1997

Last Updated 1998.1.1

1997年も幕を閉じ、最後の最後に観た映画まで含めたランキング確定版です。「確定」っていうのは、多少気が変わる可能性や、1月初め辺りに観た97年公開の映画をどうしてもこのランクに追加したくなった時にどうなるか分からない、とか実は全部決まりきれてない、っていうのがあるからです(笑)。


10

1. 「タイタニック」 "Titanic"

11月1日の東京国際映画祭でのワールドプレミア上映で観たのですが、生まれて始めて、って位泣いてしまいましたね。文句無しの1位です。

2. 「すてきな彼女たち」(映画祭題) ”Heroines”

本来ならこういう映画祭のみの作品とかはあまりいれるべきではないのかもしれませんが、個人的なランキングなのでいいでしょう。生ヴィルジニー・ルドワイヤンを見れた、運命の映画です(笑)。

3. 「コンタクト」 "Contact"

作品としてのクオリティもさることながら、ジョディ・フォスターの素晴らしい演技が光ります。これであのワンシーンだけなければ完璧なのだが…。それでも3位ってのは変わらないだろうけど(^^;;;

4. 「シングル・ガール」 "A Fille Seule"

ヴィルジニー・ルドワイヤン主演というのはもちろんですが、話としてもなかなか面白かったですしね。

5. 「さまよう魂たち」 "The Frighteners"

さすがピーター・ジャクソン、ハリウッドに行っても「らしさ」は健在で、すこぶるパワフルな映画でした。

6. 「ロスト・ハイウェイ」 "Lost Highway"

この映画、はっきり言ってわけ分かりません。しかし、デビッド・リンチワールドとでもいうのでしょうか、まんまとしてやられました。「エヴァ」もそうだけどどことなく迷宮的なところが良かったのかも。

7. 「ウェルカム・ドールハウス」 "Welcome to the Dollhouse"

何かこうものすごくダークな部分もあるんだけど、思わず笑わずにはいられない、っていう不思議な映画。

8. 「スクリーム」 "Scream"

まさに傑作ホラー映画です。一度は公開延期になりましたが、結局はかえってより大きいスクリーンで観れたのでよしとするべきなのでしょうか(よくないって)。(^^;;

9. 「マーズ・アタック!」 "Mars Attacks!"

ティム・バートンとオールスターキャスト(といってもかなりの曲者ぞろい)にまんまとしてやられましたね。「インデペンデンス・デイ」なんて目じゃないぜ!(笑)。

10. 「ウォレスとグルミット、危機一髪!」 "A Close Shave"

1996年同様最後の最後まで絞り切れなかったので、10位は2作品です。ブリティッシュ・クレイ・アニメの大傑作。このシリーズは本当に面白い。

10. 「スウィンガーズ」 "Swingers"

10位のもう1作品。夜のロスを舞台の青春模様。あらゆる部分においてハイセンスな映画でしたね。

結局これではベスト11になってしまいましたが、次点としては「バウンド」、「エキゾチカ」、「すべてをあなたに」、「シャイン」、「リディキュール」、「マイケル・コリンズ」といたところでしょうか。「日陰のふたり」も本来ならベスト10に入るのでしょうが、96年10月の東京国際映画祭で観ているので、96年扱いにしました。

純然たるハリウッド・メジャーの作品っていうのが「タイタニック」と「コンタクト」くらいで(「マーズ・アタック!」はちょっと違うかも?)、案外アメリカン・インディーズ系の作品が多いかな。

ワースト作は、っていうと、「アメリカの災難」、「BOYS」辺りかなぁ。そんなに大外れ、って多くなかったようです。

また、観たかったんだけど見逃しちゃった、っていう映画としては、「アディクション」、「聖週間」、「ラジュー出世する」、「天安門」、「コーリャ愛のプラハ」、「浮き雲」、「テシス 次に私が殺される」、「心の指紋」、「家族の気分」、「プロヴァンスの恋」、「ラブ・アンド・ウォー」、「ビースト獣の日」、「カーテン・コール」etc…。かなり多いなぁ。(^^;;;

どちらかというと「それなり」の作品は多かったものの、「これは!」という作品はそれ程多くなかったような気もしますがそんなものでしょうかね。まぁ、そうはいっても「タイタニック」は圧倒的だったし、ヴィルジニー・ルドワイヤンに出会えた事も大きかったし(笑)、文句はないかな。


10

1. 「CURE キュア」

大晦日にぎりぎりで観たのですが、これはもう本当に凄かった。個人的に97年は「心の闇(病み)」といったことについて考える事の多かった1年だっただけにまさに1年を締めくくるのにふさわしい作品だった。

2. 「バウンス koGALS」

若干話がきれいすぎるとはいえ鮮やかに時代を切り取り、なおかつ普遍的な青春ものとしても秀逸。とにかく面白かったしね。

3. 「萌の朱雀」

どちらかというと叙事詩的な作品は苦手な部類に入るのだけど、この作品はすうっと心の中に染み入っていくのを感じられた。そういやこの作品のテーマもあながち他人事でもないなぁ。

4. 「夏時間の大人たち」

子供時代とうとう一度として逆上がりが出来なかったものだから、この映画にはかなり感情移入しちゃった面があるなぁ。

5. 「林檎のうさぎ」

「夏時間の大人たち」もそうだったけど、子供心を見事にすくいとっていて、なんともいじらしい映画でした。

6. 「THE END OF EVANGELION」

わけわかんないところもあるし、納得の行かない部分・理解できなかった部分もあるんだけど、なぜかけっこう好き、という(笑)。それまでずっとアンチ・エヴァだったのにねぇ。(^^;;

