徒然なる日記
ほとんどがゲームに関するネタです。もしかしたら気のせいかもしれません。


 2012年5月2日(水)    英雄*戦姫終了
 ようやく終わりました。かかったのは212ターン。
 さすがに疲れましたねー。最後の方はテンションが維持できなくてちょっとやっては止め、を繰り返してました。特に最後の最後の展開は漫画などの引き延ばし展開に見えてとてもだるくなりました。
 唐突に上杉謙信@「ランス」シリーズが出てきてもあんまり喜ぶどころではなくなってましたね。まぁ、この謙信が今ひとつということもあったと思います。スタッフロールを見る限り織音氏が描き下ろしたみたいなんですけど、どうもあんまり可愛くない。同人作家が二次創作で描きました、みたいな違和感があるんですよ。デザインは同じだけど同一人物には見えないというような。個人的には「戦国ランス」や「RANCE QUEST〜ランス・クエスト〜」からそのまま持ってきてくれた方が良かったですね。
 他には登場時期やユニットの性能もテンションが上がらなかった理由になってます。もう最終決戦を残すのみ、なんて展開で出てこられても使うところがほとんどないという。英雄技も「びしゃもんてん」だったので使いでがあるってわけでもないですからね。便利ではありますが。
 確かに序盤とかから登場してしまうと他のキャラを食ってしまいかねませんけど、ボイスなしというハンデは大きいのでそれほどでもないと思うんですけどね。つーか、喋ること自体が出来ないっていう設定だし。なにより、システムが依怙贔屓にはとことん向いていないですから、本作の場合。兵数とアイテム2、3個じゃ、どうしたって特別感はでませんよ。
 2周目の恩恵は難易度選択とこれまで集めた宝具を最初から持つかどうか。他に特に用意しようがないのはわかりますが、ご褒美としてはいかにも弱いですね。このへんにジャンルとしての魅力の弱さが感じられます。育てる楽しみもないし、誰を仲間にするかの選択もないし、進撃ルートも差はわずかでホントに順番が違うだけ。この作品がよほど好きでないと周回プレイはきついですね。このブランドで次回作があるのなら課題となるでしょう。

 2012年5月8日(火)    ものべの開始
 昨日どうにか「英雄*戦姫」のゲーム感想をアップしました。久しぶりにえらい時間がかかってしまいました。やはり、キャラ別感想はちょっと無謀でしたね。これでも、全員じゃないんだからなぁ。ずいぶん長々と遊ばせてもらいましたが、基本的な出来は悪くないだけにもったいなく感じましたねー。まぁ、ゲーム性が増すと飛躍的にバグの可能性も高まりますけども。もうちょっと冒険して欲しかったように思います。話もインパクトが弱いので3ヶ月後にはどれだけ覚えているか、とても怪しいです。
 
