徒然なる日記

ほとんどがゲームに関するネタです。もしかしたら気のせいかもしれません。

2019年7月1日(月)
月の彼方で逢いましょう1回目終了
 1人目は日紫喜うぐいす。
 長いのか、短いのかよくわかりにくい内容でした。というか、フラグのせいだとは思いますけど、スクール編の終盤やアフター編の出だしが体験版と違うのでなかなかに戸惑いました。体験版だからと八方美人な感じで選んでしまったせいもありますけど、あれは灯華シナリオだったのでしょうか。スクール編の尺が違いすぎてなんだか違和感の方が強かったです。よくわからないタイミングで終わるのは一緒でしたが。
 しかも、だから例のスマホによる過去との連結はないのかと思いきや最後の最後にやってきますしねぇ。これはさすがに賛否が分かれそうな気がします。死ぬよりは良いということなんでしょうけど、治療に専念したからって完治する保証がある訳でもないのにねぇ。あくまでも「かもしれない」であり、同じ医療の歴史が辿られたらの話。おまけに自分は変容してしまってそれを観測できないというのに。個人的には生き方を全否定してしまうのはあまり好きではないかな。主人公も似たようなことを言ってましたが。
 細かいところでも気になる点はそれなりにありました。恋仲になってしばらくして不意に全く連絡がつかなくなるイベントが発生して震えそうに。思わずtone work’sのデビュー作「初恋1/1」を思い出してしまいました。ちょっとゲーム内とはいえ、トラウマっぽくなっているようです。ホントにあの作品は主人公を信頼することなく、すぐにこういう態度をとってきましたからねぇ。確かに主人公の人格もちょっとアレでしたが。
 うぐいす先輩は普通にイベントCGと立ちCGに落差を感じてしまって困ってました。一発目のイベントCG、窓際に座る姿はとってもいいのに直後に出る立ちCGはちょっと看過できない劣化ぶりが感じられましたよ。真っ正面すぎるのがいけないのかなぁ。斜めから見ればあんなに美人なのに。それにしても、編集者に向いてそうとか評されていながら成長しても全くそうならず(別のルートでも)、他のヒロインにお鉢が回ってくるってなんだか変な感じがしますねぇ。確かに編集者になってしまうとやりたいイベントの実現が難しいかもしれませんが。
 今のところ、1シナリオのみですが、早くも傾向として見えそうなのが、個別に入るとあまり他のヒロインが絡まない、ということ。用がなくなった、とばかりにどんどん画面が寂しくなっていく様子はキャラがいいだけにもったいなく感じます。なにやら月ヶ洞きらりだけはライター陣に愛されている感みたいなのをすんごく感じて良く出てくるんですけどねー。まぁ、確かに基本ひとりは行方不明役なので難しいところはあるでしょうがそれにしてもねぇ。
 システムはあまりよろしくありませんね。完全な読み物、それも尺も長い作品なのにバックログがあまり戻れない上にロード直後にはシーンジャンプの機能さえ使えないという、それは果たして搭載する意味があるのかしら、という情けないシロモノです。チェックボックスを入れれば「次から表示しない」というやつもなぜか一部では反応してくれません。
2019年7月4日(木)
月の彼方で逢いましょう2~3回目終了
 2人目は岬栞菜。
 一度エンディングを迎えるとアフター編からも始められるように。こちらはスクール編には登場しない3人のヒロイン専用ルートの入り口です。フラグが立っていても他のヒロインのルートへは入れません。しかし、その割りには共通というほどではないものの、その入れないルートのヒロインたちの話がしばしば挟まってくるのでなんだか悲しい感じです。後には全く出番がないというのに。ほぼほぼ意味のないシナリオですからねぇ。迂遠な感じがします。
 いささかわかりにくい選択肢を越えるとようやく個別シナリオに。
 ヒロインの栞菜はあまりうまくいっていない漫画家、ということで未経験ながら編集の主人公がそれを学びながら支えるという展開はベタながらなかなか面白いです。ただ、どうも虚実とりまぜの部分が違和感として残りやすいかもしれません。出版社によっても事情は異なりそうですけど、どうも不思議に思うシーンがしばしばありました。あからさまに話の都合上っぽい点も目立ちます。いかに月刊誌とはいえ、1巻発売時にサイン会を行った作品が2巻打ち切りなんてあるのでしょうか? それも最初から打ち切りが既定路線の作品に。
 途中からはまるでバッドエンドルートに入ったかのような急展開でかなり驚かされました。主人公も衝撃を受けていましたが、この出来事に対する真っ当なフォローがあったようには感じられませんでした。どうも隠しごとの部分がアンフェアを越えて無理矢理すぎる感じになっていたように思います。仕組んだ人間なのにまるで他人事な松宮編集長もなんだか違和感がありました。少なくとも、騙されて仕事させられるっていうのはどうなんでしょうね。それで責任を感じるな、とか言われてもなぁ。

