同時期に撮影された映画なので基本的には同じ。と言いたいところですが、意外に違う面があります。前編は原作を読まずとも問題なく鑑賞できましたが、この後編は完全に不可能。原作エピソードの取捨選択において欠けている部分の説明を原作に頼っているので読んでいないと意味がわからないシーンがあちこちに。もちろん違う部分はきっちり違うので見ている側は整合性が取りづらくなってきます。もしかしたら作っている側は説明不足とは思っていないかも。

　クライマックスは前編と比べるとかなり好印象。素直に良くなりました。ただし、あくまでも前編と比較したらの話で通常の視点で見れば平均クラスか、それ以下。製作者側はこの変更点にかなりの自信を持っているように感じられますが、相変わらずミステリーとしては致命的です。謎解きされても穴だらけで少しも納得できません。

　基本的にモノローグがないのは前編と同じ。よって勘で発言しているように見えるのも相変わらず。しかし、モノローグ演出そのものを否定している訳ではなく、あるところにはあったりします。場所によってはないことに困っている感さえあるのにどういうことなんでしょうね。