 「ものべの」。1人目はあかしゃぐまのすみ。
 う〜ん。なんだかなぁ。せっかく雰囲気作りやキャラ、ネタは悪くないのにほとんど展開することなく終わってしまいました。トゥルーエンドでないのはわかりますけど、すみエンドは恐らくこれしかない訳で、そうなるとさすがにどうかと思ってしまいます。物語の主題とすみシナリオ自体が乖離してしまっているんですよねぇ。ハッキリ言ってしまえば2つは別の話題で関係ないんですよ。なのに主題の方が片付くと(?)すみシナリオも終わってしまう。これではちょっとねぇ。
 さらに恋愛描写も問題外で。まず基本的なポイントが、ゲームが始まった時点で主人公も3人のヒロインもすでに攻略が完了しているんですよ。よって行われるのは良く言えば恋の鞘当て、悪く言えば醜い足の引っ張りあい。最初はいいですが、それしかしないといい加減うんざりしてきます。しかも、それでしばしば大事なこと(病状とか)を見逃すのですからつける薬がありません。
 結びつく流れも異常です。主人公の妹、夏葉の異常成長を治す手がかりを得るために主人公とすみは2人でとある妖怪に会いに行きます。困難を乗り越えていよいよその妖怪のいる洞窟に入りました。そこですみが転倒してしまい膝を擦りむいてしまいます。医者の卵である主人公は状態を見ようとすると着物が崩れてすみの局所が丸見えに。それを目にした主人公はもうすみとHすることしか考えられなくなってしまいます。ここで最後までいかなかったのは目的の妖怪が止めてくれたから。
 こんな有り様です。普段から妹が大事とか言っているのは嘘なんでしょうかね。たったこれだけのことで全てに優先して突っ込むことしか考えられなくなるとか文明人とは思えないんですけど。しかも、後になっても反省するどころか、家に帰ったら邪魔されてもう待ちきれない、といった姿勢で始める始末。妹のことはたまに思い出すって感じでしょうかね。
 Hシーンと言えば用意の仕方が変わっています。シナリオを読んでいてあるシーンが終わると追加された、と告知が入ります。場面転換という機能を使ってシーンに入ることが出来ます。基本的に独立しているので終わるとタイトルに戻ります。鑑賞モードに入るオマケのような感じです。これが予約特典で追加されたやつなんでしょうか。どうもよくわかりません。というか、この予約キャンペーン特典、パッケージに一緒に封入されているので初回特典と変わらないような。
 ちなみに本作には紙のマニュアルは入っていません。萌えゲーアワードの用紙だけ。ちょっと男らしすぎますね。せめてパッケージに内容物くらいは書くべきでは。

 2012年5月10日(木)    ものべの2回目終了
 2人目は有島ありす。
 すみシナリオとは打って変わってだいぶましです。むしろ、いい方に属するかもしれません。ただ、なんというか物語の適用ルールがなんだか館モノの様相を呈していました。陸の孤島となった村でドクターヘリなんてものを呼んだらどうなるか。謎を解かずに村を脱出すればどんなエンディングを迎えるか。まさにそんなことを考えさせられることに。
 問題点はやはり、様々な謎が浮かぶだけで明かされないこと。悲劇らしい悲劇も起こらずに物語は終わってしまう。私の心象が良いのは先にすみシナリオを終えていることもあると思います。情報がある程度、埋められてますからね。
 良いところは何と言っても物語の筋がまともであること。すみシナリオのようにキャラクターの行動の意味がわからず、呆然とさせられることがないこと。まぁ、Hシーンに入る前はちょっと微妙な気がしないでもないですけど、なんとか押し通せるだけの心情描写はあったということで。
 緊張感のある展開もなかなか。それほど派手な見せ場があるわけでもないのに、どうなるのかとハラハラさせるだけの描写が出来ていました。
 一番最後のHシーンは相当に浮いておりました。わりと感動的なエンディングを迎えたと思うんですけど、それだけにそこに本当に必要ですか? と感じずにはいられません。すみシナリオでは似たようなHシーンが場面選択でしか行けない別枠扱いになっているというのに。
 ところで、ここまで2本のシナリオで選択肢はたったのひとつしかありません。それどころか、ありすシナリオが終わったらタイトルにも戻らずに勝手に最後と思われる夏葉シナリオが始まりました。これはさすがにちょっとなぁ。せっかくこれだけの世界観を持った作品なのだからもうちょっと選択肢による展開の広がりを見たいところです。や、別に館モノに例えたからという訳でもなく。
 予約キャンペーン特典の内容からするとHシーンに力を入れているか、自信があるのかと思っていましたが、今のところそんな風には感じませんね。テキストやシチュエーションに強いこだわりを感じることもないですし、エロさが際立っている訳でもないです。まぁ、なんというか、普通な感じ。全体的にコンパクトにまとまっているのでテキストでエロくするのは難しいですね。