 せっかく栞菜さんは魅力的なのにもったいなかったです。アフター編からの登場だからかもしれませんが、イベントも少なかったように思います。もっといちゃいちゃしたかったというのが正直なところです。
 本人のずぼらさの表現とはいえ、見た目の姿が変わってくれるのは良い感じです。どちらも味がある可愛らしさに仕上がっています。
 編集が作家に手を出してはいけない、という前振りをやっておいて、それに対する主人公の葛藤がほぼないだけでなく、実際的にも何もないというのはさすがにどうかと思います。松宮編集長も編集長で、あーんな落としやすそうな娘さんに主人公をあてがっておいて、「親身になって上げなさい、でも好かれては駄目よ」みたいなのは普通に無茶だと思います。
 3人目は倉橋聖衣良。
 本作はフラグによってヒロインたちのアフター編における立ち位置がかなり変わっていて興味深いです。この聖衣良もスクール編で主人公と過ごして確実な夢を持つことで、とてもしっかりした娘さんへと成長します。一方で他のシナリオだと姿こそ同じものの、まるで進路が決まらない主体性の全くない娘さんになってしまいます。主人公の言葉や選択が重く扱われているのがなかなかいい感じです。まぁ、だからこそ栞菜シナリオのアレはどうかと思うのですけど。
 しっかり者に成長した聖衣良さんとの日々はとても楽しく、栞菜シナリオに足りなかったものはこれなんだ、と膝を打つくらいに満喫できました。都合があるとはいえ、アフター編の細かい設定が違っているのも良かったです。わざわざ編集長を別の人間に変えた甲斐もあったのではないでしょうか。まぁ、代用できなくもないとは思いますけど。
 もったいないのはちと順風満帆すぎることと、聖衣良のお母さんがあまり出てこないことでしょうか。冷やかし要員としてとても重要なポジションなだけにもっと出てほしかったです。というより、世界が狭すぎるのも難点です。主人公の悪友も出ませんし(スクール編ではちゃんと絡みがあったのに)、聖衣良の友達や他のヒロインもまるで出ません。こういう時の賑やかし要員かと思っていた月ヶ洞きらりの出番さえなし。待望のはずの結婚式の描写があまりにも寂しいです。誰の祝福もないというか、他のキャラが書けないというあたり、ね。

