Photo Diary : Sense of Wander  -夢幻放浪記-   20     Topへ戻る   前へ     次へ

No.450 31,August,2004  <続 二天一流> 浅草

F710とF810を使い、日没ごろより浅草を撮り比べる。
新宿では、なるべく両機の違いを明らかにしようとオートホワイトバランスを多用したが、こちらではなるべく違いを目立たせないような撮影、つまりふだんの撮影スタイルに沿ったものである。それでもダイナミックレンジと赤の色相の差は歴然としたものではあるが・・・

こういう比較撮影によるギャラリーは、大体頭で描いた通りには行かない。
どちらかがブレていたり(大体F710の方がこけている)、通行人のせいで一歩下がって構図が異なったりで、無難なカットばかりが残ることとなる。一部セッティングの違いは、半分意図的で半分不注意によるもの。

結論としては、やはりF810の方が色味をコントロールしやすく、明暗差による実質的な感度の変動がないため、特に夜景ではずっと使いやすいということになる。
 

Fine Pix F810 2004 08/30 19:24
<ハニカムSRについての補注>
スーパーCCDハニカムSRはその構造上、高感度なS画素と低感度なR画素の情報を組み合わせることにより、より明暗差のあるシーンでも光の回った画像を生成することを目的としている。いわば、強火と弱火を使い分け、焦げ目をつけずにまんべんなく料理に火を通すのに似ている。R画素の情報はS画素の情報よりもアンダーであるため、その効果が発揮されるわけだが、同時に低感度なR画素の情報をため込むのに余分の時間がかかるシーンもまた存在する。したがって、ハニカムSRの実効感度とはS画素の電気的な数値にすぎず、トータルとしてのハニカムSRはISO:200にセットした場合でも、あるときはISO:200であり、あるときはISO:160であり、あるときはISO:125であるかのようにふるまうのである。

No.449 29,August,2004  <高画素ワイドモード> 台場
F810の夜景がよいのは、ノイズが非常に少なく、シャドウ側の諧調がなめらかで、色やディテールの情報が失われないことである。そして、ワイドモードにしても縦方向の情報に余裕があり、適度なサイズで表示すれば圧倒的な迫力で現われてくることである。
Fine Pix F810 2004 08/28 20:10(トリミング有)

No.448 29,August,2004  <二天一流> 青海
某掲示板には、終始画素ピッチにこだわってきた私がハニカムHRを認め、Caplio GXがあれば一眼は要らない等と言い出し、支離滅裂だとのコメントがあった。私は目の前の画像に対して感覚的にものを言う人間だから、事実誤認はないが、前提としてコンパクト機数機を並行して使うなら・・・ということである。残念ながら、今のコンパクト機で一機ですべてをカバーするのは、焦点距離の問題を除いても、無理な相談だ。だから、一機しか使わない人に私はそれらを勧めたりはしない。
Fine Pix F810 2004 08/28 18:57 Fine Pix FF710 2004 08/28 18:59
ISO:200 WB:Daylight F-Standard 1/23sec ISO:200 WB:Daylight F-Standard 1/7.5sec
ちなみに上の2画像はハニカムHRとSRの絵作りの傾向を比べるものであって、感度やシャッター速度を比べるものではない。ハニカムSRのシャッター速度は、ハニカムHRのそれに対して100〜150パーセント程度の範囲で推移する。R画素の混合率がゼロに近い場合完全に同一であるが、これが高まるにつれ、シャッター速度は遅くなる。混合率が400パーセントに近い場合にはHRの絵ではシャドウとして沈んだ部分が明るく浮き上がるので、シャッター速度の比較そのものが無意味になる。なぜなら同じ露出傾向の絵はハニカムHRには存在しないからだ。しかし、一般論として、カメラ任せにした場合、ハニカムSRはハニカムHRよりもシャッター速度は2、3割程度は(適正露出の少し明るめの絵では最大2倍程度まで)遅くなる傾向にあるので、低照度時の撮影ではS/N比の高いISO400を積極的に活用した方がよいだろう。

