611 Part1

Last Updated 1998.7.24

舞台挨拶 作品評 Q&A サイン会

 

舞台挨拶

 第6回フランス映画祭横浜'98の初日となった6月11日、映画祭はのっけからハプニングに見舞われました。折りからのエール・フランス航空(映画祭特別協賛)のストライキの影響で来日ゲスト団一行の来日が遅れ、この日予定されていたオープニング舞台挨拶が中止されてしまったのです。この影響は後々まで響き、ゲストの到着が映画の上映寸前までずれ込む、ということも度々だったようです。

 オープニング舞台挨拶が中止になったとはいえ、「肉体の学校」は既にチケットが売り切れる人気作。開場30分ほど前に会場に着いた時には既に長い列が出来ていて、よい席を確保することは出来ませんでした。ですので、舞台挨拶の時に撮影した写真の写りはかなり悪くなってしまってます。

 さて、予定の時間をやや遅れて舞台挨拶が始まる…かに思えたのですが、ゲストの到着が遅れている、ということでその次に上映される「短編映画特集」の紹介をして時間を稼ぐ一幕もありました。

 そんなこんなの後、いよいよゲストが到着し舞台挨拶が始まりました。この作品のゲストはブノワ・ジャコー監督、イザベル・ユペール、ヴァンサン・ランドン、ヴァンサン・マルティネスの4人でした。

 さて、舞台挨拶の内容なのですが…、ごめんなさい、あまりよく覚えていません。何せ、このレポートを書いているのは映画祭から1ヶ月も後のことですので…。

 以下はその時に撮影した写真ですが、上映後のQ&Aコーナーの時の写真との区別が付かないので(苦笑)、両方併せてここに置いておきます。

「肉体の学校」一行 イザベル・ユペール ブノワ・ジャコー ヴァンサン・ランドン 再びイザベル・ユペール

 

作品評

 三島由紀夫の小説「肉体の学校」を原作に、現代のフランスに舞台を置き換えて映画化した作品。日本の小説が原作のせいか、作中には日本料理店などの日本を意識したと思われるシーンが度々ありました。でも、この作品に限らずフランス映画ってアメリカ映画とかに比べると遥かに日本の描き方がリアルですよね。(^^;;

 物語は、パリで暮らしファッション業界で働く裕福な独身女性ドミニク(イザベル・ユペール)がある日友人と入ったゲイ・バーで美しい青年カンタン(ヴァンサン・マルティネス)と出会ったことで始まります。カンタンに魅せられたドミニクはカンタンに体を売ることを止めさせ、生活費を出し、彼女の家に住まわせます。しかし、年令も境遇も全く違う2人の生活は決して一筋縄で行くものではなく、2人が恋の駆け引きならぬ愛の決闘の果てに行き着いたのは…。

 この作品でまず印象に残ったのは、ドミニクを演じたイザベル・ユペールのかっこ良さ(別の言い方をすればクールさ)でしょうか。舞台挨拶の時のご本人の印象が重なった部分もあるのでしょうが、まずそのことを強く感じました。
 また、ゲイ・バーのおかまクリスを演じたヴァンサン・ランドンは、舞台挨拶も含めて非常に男っぽい人、という印象が強かったので、役とのギャップに驚くと同時に役者だなぁ、という当たり前といえば当たり前すぎる印象を持ちました。
 カンタンを演じてこの作品で映画デビューを果したヴァンサン・マルティネスは、兄のオリヴィエ・マルティネスと比べるとかなりシャープというかワイルドというか、とにかくそんな感じ。映画初出演とは思えないなかなかの演技を見せてくれました。

 役者たちの演技に比べると、ブノワ・ジャコー監督の演出はちょっと弱かったかなぁ、という感じがしないでもなかったです。この作品と「シングル・ガール」とで併せて持った印象からすると、この監督は女性(特に少女)の演出ほどには男性の演出は上手くはないのかなぁ、という感じもしました。
 とはいえ、この作品でのテーマとなった「愛の決闘」という点では、ドミニクとカンタン、さらにはクリスや途中から登場するドミニクの友人の娘の少女まで含めて、洗練されたスリリングなものを味わうことが出来ました。

 

「肉体の学校」 "L'ecole de la chair"
'98カンヌ国際映画祭本選出品作

1998年フランス、1時間45分、シネマスコープ、ドルビーデジタル

[スタッフ]
監督 ブノワ・ジャコー
脚本 ジャック・フィエスキ
原作 三島由紀夫 (「肉体の学校」)
撮影 カロリーヌ・シャンプティエ

[キャスト]
イザベル・ユペール
ヴァンサン・マルティネス
ヴァンサン・ランドン

[関連リンク]
IMDbのこの作品のページへ

 

Q&A

 映画上映後に行われたQ&Aでは、「この作品のエンディングは「シングル・ガール」のエンディングと共通する部分が多いように感じられるが、そうだとするならそれはなぜなのか」という質問がありました。これは、「シングル・ガール」を観ていた人なら多くの人がそう思ったことかもしれません。この質問に対してブノワ・ジャコー監督は、「もしそうだとするならそれは私の趣味なのでしょう」(だったかな?)と答えました。

 また、映画に出たように、愛は決闘であるのか、という質問もあった…と思います。ごめんなさい、この辺ちょっと記憶があいまいです(苦笑)。

 

サイン会

 Q&Aが終わり、場所を移してのサイン会です。サインを頂けたのはヴァンサン・ランドン、ヴァンサン・マルティネス、イザベル・ユペールブノワ・ジャコーの4人でした。

 サイン会での印象ですと…。ヴァンサン・ランドンのサインを頂けた中では今回の映画祭を通しても一番だったかな、という感じの握手した時の力強さ。フランス語で尋ねられたワールドカップ・サッカーの話題に楽しそうに答えるなど終始陽気だったヴァンサン・マルティネス。エレガントにそしてクール(もちろんかっこいい、という意味で)だったイザベル・ユペール。以外にもソフトな物腰だったブノワ・ジャコー、といったところでしょうか。

 それでは、最後にサイン会で撮影した写真です。

ヴァンサン・マルティネス、ヴァンサン・ランドン イザベル・ユペール イザベル・ユペール

ブノワ・ジャコー ヴァンサン・マルティネス サイン会が終わって…


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