 2012年5月16日(水)    ものべの終了
 最後は沢井夏葉。
 もうしばらく前に終わっていたのですが、エンディングを迎えてからがちょっとした難関でした。以前も書いた場面選択に用意されたHシーンの数が夏葉ルートはひときわ多く、それだけでも消化が大変。ですが、それだけに留まらず鑑賞モードにも同様のものが用意されていて、合わせてその数なんと23。一見して嬉しいようですがぶつ切りの後日談的なHシーンを連続でこなせ、というのは結構な苦行です。しかも、私の場合は他ルートのものも幾つか残していたので30近くもあったんですよ。よほど、ヒロイン陣が気に入った上に用意されたものが面白かったり、かなり効果的なエロさだったりするといいかもしれませんが、さにあらず。
 まともに読んでいたのは最初の2〜3くらいであとは流し読みでした。それでも、なかなか終わらない。そして、テンションが続かない。結局、終えるのに3日もかかってしまいました。色々と難しいな、と痛感しました。
 シナリオはやはり、緊張感不足です。夏葉ルートは共通からやり直しで、これに夏葉のモノローグが加わったものです。ハッキリ言ってものすごい退屈です。視点を変えたことで「えっ!? こんなことを考えていたの?」ってな感じの描写がないことには眠くなるばかりです。笑いのあるテキストという訳でもないですし。しかも、これで通すのかと思ったらほどなく終わって元に戻ってしまうし、正直なところ意味がわかりません。
 そして、選択肢がひとつもないこと、展開がおおよそわかっている。これではほとんど消化試合ですよ。山場というものがどこにも見出せません。せっかく作った設定などを無駄に消費してしまっているように思えてなりません。とてももったいないです。
 ヒロインの夏葉もちょっと。えーと、ガチでロリなので属性がないわたしにはしんどいです。なまじ成長した姿を見せられているだけに(ちょっとだけエロもある)却って拷問のようでした。主人公もごく自然に幼い妹に欲情しているので心の距離感がもう半端ないことに。エロゲーでは珍しくないとはいえ、周囲も誰一人として反対しないですしね。この場合は重なることがとてもツライです。せっかくの追加Hシーンにはもちろん、成長バージョンはひとつもないですからねー。どうせならIF的なものを用意すればいいのに。
 意外と長くなってしまった「ものべの」もようやく終了。ゲーム感想は近日中に。

 2012年5月20日(日)    ‘&’−空の向こうで咲きますように−1回目終了
 先日どうにかこうにか「ものべの」のゲーム感想をアップしました。せっかく凝った作りだったのに色々ともったいない感じでしたね。
 
 1人目は楠井梨子。
 なんか知らん内に梨子シナリオに入ってました。共通が終わってしばらく経ってからやけに梨子と一緒にいるなぁ、と思ってシナリオセレクトで確認したら入っていたという。共通が終わっていたのもこの時に気づきました。
 体験版の時に心配したように主人公がなかなかにアレですね。ヒロインをガン無視してモブキャラの娘さんに血道をあげる姿が珍しくなく、プレイヤーにため息をつかせる機会に事欠きません。梨子と恋仲になってからもそうなんですから。
 言うことも普通にどうかと思わされますからね。グロンドの力で得たお金で興信所を雇うのはアウトなのに、グロンドの力で得たお金でスイートルームのルームサービスをたらふく食べるのはセーフという意味のわからない俺ルールぶり。わりと深刻な危機が迫っている事態なのに休憩とか言って丸一日休みにしてしまうとか、どうもついていけない言動が多いです。確かに所詮は子供とか言ってしまえばそれまでですけどねぇ。もう少し主人公らしさってものが欲しいです。けして高望みではないはず。
 そもそもラストの敵がかつての冒険メンバーの1人というあたりに疑問。せいぜい中ボスくらいがいいところだと思います。他にシナリオが控えているとはいえ、色々と伏せたまま済ませてしまうのも消化不良の感が強いです。展開に幅を持たせようとしているならなおさらそう感じやすいのではないでしょうか。もったいぶる必要性が薄れますからね。
 梨子シナリオとしてもちょっと。単純に梨子の物語として弱いし、道具を巡るメインの物語と上手にリンクできていません。最低でも梨子の説得がある程度でも奏功しないとねぇ。仮初めの答えとしてさえ弱いですよ。主人公がそこにあんまり絡めていないあたりもねぇ。
 ライターに実力がないとは思えないだけにもったいないというのがここまでの印象です。
 
