徒然なる日記
ほとんどがゲームに関するネタです。もしかしたら気のせいかもしれません。


 2009年5月2日(土)    桜吹雪〜千年の恋をしました〜3回目終了
 Phantom5話。えーと、いまいち直接的な表現がないのでわかりにくいのですが、今回のオチはつまりツヴァイがクロウディアに取り込まれたというかアインから乗り換えた(おい)ということでよろしいのでしょうか。あの電気が消えるのとか都合のよい方にどうとでもとれるんでよーわかりませんよ。サイスマスターはまんまと一杯食わされたと?
 もともとツヴァイの精神状態がわかるようでわからないんでなんともねぇ。なぜ、クロウディアの言葉だけ頭からすっと入ってしまうのかよく分かりませんし。っていうか、単に女に弱いだけにも見えてしまうなぁ。どちらにせよ、もうちょい心理描写が欲しいところです。結果から逆算せよ、は少し乱暴ですよ。
 
 「桜吹雪〜千年の恋をしました〜」。3人目はクリア順制御の都合上、必然的に天蕗雪花。
 相変わらず既読スキップはまるで駄目。手動にてちょいちょい飛ばすのはとっても面倒くさい。また、テキストがちいとも変わらないところがイライラを増幅させてくれます。
 本シナリオで最大の衝撃はサブキャラの西久世紅葉。あの……、この人なんだか首がズレているんですけど。いえ、首だけではなくて体全体が歪んでいるような。普通にホラーじみていて怖いですよ。出てくる度に仰け反ってました。紫音シナリオに出てきたオペラ部の部長も大概、恐ろしかったですけどこの紅葉さんはそれを遥かに凌駕してますわ。クレジットによるとデザインは福永ユミ氏だそうだけど一体どうしてしまったのでしょう。途方もないスランプとか?
 シナリオは気合こそ感じられるものの、あまりにも安直でもう一歩も二歩も足りません。
 いっちゃん(主人公)離れをシナリオ中に試行しますが、これはむしろ他のシナリオでこそ必要だったのではないでしょうか。本人のシナリオでいくらやっても出来レース感が強すぎます。紅葉の当て馬ぶりがあまりにも激しくて眩暈がしそうなほどでした。まぁ、眩暈がしたのはデザインにも原因がありますけど。
 腹違いとはいえ血のつながった姉弟のシナリオ、こんな設定でエピローグのない本作で一体どうするんだか、と思えばこのシナリオだけ当たり前のようにありました。そりゃそうだけどなんだかねぇ。節操がない感じ。
 紫苑シナリオでもそうでしたが奪われた宝刀とか余裕で出てきませんものね。黒マントの扱いも酷いものでした。まさか、向日葵シナリオがましな扱いであったとは驚きです。
 誤字も変わることなく絶好調。中でもラストに間近いところで平然と繰り出してきます。いきなり「なるよ、きん」、って一体なんのことやら。もしかして「なるよ、きっと」のことでしょうか。あまりの衝撃に前後の文章を書き留めるのを忘れてしまいましたよ。
 プレイを進めれば進めるほど馬脚を現すというか、完成度の低さが目立ってくるのが情けないです。ここまで来るともったいないというより情けないですよ。処女作じゃあるまいし、これでいいのかとスタッフには聞きたい。

 2009年5月3日(日)    桜吹雪〜千年の恋をしました〜終了
 仮面ライダーディケイド15話。うーん、ある意味では当たり前なんですけどこの電王編だけはホントに原作そのまんまだなぁ。それだけに逆に違和感を感じるというのは奇妙な話です。
 珍しくクウガに変身するからなぜだろうとは思えばこんなオチが!? や、すっかり笑ってしまいましたよ。コラボレーションでもやっぱり電王は変わらないのだなぁ、と。
 電王のファイナルフォームライドがモモタロスってどういうことなんでしょうか。まぁ、それよりも問題なのは雄介の後ろの貞操が奪われたってことなんですけど。一緒についてきて碌な目に遭っていないですね。
 
 「桜吹雪〜千年の恋をしました〜」。最後は桜森紅紗。
 個別に入るやいなやスプライトの指定ミスから始まるあたり嫌な予感がしておりました。なんか後に進むほどボロが出ている感じです。案の定、この後にもスプライトの指定ミスはあって、もうちょっと仕上げに気をつかって欲しいなぁ、と。ガッカリしてしまいますよ、こういうのって。
 なんか終盤に至るまでは細々と手続きをこなしている感じでとても退屈でした。まさか、オーラスシナリオの展開が最も平坦であるとは。ついでに恋愛に至る過程もちぃと無理があります。なぜ主人公が紅紗に恋しているのかサッパリわからないという。なんかわからないのに本人も納得している感じが奇妙でした。紅紗に至っては説明されてもわからないという謎っぷり。あれでずっと攻略しようとしてましたと言われてもね。
 で、結局、前世シナリオはありませんでした。ってどんだけ拍子抜けなんだか。詳細は不明なままで感情移入しろ、って無理ありすぎですよ。しかも、最終的にはそれを逆手にとって、運命の姫に再会したのに主人公がほとんど感慨を持たないという唖然ものの展開に持ち込んでますし。こりゃどう見ても桜森杏子シナリオが最後に控えてなくちゃ駄目でしょう。サブタイトルからしても。なんかテーマ最重視でそこからズレる部分は全て削っている感じですね。杏子シナリオはそれに合わないと。
 後に行けばいくほど粗が浮き彫りになり期待値がしぼむ作品でした。出来でそうなることはあっても完成度によってそう感じる作品は珍しいですね。
 ということでゲーム感想もアップしました。以前も触れましたが本作は「はなふぶき」、は行なのでお間違いなく。今日の時点でいうなら163番目です。

