AYUの たびてつ放浪記

〜2000年夏 草津温泉物語〜

<< ホームへ戻る



北海道旅行の後に余った18キップを使って、ちょっと草津旅行へ行ってきました。その「覚え書き」です(笑)


Support by

 本編



  旅立ち


青春18きっぷを北海道旅行用に買ったのだが、なんか気づけば1日余っているので草津にでも行って風呂してくるかと思い立ち、「横川で峠の釜飯食べに行こう」と思いついた時以来の思いつき旅行を敢行する事にした(笑)
とりあえず思いつきなので、いつもの様にカメラ・時刻表・観光案内などは一切持っていかない事にして、時間も無い事だし「長寿庵で温泉まんじゅう食べて、西の河原温泉につかる」と目的を限定して早速行くことにする。


  気のみ気のまま


時刻表を見たところ赤羽7:42発の高崎行きがベストな乗り継ぎになっており、それを逃すと2時間は遅れるのが判ったので、いそいそと出発。当分列車に揺られる事になるのでセブンイレブンで朝食用にサンドイッチを買い込み、予定通り赤羽で7:42発の高崎行きに乗車。珍しく115系のボックス車だったので、気持ちよく朝飯を食べながら列車に揺られる事かできた。何分、前に行った北海道旅行がロングシートの連続だっただけに少し気分が良い。
日曜の良い時間だと言うのに乗客は余りなく、何故か高校生が多かったのだけど、制服を来た高校生は気にしなければ危険ではないので、そのままマイペースで食事をする(笑)
桶川を過ぎた辺りで食べ終えたのだが、前日からの寝不足が祟ったのか眠気に襲われてしまい、乗客も少ないのを良い事に前の座席に足を延ばして、そのまま熟睡。熊谷辺りで人の動きがあったが、それでもまだ周りを見てもガラガラなので、そのまま居眠り続づけていたら新町まで意識無く乗ってしまい、なんか眠っただけで高崎に着いてしまった。


  高崎より草津口を目指す


さすがにサンドイッチだけだとお腹は空いてくる物で、目の前に「高崎だるま弁当」がぶらさがっているのを見ていたら無性に食べたくなってきた。この弁当は「峠の釜飯」に次ぐヒット弁当だと思っているぐらいで、おそらく高崎に来た時には必ずと言って良いほど買っているのではないかと思う。早速買おうと思って財布の中を見たら、ちょっと旅するには心許ないお金しか入っていない。さすが思いつき旅行、用意不周到だなぁと思いつつ、高崎駅前のディスペンサーにてお金を下ろすことにする。なんか前にも同じ様な事をしたなと思って、思いついた所に行ってみたら案の定ディスペンサーを発見。それにしても銀行のカードで下ろすことができるので世の中も便利になったものである。
駅に戻って「だるま」を購入し、吾妻線・大前行きに乗り込む。吾妻線と言っても途中までは上越線を通るのだが、それでも高崎では吾妻線で通しているらしい。まぁ吾妻の普通は殆ど高崎始発なので、いちいち言い分ける必要もないと言えば無いのだが、これで上越線の渋川まで行ける事をもう少し掲示なりしておいた方が親切だと思うのだが。しかも車両も面倒な止め方をしており、同じホームに大前行きと両毛線の小山行きが同居していた。以前、間違えて全く逆方向に乗り込むという痛い目にあっているので、慎重にどちらかを見て乗る必要があるなぁと思い、大前行きを確認して乗車。3両編成なのだが比較的混んでおり、観光客らしき乗客が大半を占めている。ボックスの進行逆側の窓際が空いていたので、そこにドンと構える事にして「だるま」を食べ始めることにした(笑)