 かなり久々にリンクを更新。エロゲー通販のPCショップうの屋さま。請われてショップとリンクする日が来るなんて思いませんでした。長くやってみるものですね。

 2012年5月22日(火)    ‘&’−空の向こうで咲きますように−2回目終了
 2人目は穂之上摩樹。
 梨子シナリオ以上にあっさり終了。え、まさかこれで終わらないよね。いやまさかそんな。とか思っていたらやっぱりおしまいでした。どうやらクリア順制御で1周目は梨子シナリオのようですが、もしこの摩樹シナリオに入れていたらかなり唖然としたかもしれません。それぐらい投げっぱなし。まるで解決していないのに悠然とスタッフロールが流れるというほとんど異常事態。
 摩樹のキャラが良いので、それで印象がだいぶ上方修正されているのが救いです。しかし、なんで嫌われた状態からいつの間にか勝手に好かれているのか訳わからんレベルでありますけど。主人公は怪しい言動と不審な行動ばかりしているのに途中から急に頬を染め出すという。最初は何かの罠かと思いましたよ。まぁ、そんな腹芸のできるキャラではないんですけども。
 摩樹シナリオのラスボスが意外な人物だった、というのはいいとして、なぜそうなのか、どうしてそうなったのか、それらがまるで書かれないのでプレイヤーとしては完全に置いてきぼりです。しかし、恐ろしいことに主人公たちは冒険は終わった、みたいな態度をとっているんですよ。そりゃ、この先があるというのはわかりますけど、そういう問題ではないでしょう。摩樹シナリオはこれしかないんでしょうから。
 先日は書きませんでしたが、梨子シナリオと同様に相変わらずエピローグはほとんどありません。おかげで余計に寂しさが募ります。少なくとも、こんな有り様ではこのゲームを終えたあとで気に入ったヒロインのシナリオを再プレイしよう、なんて気にはなかなかならないでしょうね。どう考えたって終わってないんですから。
 摩樹シナリオとしてもかなり弱め。梨子シナリオの方がまだしも個人の事情に触れていました。それなのに摩樹シナリオではせいぜい概要くらいしか触れていません。や、仲間と彼氏ができたら黄金を手に入れた、というオチはなんだか得心しがたいものがありますよ。
 Hシーンがエロかったのが数少ないプラスポイント。メートル胸はさすがでありました。でも、2回はちょっと少ないよなぁ。素直にもったいないです。立ちCGであれほど揺らしていたのですから2回では拍子抜けという方が近いでしょう。
 まだシナリオは続く訳ですが期待よりも心配という感情が勝ってきてしまいました。