No.447 29,August,2004  <市場通り商店街> 滝野川
みよの台仲通り商店街の反対側に坂を下りて続くのが市場通り商店街。狭い道が急に広がり、そこだけが都心の裏通りのような解放感と、活気がある。この商店街はこの場所にあるから、価値のある通りだと思う。
Fine Pix F810 2004 08/28 15:03

No.446 29,August,2004  <商店街隠れ里> 滝野川
巣鴨地蔵通りを抜けると、庚申塚商店街に入り、さらに荒川線を越えて進んで行くと、滝野川銀座に入る。板橋駅に通じる旧街道筋で年代ものの木造家屋が多い街道筋だ。この脇道にも数多くの商店街が存在する。みよの台仲通り商店街や、きつね塚通り商店街が旧街道筋に直行して続いており、さらに首都高速をくぐったその先にあるのが宮元商店街である。この商店街は、下り坂になりながらもさらに続き、ちょうど戸越銀座の脇道のような風情がある。坂道の中途で突き当たるのが、八幡通り商店街であり、さらに下りきると八幡神社に突き当たる。
Fine Pix A203 2004 08/28 14:35

No.446 29,August,2004  <最強下町カメラ> 巣鴨
F810もホワイトバランスは改善され、曇天下で青みがかるということはないのだが、比較撮影すると1/2.7インチのベイヤー機A203には及ばないことが明白となる。このように空を入れた構図では、店舗のテント下はF810では落ち込み、人物の肌は赤黒くノイズぽくなってしまう。F440は曇りのホワイトバランスはF810と似たようなチューニングとなっているが、F810よりさらにラチチュードが狭いので、諧調性もへったくれもなくなってしまう。フジのラインナップは中古でめぼしい機種を潰してチェックをかけているのだが、下町を撮るのはこの時期のベイヤー機が一番であり、その中でも比較的画素ピッチに余裕があるA203がベストの存在である。
Fine Pix F203 2004 08/28 13:39

No.445 27,August,2004  <ISO400的渋谷> 渋谷
Daily Galleryのデジタルカメラ・パラレルワールド(新宿編)はかなりの好評で、海外からも英文のメールをいただいたりした。それもあって、今後は撮影データの一部を英語で加えてゆくことにした。さて、渋谷ではF810の感度をISO400に固定し、そのノイズレベルを比べてみた。ハニカムSRのF710とほぼ同じノイズレベルであり、明るい部分はほとんどノイズは目立たないが、ダイナミックレンジが相対的に狭いので、輝度差のあるシーンでは明るい部分が少なく、薄暗い部分が増える分、ノイズ占有面積は広くなり、F710よりもノイズが目立つというややこしい結論になるのである。 
Fine Pix F810 2004 08/25 23:21

No.444 27,August,2004  <新酔っ払い天国> 中目黒

酔っ払い天国というと従来新橋駅界隈をさしていたが、ここ中目黒はそれに取って代わる勢いで、特に東横線のガード下の店は、新橋を髣髴させるが、風俗店のようないかがわしさは僅少である。私はアルコールを受け付けない体質だけれど、代官山で食事を取ろうとするとどうしても割高だから、夕食・夜食はすぐ隣の中目黒で取ることにしている。もちろん赤提灯だけでなく、あらゆる種類の飲食店の超激戦区だけに、都心よりもはるかに割安で、うまいものにありつけるのだ。
Fine Pix F810 2004 08/25 20:40

No.443,27,August,2004  <続 天は二物を与えず> 代官山

元より、ハニカムHRのF810に広いダイナミックレンジを求めても、F710のユーザーとしては自己撞着を免れないのであるが、それでももう少し広いにこしたことはないし、なるべくなら色味が自然なこちらのカメラを使いたい。しかし、代官山は、銀座や新宿はもとより、類似のファッションタウン原宿よりも街路が暗くその分きちんと明暗を描き分けるハードルが厳しくなる。ショーウィンドウも内部だけならOKだが、周囲の壁面と両立させようと考えると歩留まりが悪くなりがっかりしてしまうのだ。
Fine Pix F810 2004 08/25 19:11

