1997年 8月20日

死にいたる病、そして

「空から大きな石が降ってきて、二人を押し潰すのよ。」

物語のハッピーエンド「王子様と御姫様は、末永く幸せに暮らしました。」に対して、こう言った女の子がいた。
もちろん、小説の中での話ではあるが。
「末永く」なんて無責任だ、物語の終わり、幸せの絶頂で死んでしまうのが真のハッピーエンドだと。
この後、この女の子は男友達に「あんた、最近振られただろう。」と図星をつかれる事になるのだが。
実はこの考えはHARIに大きな影響を与えている。
正直な話、今でもHARIは「その瞬間に死んでも、悔いはない。」状況がある。
「あの時、石が降ってくれたら・・・」と。
でも、死んでしまえばそれまでだ。
二人にその先は、無い。
でも・・・、幸せの影にいる「現実」を味わうことは無い。


「絶対絶命のピンチに、彼女を守って死んでいくキャラクターをやりたい。」

女性がオーナーのホームページに作られた伝言板で、彼女を主人公としたRPGゲームを作る話で盛り上がっている時に彼女の熱狂的なファンによって書き込まれたメッセージである。
この考え、実に日本人的であるし、同感する方も少なくないはずだ。
「惚れた女一人守れなくて、男がつとまるか」の拡大解釈かもしれない。
でも、多分アメリカならこんな考えはありまい。
多分、アメリカなら「彼女を最後まで守り生きぬく抜くキャラクター」だろう。
たとえ待っているのが、結果としてヒロインと結ばれなくても。
それに、時間は残された人に「忘却」という名の特効薬を与える。
RPG上ならともかく、現実では「彼女を守って死んだ」事を彼女が忘れていく事は間違いない。
そして、生きている限りチャンスは残っている。

あなたは、どちらの考えに共感するだろうか?


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