303   妖刀事件(ライアーソフト)
 
 古村匠(変更不可)は飲み会の帰り道、いつもと違う道を通ったことで凄惨な殺害現場に出くわしてしまう。死因は刺殺。その凶器たる日本刀は被害者につき立ったまま。匠は何を思ったかその刀に触れてしまう。その日から怪しげな事件に巻き込まれていく。
 
 ライアーソフト第18弾は現実の街、渋谷を舞台にしたアドベンチャー。果たしてエロゲーと渋谷(人物造型含む)の噛み合わせやいかに、ってな興味もあって購入を決意。
 初回特典は特になし。
 
 ジャンルは特に変わったところのないアドベンチャー。ただし、視覚的にシナリオルートを確認できるフローチャート(CG付き)が用意されています。分岐情報などは書かれていませんが分岐の数そのものが少ないので条件は十分に推測可能です。
 通過した箇所にいつでも戻ることができますが、フラグ立ての問題もあるため最新の通過ルート上に限定されます。
 例)Aシナリオプレイ中にクリア済みBシナリオに入ることはできない。AとBの分岐点までは戻れる。
 よってセーブはしっかりと行う必要があります。
 
 足回りはいつものライアー流を継承。メッセージスキップはCtrlキーの強制のみでシーンスキップが既読スキップとして対応しています。速度はそれほど速くなく、同一文章でもルートが違えばシーンスキップも効かないのでかなり不便に感じます。前の選択肢に戻れるのがせめてもの救いでしょうか。
 バックログはウインドウ単位で行います。といっても画面の半分(立ちCG時)から全部(イベントCG時)というのが本作のウインドウサイズですが。ホイールマウスに対応、ボイスのリピート再生も可能です。しかし、起動しても文字色に変化がなく、該当している文章も見た目で判別できないのでリピート再生もしにくいです。戻れる量は少ない、というかシーン単位でリセットなので使い勝手がいいとは言えません。
 ちなみに本作の文章表示は縦書き表記になっています。
 
 シナリオは一本道に近いです。フローチャート上では大きく4本のシナリオがあるように見えますが、実際にはメインシナリオ1本の差分というのが相応しいところかと。個別ルートと呼ぶほどの深みはありません。
 シナリオの核である妖刀もどうにも存在感不足。何を見せたいのか、何を伝えたいのかがよくわかりません。ホラーでもミステリーでもない何かはとても中途半端に感じます。そもそも妖刀のルーツさえ語られないのはどうかと思わないでもないです。
 舞台が渋谷である意味も薄く、あまり効果的とは感じられません。特にキャラクター造型的に物事を深く考えない、気にしてもしょうがないことは気にしないといったあたりがシナリオに対して足枷になっているように見受けられます。ヒロインも3人しかいないのにネタが被っているあたり普通に疑問です。別段、実在の街にする必要はなかったのでは。
 Hシーンは各ヒロイン2〜3回程度。いかなる意味においても期待するのは禁物だと思います。
 
 CGは原画家とCGスタッフの力で独特の雰囲気を醸し出すことに成功しています。ただ、実際の街が舞台とはいえ背景が実写を加工しただけのものなのは寂しいです。仮にもフルプライスのゲームなのですから。
 イベントCGは差分抜きで55枚と信じがたい少なさ。原画が好きであればあるほど悲しくなってくる枚数です。
 
 音楽はさすがライアーソフトと言いたくなるほど耳に残る曲が揃っています。ただインストを含めても18曲とやや少なめ。ゲームとしてはもちろん、サントラとして聞いても十分いけそうです。曲調的に気分が優れるかどうかは別問題ですけど。
 ボイスもいつものライアー仕様。主人公含め男性陣には一切なく、女性陣もパートボイスになっています。バグなのか私の環境のせいなのか、それとも収録されていないのか、ボイスアイコンが表示されているセリフなのにボイスが出ないことが度々ありました。演技の方はいたって問題ありませんがパートボイスなのも男性にボイスがないのも物足りないです。
 
 まとめ。ライアーらしいこだわりの感じられない作品。奇しくも劇中で語られていたようにこれでは一次選考も通過できないと思います。また、手抜きはいつもこととはいえ、従来と比較してもなお全てがスモールサイズというのは厳しいです。正直ライアーソフトに抱いていた一定の信頼が揺らいでしまうような出来でした。
 お気に入り:特になし
 評点:50
 
 このような結果ゆえにキャラ別感想はありません。


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