No.442 23,August,2004  <Seeing is believing> 新宿
>広ダイナミックレンジのF710は光源回りの色にじみや、赤系統の色かぶり、色飽和が気になり(No.432)

といったことを書いても、実機を手にしたことのない人にとっては、半信半疑の部分もあるのではないだろうか?そこで二機の設定を同じくして夜景を撮り比べたのがデジタルカメラ・パラレルワールド新宿編である。オートのホワイトバランスを中心としているので、従来機とのあまりの発色の違いに戸惑う人もあるはずだが、私はこの変更を歓迎している。従来機のアンバーな色かぶりがほしければ、プリセットのホワイトバランスでいくらでも出せるのだから・・・

 

Fine Pix F810 2004 08/21 20:46

No.441 21,August,2004  <ノスタルジック・ウォーターフロント> 生麦
もちろん生麦の魅力は銭湯だけではない。
国道とは反対側の出口が通じる通りは、魚河岸が立ち、店の名前を大書きした魚屋がずらりと軒を連ねる。裏手に通じる細い道は往時の漁師町のたたずまいを今に残す。犬や猫とも随所で遭遇する。ところどころに顔を出す稲荷神社の赤い鳥居。小さな市場が小さなアーケードの下に顔をのぞかせたり、生麦の魅力は語り尽くせないものがある。
Fine Pix F810 2004 08/20 18:08

No.440 21,August,2004  <ニュー銭湯パラダイス> 生麦
実は国道駅を下りたあたりが歴史にその名を残す生麦であった。
私は北千住が日本一の銭湯密集地であると思っていたのだが、生麦一帯もそれに負けず劣らずで非常に古い型の銭湯が数多く残っている地域であり、時には数十メートル間隔で現われたりもする。

宮型銭湯の存在自体はもはや見慣れてしまったが、煙突からもくもくと立ち上がる黒い煙には正直感動した。

Fine Pix F810 2004 08/20 17:36

No.439 21,August,2004  <タルコフスキーの世界?> 国道駅
鶴見線から船だまりが見えたので、国道駅で降りる。
この駅が非常にレトロな空間でアーチ状の通路が、線路の下をくりぬくように続いている。開いているのか閉まっているのか分からない両側の店舗。そして年代物の木造の家屋までもが埋め込まれている。病院のような消毒の匂い。今時あるはずもないはるか彼方の時間が不意に蘇ってくるような不思議な世界である。
Fine Pix F810 2004 08/20 17:21

No.438 21,August,2004  <地の果ての駅> 海芝浦 
生まれて初めて鶴見線に乗る。
目的地は、海芝浦という駅である。
新芝浦の駅もそうなのだが、運河沿いに駅があり、ホームから横浜湾景が普段見慣れているのとは反対側のアングルから眺めることができる。
駅周辺は工場ばかりで、他に何もない場所であるが、この壮大な風景は一見の価値はある。
しかし、鶴見線は二股になっているため、乗り越したり、乗り違えたり、途中下車して徒歩で進もうとすると工場敷地が行く手をふさぎ、それ以上は進めなかったりして散々な目にあったので、もう当分来ることはないだろう。
Fine Pix F810 2004 08/20 17:04

No.437 19,August,2004  <早仕舞い> 錦市場
祇園から四条まで歩く途中、先斗町、そして「京の台所」と言われる錦市場に立ち寄る。しかし、6時になるころにはバタバタと店屋やたたんでしまい、以前昼間に立ち寄った時ほどの賑わいは見られず、ちょっと残念だった。
Fine Pix F810 2004 08/17 18:11

