■FISHING REPORT 8月12日 ウナギ籠漁


「夏にウナギを食す」、日本人にとってその生命力の強さから夏バテ防止にと古 くから重宝されてきたウナギ。
近頃じゃ天然モノにはめぐりあえず、ソウメンコと呼ばれる稚魚を捕獲しては台 湾や中国南方などの気候の良いところで短期間のうちに育て、日本に逆輸入するとい うのが一般的。
その量たるや浜名湖近辺などの国産養殖を上回る勢いと聞く。しかしスーパーで 売ってるのは輸入だろうが国産だろうが「養殖」
天然ウナギの美味さたるや想像を絶するものがある。天然といっても汚い川のウ ナギは泥臭い。1週間くらい泥吐きをさせることが必要。清流のウナギにはそれが不 必要。皮の裏に貯まった脂肪層からしたたり落ちる脂、臭みの無い身。あぁ、思わず 生唾モノである。

3年前の夏、ウナギは浸け漁で獲った。今年は籠であ る。竹や塩ビパイプで作ったカゴをウナギの居そうなところに仕掛けて獲ってしま う。釣りと違ってウナギにダメージが無く、あとで生かしておくのに好都合である。
餌は生きたカワムツ、こちらではハエという名の川魚、こいつをビンドウ仕掛け で獲って生きたまま籠に入れる。川に仕掛けて一晩か二晩、ウナギが入れば大成功。

餌のハエは子ども達に釣らせることにする。近くの川にはハエやカメが良く見え る。誰がやっても釣れてくれる。自分が子どもの頃に釣れたのもあたりまえだったの だ(笑。
妻にも釣れた、妻は餌をつけないで釣っている。針が光っていれば魚は食うの だ。自然の恵み、1時間ほどで20〜30釣って帰り、庭の池に生かしておく。

夕方になって籠を川に沈めに行くことに。前準備に籠の奥のほうにミミズの入っ た袋も縛り付ける。ウナギが籠に頭だけ突っ込んでハエを食っては食い逃げされてし まう。ウナギは尻尾の先が出る穴があれば後進バックできるのである。だからウナギ が完全に籠に入るようにミミズでおびき寄せるのだ。

仕掛ける川は川幅3〜5メートルの流れのある清流。ウナギというと川の淀んだ ところを好むかと思いきやそうでもないらしい。籠の入口を下流に向けて餌を探して 川をさかのぼるウナギを待つ。籠は石などで重石をして固定するが、同業者を欺くた めに完全に隠すようにカムフラージュすることも重要である。悪質な場合はウナギだ け抜かれることもある。

やることは単純きわまりない。道具を仕掛けて待つだけ。しかしその過程には過 酷な試練がある。画像を見てわかる通り夏なので草木が繁茂し藪こぎは必須、蜘蛛の 巣や蜂にも注意しないといけない。川を歩くのは滑るし・・・・・。まあそこに自然 との戯れがあるのだが。

結果は御覧の通り。緑がかった見事なウナギが!。
余談だが、ウナギをさばいていた時、一番大きなウナギが外水道の栓から逃げ出 してしまった。田んぼへ続く小さな流れで捕獲、事なきを得た。ああ、なんという美 味さだろうか。これが真のウナギなんだと実感した

川幅3メートルくらい、周囲は葦などの藪がうっそうとしている。

餌のハエをひとつの籠に5尾くらいづつ入れて蓋をします。

川に沈めるところ。周りの石を積んで籠が見えないように隠します。石を積むときに川虫の勉強を子どもに。

入ってるかな〜??。。

大漁です。食べるまで漁業用の籠に入ってもらって湧き水の庭池で腹の内臓物を吐いてもらいます。