことを、ようやく理解できました。楽なのに早い。

あまり集中力が続かないほうなので、ロケハンや打ち合わせが多い仕事は、どちらかといえば苦手だったんですが、少し歳をとったのか、「ま、あとは現場で」といった仕事の進め方に少し疲れたのか、みんなで何かを作り上げていくというプロセスが楽しいです。

ipodの電池残量インジケータは、満タンになっているのを見た記憶がありません。裏技があると聞いたこともあるんですけれど、気休めにもならないです。新しいシリーズでは改良されているんでしょうか?

ポール・ウェラーが初のカバーアルバムを出しました。
どうやらオアシスのカバーをしているらしいのだけれど、ふつうは逆じゃないのかな。ジャムのトリビュート盤のなかで、リアム・ギャラガーが「カーネーション」を歌ってくれたことに対するお返しなのかもしれません。それにしてもなぁ。
カート・コバーンがガンズ&ローゼズを嫌っていたのは有名なのに、ベルベット・リボルバーがニルヴァーナの曲をカバーしているというのも不思議です。


20040917
とてもよい一日でした。

ウィンドウズXPのサービスパック2が配布され、なかば強制的にインストールされましたが、かなりひどい代物ですね。
ぼくがライカを好むいちばんの理由は、カメラが勝手に何か(ぼくの関知していないこと)をしてしまわないからです。頼んだことは必ずやって欲しいけれど、頼んでもないことを勝手にしないで欲しい――それがぼくの理想なのに。


20040918
久しぶりに革パンを履きました。当然ですが、暑かったです。

無地のTシャツばかり7種類くらい買いました。インターネットで検索すると、襟ぐりの丈夫さや縫製についての情報は多いし、生地の厚さについてこだわっている人もたくさんいるのに、袖のディテールはわりに無視されているみたいです。たしかに、あんまり袖をフィットさせて着ている人は見かけませんね。

「CODE 46」の評判は、ぼくの周囲では芳しくありません。あれだけ支持している人がいないと、逆に観たくて仕方なくて、自分が何とかいい部分を探してやろうという気になってきます。ということで、ついに決行。
生徒さんで参加希望の人はメールを(*)。詳細を送ります。ただ、あまり時間に猶予がありません。


20040919
昨年も行ったのですが、東京JAZZというジャズを中心としたライブ・イベントを見てきました。考えてみれば、フジ・ロックもサマー・ソニックもロック・オデッセイも見ていないのに、おかしな感じもします。部屋でジャズを聴くことなんてほとんどないから。

今年の(ぼくのなかでの)目玉は、TOTOと上原ひろみさんでした。TOTOは学生の頃に「アフリカ」「ロザーナ」といった大ヒット曲でお馴染みだったし、上原さんはテレビで将来を有望視される若手ピアニストとして紹介されていて、そこで話している姿を見て「いつか演奏を聴いてみたい」と思っていました。
そんなわけで、夜の部じゃなくて昼の部を選びました。外が明るいのにジャズを聴くって、どうもぼくにはしっくり来なかったんだけれど、それはそれで楽しむことはできました。

TOTOには「99」という初期の名曲があって、記憶が間違ってなければスティーブ・ルカサーが歌っていたはずなので、是非とも演奏して欲しかったんだけれど、そこはちょっと残念。
ぼくの目の前に(おそらくは日本一のTOTOファンと思われる)中年男性の二人組がいて、ギターを弾く真似をしながら熱唱する声がボビー・キンボールより大きかったことや、サイモン・フィリップのドラム・ソロのときに「ちゃんと左右均等に叩け! ジェフの分まで頑張れ」と叫んでいたことなどは、大目に見てあげたほうがいいんでしょう。

そのあと知人と合流して、食事をしながらいろいろな話を。自分が関わったことのない世界の話を、写真の話に置き換えつつ聞いているのは、とても楽しいです。どんな世界にも共通するものってあるんだな、と。