No.436 19,August,2004  <F-クロームは・・・> 祇園
F810は比較的あっさりした色乗りで、液晶モニターを見ると一層地味に見える。
F-クロームにすると彩度が上がりカバーできるのだが、このような曇天下や雨天下ではF710のようにやや過剰気味となる。緑主体の構図ではそれほど気にならないが、木造家屋の茶色主体の絵ではややくどい色調になるので、F-スタンダードで撮った方が無難のようだ。
Fine Pix F810 2004 08/17 16:20

No.435 19,August,2004  <天候不良につき・・・> 銀閣寺
お盆の間はずっと晴天続きだったのに、この日は曇りのち雨。
金閣寺へ行くのをやめて、銀閣寺に。しかし、手前に樹木を置かない絵葉書的なアングルでは、白い空に屋根が喰われる結果になった。
Fine Pix F810 2004 08/17 15:00

No.434 18,August,2004  <灯篭流し> 徳島
阿波踊り終了翌日の16日には、市街中心地を流れる新町川で灯篭流しが行われる。しかし、昨年は風のせいで画面の右側の岸にべったりと張りついてまるで見栄えがしなかった。今年は川の中心まで灯篭が広がった。しかし、再び風が吹くとまた同じような状態に戻ってしまった。
Fine Pix F810 2004 08/16 19:23

No.433 18,August,2004  <夏休み> 
この時期、徳島県地方は15日まで鳴門・徳島と阿波踊りが続くのだが、まるで出かけることなく、家でごろごろしている。とは言え、F810の画質は気になるので、サンプルになりそうな絵は撮っている。プリセットで撮る限りは、ホワイトバランスも安定しており、ハニカムSR機であるF710と比べての相対的なダイナミックレンジの狭さ以外は、気になる画質上の欠点はないと言ってもよいだろう。
Fine Pix F810 2004 08/11  16:36

No.432,7,August,2004  <最強最後のFine Pix> 銀座

このところ、余り夜景を撮っていなかったのは、どのカメラの絵も癖が強すぎて、食指が動かなくなったせいである。広ダイナミックレンジのF710は光源回りの色にじみや、赤系統の色かぶり、色飽和が気になり、高解像度のF610は色調は自然ながらも、ガラスのダイナミックレンジで、あるところまではそこそこ再現するのだが、高輝度な被写体を視野に入れると、唐突に白とびを起こしてしまう。それ以前に、F610のユーザーインターフェイスは、手触りが硬い上に直感的でなくF710ほどの人気はなかった。そこで登場したのがF710の中に、改良型のハニカムHRを組み込んだ最新機種F810である。グリップ部分の装飾を除いてF710とは全く区別がつかないが、以上述べた両機の問題点をことごとくクリアしている完成度の高さである。もっともNo.415で述べたように、デジタルカメラの絵はその場所で、シャッターを押すまで分からないから、果たして最も困難な下町や曇天下でのホワイトバランスがどう出るのか。おいおいテストしてゆきたいと思う。
Fine Pix F810 2004 08/07  19:54

No.431,6,August,2004  <これぞ下町> 梶原 
豊島中央通り商店街は、王子駅から歩いて15分ほどとかなり距離がある。
駅までのあまり面白みのない大通りを引き返すのも大儀なので、高速道路下の橋を渡り堀船に出る。相変わらず、ここはのんびりとした時間が流れている。ショッピングロードかじわらではしごして、かき氷を食べ、お好み焼きを食べる。値段は安く、量も多い。久しぶりに下町を満喫した一日だった。
Fine Pix A203 2004 08/06  18:41

No.430,6,August,2004  <最強の下町> 豊島中央通り商店街 
8月8日までの期間限定ながら、豊島中央通り商店街は最強の下町商店街。その七夕飾りは、スケールの面では仙台、平塚、阿佐ヶ谷に及ぶべくもないが、昔ながらの八百屋やお惣菜屋、銭湯とのマッチングが絶妙である。買い物途中のおばあちゃん同士が立ち話をし、小学生たちはガシャポンの前でたむろする。