 2009年5月5日(火)    マジスキ〜Marginal Skip〜開始
 まだ始めてほんの数時間。選択肢も未出現。
 開始前にメーカーホームページを覗いてみると先日、書いたフルスクリーンの詳細設定がどこにあるかわからない件に関して載っていました。まぁ、さすがのセンスと言うべきか、設定画面に入る方法はウインドウサイズでタイトルバーを右クリック、でした。言われてみればそりゃそうか、ってなところですけど、どうしたってこう言いたくなります。そんじゃあ、コンフィグの意味はなんなのよ、と。
 閑話休題。
 なかなかすごいところで唸らされます、このゲーム。
 始まってしばし、主人公や周囲の境遇が語られるのですが、これが想像以上にハードで驚かされます。主人公の両親はすでに他界していて土地と財産が残るのみとか、幼なじみは施設暮らしでその施設が近日中に取り壊しになってしまうだとか、主人公たちの姉貴分の母親が主人公の秘められた力のせいでやはり亡くなってしまっているとか、やけに重たいです。
 そういや「Clear」もそれなりに後ろ向きで重たいゲームだったな、とか思う間もありませんでした。この一見、重たさを感じる設定は全てとある企みのために用意されたものだったのです。
 ポイントは土地と財産。土地には一軒家が建っています。そして、先程の行き場を失った幼なじみの話。これでもうほとんどの人はピンと来るでしょう。そう、縁のないヒロインたちを同居させるためだったのです。さらにそれだけに留まらず異世界からは魔法の姉妹姫までやってくるわ、姉貴分は日本を代表するするアイドルユニットだわ、妹分の従姉妹は隣の家に住んでるわ、どう見てもハーレム状態です。もちろん、みんな主人公が大好きです。セリフだけでなく、モノローグも吹き出しで表示されるのでヒロイン同士のヤキモチや牽制がえらいことになってます。一人が何かすると残る全員の吹き出しが乱舞するのも珍しくない光景です。
 正直に言ってどう見てもやり過ぎでしょう。しかし、シチュエーション獲得のためには手段は選ばぬ、という姿勢に突っ込む気もあまり起きません。突き抜けてしまえばあんまり苦言を呈する気にならないものなのだなぁ、とか思ったり。
 ちなみにサブキャラもみんな主人公のことが好きっぽい。違う人も遠からずそうなりそうな雰囲気を感じます。
 それにしても主人公の高すぎるスペックに恵まれすぎた環境。これはやはり、前作の主人公の評判がアンケートとかであまりよろしくなかったということなんでしょうかねぇ。随分と両極端です。

 2009年5月7日(木)    マジスキ〜Marginal Skip〜1回目終了
 1人目はシェーラ=エル・エリス。
 んー、どうも芳しくないです。なんというかご都合主義が過ぎる、というより超のつきそうな規定路線という感じで。どんなシナリオであってもレールに沿って進んでいくのは変わらないと思います。作品によってレールをうまく隠してみたり、隠したつもりだけどあまりうまく隠れていないなど様々ですが、本作の場合は隠すどころかむしろ磨いているというくらいあからさまです。しかも、それでいてレールや枕木はそこまで立派ではないという。まぁ、個人の感覚の話になりますが、こうした場合なら物語が気に入ってしまえばいいんですけど、そうでないケースが問題です。
 前回の日記で触れた点が有効利用できていないのもちょっともったいないです。せっかく向こう三軒にヒロインと主人公が揃っているというのに帰宅後の描写がまるでありません。何のために同居しているというのか。出来事としてあってもこうしよう、ああしましたと説明があるだけで全力スルー。ですから一体、何のためにと。キャラクターをより魅力的に描ける舞台装置なのになぁ。どうもライターの呉氏はそうしたあたりがわかっていないのでは。
 CG付きのイベントがどうも淡白というか寂しい印象です。遠泳のイベントであれば行事の説明が軽くあって、水着が外れるというベタイベント発生の後、即終了。ちょっとでもぼーっとしていれば知らない内にイベントが終了しているというくらいの薄さです。上の件といいどうも日常描写に潤いを感じません。
 個別シナリオに入ると掛け合いは主人公とヒロインでほとんどタイマン状態。繰り返すようですが、身近にいるヒロインやサブキャラがちっとも絡まなくなります。なんつーか、そこに意義や必要性を見出していないのか潔いまでに無視している感じです。他のヒロインはまだしも、妹であるニースがまるで出てこないとか露骨に不自然なレベルですよ。掛け合いの潤いとか有効性とかそれ以前の話。
 惹かれ合う過程もちょっと弱いです。昔なじみで最初から好感度が異様に高い状態でスタートするため、気にならないといえばあまり気にならないのですが、ドラマとして上積みがぜーんぜんありません。強いて言うならパラメータはもうマックスなのだから、それらしいイベントが発生するのを2人してじっと待っている感じです。ゆえにそれが起こるまでは何もしないと。婚約者候補になって互いの気持ちを確認したというのに1ヶ月以上も何もしない体たらく。手を握ることさえよくよくしていなかった様子です。
 物語は起きる出来事に対して性急な印象。間延びして長すぎるよりはいいですが、どうも余計な(何を余計なことと定義するかが問題な気もしますが)ことは何も書かないという姿勢が窺えます。
 イベントCGはサブキャラやヒロインがいないものに多く用意されている感じがします。スタッフロールはパターン通りヒロインのイベントCGを加工して使われているのですが、半分以上はHシーンのそれでなんだか奇妙な雰囲気でありました。実際ヒロイン単独でHシーン以外となるとほとんどないんですよねぇ。Hシーン以外も妙に半裸が多いですし。

 2009年5月8日(金)    マジスキ〜Marginal Skip〜2〜3回目終了
 Phantom5話。うーんとこれは時間が経ってきたということなんですかねぇ。各人物の心情に明確に動きが出てきた印象です。Phantomの活躍によりサイスマスターの地位、発言力ともに高まり、クロウディアは押されてきたと? なんだか先週の引きが引きだっただけにどうもうまく繋がっていないように感じてしまいます。
 てっきり先週で終わりと思ったマフィアが今週も登場。引き続いて出たわりにはあまり存在感なく終わったような感じ。側近の人といい、もしかしたらゲームの方だともっと濃密な描写があるのでしょうか。
 