 2012年5月26日(土)    ‘&’−空の向こうで咲きますように−3〜4回目終了
 3人目は真堀束沙。
 2周目までと展開が変わったのはいいのですが、なんだか雲行きが怪しい感じに。途中から主人公と束沙以外ほとんど出なくなるというのはどうなんでしょう。カエレンジャーとしての集団ドラマはすっかり置き去りなような。いや、別段そういう展開があったって構わないんですよ。ただ、それがシナリオの重要なところのほとんどを占めているのはどうなのかと。
 しかも、尺は短いとはいえ、事件の最後のオチのところは束沙ではなく、麗がメインを張っています。これでは一体、誰のシナリオやらわかりません。束沙本人がそういうこだわりのないキャラと言ってしまえばそれまでですけど。
 ヒロインとしても効果があまり感じられません。お約束の可愛い女の子姿が正直あんまり魅力が上がったようには見えないと言うか、そもそも劇的に変わったという主人公たちの言葉に違和感があります。そんな変わってないじゃん、っていう。あと束沙のどんな願いからエリリルが生まれたのかよくわかりません。みんなの願いはちょっと歪んでいるのに束沙のはそのまんま過ぎるような。そのせいか全然、触れてないし。
 惹かれ合う過程とかもう完全な開き直り。実験としての性行為に興味があるという、ただそれだけで強行突破。ある意味ジョーカーである生命の危険を感じると子孫を残したくなるという技まで使っています。いやもうなにかね。
 4人目は連城八重。
 束沙シナリオが可愛いほどだったというトンデモ展開。プレイ中はもうどう収拾するんだ、コレ? ということしか考えていませんでした。それにしてもこれはちょっと酷いなぁ。展開に幅があればいいってものじゃないといういっそ見事なまでの見本です。少なくとも、この唖然とするような流れにドキドキするか、ワクワクするかしないと失敗ではないかと思います。取りあえず、私は無理でした。
 束沙シナリオ同様、八重シナリオとしてもちょっと。というか、そのシナリオでしか起きないことが多すぎるんですよね。特に現象面。そのせいで都合が良すぎるように見えてしまう。伏線として機能させようという気もあまりないのでしょうか。辛うじて束沙シナリオでちょっとあったくらい。
 恋仲になる流れもかなり酷いです。八重と2人で食料を探しに行って遭難。みんなが心配して夜通し探しているのに、見ず知らずの他人の家で告白して即Hとかもうどうしようもないです。しかも、バニーガールの衣装まで物色するというおまけ付き。これは当然、次への最低な伏線になっている訳です。もうため息しか出ませんよ……。
 しかし、本筋の方はもっと酷いです。とにかく主人公の感覚にとてもついていけません。内容もさることながら自分の決めたことを集団の決定として押し通そうというあたりがもう。しかも、建前の上でだけはあたかもみんなで決めたかのようにするという気持ち悪さ(一行は迎合しやすい人間が多いので先頭切って何か言うと大抵は採用されてしまうのです)。
 ストームブリンガーに関する件がまさにソレ。未曽有の事態に陥ったのにストームブリンガーには元通りにする力は備わっていない。しかし、主人公のグレイスワンダーならばそれが可能。なのに道具の力に頼るのは嫌だと言って使わない。
 一体、誰に成り代わってそんなことを決めているのでしょう。この事態で死んだ人、大怪我を負った人、その家族たちに対しても同じように主人公は言えるのでしょうか。そもそも、ストームブリンガーが生まれたのはグレイスワンダーから。そして、間抜けにもグレイスワンダーを盗まれたのは主人公自身。全ての元凶は主人公にあると言っても過言ではないくらいです。道具は危険なものであると認識していたのですから。それなのに自分の落ち度もなかったことにして勝手に使わないと決める。あまりにも傲慢すぎるのではないでしょうか。八重の兄も大概ですが、少なくとも主人公には責める資格はありません。
 道具の持ち主だから他の道具も含めて起こったことに対して責任をとると豪語する摩樹の方が遥かに人として正しいし、主人公らしいでしょう。結局、主人公の言っていることは情けない責任逃れでしかありません。束沙が言ったように道具に善悪はない。使う人間にこそ、それがある。これは最も痛烈な形で主人公に帰って来たのではないでしょうか。まぁ、気付いていないみたいですけど。