ちょうど月島の商店街に七夕飾りをつけた感じで、十字に交差しながら数百メートル続く。でも、こののどかな雰囲気は真ん中を車がびゅんびゅん走り出すと出ないのである。
 

Fine Pix A203 2004 08/06  17:53

No.429,5,August,2004  <笹幡パラレルワールド 後編> 幡ヶ谷 
幡ヶ谷駅前には、十号通商店街と並走する形で、六号通商店街がある。
六号通商店街は、六号坂へと続く。

どちらが好きかと言われれば、道幅が狭く、古びた木造店舗の目立ち、下町っぽさの漂う笹塚の方が好みである。

Fine Pix A203 2004 08/04  18:31

No.428,5,August,2004  <笹幡パラレルワールド 前編> 笹塚 

首都高でふたをされてしまった甲州街道沿いには、商店街が発達しにくいが、直行する形でいくつもの商店街がある。笹塚の十号通商店街もその一つである。十号通商店街は、十号坂へと続く。
Fine Pix A203 2004 08/04  17:35

No.427,4,August,2004  <下町は夕空が美しい> 平井 
総武線平井駅は錦糸町、新小岩の間に位置する江戸川区の下町エリアの一角である。駅両側の風情は、常磐線の亀有あたりとよく似ている。まっすぐに伸びる商店街からは駅のプラットフォーム越しに紅に染まる夕空が見える。高層マンションが林立するまでの話かもしれないが、下町は夕空が美しい。
Fine Pix F710 2004 08/03  18:46

No.426,4,August,2004  <関原商店街> 西新井 
西新井の駅から3,400m更地に沿って進むと、関原商店街にたどりつく。
関原は「せきはら」ではなく、「せきばら」と読む。その長さは優に700mはあり、断続的に続く北千住の商店街よりも長い。ところどころ、古びた家屋があるが、街工場や木工所が間に割り込んでいるのが特徴的だ。あまりにも長いため、全体に養分がゆきわたらず、関原不動あたりでは息切れ気味のシャッター通りとなる。銭湯や昔ながらの理髪店、文具店も多く、楽しさも多いけれど駅まで戻るのはちと辛い。
Fine Pix A203 2004 08/03  14:44

No.425 1,August,2004  <花火の前に> 浅草一丁目 
ここは、浅草一丁目神谷バーの前である。
折しも、この日は隅田川の花火大会。私は、自然状態の雑踏は好きだが、こういう仕組まれた人ごみは大の苦手なので、花火の始まる前に逃げ出すつもりが、コロラドでコーヒーを飲んでいるうちに逃げ遅れてしまった。誘導がまずく、いつ将棋倒しになり、大惨事になっても不思議ではないほど。命からがら地下鉄浅草駅に逃げ込んだのだった。
Fine Pix F710 2004 07/31  19:11

No.424 1,August,,2004  <点と点を結ぶ> 向島
曳舟駅近くの地蔵通り商店街と、業平橋駅周辺の向島一丁目はかつて撮影したスポットだが、その中間が未開拓だったので、間を徒歩でつぶしてゆく。和服姿で歩く女性が多く、神楽坂以上に小京都というべき風情を今も保っている。
Fine Pix A203 2004 07/31  16:18

No.423 1,August,2004  <鳩の街通り商店街> 東向島 
下町で新しいスポットを歩くたびに、もう新発見もこれが最後だなと思う。
発見というよりも、この場所は最後に取っておいた場所と言った方がよいかもしれない。色町にちなむ鳩の街という名をあえて残しているのがいかにも向島らしいが、今はお年寄りにやさしい街をうたっている。通りの風情は北千住の柳原をもっとにぎやかにして引き伸ばした感じであり、随所に遊郭建築の遺構が見られる。この場所も昭和三十年代に戻ったかの錯覚を覚える、とっておきのタイムスリップエリアである。

