■FISHING REPORT 5月11日 YAEN DE AORI 15 基本タックル 活きアジ販売所


ゴールデンウィーク、4/29〜30に初島に渡り、アオリイカを狙うはずだった。ところが南西風が強くて島に渡ってもろくな釣りができるかどうか疑問だった。ということで日を改めてで西伊豆を攻めることに。

朝7時におもむろが拙宅に迎えに来る、いつもどおり遅刻だ。東名高速を西へ、連休でも快適に走行、沼津ICを降りてからの渋滞は慢性的なものでこれはしかたない。
内浦三津の栄昌丸で活きアジを30尾購入、激安2500円なり。クネクネ道を気持ち悪くなりながらも更に南下、途中崖崩れの場所が多く恐怖も襲う。

状況把握と宇久須港、安良里港を下見して田子港に到着したのは昼前、堤防の先端近くが空いていたので釣り座を確保した。
当日はなんと心地よい風と陽気だろうか、缶ビールの空き缶が瞬く間に積まれていく。

田子港は入江と沖堤で形成された静かな湾、ベイトフィッシュを追って入り込んだアオリイカは湾内に豊富にストックされる好ポイントである。しかし全くアタリがない。そんな中、堤防の付け根のほうで大きなアオリイカがポツポツ取り込まれる。
かっちゃんが電話してきてくれて田子のポイントは堤防の先端ではなく付け根だと知る。道理で釣り客が固まっているわけだ。
ダイバーズスクールのアオリイカの卵観察の船が停泊している沖の岩礁帯が堤防の付け根に向かって延びている。根に沿って堤防方向にアオリイカが回遊してきてると想像できた。

夜9時まで粘ってアタリなしで決断、というか雨が本降りになって撤収、とりあえずコンビニでカップラーメンをすすり考える。南伊豆まで南下すると帰りの渋滞がドツボにはまりそうだ。ならば夜のうちに北上して雨がやむまで車中で仮眠を。そう決めて沼津木負堤防を目指す。途中タヌキや怖いオジサンに遭遇するがなんとか到着。すぐに眠りにつく。
(後日判明したことですが田子、安良里は魚類保護のため県条例で捕獲禁止!、何も釣れなくて良かった!。漁業組合の人は釣りしてもいいと言ってるらしいですが。田子沖堤の渡船とか商売にならなくなっちゃうから。でも釣り人が多かったなあ。)

早朝4時起床、車の外を見れば雨が止んでいた。急いで準備をして堤防に向かう。平日だからか雨模様だったからか堤防は空いていて墨跡とアジの残骸がある場所でとりあえず始める。潮も満潮近辺で良い感じだが少し濁りが気になる程度。

薄暗闇の中おもむろが第1投目からアタリ
「ジジジィーーーー」
待ち焦がれたドラグ音、心が躍る。見計らってヤエンを入れる。しかしヤエンにイカが掛からない。そうこうするうちイカはどこか行ってしまった。
またおもむろにアタリ、今度は根に巻かれてヤエンロスト、どうやらおもむろの前には根があり、そこにアオリイカがストックされてるようだ。悔しさがにじむ、しかしイカがいることはわかったのだ。

今度は私に、
「ジィジィジィーーーーーーーーーー」
走る走る、止まりそうなところを見計らって追いヤエン、グズグズしていてはイカがアジを食い尽くしてしまう。
しかし、なぜかヤエンが掛からない。また逃げる。
入れ乗り状態になって2回目も駄目、3回目・・・・やっと掛ける。しかし痛恨のバラシ。
4回目、5回目・・・・・。もう情けなくなってくる。
おもむろがヤエンを入れるときのミスを2回も犯す。ヤエンがきちんと水中に没するまではラインを手から離さないこと。そうしないとカンナに糸が絡みつきヤエンが降りなくなってしまう。

ヤエンが掛からない理由を考えてみた。栄昌丸のアジは大中小とあって中を買った。
この中だが東伊豆や三浦のアジと比べて小さい。大を買えばよかった。
アジの体長が短いので第一カンナとイカの頭部への間隔が合わない。しかも小さいのでイカは短時間でアジの内臓を食い尽くし逃げてしまうのだ。
また、イカが抱いたアジの向きが悪いのかもしれない。これを修正させるために抱き替えを促すのだが、アジが小さいのでその暇もない。西伊豆釣行の際の今後の反省材料として肝に銘じたい。

6回目、またバラしかと思ったが全然引込まないまま触腕1本掛かって500g級がやっと上がった。ホットした。
ほんの2時間足らずの間にアタリが集中した経験は初めてだった。それを取れない不甲斐なさ。アタリがあれば半分は取れると思ってた自信の崩壊・・・・・。6打数1安打では話にならないのである。日が昇り始めるとアタリは遠のき、祭りが終わりを迎えたことを示していた。

その後、おもむろのアジの頭がかじられ、わずかなチャンスに期待していたころ最後のドラマが起こる。

「ドラグが鳴ってましたよ」

買い物から帰ってきた私に、隣のエギンガー氏が告げる。
期待せずに見ていると今度は強烈にラインが引き出される。あれよあれよと下巻まで出てしまって50メートルくらい出されてしまった。20メートルくらい投げていたので70メートル遠方に巨イカ?。
ラインが止まったところで引き寄せに掛かるがヤエンが到達するまでにアジをイカに食われてしまう可能性大なので迷わずヤエンを入れる。竿から感じる重量感は2キロ以上、いや3キロはあるかもしれない。

いつのまにかギャラリーが集まってきて更に緊張が高まる。
「3キロ以上はあるんじゃない?」
「おーおー!!」

何度もポンピングし、少しづつ寄せる。無理はしないと心に決めてやり取り。 しかし浮いてくるはずのイカが浮いてこない。そのまま堤防際まで寄せるとエギンガーが叫ぶ。
「魚だ!ワラサか?・・・・マダイだ!、きれいな色だ!」

正念場、無理せず泳がせて口を上げて空気を吸わせる。何回か潜られるが相当弱ってきている。おもむろが網入れの際にヤエンを網に掛けてしまい万事休すかと思ったがそのまますくい上げてなんとかネットインした。
「でけえ!、おめでとうございます」
周囲の歓声とは裏腹に疲労感と大イカでなかったことのギャップから来る落胆が襲う。

エギンガー氏が長さと重さを量ってくれ、70センチ、4.2Kgと計測された。ヤエンではなくアジの尾に掛けたチヌ針2号がクチビルに掛かっていた。そして磯竿の弾力がハリス1.5号でもこの魚を呼び寄せたのである。
2001年5月にヤエンでヒラメを釣り上げた。そして3年後、今回のマダイ・・・・。ヤエン釣りの面白さ、可能性、サプライズ、いろんな釣り人に知ってもらいたい。