10月7日(土)  

イエグモを始めて見た。

何気なく横を見たらクローゼットの戸を横切る大きな長い足の生えたヤツが見えた。思わず悲鳴を上げて飛びあがる。ヒロに慌てて
「クモ、クモ、でっかいクモ」
シューティングゲームに夢中のヒロはきちんと取り合ってくれない。ヒロは時々妖しげなゲームをDLしてくる。「スーパーマリオ」にそっくりな「スーパーマリ」というゲームを見せられた時には、私も笑ってしまったが。

「ちょっと待って」
と言うばかりのヒロを無理やり引っ立ててクモ退治をさせる。
こーんなに大きなクモだったんだよ!とヒロに伝えるとヒロは嫌そうにでも普通に
「あぁ、イエグモ」
と答えた。

イエグモというのを聞いたのは始めてだ。クモといえば、小さなハエトリクモしか見た事がない。後は砂漠にいるというタランチュラやそういう毒蜘蛛は遠い国の話だったし、テレビでしかみた事ない。私にとってクモといえばハエトリクモでわりと小さくて、目の悪い私は気がつかない事が多いし、気がついても害はないので(むしろハエを取ってくれるからイイヤツ?)嫌いな虫類のなかでも黙認している虫だ。

それが突然最悪のクモ。イエグモ。足が妙に長くてでっかいアメンボみたい。そして色も悪い。藁色。なにか汚らしさが漂う色だ。
「早く退治してよ」
と急かすのにヒロはせっせと退治しない。ゴキブリや他の虫の時は別に怖がる風でもなく退治してくれるのに、なかなか前へ進まない。長い棒を(箒)を持ってこさせて、その棒でそっと洋服を掻き分け探している。

ヒロにどうして怖がっているの?と聞くと、
「イエグモは刺すから嫌いなんだよ〜」
ますます最悪の虫だ。気持ち悪い上に害もあるなんて!

部屋中が殺虫剤の匂いで一杯になった頃ようやくイエグモは退治された。ゴキブリよりも強かった。ヒロ曰く、
「こいつはオスだ。メスはもっとでかい」
ますます気分が悪くなった。

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