5月5日(日)
昼過ぎ、電話の音で目が覚める。アヒルだった。暑くて目が覚めたのだと言う。これから友達の家に荷物を取りに行き、それからバイト。もしバイトの前に時間があったらご飯を食べようと誘ってきた。考えておくよ、と返事をする。食欲がない。食べられない事もないけれど、量がかなり減っている。体調不良の後遺症だろうか。
真夏のような暑さ。今日は洗濯日和だ。あまり風がなく、ただ座っているだけでも汗をかきそうだ。ウチワでずっと扇いでいた。扇風機、買おうかな。 ヒロに教えてもらったネットゲームをやってみる。まずは初心者講座というのを受ける。が、人が多く講座が何度も中断され、その度に始めからやりなおしなので、今日は諦める事にした。休みだし、人が多いのだろう。 すこしずつ、風が出てきた。窓を全開にして畳の上に横になる。風が気持ちいい。そのままぼんやりしていると、アヒルから電話。ご飯を食べようという誘いだった。電波が悪く、何度か電話が切れる。 まだ、会わないほうがいいのかな、とふと思う。あたしは、怒っているわけじゃないけれど、アヒルに構ってもらえなかったここ暫くの不満を解消しきれずにいる。今会っても素直に笑えない自分がわかる。 だけど、だからといって意地を張って会わないでいても結局なんにも出来ないし、余計に不満が募るだけだろう。だったら、早目に会って早く張っている意地を緩めた方がいい。食欲はないけれど、お腹は空いているようだ。 やっぱり会っても素直には笑えない。嬉しいくせに、わざとポーカーフェイス。「怒っているの?」と聞くとあたしが怒るのを知っているから、「元気ないね」とアヒルはいう。「別に」とあたしは答える。ちぐはぐな会話が続く。お互いにさぐりあっている。何を言えばあたしの機嫌が直るのか。そんなの、必要ないのに。ただ嬉しそうに抱きしめて会いたかったよ、寂しかったよ、って言えばいいだけなのに。バカ アヒルの希望でトンカツを食べた。胃にもたれる。バイトまでまだ少し時間があったので家で休んでいく。久しぶりにアヒルの体温を感じられる距離に近づく。だけどあたしは不安で仕方がない。アヒルに分かってもらわなきゃいけない事がいっぱいあるのに、何から話していいのか、分からない。 だから堪らなくなって「好き?」って聞いた。アヒルは「ここにいる事でわからない?」て答える。あたしのようなアヒルだったら、それでいいけれど、あたしとアヒルは違っている。あたしはアヒルがいれば他には何にもいらない。でもアヒルはそうじゃないから、あたしはアヒルに必要なんだ、って感じられなきゃだめなの。 残念ながらタイムリミット。アヒルはバイトに行っちゃった。待っててね、と言葉だけを残して。 | |
|
* |
|