ほどなく列車は高崎を発車。乗車率から行けば110%という感じだろうか、やっぱり旅行者が大半を占めている。高崎線に比べるとノロノロ運転だったのだが、渋川に到着する時はなぜか最徐行で入線。駅手前で急ブレーキの様に徐行をかけたので、おそらくダイアの関係なのだろう。でも面白い事に吾妻線に入った途端、速度も出して快調に飛ばして行くのだ。
途中金島の辺りで上越新幹線の長大コンクリアーチを眺めながら、待ち合わせ停車も無く単線を快調飛ばして行ったのだが、小野上駅で最初の待ち合わせの為に停車。この駅のすぐ隣は採石場なのだが、そのままホキ800で石を積んで運べる様になっているのにはびっくりした。おそらく道床様の石をここで作って運んでいるのだろうが、なんとお手軽な作りなのだろうと感心する。
岩島を出ると、川原湯温泉との間にトンネルが3つあるのだが、その真ん中のトンネルが日本で一番短いトンネルである。前に読んだ文献によると、吾妻線は戦中火薬の原料として硫黄の需要があった時に急造された路線らしいのだが、それでも吾妻渓谷の景観を守るために余計な発破を避けてトンネルを作ったらしい。それで長さがなんと5mというトンネルが出来てしまったらしいのだが、今回は列車の車窓からトンネルの入り口出口を見ようと車内を長手方向に眺めて堪能(笑) きっと車内で一気に出口と入口がみれるのはこのトンネルだけではなかろうか。
次の川原湯温泉駅にて、特急待ち合わせの為に4分の停車。ここは近い将来、街も線路も駅もダム湖の底に沈む運命なので、再訪したい温泉郷ではあるのだが今回は目的外なので駅前をちょっとウロついただけで通過する事にする。
長野原草津口駅に降りた時に気付いたのだが、この駅って本来は「長野原」駅で草津温泉に行くターミナル駅なので「草津口」なのだなと思い、ちょっと私鉄的で感心してしまった。でも、もうちょっと行った所にある「万座・鹿島口」に至っては「万座」と「鹿島」の「口」なだけで駅降りても何もないのだから、いくら戦中に作った駅だからと言っても、ちょっと考え物でもあるのだが…


  草津にて


駅を降りたら、すでにバスが待っており10分後の発車だと言うのでそのまま乗る事にする。観光客向けの急行バスでは無く、普通の路線バス扱いなのだが、それでもハイデッカー使うところにJRバスの意気込みが現れているのだろうか^^; でも白根山麓の道路約20Kmを馬力不足じゃないかと思えるぐらいノロノロと昇っていくので、自家用車組にはかなり迷惑な路線バスだと思う位で、約30分かけてようやく草津温泉ターミナルに到着。
到着したのが12時ちょっと前ぐらいでご飯にはむ丁度良い時間だったが、とりあえず目的を完遂しようと西の河原公園へ直行。途中にある長寿庵で念願だった「蒸かしたての温泉饅頭」を2個ほど頂く。長寿庵については「旅鉄」に乗っているので知っている人は知っているのだが、そのキップの良さはまだまだ健在で、1個頂いたあげくお茶まで飲んで「帰りに寄るから」と言ったらさらに1個くれたので良い気分である。ちなみに4つ隣でも似た様な事をしていて「北海道産の小豆だよ。味比べてみて」と言っていたのたが、こちらは蒸かしたてではなく明らかに保温してあるだけの様でホクホクでもなくて不味かった… この店を「なんちゃって長寿庵」と命名する事にする(笑)

饅頭を食べながら歩いていたら、ほどなく西の河原公園に到着。そのまま脇目も降らずにずんずん進んでいって、西の河原温泉の大露天風呂に直行(笑) ちなみに入浴料500円タオルも200円で販売していて、おまけにカンビールも中で売っているというのは私の覚え書きなのだけど、行った時には参考にどうぞ。
まぁ最初に見た時は風呂の広さに感動したが、なにせ3度目なのでさほど感動も無いのが少々残念。正味30分ぐらい居たのだが、気付けばお肌もツルツルで富良野で変に焼けて剥けかかってた皮膚も綺麗さっぱりと無くなっていた。さすが硫黄分の多い温泉だと感心するのだけど、これだとお肌が弱い人はヒリヒリするのだろうなぁと思う。
温泉を出た時は急げば帰りのバスに間に合う程度の時間だったのだが、目的が完遂したからと言って無理に帰る事はないなと思い、次のバスで帰る事にして草津を散策する。