 「マジスキ〜Marginal Skip〜」。2人目は宮崎由紀菜。
 おお、これは呉氏らしいと言っていいのかどうかわかりませんが面白いです。物語全体に緊迫感があって良い感じ。
 個別シナリオに入ってすぐに明かされてしまうので書いてしまいますがタイムリープネタ。全体的にそれしかないというくらい一本で勝負していてミステリー仕立てになっています。しかし、このシナリオの伏線が共通シナリオで入っているんですけど、これがまた重い。詳細はこの由紀菜シナリオでしか明かされませんからヤキモキするし、わかったところでこの事実はずっと残っているんですよねぇ。よくそのシナリオをクリアすると他キャラのシナリオに入りづらくなる、なんて話を聞きますが由紀菜シナリオはまさにソレ。普段、私はそういうのをほとんど感じないんです(「パルフェ〜ショコラsecond brew〜」でさえそこまでではなかった)けど、さすがにこれは。ちょいとレベルが違いますよ。
 謎を出して展開させ解決を図る。この一連の流れがうまくできていたと思います。関連性は薄いですけど序盤のサブキャラシナリオのホラーちっくなところも良い前振りになっていたかと。ただ、解決編とも言えるクライマックスは余韻のことも考えてもっと長めの尺を使って詳細に書いた方が良かったかも。流すように短くまとめてしまったのがちょっともったいないように感じました。
 タイムパラドックスの設定と解釈は深くは突っ込まない方がいいのだろうな、という様相です。SF的に細かく見ていけば組み立てが怪しいところは多いので。つーか、純粋に意図がわからない行動とか少なくないのですよ。公衆電話への通話とかどこにその必然性があんのよ、と。鶏が最初か卵が最初かという命題も加わってきますからね。まぁ、目時由紀菜の存在も関わってきてそのあたりの繋がりから細かいところは御破算になっている感じですけど。
 テキストとしては主人公に対する呼称の不統一が気になりました。「貴之くん」と「たーくん」の2つがそれ。最初は人前かどうかで使い分けているのかと思いましたがそんなこともなく。2人きりの屋内の会話でも短いシーンで双方を使ってましたからねぇ。かといってライターが気付いていないとは思えない。うーん、どういうことなんだか。
 ヒロインとして由紀菜はなかなか魅力的です。肩書として異世界の姉妹姫やアイドルに負けている中で「命の恩人」という儚い看板を掲げて健気に頑張っています。まぁ、安玖深音さんのボイスによる加点効果が大きいですけれども。彼女の声で幼なじみというところがいいですな。ただ、CG的にはちょっとよろしくありません。原画のひなた睦月氏は未だに出来にばらつきがあるんですよねぇ。良いものは良いんですけど、たまにあれ? って感じのを出してきます。由紀菜の場合で言えば立ちCGがちょっと。ジト目のものは言うに及ばず全体的にどうも可愛さ不足。それでいて少女時代の由紀菜が異様に可愛いものだから皮肉な結果になっています。その差たるやヒロインとサブではないかというくらいに離れています。同一人物なのに。
 3人目は天津冬子。
 由紀菜シナリオの後だと驚くくらいに貧弱な内容。え、本作って複数ライター制でしたっけ? というくらい。命題も面白味がなく(というか説得力が弱い)、困難さに著しく欠けています。物語としてはそれ以上に苦しいです。盗撮犯とパパラッチとの攻防がメインですからねぇ。どうやら各シナリオの前哨戦はサブキャラシナリオのようなんですが、副会長である左京みやこが活躍する魔法と退魔術でイケイケ地獄変(勝手に命名)というトンデモエピソードの方がよっぽど面白味があるというあたり……。
 ヒロインの造型ももうひとつといったところ。嫉妬深いのと精神的な未熟さが合わさってしまっているせいでどうも可愛くないキャラに仕上がってしまっている感じ。せっかく良いエピソードがあっても次で自らぶち壊してしまう、の繰り返し。これではちょっとねぇ。パパラッチのせいでいちゃいちゃする描写を控えなければならないというのも痛い。なんというか手足を縛られながらシナリオを構成しているような。アイドルという旨味を自ら減衰させてしまっています。
 シナリオのラストがグダグダなのも明らかなマイナス。意味の薄い細かいエピソードを繋げてエンディングに至って驚いたくらい。てっきりもう一山あるかと思えばねぇ。
 しかし、一番はみやこ先輩の方が可愛いということでしょう。オープニングデモで最も魅力的に見えたのも彼女でしたし。褒め殺しキャラがまきいづみさんというのも大きいかもですが。
 シェーラシナリオでの欠点は相変わらず。人数の多さ、距離の近さを活かすことができていません。

 2009年5月11日(月)    マジスキ〜Marginal Skip〜終了
 仮面ライダーディケイド16話。見事に録画失敗。ひょっとしてカブト好きとしては見ない方が賢明というお告げでしょうか。
 
 「マジスキ〜Marginal Skip〜」。4人目はニースライト・ヒースラヴァー。
 うーん。なんというかコメントに窮するシナリオです。見たまんまといいますか。一応はシェーラシナリオの補足が少しばかり含まれていますけど、言われなければ気付かないレベルなのでそれほど大きな意味はありません。というよりも、ニースシナリオの意義を作るために穴を開けておいたようにも見えます。
 シナリオが規定路線なのは姉のシナリオに勝るとも劣らず、といったところ。飼育部関係やゾイの魔法に関する描写は逼迫する様子がまるで感じられず、どうなるのだろうとドキドキする間もなく解決してしまいます。全体的にパンチ力不足。
 最後は御狭霧かなで。
 個人的にとっても強敵でした。妹ポジションだけれども実際には従妹という娘さん。ヒロイン陣の中でただ一人つるぺた系であるためにひがみに近い感情を持って(自分では)いつも一歩引いて(いるつもりで)接している。
 これがもうなんというか実に合わない。共通シナリオの時からどうしたもんだろうかと思い悩んでいましたが結局、最初から最後まで評価が上向くことなく。苦痛な感覚で最後まで進めました。
 なんか学園でお嫁さんにしたいランキング1位らしいのですが、それがまるで納得いかなかったのが全てなのかも。ライターの掲げるヒロインのスペックを感じ取れなかったというのが正直なところかと。
 当て馬とばかりに登場する小梅さんの方がよほど魅力的なのが困りものでした。酷い目に遭ったりして同情する要素も十分でしたしね。
 シナリオは構造的にニースシナリオとほぼ同一。おかげで終えてからしばらくたった今では細部が微妙にごっちゃになってしまいがち。
 これで「マジスキ〜Marginal Skip〜」も終了ですが、みやこ先輩の水着CGがどこにも出てきません。サムネイルも全て埋まってしまいましたよ? オープニングデモだけの幻となってしまいましたか。無念。
 ゲーム感想は近日中に。