20040920
ヨーロッパが全盛期のメンバーで来日するようです。「ヨーロッパが来日」って変な日本語ですけれど、80年代に人気があったスウェーデンのハードロックバンドが久しぶりに日本公演をするそうです。
ジョーイ・テンペストもけっこうな歳のはずだし、おそらくはお客さんもそこそこの歳だろうし、それらの姿に自分を省みるのも辛いので見に行くのは怖いんだけれど、「セブン・ドアーズ・ホテル」は聴きたいな。ジョン・ノーラムのストラトキャスターの音色は、かなり好きです。

そのヨーロッパのライブ会場は国際フォーラムなんですが、そこにトム・クルーズがやってきて5000人のファンを対象に握手会をするそうです。こちらも会いたいような、会いたくないような。
「ヴァニラ・スカイ」のDVDのなかに、世界中を回るプロモーション・ツアーのドキュメンタリー映像が収録されていて、レディオヘッドの「アイ・マイト・ビー・ロング」がBGMになっているんですが、これはすごく格好いいのでおすすめです。時間に余裕があったら、監督のキャメロン・クロウが映画に合わせて音声解説しているので、そちらもぜひ。でも監督の説明を聞かなきゃ理解できない映画というのは欠陥品なので、あくまで「おまけ」として楽しんでください。

孫の代まで残したい言葉というアンケートの結果が、Yahoo!のニュースになっていました。「いただきます」「暑さ寒さも彼岸まで」「覆水盆に返らず」がベスト3だそうです。60〜90代の方を対象としたアンケートだそうですが、この結果をどう捉えればいいのか、まったくわかりません。たぶん質問が漠然としすぎていたんじゃないかと思います。四字熟語とか、教訓とか、いくつかに分けたほうがよかったんじゃないかな。
「覆水盆に返らず」って、いまの世界情勢みたいですよね。

昔の日記が見つかりました。10年くらい前、まだ会社勤めをしていた頃のものです。写真家になりたくて、でも身の回りの状況が好転せずに、悩んでいたんでしょう。長いトンネルがどうとか、ココロ(心)を裂いてどうとか、闇を手探りでどうとか、雨上がりの光がどうとか、相当に恥ずかしい代物です。尾崎豊さんの歌詞と江國香織さんの短編(*)を一緒に鍋に入れ、怪しげな調味料を加えてから水分がなくなるまで煮詰めた感じ。
あんなこと考えて甘えていられたんだから、余裕があったんでしょうね。さすがに弾けたとはいえバブル直後。いまみたいに理不尽な力でばたばた人が死んだり、じゃんじゃん失業者が出ている時代に、闘わずして涙ばかり流しているわけにはいきません。
他に発見もあって、当時は漱石より鴎外のほうが好きだったみたいです。ちょっと照れちゃいます。

*)この二人に対して悪意があるわけじゃありません。

少し前になりますが、ポケモンの絵が描かれた飛行機がありました。仕事でどこかに行く際、知らずにそれに乗ってしまい、機内プログラムでポケモンの上映が始まると、子供たちが声を揃えて「ピカチュー!」と叫び出しました。うとうとしていたのに、びっくりして目が覚めちゃった。あれは、なかなかつらかったです。
いっそみんなで「せかちゅうー!」と叫ぶような飛行機も作ればいいのに、と思ったりもします。


20040921
早起きするくらいなら寝ないで徹夜していたほうが楽かもしれないくらい夜型のぼくですが、ナイトライフなんてものとは無縁です。クラブに行くとか、バーで飲むとか、カラオケだとか、ましてやスナックで騒ぐなんて、まずありません。地方に行ってライブの撮影などをすると、打ち上げに呼んでもらったりして深夜まで飲んでいることはありましたが、それも今ではずいぶんと少なくなりました。

そんなふうだから、日が暮れる頃に待ち合わせをして軽い食事を摂り、そこに何人かが合流してみんなで映画を見に行って、そのあとでお茶をしながら雑談をする――なんてのは久しぶりの経験でした。夜って長いんだな。
楽しかったので、もうちょっと社交的になろうかと思案中。


