249   Baby,BE(BeF)
 
 横浜は石川町にある中華街にやって来た主人公、渡辺真悟(変更不可)。初めての異国情緒あふれる街でふらふらとさまよう彼は、一軒の店の前で立ち止まった。
 しかし、ネーミングの語感に不安を覚えて隣の店に目をやる。そこには可愛いミニチャイナの看板娘が。
 紆余曲折の末に店内で食事をしていると一枚の張り紙が目に入った。住み込み可能なアルバイトの募集。訳ありの真悟には強く惹かれる一文だった。
 
 相変わらずの年齢層高めなBeFの新作は中華街が舞台のアドベンチャー。地元が舞台というのはそれだけで何か嬉しいものです。
 一応は前作からのメーカー買いということになりますが、正確には原画家の厘京太朗氏買いです。
 
 システムは前作から引き継いだPDAシステムを使用した、オーソドックスなアドベンチャー。
 前作からマイナーチェンジが施されていますが、今回も使い勝手は非常によく、ストレスを感じることなく、ゲームに集中できます。個人的に重視しているメッセージの巻き戻し機能で、ボイスが再生されるので大変、重宝します。
 しかし、マイナーチェンジ部分には若干の不満があります。前作で気に入っていた「エモーションチェック」(以下EC)が「キャラクターナビゲーション」(以下CN)に変わってしまったことです。
 今作の「CN」は選択しておけば、そのキャラクターのシナリオが優先されるという機能。これに比べて前作の「EC」は各キャラクターに対する主人公の基本姿勢をあらかじめ選択肢で選んでおくというもの(「まだまだ子供」と「そろそろ大人」といった感じでどちらかを選ぶ)。
 このふたつは似ているようで異なります。「EC」が能動的であるなら「CN」は受動的という印象でしょうか。
 男性に対する態度や自分の好みを主張することが出来て、ゲームにもしっかりとそれが反映された「EC」に比べると「CN」は寂しい感じがしました。
 シナリオ的には「EC」のほうが大変でしょうが、これはなんとか次回作では元に戻して欲しいものです。
 
 シナリオは正直、もう一歩な感じです。キャラクター設定や舞台設定、日常会話などは申し分ないのですが、肝心の恋愛に関する部分がどうも。
 なんというか、男女の関係全てが脈絡なく、唐突過ぎるんですよね。お互いがお互いを好きになっていく過程が全く存在していないんです。気がつけばHシーンに突入している、という感じで。
 そのすさまじさはまるで、この世界は一目惚れだけで恋愛が成立しているのではないか、と思ってしまうほど。
 プレイ中は「あのー、付かぬ事をお伺いいたしますが、わたくしめのどの辺がお気に召しましたんで?」とかそんな精神状態でした。
 構成的には前作の1本の大きな流れがあって、その途中で枝葉のように各ヒロインの話があるパターンから、マルチシナリオ的なものに変わっています。個人的には今作の方が繰り返しプレイにも向いているので嬉しい変更です。
 さらに前作からの大きな変更点と言えば、「とらハ」シリーズのようにヒロインとの複数回Hが可能になったこと。これはまさに賞賛ものです。
 ただ……。そう、残念なことに「ただ」がついてしまうんですよね。その恩恵に預かっているのはメインヒロインの二人のみ。他のヒロインたちは一度きりなんです。
 メインの姉妹より風邪引きのお向かいさんが気に入っている人間としてはかなり悔しいです。
 完全に、とは言いませんが、ある程度は各キャラのボリュームは平等に配分して欲しいです。隠しキャラではないのですから。
 ゲーム期間は10日。このへんもどうにかならなかったのかな、と思います。
 「家出」→「メインとの出会い」→「就職」→「他キャラとの出会い」→「馴染む仕事」→「恋愛」→「ひと区切り(エンディング)」と、これを10日でこなすのは、あまりにも無理があるのではないでしょうか。
 「とらハ2」並とは言いませんが、将来にも関わることなんですから、ゲーム内期間はもっと、プレイ時間はもう少し欲しかったですね。せっかく社会人が主人公なのですから。
 そうした部分はエンディングにも顕れてしまっていて、非常に刹那的なエピローグが多いです。中には刹那的過ぎてエピローグが存在しない方がいます。
 これって本来は学生が主人公のゲームに用いられるべきではないかと思うのですけど。
 