7. 「誘拐」

やはり前半の身代金運びのシーンは圧巻です。真犯人に気づくのは早くもなく遅くもなくという感じでしたが、それでもやられたな、という思いでしたね。

8. 「もののけ姫」

どうもすっきりしない感じのする映画なんだけど、それでもクオリティの高さは認めざるをえないんで、ランクもこの辺には来るのかな、ということで。

9. 「ラヂオの時間」

日本映画としては類まれなアメリカン・スタイルの傑作コメディと言っていいでしょう。

10. 「ひみつの花園」

今までに日本映画では観ることのなかったタイプのコメディ映画でしたね。

最初暫定版として出したランキングでは「KOKKURI/こっくりさん」と「うなぎ」がランクインしていたのですが、最後に観た「萌の朱雀」と「CURE キュア」が入ったのであえなく選外となりました。他に次点としては、「ユメノ銀河」、「渇きの街」、「いちご同盟」、「ねらわれた学園」、「傷だらけの天使」辺りかなぁ。

ランク付けとしては2位と3位をどっちにするかが一番悩んだかな。あ、でも結果的にはシネマジャパネスクとJ MOVIE WARSの作品が上位を占めてますねぇ。あと東宝の作品も多いかな。

一方のワースト作は、「愛する」、「新世紀エヴァンゲリオン <劇場版> シト新生」かな。春エヴァは夏の高評価とは対照的ですが、やっぱり未完成のものを観せられてもねぇ。

悔やまれる見逃し作としては、「東京夜曲」、「鉄塔武蔵野線」、「学校の怪談3」、「2/デュオ」、「ポストマン・ブルース」辺りかな。

海外映画祭での受賞続きとか、「もののけ姫」の興収新記録とかそういうことを抜きにしても日本映画は本当に良作揃いの1年だったのではないでしょうか。


洋画・監督賞 ジェームズ・キャメロン (「タイタニック」)

これはもう文句無しですね。あれだけのものを作り上げた執念には本当に脱帽もの。

洋画・主演男優賞 アル・パチーノ (「フェイク」他)

ジェフリー・ラッシュやレオナルド・ディカプリオとかも考えましたが、最後はこの人が貫禄勝ち、って感じですね。「リチャードを探して」(96年公開だけど観たのは97年)や「天国の約束」も良かったし、東京国際ファンタスティック映画祭で初めて観た「ゴッドファーザー」はやっぱり凄かったしね。

洋画・主演女優賞 ヴィルジニー・ルドワイヤン (「すてきな彼女たち」、「シングル・ガール」)

「タイタニック」でケイト・ウィンスレットとか、「コンタクト」でジョディ・フォスターという線もあるけど、今年はやっぱり私の人生を変えてしまった(笑)この人でしょう。

洋画・助演男優・女優賞 「タイタニック」の船員・乗客役の皆さん(笑)

なんか無茶苦茶な選出ではありますが、脇役たちの各エピソードもまた胸打つものがあったしこういうのもいいかな?、ということで。(^^;;;
# 名前とかは今度プログラムを買った時に調べて具体的に絞り込んでもう一度書きますね。

邦画・監督賞 黒沢 清 (「CURE キュア」)

上位3作の監督3人とも正直言って甲乙つけがたくかなり悩みましたが、結局主に1位の作品の監督ってことからこの人に決めました。

邦画・主演男優賞 役所 広司 (「CURE キュア」、「うなぎ」、「バウンス koGALS」)

これはもう文句ないでしょう。「CURE キュア」での演技は圧倒的でした。「バウンス koGALS」は助演扱いでしょうけど一応名前を挙げておきました。

邦画・助演男優賞 萩原 聖人 (「CURE キュア」)

本当のところはこの人も主演扱いなんだろうけど、他にこれといった助演らしい助演候補もそういないしまぁいいかな、と。

邦画・主演女優賞 佐藤 仁美・佐藤 康恵・岡元 夕紀子 (「バウンス koGALS」)

この3人はちょっと甲乙つけがたいかな、という感じがするので、3人いてこその映画、という意味も込めてこの3人にしました。

邦画・助演女優賞 和泉 幸子 (「萌の朱雀」)

桃井かおりにしようかなぁ、とも思ったけど「バウンス koGALS」での役は何か特別出演っぽいかな、とか思ううちに「萌の朱雀」でお婆さんの役を演じていたこの人に決めてしまいました。

洋画・音楽賞 「すてきな彼女たち」

音楽映画、ってことで考えると「シャイン」かこの映画か、という中で、サントラを買ったから、という理由によりこちらに決定。(^^;;

邦画・音楽賞 「バウンス koGALS」

全体的にいい曲が使われていたかなぁ、という印象よりこの映画に決定。

洋画・主題歌賞 David Bowie "I'm Deranged" (「ロスト・ハイウェイ」)

色々な選択肢があるところですが、まだ観ていない(でもノミネート)「メン・イン・ブラック」のウィル・スミスの曲や「すべてをあなたに」のThe Wondersの曲などを抑えてこの曲に決定。

邦画・主題歌賞 大貫 妙子 「東京日和」 (「東京日和」)

映画そのものはそれほどいいとは思わなかったものの、この曲は良かったので。カラオケで散々聴かされて覚えてしまった、という理由により「魂のルフラン」なんて手もあったんだけどね(笑)。


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