141   涼風のメルト-Where wishes are drawn to each other-(Whirlpool)
 
 土地神と精霊が住むとされる地で瀬川彰人(変更不可)は神官の血を引くとされていた。10年に一度の土地神祭では巫女役に選ばれた幼なじみと共に大役に挑むことになる。そんな中、彰人は伝承が真実であることを身をもって体験していく。
 
 Whirlpoolの第5弾は「MagusTale〜世界樹と恋する魔法使い〜」のスタッフで製作した和風アドベンチャー。相変わらず作品間で世界観を共有しています。
 購入動機は原画買い。
 初回特典は特になし。予約キャンペーン特典はオリジナルボーカルマキシシングル。
 
 修正ファイルが出ています。環境によってはあてないと大変便利な「前回の続きから」機能が使えないので該当する方はおとなしくダウンロードしましょう。個人的にはこれとは異なる症状で一度、「前回の続きから」も通常のロードもできなくなる強制終了がありました。
 
 ジャンルはいつも通りのアドベンチャー。
 足回りは今回もちょっと弱いです。メッセージスキップは既読未読を判別して高速ですが、共通が比較的長く選択肢間も長めのため相対的に遅く感じます。
 バックログは別画面にて行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですがそれほど戻ることはできません。ロード直後にも使用できます。
 タイトル画面から使用できる「前回の続きから」機能は重宝します。言葉通りロード画面を呼ぶことなく続きから始められます。セーブしなくてもたぶん大丈夫です。
 作中の単語を紹介するTIPSという機能が搭載されています。プレイ中でもいつでも閲覧可能で進行度とともに記述が増えていきます。読まなくてもプレイに支障はありません。
 
 シナリオは「最初から始める」と「絆語り」の二部構成になっています。それぞれの個別シナリオをクリアすることで後者がオープンする仕組みです。例外のキャラも存在します。
 シナリオ描写は全体的に冗長です。同じような内容をそれぞれの個別シナリオで繰り返すシーンが目立ちます。また、文章量に比較して情報量が少なく読まされた感が強いわりに物語が進んでいないと感じるケースが多いです。それでいて重要そうなシーンをカットしたりなんてことも。
 肝心の物語も牽引力が弱く、長さに十分に耐えられるほど飽きさせないとは言いがたいものがあります。特に序盤はかなり退屈です。そして、都合の良さもかなりのものがあるので覚悟を決めて臨んだ方がいいかもしれません。
 日常の掛け合いはキャラがあまり立っていないことに加えて、事務的な会話が多くほとんど盛り上がるということがありません。率直に言って味気ないです。特に笑いに関しては壊滅的で、端からそんなつもりが全くないのではないかと疑うほどにくすりともさせてくれません。数少ないコミカルな描写は完全にSDカット頼みです。それでさえどこか浮いているシーンがあります。ところどころで登場人物の常識も怪しいです。
 惹かれあう過程も苦しく具体的な描写がないまま、いつの間にか相思相愛というケースがほとんど。理由がある場合も完全な後出しなのでどうにも遅きに失したイメージをもちやすいです。
 Hシーンは各ヒロイン3回ずつ。Whirlpoolでいうところの標準回数ですが、シナリオが長くなったために(二部構成で配分が分かれていることもあって)少なく感じやすいという微妙さがあります。エロ度は上昇、というよりもなんだか主人公のオヤジ度が上がっただけのような気も。
 
 CGはエロさで大きく進歩しています。体の線など原画家てんまそ氏の強い意識が見てとれます。イベントCGはもちろん、立ちCGもなかなかにエロスを感じさせます。一方でリアル等身で顔の輪郭の中だけSDカットのように大きく崩したカットを用いるのは相変わらずです。正直、違和感がある上に可愛くないので改善を求めたいところ。
 SDカットはもはやこの部門の代名詞といっていい、こもわた遙氏が担当しています。うっかりするとメイン原画よりも可愛いSD画は本作でも大きな役割を果たしています。というより、高すぎる効果をシナリオの方が持て余しているようにも。
 Hシーンはやはりこだわりの半脱ぎが光ります。エロ度も純愛系にしてはかなり高いです。ただ、ヒロインが棒立ちのように見えるカットが数枚あるのは賛否を分けそう。
 
 音楽は一応、舞台が田舎であるせいかのどかな曲が多いです。ノンビリすぎて心配になるような面があるのはご愛嬌でしょうか。他要素に比べると前に出ていると感じる曲は少なく言葉通りのBGMに徹している印象です。
 ボイスは主人公を除いてフルボイス。演技には特に問題はありません。
 
 まとめ。萌えゲーからシナリオゲーへの過渡期にある作品。現状ではもともとの長所(萌え成分)が消えてしまって、まだ新たな長所(読み応えあるシナリオ)は獲得できていない状態です。特にヒロインの魅力に関しては深刻なものを感じます。
 お気に入り:特になし
 評点:60
 
 特に思い入れもないのでキャラ別感想はありません。


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