 2009年5月14日(木)    すまいるCubic!開始
 先日、「マジスキ〜Marginal Skip〜」のゲーム感想をアップしました。事前の期待値がそれほど高いゲームでもなかったのですが、2周目の宮崎由紀菜シナリオが良かっただけに1周目のことも忘れて3周目以降に期待して進めてしまいました。それがもう一歩、楽しめなかった理由だと思います。個人的には意欲的な呉氏のシナリオが見たいですね。本作は「Clear」とは違ってあまりファンディスクが出て欲しいと思っていません。まぁ、「Clear」も熱望した訳ではないですけど。キャラとしてちょっと弱いかな、と。
 
 「すまいるCubic!」。ひとつめは津屋崎湖景アフター。
 シナリオ担当に5人、監修に1人と数多く名前を並べていながらその中に本編のシナリオライター南総鐡道氏の名がないというあたりから予測していましたが、キャラがちょっと違います。付き合い始めて変化したということなのかもしれませんが、説明もなくプレイヤーが戸惑うようではファンディスクとしてどうかと思います。エロエロなのはまだしも(でも、主人公も困惑している)、言動までおかしいってのはねぇ。
 シナリオも相変わらず湖景が異様に有能という以外は特に見所もなくHシーンを繰り返すのみ。そのHシーンもなんだか微妙にポイントがズレているのかエロくないんですよねぇ。
 ふたつめは名香野陽向アナザー。
 タイトルもずばり「飛ばない夏」ということで本編とは異なる恋愛模様が書かれるということで惹かれあう過程に期待したのですが、悲しいことに一目惚れの一言で終了。委員会メンバーとして共に活動するでなし。別段、アフターシナリオで良かったんじゃないの、と。強いて言うなら恋仲になる時の初々しい反応でしょうか。しかし、そういうのなら他のイベントネタでも見せられますしねぇ。
 陽向はキャラが違うこともなく良好。ただ、恋仲になることで馬鹿になってしまったように見えるあたりはちょっと。あまりにたやすく会長の思惑通りに動いてしまうところとか。
 みっつめは花見麻里矢アナザー。
 ヘタレだから1年間も進展がなかった本編シナリオがそうでなかったならどうなるか、という1本。元の流れへと戻る選択肢が2つもあるあたり、やっぱこの主人公は……、と思わせてくれます。
 シナリオはここまでの3本の中では最もいい感じ。なまじ本編は間がすっ飛ばされた格好だっただけに恋仲になっていく過程の書かれたシナリオが新鮮です。飛行機以外には不器用なマーリャさんが良い按配で表現されています。キャラが違うということもありません。ただ、本編とオチが違うんでちょっとびっくりしました。
 ここまでは値段を考えるとちょっと厳しいかな、という感じ。8190円とはとても思えないデスヨ。

 2009年5月15日(金)    5月展望
 Phantom7話。タイトル通りに過去話。過去エピソードに入る時がちょっとわかりにくかったですが、内容そのものは良好。というか、ずばり初手からサイスマスターとアインに出会っていたんですねぇ。ああ、人生の転落。
 どうやらクロウディアは生意気なサイスマスターに対して罠を仕掛けた様子。ただ、ツヴァイは惜しいと感じたのか、それとも単なる楔かわかりませんが、アインと対決するよう仕向けるのは間違いなさそう。
 2人の微妙な心理の揺れ動きが見えるようになってきました。果たしてそれが極限状況においてどんな化学反応を起こすのか。楽しみです。
 
 5月は桜のゲームも予定通り延期したし、久しぶりに購入ゼロかしら、と思っていたらひとつ目につくものが入ってきました。TAIL WINDから発売される「Trample on ”Schatten!!”〜かげふみのうた〜」がそれ。テックジャイアンで紹介されていなかったので気づきませんでしたが、なかなか「挑戦」を感じさせる作品です。思い切り「YU−NO」を意識しているかのようなマルチサイトビジュアルシステムが特徴。ヒーローものでこれをやってくれるというところに可能性を感じます(というか、願望として感じたい)。インタビューからもプレイ済みであるのは間違いない様子。
 とはいえ、発売前に景気のいいインタビュー記事を読むと外れる、という個人的にちょっと嫌なジンクスもあります。インタビューからそれを探ると「YU−NO」に加えて「Only You〜世紀末のジュリエットたち〜」(年代から考えて恐らくこちら)に影響を受けているというのが期待したくなるポイントで「仮面ライダー電王」が大好きというのが不安を誘われるポイントでしょうか。特にヒーローは普段は格好悪くて良い、という風にとらえているところが心配。とにかくジンクスを打破して欲しいです。
 すでにマスターアップはしているので延期の線はないでしょう。久しぶりの80点越えを望みたいというのは高望みすぎですかね。まぁ、それなりに冒険であるのは間違いないと思います。製作陣にとってもね。
 どのみち「輝光翼戦記 天空のユミナ」のように1ヶ月かかるということはないでしょうから積みゲー崩しの月になりそうです。

