![]() 捕らわれの身となったアスカ。 え、前回と話が違うって? どうせこの話のメインはマナちゃんなんだからそれでいいのだ。 余分なシーンはじゃんじゃん割愛する、と 「ほほう。デートシーンも余分だと。」 覚えてやがったか。しつこい奴め。 前回に引き続き、アスカは無視することにして、皆さんご存知の通り、ムサシをおびき出すための餌として、アスカは檻に入れられている。 「猿ね。」 ってちょっとレイちゃん。 ま、当たっているか。 ここで鋼鉄のガールフレンド本編を思い返していただきたい。 捕らわれの身となったマナちゃんはいったいどういう状態であったか。 変な言い方だがおとなしく捕らわれの身となっていた。 ある意味正しいヒロインの姿かもしれない。 で、アスカであるが・・・あのアスカがおとなしく捕らわれたまま、などと考える方がいらっしゃるであろうか? 「ちょっと!!こっから出しなさいよ!!!」 まあ檻をけるやら柵に噛み付くやら。 「猿、というかキングコングの方が近いんじゃ。」 「ゴジラ・・・ゴジラや。」 変に怯えるトウジ。 「やっぱりアメリカ版かしら。」 マニアックな突っ込みを入れるヒカリ。 「ミサイルぐらいならはね返しそうだし、放射火炎ぐらいなら吐いても不思議ではないから、日本版といった方が正しいわね。」 妙に冷静なレイ。 おまえら、論点が違うぞ。 「シンジ、助けに行かないのか?」 「え、ああ、えっと・・・」 既に逃げ腰なシンジ。 「ミサトさんにでも、相談しようか。」 怪獣の事は怪獣に聞くのが良い、と思ったらしい。 「よくあたしに相談してきてくれたわ。」 怪獣扱いされているなどということはつゆ知らず、感涙にむせぶキングギドラ、じゃなかったミサト。 なぜにここまで感激をしているか、というと・・・そういやここまで出番なかったっけ。 何しろマナ、という存在があるおかげで、シンジの中のミサトの占める割合、というのが極めて低い。 挙げ句、マナの防御のおかげでシンジに手も出せない。 その名を轟かせたショタたるミサトにとって、これは由々しき問題であった。 こういう場で良いところを見せておかねばならない。 はっきり行ってネルフの指揮よりもはるかに気合いが入っている。 「だーいじょうぶ、まーかして。」 中指を突き上げ、自信満々に言い切るミサト。 でもねえ、 その台詞を言った奴に任せて、大丈夫だったためしってあるのか? ましてやミサトじゃあ、ねえ。 で、 「N2爆雷の投下を確認。目標、完全に沈黙しました。」 まんまとおびき出されたムサシのトライデントは、嫌々ながらアスカをさらって逃走。 シンジたちの必至の追走も空しく、N2爆雷の投下によって、その姿を消した。 「アスカさんを、助けられなかった・・・」 弐号機の中で、マナにすがりシンジは泣いた。 「シンジさえよければ、私がアスカさんの代わりになってあげるから。」 「ありがとうマナ・・・でも。」 「でも?」 「マナは、マナのままが一番いいよ。」 そりゃそうだろうなあ。狂暴化されてもあまりありがたくないだろう。 一方ネルフの司令室で、リツコは静かにモニターを眺めていた。 「あれが最後の一匹、もとい一人とは思えない。私たちがエヴァを弄ぶ限り、きっと第二第三のアスカが・・・」 シリアスに決めてるかと思ったら・・・ 「ゴジラじゃないんだから。でもあれがレイだったら洒落になってないわよね。」 ミ、ミサトさんまで・・・。でも確かに第二第三のレイ、って・・・洒落になってないな。 「あのー。」 「なあに、マヤ。」 「なんか大事なこと忘れてません?」 「「え?」」 「あのアスカがN2爆雷程度で倒せるんですか?」 ・ ・ ・ 一同沈黙。 マヤちゃん、確かにその考えは正しいよ。 「やはり、オキシジェンデストロイヤーを使うべきだったかしら。」 あるんかそんなもんが。 その後、シンジたちの捜索も空しく、アスカの行方はようとして知れなかった。 「シンジー、そっち肉焼けたよ。」 「私、肉は嫌い。」 「いいんちょー。ジュースとってくれんかー?」 