*ちなみに、柳原には色町としての歴史はない。

Fine Pix A203 2004 07/31  14:48

No.422 29July,2004  <極上夜景スポット> 大桟橋
大桟橋上のオープンカフェの席からは、みなとみらい方面の夜景が、まるでマンハッタン島のように海面越しに一望することができる。布製のひじかけもあり、余りに座り心地がよいので、そのまま眠ってしまいそうになる。
Fine Pix S304 2004 07/27  20:37

No.421 29July,2004  <横浜湾景> 本牧埠頭
東京湾もそうだが、理想的な横浜湾景を望める場所のほとんどは港湾施設で、立ち入り禁止地区となっている。フェンスの隙間からレンズを差し込んでの窮屈な撮影である。観光を重視する横浜なら、港湾施設のところどころに切れ目を設けてほしいものである。
Fine Pix F440 2004 07/27 17:06

No.420 29July,2004  <横浜下町> 本郷町商店街 

山手で下り、大和町を抜け、本牧に向かう。
途中本郷町商店街を通る。道の両側に続く、アーケード街は大通りの喧騒で二分されるが、裾の長いテントのおかげで、路地感覚の空間が何とかキープされている。
Fine Pix A203 2004 07/27  14:38

No.419 29July,2004  <六角橋商店街> 白楽
学生時代東横線は、日常的なテリトリーだったが、仕事を始めてからは自由ヶ丘や代官山など限られた駅でしか降りることがなくなった。白楽もそんなご無沙汰駅の一つだ。かつての記憶どおり、活気ある商店街が鉄道と並行して走っているが、レトロなアーケード街はかつての記憶にはなかったものだ。
Fine Pix A203 2004 07/27  12:43

No.418 25July,2004  <下町の墓> 汐入
いわゆる山谷地区と南千住駅の間にある汐入地区は、かつて東京随一と言われるほどの下町風情あふれる地域であった。今は、マンモス団地や超高層のマンションが林立し、その面影のかけらもない。ただその地名をいくつかの施設にとどめるのみである。
Fine Pix A203 2004 07/25  18:02

No.417 25July,2004  <抹消された記憶> 清川 
映画「泪橋」のビデオを入手したが、改めてその面影を探し求めてもどこにもない。本当に、どこにもないのである。見事なまでの都市の記憶の抹消だ。

このあたりになると、やはり少しでも小さなカメラに持ち替えるが、それでも人物までは写そうとは思わない。ボディ前面スライド式のスイッチのF440は、ポケットの中で何度も起動し(さすがにレンズは安全装置がはたらき戻ってしまうが)、何度も液晶がつけっぱなしになってバッテリをすり減らしていた。不用意に起動したりスリープしたりして動作にとまどいがなく、ブラインドで操作できるA203の方が動作に確実性があり、安心ができるのである。

 

Fine Pix A203  2004 07/25  17:27

No.416 25July,2004  <A203と・・・> 三の輪
ほとんど同じ絵のS304。
液晶ビューファインダーではかなり青っぽく写り、液晶モニターではニュートラルに補正されて見えたが、実際の絵は見ての通りだ。ダイナミックレンジも全く変わらないが、ほんの少しだけシャドウノイズの焦げ目がきつく見える。
Fine Pix S304  2004 07/25  15:14

No.415 25July,2004  <チョコレートの箱のように> 谷中
デジカメは年代にあらず、画素数にあらず、価格にあらず、機能にあらず、である。

このFine Pix A203は、実は12800円の中古の参号機で、少し前中古で買った弐号機はモノがよくなくてあっというまに故障してしまった(延長保証がかけてあるので、修理後処分の予定)。デジタルカメラの画質は、だいたい1999年から2000年あたりで完成し、そこから後は撮像素子であるCCDを切り刻んで、それによる元データの劣化を画像処理の進歩で補い、補いきれる場合もあれば、退化を感じさせるものもある。 