 2009年5月16日(土)    すまいるCubic!継続中
 よっつめは宮前朋夏アフター。
 相変わらず具体性に乏しい幼なじみです。説明不要で何でも仕込んでくるので困ります。まるで「幼なじみ」は便利な魔法のように思い出でもなんでもおまかせ状態。伏線の類は必要ありません。だって「幼なじみ」なんですから。
 シナリオは何もありません。せいぜい恋仲になったことをお披露目するくらい。
 Hシーンは驚きの連続寸止め。回想シーンの枠が7つもありますが、きちんとHシーンと呼べるのは最後のひとつだけ。残り6つは全て中途で終了です。しかも、これって全て1日の出来事。なんじゃそれ、と思えばようやく迎えたHシーンでなおも焦らしプレイを敢行する主人公。あなたは本当に10代なんですか? どう考えても年食ったおっさんそのもの、むしろジジイと言ってもいいくらいデスヨ。
 単純に考えても完結しないHシーンばかりというのは素材の無駄遣いにしか見えません。いかに良シチュエーションであっても虚しいばかり。
 いつつめは古賀沙夜子アナザー。
 本編の方が特殊な感じだったので、アナザーたるこちらが正規シナリオのような気がしてきます。陽向シナリオとは違って、きちんと空を飛んで会長と過ごす夏という趣。
 しかし、シナリオは力が入っているわりに駄目駄目。
 惹かれる理由は主人公が一緒にいるようになってもちっともわからないし、そも沙夜子のタイプに主人公が合致しているようには見えないのに、どうやらシナリオ上は条件を満たしているらしいということ。主人公のどこが面白い人間なのか真面目に問いたいくらいです。しかも、才女の望む「面白い飽きさせない人」ですからねぇ。本当にどこが?
 さらにシナリオの主題が完全に崩壊しています。「放任と無責任は違う」というのがキーワードなんですが、これがもう説得力ゼロのシロモノでどうしようもない。
 説明しない、秘密主義、命令は絶対、見た目のやる気ゼロ。これで必要なことは全てやっておけというのが古賀沙夜子の「放任」なんですよ。それでいて会長の自分には尽きることのない信頼を寄せろという(でないと前提が成立しない)。
 宇宙科学会以外が絡んでも説明責任なんて知ったことではないのだ。なぜなら理解できないのが悪いのであり、不備があってもいつかは解決するのだからおとなしくそれを待てばいい。問い詰めてくるなどドライな人間がすることでまともな感情をもった人間のすることではないのだ。
 この居直り強盗なみの姿勢が「無責任」ではない「放任」の正体。放任の結果として失敗するなんてことは考えてもいないようです。いえ、そもそも概念として存在していないのかもしれません。なぜなら成功するまで続ければいいだけなんですから。
 エピローグでも思い切り矛盾しています。「今ではみんなから理解されている」の一文が踊っておりました。つまり、以前は理解されていないのに無条件の信頼は得られていたのです。そんなことありえるんでしょうかね。
 そもそも一人で抱え込んでしまうから秘密を作る、が沙夜子の悪いクセということになっているんですけど、これもおかしいですよね。問題を一人で抱え込んでいるはずなのに残された方は説明もないままにやるべきことを全てやっていなければならないのですから。それにこれが未熟ゆえならやっぱり放任ではないのでは。単に管理できていないだけでしょう。
 朋夏シナリオもそうでしたが、なぜファンディスクでキャラのイメージが悪くなるのでしょうか。

 2009年5月18日(月)    すまいるCubic!終了
 仮面ライダーディケイド17話。やっぱり前編を見逃すとよーわかりません。取りあえず、後編から見た身とすればカブト以外が出ないのが寂しいというのとクロックアップが使えなければザコ同然という扱いが気になりました。使っていても名護さんに撃墜されてんのになぁ。それとワームのクロックアップは天然だから機械の影響を受けないということなんでしょうか。
 
 「すまいるCubic!」。むっつめは千鳥水面。
 ゲーム内においてはほぼゼロからの描写ということで、それなりの分量が用意されているものかと思いましたがそんなこともなく、他ヒロイン同様に短めでした。
 全体的に怖すぎるほど強引な展開が目に余ります。プロット通りの動きなんでしょうが、そもそもプロットがいい加減、もしくはぎこちないものであると思われます。ただでさえ、細かい設定などはあらかじめ承知しておくように、という作りなのにドラマが完全な説得力不足ではどうにも苦しいです。同じシーン内においてさえ深刻な矛盾が生じているあたりフォローも厳しかったり。
 傷心の水面が隣町をうろついている→位置情報によりそれを知る主人公→駆けつけると仰天する水面→茫然自失していて気がついたら隣町にいた→主人公が来るまでそのことに気付かなかった→と語った舌の根も乾かぬ内に→位置情報を自分で晒して来るかどうか試した
 こんな謎展開をされてもプレイヤーは混乱するばかりデスヨ。駆け引きなんだとしても、こんな秒単位でばらしていたら何の意味もないような。
 主人公も主人公でこんな水面を好きになるにあたって論理展開が恐ろしいほど飛躍しています。水面のことを意識していると自分で気付くと、過去の自分の行動に対して補完し始めるんですよ。あばたもえくぼのパターンでそれまで気に入らないと考えていた水面の姿を好きになるとかならともかくも、自分の行動が全て水面を好きゆえに起こしたことと決めつけてしまうのです。おっかねぇ。
 >俺は朋夏に会いに行くついでに千鳥の姿をなんとなく探していた気がする。いないとがっかりしていた気がする。(本文中より抜粋)
 何年も前の行動に対して今さらダブルで「気がする」って一体……。そりゃ寒気のする妄想の域なのでは。
 ラストもグダグダでかなりしんどい出来でありました。仮にもパッケージヒロインなのになぁ。
 最後は上村実。
 中途半端なBLシナリオ。ガチな人を満足させることは不可能なのに、ノーマルな人に不快感を抱かせるには十分すぎるという絶妙なさじ加減が光ります。まぁ、やる必要ないですよ。教官の歌声くらいかしら。
 「すまいるCubic!」もこれにて終了。ゲーム感想は近日中に。

 2009年5月20日(水)    W.L.O世界恋愛機構開始
 先日、「すまいるCubic!」のゲーム感想をアップしました。テコ入れなのか、それともファンディスクだからなのかライターを入れ替えましたが、まるで効果は出ませんでした。これで7800円とるのはさすがにどうかと思ってしまう残念な出来。次はよほど魅力的な企画でないと見送るかも。
 