 CGは文句無し! 相変わらず原画も塗りも素晴らしいです。ゲームの雰囲気に合わせて微妙に変えているところも良いかと。
 背景も取材の成果を遺憾なく発揮していて、好感が持てます。他メーカーもここの背景は参考にして欲しいですね。
 
 音楽はBGMに徹している印象。ただ、これが中華街を連想させるかというと、そんな感じはしませんでした(そういう意識を持って作曲したかどうかはわかりませんが)。
 オープニングがなく、エンディングにボーカル曲を持ってくるというのは、ここのメーカーのこだわりなんでしょうか。個人的にはエンディングよりオープニングの方が印象に残りやすいんで、やや複雑。まぁ、それは私がプレイする毎にオープニングを聞くからなんですが。
 ボイスは知らない方ばかりですが、演技のレベルはかなり高いです。特に此花雛子役の如月葵さんの声は甘えた感じがとても良いです。
 
 まとめ。進歩は見られるがまだまだ階段を登っている最中、とそんなところでしょうか。不満も結構ありますが、それだけBeFには期待しています。また、それだけの力量を持ったメーカーだとも。
 お気に入り:此花雛子
 評点:67
 
 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
1、和泉蓉子
 うーん。主体性がないのか、途方もないほど惚れっぽいのか。どうも後者のような気がします。
 Hシーンの導入部には唖然とさせられました。
 言葉づかいがわざとらしいくらい丁寧。というか丁寧過ぎます。仲が良くなっても少しも砕けた口調にならないのは妙な感じがしますね。
 
2、和泉愛希
 髪をおろした方が可愛いというのはもはや定番か。
 それにしても彼女は少しも学生らしく見えません。別段、大人びているという訳でもないのにそういう雰囲気がないんですよね。
 風呂掃除のシーンがお気に入り。
 そういえばエピローグはあるのにエンディングCGがありませんね。
 
3、此花雛子
 隣がヒロインの家というのはよくあっても、手が届くほどの位置にお向かいさんがいるというのは、意外にないのではないでしょうか。
 窓越しに向かい合うCGは少々、刺激が強すぎるような気がします。
 ゲーム中、ほとんど風邪を引いているので、パジャマ姿ばかりなのですが、これがたいへん可愛いです。「奥さまは巫女?」といい、私にはパジャマ属性でもあるのでしょうか。
 「ちゃらちゃ、ちゃちゃちゃー」という手品シーンの掛け声はこのゲームのベストボイスです。
 舞台を最大限に活用したキスシーンがお気に入り。
 このゲームの中では最もしっかりと手順を踏んで恋仲になったキャラではないでしょうか(あくまでこのゲームの中では)。それでも雫香のあとにプレイしたのでエピローグはないかと、本気で焦りました。
 
4、朝霧操
 薬局のお姉さんというと、どうも「同級生」を思い出しますね。
 メガネさんですが、大丈夫な方。しかしながら典型的な恋仲にならない時の方が面白く感じるタイプなんですよね。個人的には恋人より酒飲み友達になりたい感じ。
 シナリオは最も唐突。エピローグもありません。気に入っていようがいまいが、こういうのはやっぱりさみしいですね。
 
5、遊佐琴子
 このゲームで最も苦手。なんつーか、キャラがつかめません。シナリオが説明不足なように感じます。まぁ、それでもエピローグはなかなかいい感じですが。
 しかし、狼少女とはどういう意味ですか?
 
6、乾雫香
 シナリオ的には本来、この娘がメインヒロインという気もします。この娘に対する時だけ主人公もまるで別人。雫香と同じく、外の世界に出てもまだまだ変われていないという印象。
 それにしても雫香は精神的な成長が早すぎます。普通は半年や一年はかかりそうなものをたった二日でこなしてしまいます。だーかーらー、どうして全てを10日の枠内で収めようとしますか?
 Hシーンへの雪崩込み方は蓉子とタメを張ります(プレイヤーの茫然自失度も)。だーかーらー、どうしてそこでHシーンなんですか?
 このシナリオ内容でエピローグがないのはあまりに不自然。結局、ふたりはどうなったのだ(どうするつもりなのだ)?
 お嬢様キャラのせいか、衣装はとてもおしゃれで可愛いです。
 


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