六重奏曲
Sextet (1985)


□ 編成:マリンバ、ビブラフォン、バスドラム、タムタム、ピアノ、シンセサイザー
□ 演奏時間 :25分

アーチ構造、冒頭のパルスなど『砂漠の音楽』と似た構成を持っている。ここ
では声は用いられず5つの楽章と室内楽編成へと縮小され、より凝縮された構
成と多彩な音色が特徴的だ。打楽器群は『砂漠』での合唱に代わって旋律楽器
としての役割を果たしていて、『18人』でパルスを刻んでいたこと以上に重
要な位置にある。特に第5楽章でのマリンバとビブラフォンのコンビネーショ
ンはリズムと旋律の複雑な綾を織り成し、ライヒが書いた打楽器パートのなか
でもとりわけ美しく躍動的である。

緩徐楽章での旋律はシンセサイザーが取っているが、これはリズムを電子的に
制御しようというものではもちろんなく、この作品に通底するある種のタイト
さを損なわないために、弦楽器や管楽器よりも機動性の高いキーボードによっ
て長いメロディラインを演奏することを意図したのではないかと推測される
(ライヒ自身によるライナーノーツでは、シンセの導入は「ピアノからは得ら
れない長い音の持続のため」というが、他にも存在するし彼も多用してきた
「持続性楽器」を用いなかったことに意味がありそうだ)。シンセに絡むボウ
ド・ビブラフォンはグラス・ハーモニカ的な響きを持ち、持続と特異な音色の
両面から効果をあげている。ライヒには珍しい眩惑的な響きである。


□ 収録ディスク

Player(s): Steve Reich and Musicians with members of Nexus
and the Manhattan Marimba Qartet
Disk Title: "Sextet,Six Marimba"
Label・Year: Elektra Nonesuch,1986
Other Contents: "Six Marimbas"
Notes:
Notes:
"Works 1965-1995"にも上記ノンサッチ盤の同音源を収録。





Player(s): Amadinda Percussion Group,Group 180
Disk Title: "Another Look At Counterpoint"
Label・Year: AMIATA,1993
Other Contents: "Music for mallet instruments, voices and organ"
"Piano Phase" "Octet"
Notes:


cover
(旧アートワーク)


Player(s): Amadinda Percussion Group
Disk Title: "Music for Mallet Instruments,Voices and Organ"etc.
Label・Year: Hungaroton,1995
Other Contents:"Music for Mallet Instruments,Voices and Organ"
"Music for Pieces of Wood"
Notes: 上記2枚は同音源




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