4月26日(土)

薄いカーテンを透かして夕方の光りが部屋に満ちている。伸ばしたあたしの腕に生える毛や、突き出ている骨を淡い色でうつす。あたしが感じている体の熱や、うっすらとした肌寒さ、息を吸い吐いている今、たった今という時間はなんなんだろう。もうすぐ日は暮れ、温度は下がり、薄暗くなって店は閉まって人々も家に帰る。この瞬間は今しかない。どの瞬間も今しかない。この瞬間を忘れないようにと何かに書き留め、写真を取り、ビデオに記録をして、忘れないようにと毎日思い出しても、瞬間は戻って来ない。

あたしはどんな気分で生きていけばいいんだろうと考えながら生きていて、結局どんな気分でも生きていない。

どんな出来事も過ぎ去って色褪せてあたしの過去を形成していっているけれど、あたしを今形成しているものは決して過去の出来事ではなく、ただたんに今という瞬間だけ。そう考えると今どんな気分で生きていこうがさして重要ではない気がしてくる。どんな気分で生きていこうが今は確実に過ぎていくし、もう取り戻せないのだから。

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