 2012年5月29日(火)    ‘&’−空の向こうで咲きますように−終了
 5人目は春木麗。事実上のオーラスシナリオ。
 もう予想がついていましたが、やはり釈然としない最終シナリオでありました。シナリオ上で起きる出来事は概ねこれまでのシナリオで起きたことが被さるように起きるのですが、それぞれの問題に対してもう過ぎたことだから、終わったことだから、とばかりに無視とか無反応だったりするんですよ。これはかなーり、どうかと思いました。麗なんて自分の仇敵とも呼べる人間が目の前に現れても全く平然としているくらいで。束沙シナリオでの姿がまるで嘘のよう。
 まぁ、意図は分かるんですよ。同じことをやっていたら時間がかかってしまうというのは。でも、だからってまるで既読スキップのようにサラッと流されてもねぇ。そもそも、これまでだってシナリオごとに起きる出来事は違っていたのだから、それを縛りと考えなくてもいいのでは? どうせ梨子の母親のこととか起きていない、あるいはスルーした出来事もあるのだし。
 もはや言葉を重ねる必要もないくらいですが、相も変わらず主人公はアレです。麗シナリオではいつもの危うさに加えてキャラが状況に応じてぶれるという非常事態が起きています。
 麗がリンギルを使わないことで腹の中になんだかもやもやが溜まるとか言っていたのに、その舌の根も乾かぬ内に「使わなくていい! その分、俺が頑張るから」とか意味のわからないことを言い出します。何の契機もなくそれを受け入れられるならなぜ、日を跨いでまで悩むのか。この主人公はどうにも上から目線なんですよね、誰に対しても。自分がミスを犯した時でも。だから、思考がねじ曲がっておかしなことになる。
 恋仲になって病気が伝染したのか、麗も同じような性格に変わっています。道具をどうするか、という話し合いの中でなぜか摩樹が麗に許しを請わなければならないという謎の論理展開を披露。相手が自分の思う通りに動かなければ制裁だ、という考え方は控えめに見てもまともではないでしょう。しかも、カップル揃って深く考えずにそうした言動を繰り返すので困ります。相手に強く言い返されたら思いつきで言うんじゃなかった、みたいなモノローグをかましてから撤回したり、ホントに困ります。
 マジックベーンを得てからはさらに酷くなります。なにせ持ちセリフが「お前の夢を殺してやる」ですから。道具は本人の願いから生まれたものだと知りながらこのセリフです。とても、主人公とは思えません。ほとんど悪役のセリフですよ。いかに騒動を起こした迷惑な人間だったとはいえ、その願いを殺して得意になっているのですから。珠璃から憎悪の目で見られてもその理由にまるで思い当たらないあたり極まってます。
 終盤、珠璃が2つの道具を生みだすシーンは奇怪でさえありました。自分の夢を確保したまま、多対一で珠璃の道具(母親の形見でもある)を取り上げる。なんかみんな精神のバランスを欠いている感じでありました。加えてなぜか、このシーンではマジックベーンがさながら勇者の剣のように扱われていて不思議でした。みんな意見は違っていたはずなのに、いつの間にか何にも増して大事なものという共通認識に。
 珠璃の願い「永遠」を聞いて「わからねーっ」で済ませてしまうような人間が問答無用で願いを殺そうと軽く考える。本当に恐ろしさ満点の主人公ですわ。しかも、最終段階ではその強硬意見を翻すという謎のコウモリぶりまで見せてきます。自分の主張に悩むシーンになんてどこにもなかったのに。
 ラストにはタイトルの意味も明かされますが、とくに無感動のまま。ピンと来なかったですね。結局、キャラを最後まで扱いかねているように見えました。特に章子と櫛寧さんは本当に必要でしたか、と。このシナリオでの役割が如実に語っているのではないでしょうか。道具もシナリオ全体であまり使えていない感じでした。こういうのって一見してあまり使いどころのない道具を実は、という感じで上手に使ってナンボだと思うのですが、本作は使いにくいのも活用度も見たまんまでしたね。
 最後は仙島星良。
 早い話が番外編のような脱力シナリオ。もしかして、このシナリオの目的は笑わせることじゃないですよね? 個人的な心配はそれだけです。もしそうなら笑いというものを考え直した方がいいと思います。ちょっとこれはなぁ。まぁ、笑いの要素を考えずに話だけ見ても面白くないんですけどね。残念なことに。

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