鳥と海亀とダイバーの天国 ─ シパダン(7) ─
3月24日(金)
楽しかった島での生活も、今日で終り。
これから足かけ2日かけて、東京まで帰ることになる。
出発は12時半なので、午前中は機材を洗って乾かし、荷物をまとめることに費す。
ところが、例によって突然のスコール。30m離れたコテージから、
センターハウスに着くまでのほんの短い時間でに、一気に大粒の雨と変わる。
慌てて走って戻り、乾かしていた機材を屋根の下に移す。
暇を持て余し、香港人のグループとチャイニーズ・ポーカーに興じる。
最初はビギナーズ・ラックで勝ったが、すぐに負け続けるようになる。
でも、なかなか面白い!!
そうこうするうちに、また陽も差してきて、あっという間に機材が乾く。
帰りのボートは、来た時の双胴船ではなく、一回り小さく、ちょっと古そうな
ボート。これで来た人が言うには、結構揺れるらしい。ヤダナ。
船に乗る時間がやってくる。スタッフ一堂、手を振って、サヨナラを
してくれる。中国系のガイド Ken と、日本人のショップのお姉ちゃんが、
別れを惜しんで抱きあっていて、みんなからはやし立てられている。
船が動き出したが、思ったほど、揺れない。天候がいいせいであろう。
沖の方へと船が走り出すと、島があっという間に小さくなっていく。
改めて、小さな島だなぁ、と思う。
小一時間で、上陸。ここからバスでタワウまで向かう。
無茶苦茶眠く、みんな眠りこけている。
しばらくは気持ち良く眠っていたのだが、そのうち空調が効かなくなってきて、
やたらと暑くなり、眠っていられなくなる。
何か、バスの運ちゃんの様子がおかしい。と思っているとストップ。
携帯電話で何やら話している。そのうち、後から猛スピードでやってきた
ツアーの代理店の車に乗ってきた兄ちゃんと大声で話し出す。
「何か問題があったのかな」との不安が胸をよぎるが、10分くらい話した後、
何ごともなかったように、再出発する。
回りを見回すと、いかにも「南方」という景色である。
マレーシア本土同様、ボルネオ島も赤い土が目立つ。
所々に集落があるが、お世辞にも豊かとは言えない。
露天を広げて、野菜のマーケットを開いているところも見受けられた。
さて、バスに揺られること2時間近く。やっとタワウへと近付く。
さすがに、町に近付くにつれて、工場の姿が目立つようになり、
活気がみなぎっている。
工場などの看板の言葉は、おそらくマレー語と思われる言葉と
中国語のの併記である。
町に入ると、真新しい綺麗なイスラム教のモスクの金色の屋根が
目に飛び込んでくる。
あちらこちらに、「マレーシア2004」という横断幕が見える。
何か、2004年に大きなイベントでも開かれるのであろうか。
タワウの空港は、八丈島空港くらいの大きさで、小さなものである。
チェックインカウンターは4つほどしかない。
おもちゃのような金属探知の枠をくぐって待ち合いロビーに入る。
そこで私はびっくりさせられたのである。
そんなに沢山の人が待っている訳ではないのに、あちらこちらで
携帯電話を持って話しているのである。
確かに、途中の道路の看板などでは、ノキアの広告がとても目立っていた。
東南アジアでの携帯電話の普及率の高さは、話には聞いていたが、
目の前でそのような光景を見たのには少々びっくりした。
タワウから飛行機で小1時間、コタキナバル国際空港に着く。
ここでは、トランジットでクアラルンプールに行くのだが、
一旦ロビーへと出される。ところが、なぜかロビーに免税店があるのである。
後で知ったのだが、マレーシアでは州を変わると免税が効くのである。
沖縄でお酒や牛肉が安く買えるのに似ている。
ちょっと時間つぶしに本屋へ入ってみる。
たまたま空港だからなのか、もともと語学への関心が高いのか、
辞書、マレー語会話の本、インドネシア語の本、など沢山並んでいる。
入口には、マハティール首相の顔写真が入った本も多く見受けられる。
日本では、表紙に総理大臣の写真が入っている本などは滅多に
お目にかからないが、マハティール首相は相当、国民からの尊敬を
受けているのであろう。
また、乾物屋のような店もある。燕の巣だの、ビーフンだの、
中華の材料が多く売られている。マレーシアでは、燕の巣も特産品らしい。
コタキナバル国際空港から再び飛行機に乗り、クアラルンプールへ。
日はもうとっくに暮れている。
目の前にある空港ホテルが今夜の宿である。
(ちなみに、新東京国際空港と東京の関係のように、クアラルンプール国際空港も
クアラルンプールの隣の市にあるらしい)
家に電話を入れて、家族の無事を確認。
一週間ぶりに、お湯をはったバスタブに体を沈める。
やはり、日本人はお湯に浸かるのが一番だとつくづく思う。
風呂から上がって、テレビをつける。
地下鉄サリン事件が気になったが、丁度タイミングが悪かったのか、
CNNではやっていなかった。
仕方がないので、スポーツ中継を見ようとチャンネルを回す。
(回すといっても、ちゃんとリモコンはついている。念のため)
香港のスターテレビが幅を効かせているらしい。
サッカー、クリケット(インドの試合)、バドミントンをやっている。
クリケットというのはいかにも、昔、宗主国がイギリスだったということを
思い出させるし、バドミントンというのも隣国インドネシアの影響であろう。
ベッドに寝そべってテレビを見ていると、体の奥底から眠気が襲ってくる。
考えてみれば、これだけ柔らかい布団に横になるのも一週間ぶりなのである。
明日の出発は早い。モーニングコールを頼んで曝睡。
(( つ づ く )) ((つまらないから読むのを止める ))