 「W.L.O世界恋愛機構」。現在13話途中まで。
 某空間などで合う人にはかなり強烈な輝きを持っているゲームと聞いて、久しぶりに他人の評価で購入。今のところ、かなり楽しんで進めております。十分に面白いといっていいと思います。
 馬鹿な設定を真面目にやっているのが特徴の本作。それが長所になることもあれば短所になることもあるのがちょっと変わった面白さに繋がっています。長所は主にギャグ関係。馬鹿馬鹿しいまでの世界観で人物がまともに動くことで必然的に笑いが生まれやすくなっています。短所はシリアスな展開における人物描写。なまじ動きが真面目なだけに要所では説明のない展開に不自然さを感じやすいです。そう、本来なら「不自然」なんて単語を使うゲームではないんですけどね。
 ヒロインたちの描写はしっかりとしていて実に魅力的。人間らしさみたいなものを随所に感じさせてくれます。心の機微と言いかえてもいいかもしれません。例えば主人公の負の感情を少しでも感じると途端に笑顔を曇らせてしまう幼なじみなど。キャラがきちんと立っているだけでなく掛け合いも豊富なので、このなんでもないような会話が幸せだったと思う、とは言いすぎにしても会話を追うだけで楽しかったりします。本作をプレイしていると「マジスキ〜Marginal Skip〜」は本当にキャラ描写が表面的だったのだなぁ、と痛感します。薄い上に弱い。会話自体が楽しかった記憶なんて残ってないですよ。
 閑話休題。
 なんかここまでべた誉めなので気になったところも。序盤の動機にちょっと怪しいものがありますね。主人公にしろW.L.O側にしろ。特に主人公の方ですけど、W.L.Oが用意した相手である久坂愛奈のことを好きかどうかもわからない、判断しないままに恋人にして最終的には子をもうけるという要請を承諾してしまう。
 この問題はのちのち表面化してシナリオとして書かれるんで描写があること自体は歓迎したいところなんですけど、前提条件としてはいかにも不格好です。お試し期間とか言っていましたけど組織的にカップルを作ろうという作戦が行われるのは試みも何もない訳で。やった後にやっぱなし、とかそれは苦しいんでないの、と。
 もうひとつは問題ではないのかもしれませんが、話がどんどん進んでいき選択肢もそれなりに出るというのに、本作の主旨である主人公のお相手として書かれるのは愛奈さんだけなんですよ。他のヒロインは露出自体が少ないか、あってもとてもヒロインとは見えない書かれ方ばかりなんですね。タイトル画面で攻略対象が勢ぞろいしていますけど、こういったのがなければアリサはともかく伊那や蛍はとてもヒロインに見えません。むしろ、メイド3人娘の方がよほどヒロインらしく書かれていますし、見た目的にも相応しいです。
 ここまで進めてきて最も気になったのは文化祭前の屋上でアリサに絡まれるくだりですか。そこまでは比較的、順を追って丁寧に書かれていたのにここだけは性急に、しかも強引に話を進めてしまいます。
 ぶっちゃけた話として、人情的なもの以外に主人公が組織を信用するだけの材料は与えられていない訳で、そこから聞いても教えてくれないことを深読みして相手を慮れ、とかあまりにも一方的すぎます。
 無線機をつけて監視&アドバイスをして、終わればトレーニングに反省会。その全てにおいて上から目線で命令&説教&侮蔑。ただでさえ恋愛ごとはナーバスになりやすいというのに、主人公からすれば仕事でやっている相手に気を遣えと言う。この状況で尊敬されるような姿勢を貫いて結果を出せる人間はそもそもW.L.Oの手助けなんていらんでしょ。
 屋上のくだりの前段階である、全員から一斉に責められるシーンはさすがにちょっと主人公が気の毒になりました。多勢に無勢ってだけでも十分に酷いのに。本作ってどう見ても客観的に楽しむゲームだから平気ですけど、主観的に見るとこりゃたまりませんよ。
 ところで、最近なんだか佐本二厘さん強化月間ってな按配です。南星明日歩@「星空のメモリア−Wish upon a shooting star−」、シェーラ=エル・エリス@「マジスキ〜Marginal Skip〜」、そして本作の久坂愛奈ことあーちゃん。好きなタイプの声優ではありますけど、さすがにこれだけ集中して摂取するとしばらくは……、という気になります。けれど、本作が一番いいキャラであり演技なんですよねぇ。

 2009年5月22日(金)    W.L.O世界恋愛機構1回目終了
 Phantom8話。命令とあれば同じ組織の人間であっても容赦なく殲滅。えーと、考えなさ過ぎるのも問題があるってことでしょうか。サイスマスターもサラッと雲隠れした様子。
 負傷したアインと記憶を取り戻して揺れるツヴァイが再会したのは果たしてクロウディアの目論見通りなのでしょうか。あまりそんな風には見えないだけに彼女の思惑がよくわかりません。
 ところで、弾丸を摘出するシーンは明らかに何か違うものをイメージさせようとしているように感じるのですが、それは私が汚れているからなんでしょうか。
 来週は定番の死にたくなければお前がファントムを始末しろ、ってなパターンでしょうか。
 
 「W.L.O世界恋愛機構」。1人目は久坂愛奈。
 うーん。1周目を終わってみて感じるのはすごく長所と短所がはっきりしているゲームだな、ということ。得手不得手と言いかえてもいいかもしれません。
 長所はキャラクター描写。メインから脇に至るまで役所をきっちりと押さえた上でなかなかよそでは見ることのできない輝きを持っています。ヒロインである愛奈さんのあまりにも甘い幼なじみ&恋人っぷりは思わず脅威さえ感じるほど。立ちCG演出を含めてヒロインの表現にはこだわりを感じます。たいそう魅力的でした。
 短所はシナリオというか物語。現実離れした設定に比べて物語は実におとなしいです。もっと馬鹿になって冒険すればいいのに、と思わされるシーンが散見されます。文化祭の内容を決めるクラスのプール大会(?)なんてメチャクチャで良かったのに、愛奈シナリオの主筋になると急に鳴りを潜めてしまう。
 部分的な記憶喪失の理由なんて唖然としてしまいました。え、その程度のことで記憶喪失になっちゃうの? ってなくらいで。もっと凄惨な、えぐい過去でも待っているかと思いましたよ。幼稚園や小学生くらいならともかく中学生ですからねぇ。丸ごと記憶がなくなったわりに大したことには見えないような。これなら特別なことはなかったけれどいつの間にか疎遠になってしまったという「てのひらを、たいように」のパターンの方がよほど良かったような。実際、この方が取り戻すことは大変なんだし。
 惹かれ合う過程もちょっと。せっかくヒロイン描写が秀逸なのに蓋を開けてみれば2人とも実は最初から好き合ってました、というオチはかなり脱力ものです。盛り上がるところで却って盛り下げてしまった空気がちょっといたたまれない感さえありました。加えて「最初から好き」という状態はW.L.Oの設定殺しも同然だと思うんですけど。正直もったいないですわ。そこまでのサポートが消える訳ではないけども、なんか貢献度ってやつが薄く感じられちゃいますよね。
 もったいないと言えば、カップル化した後。あまりにもすみやかに他のキャラが退場状態でもったいなかったです。こういうのって馬鹿ップルであればあるほど周囲の冷やかしが重要になってくると思うんですけどねぇ。特に主人公はクラス内の評価がけして高くなかっただけにあるかどうかは大きかったと思います。マエストロの反応とか見たかった。温泉旅行のくだりはやらせなんで意味ないですからねぇ。姫里先生は別として。あと冷やかしだけでなく祝福もあると良かったんですけどね。
 ところで、エンディングのカットですけど、主人公より愛奈さんの方が座高が高いような気がするんですけど……。