20040922
ぼくの仕事は、「映画を観たり小説を読んだり音楽を聴いたりするのも仕事のうち」なんてふうに言いますが、ほんとうに仕事のために映画を観なければならないこともあります。ここのところ関わっている仕事は、とくにその機会が多く、今日も映画を観に行きました。
「遊びみたいな仕事でいいですね」という声が聞こえてきそうだけれど、ほかに観たい映画があるのに、たいして興味がない映画を観るのってわりに辛いです。
それにしても邦画の映像ってすごく抜けが悪いです。土地も狭いし、理解がなくて許可が取りにくかったりして、よいロケーションが選べないから仕方ないんでしょうね。「ヴァニラ・スカイ」を撮るのに、マディソン・スクエア・ガーデンを車両通行止めにしたなんて話を聞くと、同じ基準で較べるのが可哀想。

いろいろと無地のTシャツを買って比較してみたところ、ヘインズのビーフィーのポケット付きというのがお気に入りです。シルク・スクリーンの技術を習得して、自分でプリントしてみたいなぁ。アイロン・プリントって楽だけれど、仕上がりはいまいちですよね。
漂白剤入りのアリエールは、Tシャツを洗うには最適だと思います。夏なんて一刻も早く遠のいて欲しいのだけれど、洗濯物がなかなか乾かなくなっていくのだけは残念。


20040923
衛星放送もケーブルテレビも入れていないために、ミュージックビデオを観る機会はほとんどありません。ハワイに行ったとき、夜は暇だったのでずっとMTVとVh1を見ていましたが、相当にろくでもないビデオばっかりでした。ジェシカ・シンプソンとビヨンセとアウトキャストがひたすら繰り返されていた。

昨日、たまたま「ベストヒットU.S.A.」を見ていたら、ボウリング・フォー・スープの「1985」という曲のビデオが流れていて、すごく面白かったです。いまだに心は1985年から離れられない女性が主人公で、当時のいろいろなビデオのパロディになっています。ロバート・パーマーとかモトリー・クルーとか。
歌詞も泣かせて、「モトリークルーはいつからクラシック・ロックになったんだ、オジーが俳優になったのはいつからだ」なんて。サビのところもすごくよいので、機会があれば観てみてください――と言っても、その気があってもなかなか観られないのがプロモーション・ビデオなんですよね。

ところで、ぼくは友情出演でプロモーション・ビデオに出たことがあります。すごく有名なミュージシャンと共演しているんですけれど、恥ずかしいののでこれ以上は内緒。撮られる側の気持ちを知りたかったんです。ドラマのときほど緊張しなかったですけれど、一度で十分の経験でした。


20040924
ドミニク・イッセルマン、パオロ・ロヴェルシ、コート・ボロフォといった豪華な顔ぶれがグラビア撮影を手がけていて、マーク・リブー(!)の特集と、ジャン・ルノワールによる映画に関する手記がある――さて、これは何の雑誌だかわかりますか? 
 ――「CUT」? 
 ――「Swith」? 
 ――「BRUTUS」? 
ハズレです。
じつは、「中を見たら好きそうだったから」と言って友人が貰ってきてくれた、あるブランドのカタログを兼ねた小冊子なのでした。値段は書いてありますが、タダだったらしいです。
グラビアに関しては、それぞれの写真家の力量からすると、決してベストとは言えない出来ですが、それにしてもすごい。ブランド品の値段についてはいろいろと思うところもあるんだけれど、決して下を向かない姿勢というのか、立派なものだと思います。

ちょっとしたことのお礼として、アロマポットを貰いました。いいのがあったら買おうと思いつつ、ずっと買いそびれていたので嬉しかったです。写真スタンドとか、封蝋とか、自分じゃなかなか買わないけれど貰うと嬉しいものってありますよね。
早速、カモミールを試してみたら、大好きなニューオーダーのライブを観ている途中なのにガツンと眠りに落ちてしまい、気付いたら朝だったのには驚きました。


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