「食べ終わったら花火でもしようか?」 あの、捜索、は? そんなこんなですっかりリフレッシュしたシンジではあったが、やはり思い悩んでいた。 そうそう、エヴァの主人公たるもの、それが正しい姿だ。 だいたいそうでなくちゃアスカも浮かばれない。 『ここんとこアスカさんの事ばっかで、マナに悪いことしちゃったな。』 既にアスカの事は忘れてやがる。 『デートにでも、誘おうかな・・・』 勝手にして。 「シンジ、アスカさんの事なんて、忘れちゃいなよ。」 「うん。」 うん、じゃねえだろ、うんじゃ。 「あのペンダント、まだ持ってる?」 その問いに、シンジは首を振る。 「捨てたよ。マナに、悪いから。」 そういってシンジは微笑んだ。 「シンジ・・・」 頬を赤く染め、マナはシンジに寄り添う。 そんなマナを、シンジは優しく抱き寄せ、 「好きだよ、マナ。」 夕焼けをバックに二人は唇を寄せ合った。 しばらくの間、そのままの姿でいると、やがて静かに離れる。 「さあ、帰ろうか。」 「うん!」 総監督:霧島マナ 脚本:相田ケンスケ 以下略 真っ暗な闇の中でアスカが横たわっている。 死んでいるのだろうか。 いや、静かにではあるが、確かにその胸は上下している。 ちなみに言っておくがどっかのアニメのように胸が揺れている、というわけではないのであしからず。 そして。 アスカは静かに目を開けた・・・ 「ってなんなのよ、このゲームは!」 「霧島マナ監修、真鋼鉄のガールフレンド。」 ここは第3新東京市立第一中学校。 いつもの様にいつもの如く、アスカとマナが遣り合っている。 「そうだよ、僕の出番がないじゃないか。」 「カヲルなんかどうだっていいけど、私の出番が少ないのは納得いかないわ。」 「ひどいなレイ。そうか、僕とシンジくんがあまりに仲が良いから、嫉妬してるんだね。」 「そんなわけないでしょ、このホモ男が。」 「そういう言い方は差別だな。人を好きになるのは個人の自由だとは思わないかい?ねえ、シンジくん。」 そのカヲルの流し目に、思わずひくシンジ。 「まあ、そう、かも、ね。」 勝ち誇ったような顔をレイに向けるカヲル。 「でも、やっぱり僕としてはマナとかレイの方が良いかなあ、なんて・・・」 「酷いや、僕の気持ちを裏切ったんだねー。」 「あ、カヲル君!」 後を追おうとするシンジを、レイがガシッと羽交い締めにする。 「そんなことよりシンちゃん・・・」 「な、なにかな?」 妙に冷たい目つきに、怯えるシンジ。 「このゲーム、なんかシンちゃんの希望が入ってるって噂なんだけど、ほんと?」 「そう、これがシンジの望んだ世界、そのものよ。」 アスカをほったらかし、どっかで聞いたような台詞を吐くマナ。 「シンジ〜」 「シンちゃ〜ん?」 「シンジく〜ん」 あ、帰ってきやがった、カヲルの奴。 「いや、だから、あの。」 助けを求めようと、マナの方を見るシンジ。 だが、 「しょうがないのよ。結局シンジは最後に私を選ぶ運命なの。」 マナは一人、別世界にいた。 説明せねばなるまい。シンジの希望、それは・・・ただ単にケンスケにマナ、レイ、アスカの誰が一番好きかと問われ、素直にマナ、と答えただけの事である。 その際、アスカは怖いし、と言ったシンジの言葉を拡大解釈して生まれたのがこのゲームなのだ! 本当かよ。 そんな喧燥をよそに。 「平和だねえ。」 窓の外を眺め、いつもの様にケンスケはつぶやいた。 そんな他人事みたいに言ってていいのか? 「今すぐ平和じゃなくしてあげましょうか?」 ほらね。 シンジをしばき倒したアスカが、既に次の目標をケンスケに定めていた。 「ゲ、あ、あれは、その、」 「問答無用!」 そしてケンスケは星になった。 ありがとうケンスケ。僕たちは君を忘れない。きっと。 「平和ね。」 「平和やなあ。」 「平和ですね。」 そんないつもの光景を、ヒカリ、トウジ、マユミは楽しそうに眺めていた。 今日も、第3新東京市は平和であった。 「そう言えば、私も出番なかったですね。」 ごめんね、マユミちゃん。 |