11月6日(土) 晴れ
たくさん眠った。でも8時間くらい?今日は昔の彼氏に会う。もう別れて1年半くらい経つ。その時以来会っていない。終わりは最悪だった。今でも思い出す時は少し苦い。だから、会いたくない…程じゃないけれど、そんなに気は進まない。会って、今更なにを話すの?といのが正直な感想。だって、生活も人生も全く別々になっている。いまさらその道が交わる事はない。それがわかっているのに?
電車の中で眠ってしまう。暖かくて心地良いから。たくさん寝たと思ったけどまだ足りないのかな。待ち合わせには少し遅刻してしまう。でも彼もまだ来ていなかった。少し遅れるかもと言っていたから。すぐに、分かるかなと不安。見つけられなかったらどうしよう。カーニャは彼の携帯番号も知らない…教えてくれないのだ。連絡のとれない不安。
振りかえったらそこにいた。声をかけられる前に振りかえった。それは、予感?なにかがかする。スイッチが入るように切り替わる。彼がいた。来ると分かっていて何故驚いたんだろう。顔を見た瞬間の自分の顔…想像できない。どんな顔していたんだろう。
忘れていた。彼の背も、顔も、手も、髪も。でも声は覚えていた。話し方だけは覚えていた。彼だと分かる。電話で聞くよりもずっとずっと彼らしい声、話し方。変わらない…でも変わった。
彼は記憶の彼よりもずっとずっと老けていた。仕事のせいなのか、色々あったせいなのか、私のせいなのか。少し怖くて昔のようにはなれなくて、聞けない事。そのまま少し立ち話。はじめて二人が会った時に行ったお店と同じ店を見つけ、入った。
ふたり、それぞれの事を話す。でも彼は私の事を聞かない。私が話す事は聞くけど、彼からは何も聞かない。どうしてだろう。もう、興味がないって事だろうか、だったら何故会おうとした?ささやかな疑問と混乱。そして2人で町を歩き回る。辿り着いたのは川のそばだった。暗い場所で川の流れと時々跳ねる魚を眺めて話す。変わらない煙草。変わらないライター。
はじめてあったころのような二人だった。たくさんあったはずのいざこざや、思い出したくないやり取り。自然に忘れて話す事が出来た。たくさんたくさんしゃべった。でも、何を話したわけじゃない。言葉以上に分かり合おうという気持ちのせいか、たくさんしっゃべた気がしたのか。話している彼を見ているととてもいとおしく感じた。ぎゅって、抱きしめてあげたくなった。でもしなかった。衝動をおさえるなんて、珍しい私。でも彼は気付いていたはず。
本当に時間を忘れた。気がつくと終電間近の時間。駅に行くとちょうど最終電車だった。別れ際、とても彼にキスしたくなった。そしてまた会いたいと思った。でも会えないのは分かっている。キスも出来ないのは分かっている。
「また会いたいと思ってる」と私は彼にいった。
私が改札を抜け、彼が言った。でも電車の音でよく聞こえない。
「会いたいと思ってる」
彼が同じ言葉を返す。嬉しかったけど、悲しかった。バイバイをして電車に乗りこんだ。
不思議な気持ちだ。私はまた、彼に惹かれている。でも昔と違い今なら分かる。彼と一緒にいる事に耐えられないだろうと言う事に。彼が悪いんじゃない。やはり不思議だ。こんな気持ちは、…はじめてだ。