 2009年5月25日(月)    W.L.O世界恋愛機構2回目終了
 仮面ライダーディケイド18話。斬鬼さんと弟子だけそのまんま。響鬼さんなんてごまかしようもなくおっさんになってしまっているし、なんか違和感ありありだなぁ。全員同じかさもなきゃ全員違う方がいいのかも。
 
 「W.L.O世界恋愛機構」。2人目はサラサ・クレイン・フェミルナ。
 姉のアリサと途中までシナリオは一緒。そのせいかルート分岐までがひたすらに長い。13話の遊園地でサラサと主人公が一緒にアトラクションをまわる様子が出ずになぜだろう(絶好の惹かれあう過程の描写ができるのに)と思ったらそこはまだ姉妹共通シナリオだから、なんてことがありました。
 まー、正直に言ってしまうとこのサラサシナリオはとても不自然ですね。主人公のターゲットが愛奈から姉妹のどちらかに移っているのに誰も何の行動も起こさない。主人公も自分自身のことを何一つ考えようとはしないし、W.L.Oも忠告めいたことさえ全く言わない。作戦とか色々あるからなぁなぁのまま1ヶ月以上も過ぎるとかきっと問題だと思うんですけどね。なにせ序盤はひとことひとことに無線機でツッコミを入れていたくらいなんですから。ターゲットを見失った状態で進む日々はまさに宙ぶらりんで座りが悪かったです。それでも愛奈にちょっかいをかける滝田くんがなんだか滑稽でした。
 愛奈シナリオでも触れましたけど、ターゲットが決まっているようで決まっていないというどっちつかずな設定がこういう状態を生んでいるのでしょうね。あくまで自然な恋愛を演出したいという製作側の狙いは理解できます。ただ、W.L.Oという組織の設定に「結果的に好きになりました」という恋愛は相性が悪いんですよね。結果論で決まる恋にはサポートしづらいのですよ。
 サラサ(恐らくはアリサも)シナリオでしんどいのは特定の主義主張を押しつけられること。物事の解釈に対して解法はたったひとつしか認められないような息苦しさがあります。例えば「好き」や「愛してる」は×だけれども「生まれてきてくれてありがとう」は◎というような。まるでクイズのようなやりとりにゲンナリしそうになったり。これをノーヒントで理解しないといけないとかねぇ……。もちろん、主人公には無理ですから誰かから説教されることになります。こういうやりとりが繰り返されるんですよ、説教も含めて。
 シナリオ的には病気のことはほとんど意味ないですね、というのが切ない。中盤以降は主治医の先生の出番がまるでないのがある意味で象徴的です。病名も病状もはっきりしないのでプレイヤーとしては余計になんだかなぁ、と感じやすいです。病院のベッドからほとんど離れられなかった人間が、目的ができたからっていきなり就職したりとか。制服に身を包むサラサの姿はなんだかとってもシュールに見えました。
 ヒロインたるサラサをよほど気に入っていないとちょっと苦しいかと思います。ラストの方はなんだか尻すぼみですからねぇ。個人的には雪絵さんやソラリスさんたちのやりとりの方が印象に残ってますね。

 2009年5月26日(火)    テックジャイアン7月号
 「キスと魔王と紅茶」まーまれぇど:なんか読み上げて語呂が悪いなぁ、と思ったら「こうちゃ」ではなく「ダージリン」でしたか。ま、そんなことはともかく、まーまれぇどと言えばやっぱりみけおう氏。ではあるんですけど、今回は5人もの原画家を擁しています。そして、ライターには「リリカル♪りりっく」の黒白線氏に「祝福のカンパネラ」のサイトウケンジ氏とその他1名。全力回避が基本線でしょう。原画以外に期待すべきものは見出せません。発売日は未定。
 
 「妹スマイル(仮)」しとろんソフト:「みここ」に続いて早くも第2弾の発表。実に精力的です。応援してあげたい気持ちはありますが、本質的に妹属性がないことと今回のキャラデザインにピンとこないこと、加えてここは起動ディスクが規定路線、という複合的な理由で食指が動きません。秋発売予定。
 
 「ハチミツ乙女BlossomDays」ルピナス:新ブランド。原画がミヤスリサ氏ということでそれだけで購入確定。今年はお初ですな。最初に来るのがメガネというのがたいそう気に入りませんが。シナリオは狩野伊太朗氏にJ・さいろー氏。前者はよく知らないのですがどうやらテリオスで仕事をしていた方のようです。9月発売予定。
 
 「鬼父2〜あんたみたいな鬼畜、お父さんじゃない!〜」ブルーゲイル:なんと2作目です。個人的には嫌いではなかったですが、客観的にはちょっと……、な感じに見えていただけに驚きです。人気があったんでしょうか。
 今度は赤の他人ではなく実の父が豹変したというパターンの模様。まぁ、前回は親子になるのになんだか感情移入しづらい感じだったからこの方がいいのかな。娘は4人に倍増していますが前作がお世辞にもCG枚数が多かったとは言えなかったので却って心配になってしまいます。個人的にはすでにお母さんがいないというのが色々な意味で残念かなぁ。「兄嫁」でお兄さんがいないようなものですよ? 8月28日発売予定。
 
 「黄昏に煌く銀の繰眼」CLOCKUP team.ANISE:なんかまんま「コードギアス」の設定で凌辱ゲーを、って感じですなぁ。あまりに潔すぎて逆に感心するくらいですわ。タイアップ企画として巻末にマンガが載っています。もちろんカラー。自慢するのも納得の画力です。ブランド的にはちょっと不安があるのですが原画のみでも期待したいところ。8月28日発売予定。

