24   _summer(HOOK)
 
 修学旅行の夜、定型の話題としてそれは出た。好きな人は誰か。答えは人それぞれ。そんな中で海津匠(変更不可)だけは答えがなかった。人を好きになる。それはどういうことなのか。答えはまだ見えない。
 
 HOOK第5弾。5周年ということで大きな予約キャンペーンとかやっていました。特典のビジュアルブックはCDまでついてかなり豪華。普通に書店に置いてありそうな仕上がりです。
 購入動機はなんでしょうか、原画かなぁ。ブランドの熱心なファンという訳でもないし、理由としてはそれくらいしか見当たりません。
 初回特典はドラマCD付きサウンドトラック。
 
 ジャンルはHOOK流いつもの。すなわちオーソドックスなアドベンチャーにもはや外せない感さえあるシステムRTC(リアルタイムクリック)を加えたもの。RTCとは選択肢に対してどれだけの時間で答えたかで相手の反応が変わるシステム。どうやらシナリオ分岐に影響することはないようです。使い勝手も以前よりは良くなって出現前には画面上で教えてくれます。
 足回りはあまり進歩していません。メッセージスキップは既読未読を判別して高速、RTCの手前で止まってくれて便利です。しかし、毎日の日付表示のデモ演出がスキップないし高速化しないのは不便。
 バックログは別画面で行います。マウスホイールに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが戻れる量はわずか。それだけでなくゲーム中で日を跨ぐとログがリセットされることもしばしば。選択肢表示の際に限ってはホイールでログを開始できないのは地味に不便です。
 他にもタイトルからクイックロードできないのはかなり面倒。システム設計が全体的に配慮不足と感じました。5作目なんですからもう少しプレイヤーの視点に立った設計をお願いしたいところです。
 最後に忘れてはならないのが要起動ディスクとなった仕様変更。プロテクトがある=起動ディスク必須ではないのですからもう少し考えて欲しかったです。業界でもあまり使わない方向に進んでいるようなのに。プレイヤーにとっては退化にしか見えません。
 
 シナリオは極めて凡庸。パッケージによると「まったり純恋学園ラブコメADV」とありますが、中身は看板通りとは言い難いです。お世辞にもテキストレベルが高いとは言えず、まったりというより退屈。潤いのかけらもない掛け合いの中からコメディ要素など見出せません。個人的に笑った記憶はありません。
 起承転結を無視したシナリオ構成も謎。いずれのシナリオも「転」が見当たらず「承」から「結」へなだらかな道を一直線。およそ盛り上がることのないこの手法こそがもしやまったりなのでしょうか。
 主人公の人間性にも疑問を感じます。無思慮、無神経、自分勝手、重度の鈍感、とひとことで言うととても感じ悪いです。恋愛模様が初めから好きといつの間にか好きの2通りしかないことで主人公の性格が大きなネックになっています。説得力という言葉に大きな影を落としているかと。感覚的にはヒロインが主人公を買いかぶっているようにしか見えません。
 テキストは誤字脱字、漢字変換ミスがかなり多いです。およそ文章のデバックをしたとは思えないほどの高い頻度。ビジュアルブック製作の影響はこんなところにも出ているのでしょうか、とか考えたくなります。
 Hシーンは各キャラ横並びに3回。CGに比べてテキストの方が分量、内容とも負けている印象。全キャラ、告白→即Hという流れも工夫のなさを感じさせます。
 
 CGは頑張っているようで手抜かりも。原画とCG自体は丁寧に仕上がっていて進歩の程が窺えます。しかし、卒業式に夏服(イベントCG、立ちCGとも)を描いてしまう、イベントCG内で私服が立ちCGになると制服など初歩的なミスが各所に。CG的なデバックを……(以下略)。
 イベントCGは相変わらずキャラ毎の分担ではなく、カット毎の分担になっているようで同一キャラでもやたら雰囲気が違うことがあるのは微妙なところ。個人的にはキャラ毎に分担してしまった方が良いような気がします。エロは頑張りが感じられるだけに余計に。
 立ちCGは一部で顔と体の角度がやや合っていないものが見受けられますが、そこを気にしなければポーズ、表情とも多彩に用意されていて好印象かと。ただ、照れた表情の表現が控えめ(赤が薄い)なのでややわかりにくいのはもったいないところ。
 
 音楽は可もなく不可もなく。そこそこ効果的に使われる主題歌以外、強く印象に残る曲はありません。
 ボイスは主人公以外フルボイス。声優陣はかなり豪華で聞き応えあり。ただ、台本は結構テキトーなようでテキスト上とボイスが違うことも。意図的かもしれませんが、上述したようにテキストがテキストなのでどちらとも判断しかねます。
 
 まとめ。見た目と中身に乖離が感じられる作品。「パッと見」と表現できる各要素はレベルも上がってきているのですが、実際に触れてみないとわからないあたりがかなり雑。5周年を迎えて年に1本しか作らないブランドならもう少し完成度を高めて欲しいものです。
 オススメはしませんがあえて言うなら起伏のない物語が好きな方、日頃からあまり活字を読まない方なら私が書いたことは特に気にならないのではないかと。
 お気に入り:あえて言えば波多野小奈美
 評点:48
 
 書きたいことはおおよそ日記の方で書いたのでキャラ別感想はありません。


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