![]() 「ちょっとシンジ」 またしてもそれは唐突に始まった。 アスカに呼び止められ思わず身構えるシンジ。 転校してきてからというもの、アスカは何かとシンジにからんでいた。 本人にすれば愛情表現のつもりなのだろうが、とてもそうは見えない。 どう見てもいじめっ子といじめられっ子の関係である。 どっちがどっちかは、あえて言うまい。 「な、なに?」 わけもなくびくつくシンジ。 「今度の日曜日暇?」 「うん、まあ。」 「アタシも暇なんだけど。」 ・ ・ ・ で? だから? 「あのー・・・」 「アンタバカァ?こういう時はデートに誘うってのが筋でしょう!?」 「そ、そういうもんなの?」 絶対違うと思う。 「じゃ、じゃあどこに行こうか。」 相変わらず押しに弱いやっちゃなあ。 マナやレイはどうすんだ。 「あのねえ、そういうのは男の決めることでしょう?」 強引に誘っておいてそう言うかね? いや、間違いなくアスカならそう言うか。 『二人っきりで温泉、てのもいいわね。でも理想は夕日をバックにキス〜なんて、』 既に妄想に突入しているアスカ。任務はどうした任務は。 「だって、ムサシに「楽しんでくるといい」って言われたし〜」 あ、そう、ってそれは違う話! だいたい具体案があるなら言やいいだろうに、でないと、 「・・・で最後に海賊船かな。」 「え、ちょ、ちょっと待ってよ。」 「だってアスカさんが決めろって。」 「最後が海賊船じゃ、イベント的に一番おいしくないじゃない!」 なに言ってるんだか。 「"Arche"の時はしっかりキスシーンがあったじゃない!?」 それは作者がマナちゃんの味方だから。 「海賊船じゃ一番何もないじゃな〜い!」 そうねえ、じゃそんなわけだからデートシーンは割愛。 さて、ほんとにデートシーンを省略したところで、 「なぜ!?」 何にもないって、不満たれたのはあんたでしょうが。 「だからってほんとに省略するな〜!」 うるさいので無視して先に進む。 アスカが馬鹿なことをやっているちょうどその頃。 「これが、あの謎の移動物体の正体?」 湖の岸辺。マナは弐号機の中からその物体を眺めていた。 滝壷に落ち、その機体は大破している。 「無様ね。」 それじゃリツコさんだって。 パイロットが救出された、との報を受け、シンジも病院へと向かっていた。 集中治療室に寝かされているそのパイロットは、シンジたちと変わらぬ、少年であった。 「ちょっとかわいい子ね。」 というマナの発言におもわずむっとするシンジ。 「シンジ、ひょっとして焼いててくれてるの?」 「そ、そんなんじゃないよ。」 「そんなわけはないわ。碇君は私のことが好きなんだもの。」 「シンジは私の恋人なの。」 「いいえ、私と一つになるの。」 「私!」 火花を散らすマナとレイ。 シンジはその後ろでただオロオロとするだけであった。 「あのーアタシもいるんですけど。」 そしてすっかり忘れられたアスカが、後ろの方でいじけていた。 「あら、アスカさんいたんですか。」 「どーせアタシなんて。」 「なぜここにいるの。」 「いーでしょ別に!ファーストには関係ないことよ!!」 なぜにこのキャスティングでレイをファーストと呼ぶ? 「さては・・・」 「な、なによ。」 意味ありげなマナの視線に思わずたじろぐアスカ。 「ひょっとしてアスカさんの彼氏?」 「ち、違うわよ。馬鹿じゃないの!何であんな奴。」 可哀相なケイタ。ここしか出番ないのに。 アスカはうろたえながら、ちらりとシンジの方を見る。 だが、まるで意に介した様子もないシンジ。 脈なし、だねえ。 さてそんなある日、シンジは唐突にゲンドウから呼び出される。 「なに、父さん。」 「シンジ、惣流アスカから何かをあずかってはいないか。」 どうやらマナかレイが告げ口をしたようで、ゲンドウもアスカをスパイと疑っているようであった。 問われてシンジは一つのものに思い至る。 ペンダント。不自然なまでに強引に押しつけられたものである。 押しつけられた、というその表現があまりにぴったりであったためか、シンジも少々当惑気味であった。 だからではないのだろうが、至極あっさりと、シンジはペンダントをゲンドウに手渡した。 「むう、そんなものを。」 「よかったわね。」 妙に冷たいマナとレイ。 ちなみにゲンドウの追求よりも、この2人のデートに対する追求の方が過酷であったことを付記しておく。 結局シンジはこの二人の尻にひかれてるんだな。 その日を境にして、アスカは学校へ来なくなった。 解放された、という気分と同時にどこか一抹の寂しさを覚えるシンジ。 『僕は、アスカさんの事が好きなのかもしれない・・・』 そうか? だからかどうかは知らないが、お見舞いという名目でシンジはアスカの家を訪れることを決意した。 当然、マナ、レイ、その他大勢も一緒である。 「わいらはその他大勢かいな。」 「そうらしいねえ。」 「相田くんはともかく私や鈴原もなの?」 「い、委員長ひどい。」 一人だけその他大勢ってのは・・・いくらなんでもひどすぎだよな。 ケンスケってば不幸。 結局、アスカの家では何も情報を得られなかったシンジ。 一応は心配らしきものをしていたのだが、そんなものはどこ吹く風、アスカは翌日平然とした顔で登校してきた。 「ケイタがね、いないのよ。」 言ってはいるが、あまんし心配そうではない。 「ああ、アスカさんの彼氏ね。」 「違うって言ってるでしょーが!アタシが好きなのは、」 「好きなのは?」 「ア、アンタには関係ないわよ。」 「てことはシンジでもないわけだ。」 「なんでそうなるのよ!」 「だって相手がシンジなら、私関係なくないもん。」 そりゃごもっとも。 「はん、正妻気取りで。」 「さしずめアスカさんは2号さんね、セカンドチルドレンだし。」 「なんでよ!って、この話じゃあんたがセカンドでしょうが!!」 「は、しまった。」 「そうすると私が一号。つまり碇君の奥さん。」 どっから出てきたんだか。でもこの頃の綾波は2人目。まああまり関係ないが。 「技の一号、力の二号ってところね。」 マナちゃん、それなんか違う。 「じゃあ、アタシはV3?」 だからちゃうって。 「V3はサードだからシンジね。アスカさんはライダーマンかしら。」 おいおい。 「その理屈で行ったら4人目は鈴原でしょーが!」 そうするとカヲルがXで・・・ 「アスカさんはアマゾンと。」 もう勝手にして。 「違うわ。」 「「?」」 「あなたはショッカーライダーよ。」 おいこら。 「というとあのマフラーの黄色い奴?」 いや別にピンクでも緑でも、って何でマナちゃんそんなこと知ってんの。 「再放送で見たんです。」 あらそう。 なんか収拾がつかなくなってきた。 ので次回へ続く。 「僕の出番はどうなったんでしょう?」 ごめんシンジくん。 |