268   MagusTale〜世界樹と恋する魔法使い〜(Whirlpool)
 
 父親が失踪した。呆然としながらも天ヶ瀬大樹(変更不可)はこの事実を知らせるために留学中の義妹の元へ。ところが離島にあるそこは世界から隠れるように存在する魔法学園であった。義妹は才能を認められてスカウトされていたという。そして、大樹は魔法を使えない人間のサンプルとして学園に通うことに。
 
 Whirlpoolの第2弾は魔法学園アドベンチャー。
 購入動機は原画家てんまそ氏のデザインとラインが好みの方向性になってきたから。
 初回特典は特になし。
 
 修正ファイルが出ています。症状が該当する環境には必須の内容なので落としておきましょう。
 
 ジャンルは特別なところのないアドベンチャー。
 足回りはもう一歩。メッセージスキップは既読未読を判別してやや遅いくらいのスピード。
 バックログは別画面で行います。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能ですが戻れる量は少なめです。ロード直後にも使用可能なのはなかなか便利。
 
 シナリオは典型的な萌えゲースタイル。ストレスが溜まらないよう、ヒロインの魅力を存分に味わえるよう配慮されています。不快さを助長させるような悪役キャラは存在しません。唸るテキスト、練られた伏線、そんなのは本作の管轄外です。
 日常の掛け合いはほどほどに楽しめますが、基本的には共通シナリオ限定で個別シナリオに入ると当該ヒロイン以外の出番は極端に減ってしまいます。具体的には双子及び優花シナリオではそれなりに当該ヒロイン以外の出番が用意されています。また個別シナリオでもルートによって落差があり、当該ヒロインを気に入るかどうかが大きな鍵です。
 複数ライター制のせいか、それとも別の問題のせいかはわかりませんが主人公の人間性が安定していません。急に短気になったり、おおらかになったり、思慮深くなったり、他人を思いやるようになったり、と忙しく変わります。裏設定に情緒不安定とか、ストレスに弱いとかあるのかもしれません。
 主人公とヒロインが惹かれていく過程はそれなりにしっかりと描かれていますが、やはりシナリオ毎に差があります。中でもセーラシナリオは段階を踏んで丁寧に描写されていました。
 シナリオサイズは2007年ということを考えるとコンパクトな部類に入りそうです。起承転結の「転」がとても小さなものだったり、そもそもなかったりするシナリオがあります。それと双子のシナリオは個別2本と双子1本の3本を他ヒロイン1本分の中に放り込んでいる印象でとても短いです。
 Hシーンは各ヒロイン3〜4回。その内1回はシナリオ終了後、鑑賞モードに追加されます。純愛系のゲームにしてはなかなかのエロさですが、尺はやや短めです。
 
 CGはヒロインの魅力を伝えるためだけにある気がします。イベントCGは全て倍のサイズで描かれているので実に見応えあり。
 立ちCGは見ていて楽しくなるくらいに変わってくれますが、マンガ並に崩して描かれたカットも多いので多少の好悪が分かれそうです(瞳を描かないで表現する各種の表情)。
 SDカットはイベントCGと同じ感覚で頻繁に挿入されます。このカット群がまさに出色の出来でメイン原画にけして引けをとりません。テキストの笑いにも貢献したりと大きな効果をもたらしています。
 Hシーンはこだわりのオール半脱ぎ。もちろん全て異なる衣装と製作陣の執念を感じますが、残念なのはHシーンの数よりも衣装が多いヒロインがいること。
 
 音楽は全体のノリを考えるとおとなしい曲が多いように感じました。良く言えば出しゃばることなくBGMに徹していますが、悪く言えば世界観の一翼を担うほどのパワーはありません。一部の展開によっては延々と同じ曲が鳴り続けることがあるのはちょっと気になりました。
 ボイスは主人公を除いてフルボイス。メインヒロインは言うまでもなくサブキャラまで有名で魅力的な声優が揃っています。
 
 まとめ。パッと見通りの萌えゲー。パッケージや雑誌記事にホームページなどから連想される内容と実際が大きく食い違うことは少ないと思います。疲れるゲームや重たいゲームの後ほど高い効果が得られるでしょう。ポイントは細かいことを気にしないこと。楽しむ秘訣です。
 お気に入り:天ヶ瀬小雪、セーラ=フィニス=ヴィクトリア
 評点:70
 
 以下はキャラ別感想。ネタバレ要注意。
 
 
 
 
 
 
 
1、アリシア=インファンス
 もうちょっと主人公専用といったポジションを強調した方が好感度も高まりやすいような。人気投票とかしたら確実にトップはとれないでしょうからねぇ。小犬系キャラだからこそ他のキャラとの絡みが重要なのですが、ほとんどそんなこともなく残念。主人公に他の恋人が出来た時に大げさにショックとか受けると面白かったのに。
 
2、セーラ=フィニス=ヴィクトリア
 ツンデレ系にはやはり思い込みの激しさと成長によって主人公を認められるようになることが重要かと。特に後者がないとキャラの魅力が伝わりきらないケースが出やすいように思います。
 セーラシナリオは勘違いをうまく用いていました。それが主人公の境遇にもうまくマッチしていて良い手法だったかな、と。主人公が魔法を使えないことできちんと役に立ったのはここぐらいかも。
 母親との絡みは全くと言っていいほどなくキャラを含めてちともったいない感じ。
 
3、天ヶ瀬小雪
 なんとも惜しい。非常に良いキャラであるのですがシナリオがそれを引き出す方向に向いていないのは痛恨。結果として優花シナリオや双子シナリオの方が存在感を感じるという皮肉。
 安玖深音さんの妹役というのはとても破壊力があると思います。シナリオ上の少々の不備なんて気にならなくなるほど。
 一緒の部屋で寝るようになるまでの怒濤のわざとらしさにいっそ感動しました。ここまでやられれば、ご都合主義だ! なんて言いませんよ、ええ。
 個人的には私服が可愛いと思うのでHシーンはちょっと残念。
 
4、九条優花
 なんで泣きゲー? シナリオ展開は全くもって意味不明。こういうネタって原因とか過程とか細部をきっちりと書かないと効果は薄いんですよねぇ。予定調和の感が強すぎて。
 疑問はひとつ。ラピスの発現をボガードは知っていて黙っていたのでしょうか?
 
5、レナ=ジェミニス、ニナ=ジェミニス
 なぜ1本分のシナリオを三分割なのか。双子シナリオ1本でいいと思うんだけど。Hシーンだって1対1のを用意しても別に構わないのだし。その方が結果的に双子のキャラだってしっかり書けるのではないかなぁ。
 こちらも魔法服より明らかに私服の方が可愛いと思うので残念。
 
6、ミレーヌ=サーヴィス
 出番は多くないけど魅力的な先生。SDカットが尋常でなく可愛い。発現したラピスがブックタイプというのもいい感じ。
 
7、エマ=グラディウス
 自転車レースにしか存在価値のない悲しいヒト。性別は本当に女なのかというくらい色々と報われない。アルベルトの方が遥かに存在感があるというのが切ない。ファンディスク要員だとしてももうちょっと露出が欲しいところ。


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