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農園の四季 〜秋の章〜
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猛暑が峠を越して次第に涼しさを感じる時節になる。
空気も爽やかでいよいよ収穫の秋を迎えることになる。
夏の間に種を蒔いたホウレンソウ、コマツナ、シュンギク、ミズナなどが旨味を増してくる。
ブロッコリーやカリフラワーは葉を広げ真ん中に大きな蕾を実らせる。
特にカリフラワーの白い蕾はファンタジックであり、ポタージュ スープには醍醐味がある。
春に苗を植え付けたサツマイモが蔓を伸ばし葉を茂らせる。
赤紫色をした丸々と肥えたイモを掘り出す感触はいいものである。
サトイモは特徴のある大きな葉をつける。
地中では親芋、小芋、孫芋と 繋がって沢山の芋を形成している姿に強い生命力を感じる。
1メートルほどに伸びたナガイモはいかにも滋養に富んでいるよう見える。
ナスは優れもので夏の間じゅう実を次から次と付ける。
秋の初めはいったん お休みするが、枝を短く刈り込んでやると再び実をつける秋ナスの味は昔から諺になるほど旨いものである。
秋は来年の春夏野菜の栽培準備をする時期でもある。
タマネギやのらぼう菜の苗づくりと植付け。ニンニクの種球の植付け、 サヤエンドウの種蒔き、春キャベツ苗の植付けなどを行う。
この地域は柿生と言う地名があるように柿づくりが昔から盛んである。
農園には地域特産の禅寺丸柿があり秋になると沢山の実をたわわにつける。
子供の頃の気分になって柿を採る木登り名人もいる。
樹齢百年にもなると思われるユズの実もだんだんと大きくなっていく。
ミカン、キンカン、レモンも黄色の実が鮮やかになってくる。
また、畑の周りにある沢山の菊が白、黄、紅など多彩な色の花を咲かせる。
秋の収穫祭も夏と同じように楽しいものである。
秋の野菜をふんだんに使った鍋料理を中心に、さまざまな料理が作られる。
日本酒など持ち寄って賑やかで野趣ある畑の宴である。 |
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