2019年7月8日(月)
月の彼方で逢いましょう4~6回目終了
 4人目は松宮霧子。
 なんだか実感のこもった婚活パーティーへ参加する流れが切ないです。相談所へ親子で行くのもひとつの拷問ですわな。それでも、思わずお母さんの方に感情移入してしまいそうになりました。そりゃ、35歳すぎて仕事が恋人で男の匂いがまるでしないのでは心配するな、という方が無理ですわ。でも、エロゲーにしてはなかなか思い切った年齢設定ですねぇ。それだけで敬遠する若いプレーヤーもいそうですよ。まぁ、中身はかなり乙女な感じですけど。
 正直、テーマ的には苦しいように思います。年の差を気にしないくらい主人公に頼りがいがあるのか、とても怪しいように思います。ましてや、霧子は妥協しない、としてきた人間なのですから。その上で好きになってしまった後で一旦、引くのはわかるのですが、その手前が弱いことは否めません。
 それにしても、ビリヤード勝負が全くもって盛り上がらないのは仕様ですか? とメーカに質問したくなります。人生がかかった勝負でこれほど盛り上がらないものは初めて見ました。単純に勝負方法のチョイスミスなんじゃないですかね。お世辞にも迫力あるバトルが書けているとは言えません。そのつもりもなさそうなのがまた困ります。
 聖衣良シナリオと対照的なのが結婚式。途中で周囲の人間に出番がないのは同じなのに扱いが違います。出ていないから出さない聖衣良シナリオと出ていないのに出してしまう霧子シナリオ。普通に考えれば前者の方が妥当ですよねぇ。いきなり出てこられても困惑するだけですよ。会話してないんだから。
 どうやらアフター編のみのヒロインにスマホネタは絡まないようですね。
 5人目は佐倉雨音。
 いやー、参りました。4周目までで、このゲームのことはある程度わかったつもりになっていましたが、とんでもない間違いでした。このハーフのヒロインさんはちょっとした難物です。シナリオが悪目立ちするぐらい長いです。スクール編の時点から一体いつになったら終わるんだ、と思わせるほどの尺にたまげます。ようやくアフター編に入ってもやっぱり長い。それでいて、内容的に多くが込められている訳でもないんですよ。全体的に冗長でなかなか進まない。加えて予定調和の感が強いので引きが弱く、何度となくつらくなってしまいました。
 初手からなんだか相手をしていて疲れるというか、よくわからないな、と思いながら進めていましたが、結局のところ外見も中身も小学生だった、という悲しいオチでした。本作は立ちCGでサイズが異なってもある程度の調整が入ってしまうので身長とかはよくわからないのですね。まぁ、スクール編の聖衣良は本物の小学生なので仕方のないところではあるのですが。それにしたってスクール編の雨音(イベントCG)の方が大人っぽく見えるというのはどうかと思います。
 どこに存在するんだ? と思っていたSDカットはこのシナリオのためのものだったのですね。
 6人目は月ヶ洞きらり。
 個人的にはヒロインではない方が良く動かせるのではないかな、という印象でした。まぁ、便利すぎるスーパーレディですからね。
 雨音シナリオがあまりにも長かったこともあって、きらりシナリオの短さはちょっとした救いになってました。説得力は霧子シナリオ以上に怪しいですが、しんみりする感じは他のシナリオにはない味なのでこういうのが一本くらいあってもいいのではないかと思います。
 ただ、どう見ても主人公が愛人にしか見えないのは貫祿の問題なんでしょうか。きらりさんは独身だというのにねぇ。

2019年7月10日(水)
月の彼方で逢いましょう終了
 最後は新谷灯華。
 ポジション的に真打ちと言える灯華シナリオですが……。どうも期待しすぎたのか、パワー不足なように感じます。単純なボリュームもそれほどでもなく(ここでも雨音シナリオの後遺症みたいなのが出ている気もしますけど)、納得感もなかなかに薄い展開でした。
 過去を変えることで現在が変化してしまう、という設定があまり効果的に働いていないように思います。バリエーションの違いだけではなく、過去を変えてしまうと伏線もそのあおりを受けて消滅してしまうので、細かい部分がどうでもよくなってしまうのですね。これは明らかなマイナス要素ではないかと思います。
 ヒロインとしての灯華の魅力がすごく大事なシナリオ展開なのに基本、過去においてしか灯華が登場しないのが困りものです。オーラスに相応しくほとんどのヒロインが絡んでくることもあって主人公がきれいな体でいるぐらいに説得力があるかというと、好みの部分はあるにしてもちょっと難しいように思います。なにせ、ヒロイン6人分ですからねぇ。正直、展開が違うこともあって、ぐいぐいくる栞菜さんの方が魅力を感じてしまって困りました。
 プレイ中は「ドラゴンナイト4」と似たような感覚に陥ってましたね。むしろ、あれよりも悪いと言いますか。先代のエトが為す術なく、今のエトを見ていることしかできないような、そんな感覚で。
 細かい部分では電波塔にこだわる理由が理解不能でした。現在の主人公には何も関係がないはずなのになぜああも突っ張る必要があるのか。記憶と経験の統合はまだされていないはずなのに。仮にされているのなら電波塔に特別な問題があるとも思えず、そうなると普通に取材できそうな気もしますが。

 最後はあっさりすぎてかなり拍子抜けでした。まさかエピローグの類が全くないとは。消化不良の感さえあったような。
 それにしても、知らないうちに童貞でなくなっている主人公はなんだかお気の毒な感じです。
 思ったよりも長くかかった「月の彼方で逢いましょう」もようやく終了。ゲーム感想は近日中に。


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