銀塩カメラマンがフイルムにこだわるように、画家が絵の具の型番にこだわるように、私は下町や夜景を描くデジタルカメラを捜し求めてきたし、ほとんどのメーカーのカメラ、とりわけほとんどの全てのFine Pixを試してきたが、一番その色と描写性と諧調表現がイメージに近いのはこのカメラである。たとえばこの標識の色のように課題は多々あるが、その課題を解消したものは別の色味の絵になったり、ラチチュード的に力不足だったりして、到底シャッターを押し続ける気にもならないものがほとんどだった。

映画「フォレストガンプ」の中に、「人生は一箱のチョコレートのようなもので、食べてみるまでその味は分からない」という台詞があるが、デジタルカメラも同様で自分で撮りたい場所でシャッターを押すまではその味は分からないのである。
 

Fine Pix A203  2004 07/24  17:16

No.414 25July,2004  <日がな一日> 荒川三丁目
下町めぐり。
暑いのであまり食事はとらず、かき氷やコーヒーやらで、水分と糖分を補給するだけで歩き続ける。

ほとんど交互にA203とF440のシャッターを押しているのだが、画像をPCで開いて見る限りではやはり古いA203の方が狙った風情をとらえている。

F440は(相対的に)白飛びしやすく、アンダーになるとアンバーがかかりやすく、その上解像感がない。昔使っていたキヤノンのパワーショットA10と似たような色合いと絵作りだと感じた。

Fine Pix A203  2004 07/24  15:03

No.413 24July,2004  <続 F440>> 新宿
新橋から汐留を経て、そのまま銀座へ出ようとしたのだが、F440のバッテリー切れ。有楽町のビックカメラで現地調達しようとしたのに、在庫がない。でかい割には品揃えが偏り、役に立たないことの多い店だ。結局、新宿ヨドバシへ行けばノープロブレムだった。夜景になると、感度アップがきく分、こうした被写体はフジのベイヤー機の常識を覆し、ハニカム機よりも実際の雰囲気に近く、光源回りの描写もしっかりしている。結局、一眼への移行は断念して、従来通りコンパクト機をシーンに合わせて小まめに使い分ける路線でゆきそうだ。
Fine Pix F440  2004 07/22  22:12

No.412 24,July,2004  <F440> 新橋

更新が途切れるにはいくつかの理由がある。ものすごく忙しい時は、逆に逃避的に夜景を撮りに出かけたりするので、たいていは新しいデジカメを買いながら、結果が思わしくなく、妙に考え込んだり、ハードディスクがいっぱいになって、画像をPCに落とせなくなった場合である。

資金調達のため、3機種処分して一機種追加。そんな風にして、購入したFine Pix F440だが、写りは期待したほどではなかった。液晶モニターではほどよく化粧されてその色調に思わずほくそえんでしまったのだが、実際の画像は思ったよりノイジーで、色味も赤みが強くちょっと違和感を覚えてしまった。

Fine Pix F440  2004 07/22  17:56

No.411 19,July,2004  <天国に一番近い都市> 千波湖
松江と並んで、県庁所在地クラスの都市では、水戸の美しさは群を抜いており、特に千波湖周辺のスケールの大きく緑豊かなウォーターフロントの光景は、日本ではちょっと類を見ないものだ。昼間は緑鮮やかな千波公園は干潟跡につくられ、周囲5キロのジョギングコースを駆け抜けてゆく人々や犬を散歩させる人々が絶えない。数年前バンクーバーのスタンレーパークを訪れた時の記憶が鮮やかに蘇った。黒鳥や鴨など、水鳥の姿も間近に見ることができ、自然と人との巧みな共生空間が実現されている。こんな場所に住みだしたら、引きこもりになり、東京(江戸)へ出てくるのが億劫になるのもむべなるかなである。
Fine Pix F710  2004 07/18  17:12