帰り際の道をぶらぶら歩いて見たら、行きには気付かなかった「グラス付き地ビール800円」の文字が目に入り、早速賞味する事に。継ぎ手が高校生のおねぇちゃんだったからか、それとも冷蔵庫にそのまま放置していたからか、苦くて不味いビールで地ビールマニアの私がおみやげに買う気が失せてしまったのが残念なのだが、でもグラスの方が東京で買えば1000円以上はすると思うなんとかグラスで、とりあえずおみやげに持って帰れる事もできるので「ま、いっか」という気になったりした(笑)
でも口直しに出た所にあった温泉たまご(120円)を1つ購入。こちらはできたて(?)の温泉たまごで、目の前でゆでているから気分も出て最高だし、硫黄分の温泉で作った温泉たまごだけあって非常においしい。これは一見の価値あるので、再訪した時にはまた行ってみたいと思うところである。

帰り際、また「なんちゃって長寿庵」がまんじゅう配って居たので、もう一度食べてみたがやっぱり不味い(笑) それで「長寿庵」でまたまた貰ったので食べてみたら、絶品に思えてしまい「なんちゃって長寿庵」は長寿庵の売り上げに貢献しているに違いないと確信して、おみやげに1800円ほど購入。帰りに蒸かしたても、もう1個貰ったのは言うまでもない。この旨い話に罠のない長寿庵には、是非とも草津へ言ったときには寄ってもらいたい。

それでも時間が余ったのだが、温泉入ったら疲れが体ににじみ出てきたので、ちょっと休憩する為にターミナル近くの蕎麦屋で「山菜蕎麦」を食べる。結局この店は、味と値段で草津へ来ても2度と来ないと誓って良い所だったのだが、一応そば湯も出したのでよしとする事らにして、以前の記憶から発車20分前にバスターミナルへ行く事にする。
やっぱり案の定帰りの客でごった返していたので臨時急行バスの列に並び、長野原草津口駅まで。今回は観光案内なども付いており、観光気分満喫で行く事ができたのだが、途中のバス停で子供が乗りたがっていたのが、ちょっと可哀想だった。


  帰り道


長野原草津口でみんな普通電車の乗るのかな?と思ったら、大半は後続の特急を待っているらしく自由席の所に列を作って並んでいる。それなら先発の普通で高崎まで行けば良いのにと思っていたのだが、なぜ待っているかの答えは中之条駅で判明した。なんと特急待ち合わせの為、20分の停車するというでは無いか。いくらなんでも待ち合わせ過ぎるので、一瞬耳を疑ったがやっぱり待つらしい。まぁ観光路線にありがちな待ち合わせと言えば待ち合わせなのだが、度が過ぎると思うぞJR東日本…
やっぱり約20分も待って中之条駅を発車。単線で特急通過待ちをするとは夢にも思わなかったのだが、こんな事をしてくれるJRに今度ラブレターを送って上げようと心に誓う(笑)
途中、小野上温泉から乗ってきたおぢさん2人が温泉談義を始めたので聞いていたら、結構面白い。「榛名山の8合目に伊香保がある」とか「どの温泉が良い」とか、小野上温泉から渋川までずっと続けていた(笑)
そのおぢさん達が渋川の手前で「あれが榛名山だ」と言ったので見てみたら、榛名山のシルエットが見て気分が良い。
そのまま高崎まで続けるのかなと思ったら片方の人が渋川で降りたので、話は終わり。残った人の方も、他の人に話かける訳でもなく寝入ってしまったので、こちらも寝る事にしたら疲れが残っていたのか、ぐっすり寝込んでしまい、気付いたら次は高崎とアナウンスが流れていた。

高崎線の接続が結構良かったので、そのまま高崎線に乗り込んでボックスに収まったら、またすぐ寝込んでしまい、なんと発車にも気付かないという危険な状態で倉賀野まで行ってしまった。とりあえず荷物は無事なので、荷物だけしっかり抱え込む様にしてから寝込んでいたら、ふと起きると大宮の手前まで来ているのでびっくり。当然辺りはもう暗くなっていて、一瞬どこだか判らなかったのだが… そのまま野暮用があるので大宮で下車。結局寝て始まり、寝て終わるという旅はしめくくったのである。


 感 想


行きだけは時刻表で時間チェックしていたのだけど、帰りは本当に行き当たりばったりだったので、結構時間がかかってしまった。
でもまぁだるまも食べれたし、北海道で焼けた皮膚も、温泉に入ったらなんか綺麗に剥けたので、まぁ良いかなぁって感じだろか^-^;


鮎川 瑞輝(あゆかわ みずき)

©2000 Mizuki Ayukawa. All rights reseved.