三味線は棹の太さで「太棹」「中棹」「細棹」と呼ばれ、その使い方も演奏するもの
などでも違ってきます。
三味線を弾く「撥(バチ)」と呼ばれるものひとつをとってみても、カシやツゲで出来ている
「木撥」、複合材料(プラスティック等)で作られている「合成撥(ネリ撥ともいう)」、高級材料の
象牙やべっ甲で作られているものもあります。それぞれに特長はあるのです。が、ここでは今回のテーマとしてあげられている「長唄」に関するものをちょっと詳しくご紹介
します。
まず三味線は「細棹」と呼ばれているものを使用しています。細棹の三味線は棹が細いだけ
ではなく、胴に張っている皮(もち米で作った糊で張り合わせてあります)も薄くなっています。
使用する
糸(絃ともいう)も細いものを使用します。三味線の胴の後に「音緒(ねお)」というものを取り付けて、その音緒に糸の先を結びつけて糸をはり、そのまま棹の方へのばしてゆき、
最後に上棹についている
糸巻きに巻いていきます。さて、これで細棹三味線に糸がはれた訳です。これですぐに演奏が出来るという訳ではありません。糸と胴の間に
「駒」というものをおいて、糸を支える役割をさせます。そして糸の振動を胴に伝えて初めて三味線のあの音色がでるよう
になります。長唄では大体、駒の高さは三分〜三分八厘(一分
=約3o)を使用します。その糸を弾き、音を奏でるために必要な道具が先にちょっと紹介した撥と呼ばれる扇型のものです。
形は大体、皆同じですが、重さや大きさ、厚さや種類など様々で、三味線の種類や流派によ
っても異ります。長唄で使用されるものは一般的に、重さが15〜30匁(gになおせば
約55g〜110g)位のもので、材質は様々ですが、やはり象牙や鼈甲などが舞台では使用
されているようです。胴に撥があたると皮が破れやすくなるため、撥皮をはって保護すること
もあります。舞台といえば、唄の人たちが譜本(洋楽でいう楽譜のこと)を立てる道具のこと
を
見台といいます。こちらも決められていて、長唄には脚の部分が交差した白木の台で「X見台」とよばれているものを使用します。
以上ちょっぴり情報でした。