No.410 19,July,2004  <宮下銀座> 
土浦はよくある地方都市にすぎないが、水戸は仙台と肩を並べることができる歴史と風格を備えた都会であり、その目抜き通りを歩くだけで、人口の多寡では都市の格が計れないことを誰もが実感する。古びた家並みも数多く残っているが、とりわけ水戸東照宮に通じるアーケード街、宮下銀座周辺の風情は格別だ。赤い鳥居をくぐり、昔ながらの映画館の脇を入るとき、21世紀に生きていることを忘れてしまう。折りしも水戸東映では村上龍原作の「69」が上演されていた。

 

Caplio GX  2004 07/15  16:54

No.409 19,July,2004  <使徒襲来?> 水戸芸術館
まるで「新世紀エヴァンゲリオン」のワンシーンそのものだが、市内随所から見られる水戸タワーは、水戸芸術館のシンボル的存在で高さ100m。単なる装飾オブジェではなく、中のエレベーターで82mの展望台まで上り、市街を一望することができる。
Fine Pix F710  2004 07/18  14:31

No.408 17,July,2004  <敵機襲来> 水戸八幡宮

国指定の重要文化財を擁する水戸八幡宮は手入れの行き届いたお宮で、種類豊富な紫陽花が境内随所を彩り、被写体には事欠かない。だが、いかんせん、蚊が多く撮影の間に十ヶ所以上も足を咬まれてしまった。
Fine Pix F710  2004 07/18  13:03

No.407 17,July,2004  <甲子園への道> 水戸
・・・は遠かった。
こうして、僕らの夏は終わった。
Fine Pix S602  2004 07/18  11:36

No.406 17,July,2004  <夜景境界線> 吉祥寺サンロード
東へ行けば、反動で今度は西に行きたくなる。
しかし、東京都の夜景を撮るのはこの街までが現在の境界線。
もちろん、まだ被写体はあるのだが・・・。
Fine Pix F710  2004 07/15  22:03

No.405 15,July,2004  <夕空は前景で生きる> 土浦
夕景の色はほとんどカメラの機種とホワイトバランスで決まってしまう。
個性的な絵をつくるのは、都市の前景の役割である。
Fine Pix F710  2004 07/11  18:56

No.404 15,July,2004  <マイブームいばらき> 土浦
今まで未開拓だった茨城エリアを開拓中。土浦に続き、水戸、下妻あたりを次期ターゲットに定めているのだが、東京・神奈川に出るよりもずっと高くつく。特に、話題の下妻に至る関東鉄道常総線は距離当たりの運賃が日本一高いそうである。
Fine Pix F710  2004 07/11  15:40

No.403 15,July,2004  <夏が来た!> 土浦
夏だ、高校野球だ、青春だ!
C-2100UZ  2004 07/11  13:50

No.402 12,July,2004  <雨のほうずき市> 浅草
昼間の絵がほしくて、再度浅草へ出かけたが、晴れ間がたちまちに土砂降りの雨に変わり、身動きできないほどの人ごみになってしまった。と言って雨でテーマを統一できるほど長続きしたわけではない。ただ、雨が上がり自由に歩けるころには、日も暮れ前日とあまり変わらない夜店的な絵になってしまった。
Fine Pix F710  2004 07/10  17:11

No.401 12,July,2004  <開放クロス> 浅草
朝顔市の再挑戦は断念。類似の被写体である、ほおずき市にターゲットを合わせ直す。

明るいレンズがないせいもあるが、EOS Kiss Digitalは期待外れ。 
ダイナミックレンジに関しては、せいぜいF710とどっこいどっこいで、AFや露出精度も到底押さえとして使えるレベルではなかった。ただ、コンパクト機としては善戦のF710の特徴的な画像として、絞り開放側でも、絞り込んだようにクロスが生じる。多くの場合、それは好結果を生むが、赤い色収差をともなっているせいか、時にうるさく感じることもある。

Fine Pix F710  2004 07/09  21:49