 2009年5月27日(水)    W.L.O世界恋愛機構3回目終了
 3人目はアリサ・クレインフェミルナ。
 あー、ようやく終わった。というのがスタッフロールが出た直後の正直な感想です。もーとにかく長い。愛奈シナリオで「なんだ、それほど長くもないじゃん」とか余裕かましていた頃が懐かしいデスヨ。妹のサラサシナリオも十分に長かったんですけど、姉のシナリオは明らかにそれ以上。
 相変わらずキャラ描写とかいちゃいちゃする様子とか特筆するほどにいいんですよ。ライターのキャラへの愛が痛いほど伝わってきます。アリサの七転八倒する様子などは愛奈に負けず劣らず可愛いです。恋仲になる前とその後の落差もしっかりと感じられて、掛け合いにはニヤニヤすること必至。
 ところが、シナリオの方がどうも芳しくない。価値観の押しつけや微妙に納得し難い説教話も変わらずに満載されてます。またかよ、と思うと実はフェイントだった(たぶんそんなつもりはないんだと思いますけど)、なんてこともあったり。説教はライターの手腕というかバランス感覚が問われるんですよねぇ。素直に頷けるものを書ける人というのは確かなセンスか偏りのない視界が必要です。
 他シナリオにあるものはもちろん、筋書きにもやや難あり。というか、あの結論を導き出すためにこれほどの分量が必要なのですか、と。とにかく回りくどい割に中身が薄い。NOAの指針に対して違和感を感じることが事前にないというのが率直にどうかと思います。やらせでそれを実感するようでは重みに欠けると思うのですよ。そも台本劇のようなNOAのシナリオ至上主義を事実上、否定しようってのにその手段が同じく台本劇で騙しにかけるってあたりがねぇ。全員参加型のシナリオにしたかったんでしょうけど結局、他人の人生を手の平の上で操るという傲慢さはいささかも変わらない訳で。あまり納得しやすい結論とは言いにくいように思います。
 詰まるところ、再びプレイしたいかどうかではないかと考える訳で。いいところもたくさんあるんですけど、記憶は疲労感ばかりが先に出てしまってちょっと苦しいかなぁ。特にキャラ描写に魅力があるゲームだけにそれが素直に楽しめないフォーマットはちと厳しいかと。
 セーブデータの残し方次第ではあるんですけど、スキップが相対的に遅くてしんどいです。本作はなぜか特定のセリフやメールに対してスキップが停止したのではないかと思うくらい遅くなるんですよね。しかも、結構そんな箇所は多いという。通常プレイ中もいくらクリックしようともボイスの発生を続け、飛ばすことができません。これが意外とストレスが溜まるんですよねぇ。実際これってシステム上の不備なんでないの。よそのゲームでこんな頻繁なの見たことないですよ。
 すでに修正ファイルをあてていますけど、誤字脱字はとても多いです。もうオンパレードと言っていいくらいに随所に配置されています。確かにシナリオの全量は多いでしょうけど1回読み直せばほとんど気がつくようなものばかりに見えるんですけどねぇ。マスターアップ後に一度でも読めばほとんど撲滅できると思うんだけどなぁ。

 2009年5月30日(土)    Trample on ”Schatten!!”〜かげふみのうた〜開始
 Phantom9話。えーと、あまりにもあっさり捕まってしまうあたりなんだかなぁ、と。ファントムという異名の凄腕の殺し屋なのに当たり前のように後ろをとられてしまうって一体……。こういうのって文章が使えないアニメの弱さなのかしら。
 サイスマスターはいつもと何ら変わることのない態度。クロウディアにしてやられるのは想定していた可能性のひとつ、ぐらいの感覚なのでしょうか。ただ、この人ってファントム以外にどんな人脈や能力を持っているのかよくわからないんですよねぇ。
 エレンという名前をもらったアイン。果たしてそれがもたらす結末は。
 
 「Trample on ”Schatten!!”〜かげふみのうた〜」。現在始めてからほんの少し。第2のゼルクレイダーが出てきたくらい。
 うーん。ここまではどうも芳しくないです。全体的に強引で選択肢が基本的にない(今のところHシーンのみ)作品とは思えないほど一方的な展開が目立ちます。ヒーローものなのに特定の思想を押しつけられるという何とも言えないもやもや感があります。「W.L.O世界恋愛機構」なんかでもありましたが、答えがひとつしかないものとして無理矢理にその方向に持っていこうとする強引さはよく似ています。
 「熱さ」も上滑りしている感が否めません。何もないまま絆が生まれ、それを元にして熱く語られてもプレイヤーはすっかり置いてきぼりです。例えば最初の変身後、設定上の必要性からいきなりHシーンが発生します。名目はHしないと主人公の存在が失われてしまうから。この展開自体はエロゲーの制約上の問題なのかもしれませんが、開始30分の状態で発生するHシーンで主人公もヒロインも互いを愛しいとか感じてしまうんですよ。シナリオ重視のゲームでそりゃないでしょう、と。普通に考えるなら、ここは応急処置のあくまで体だけの繋がりで時間をかけて本物の絆へと変わっていくのが筋というものでしょう。
 ギャグというかネタも独りよがり気味です。時と場合を選ばずにいきなりネタを撒き散らし始めるので普通に驚きます。正直、笑うよりも唖然としてしまいます。イメージとしては恥ずかしがってネタを言う人のような感じでしょうか。あんまりあからさまなんでネタの意味がわからない人も強制的に(ネタ披露に)気付かされてしまいます。
 それとこれに関するキャラ配置にもちょっと問題があると思います。メインヒロインも幼なじみもその兄も重度の特撮、アニメオタクなんですよ。主人公だけが違うって構図がなんとも痛々しい。周囲がネタを吐き出して主人公だけがいつでも蚊帳の外。なら主人公だけがまともなのかというとそんなこともなくて。戦闘が終わった一行目に特撮系のお約束に関して空気の読めないツッコミを始めたりします。
 メインヒロインのキザイアはちっとも外国人に見えません。一応は革命で祖国を失った王女というシリアスな一面があるのですが、重度の特撮、アニメオタクな上、日本語は淀みがあるどころか平均的な日本人ならけして使わないような語彙を平気で用いるなど国籍の概念を完全に度外視。主人公の方が外国人に見えます。
 戦闘シーンはここまで4回。早くもマンネリの傾向が窺えるのですが大丈夫でしょうか。取りあえず、シャッテンが全部同じというのが色々とマズいと思います。戦隊ものだろうがライダーものだろうが怪人が毎回同じだとヤバいのではないでしょうか。代わり映えしない敵だとヒーローの派手な必殺技演出も虚しいです。戦闘員に使っているかのようで。
 あー、なんだか印象を文字に変換するとより厳しい評価になってきました。部分的には良いところもあるんですけどねぇ。この先、印象が上向くことがあればいいのですが……。マルチサイトはまだほとんど効果を発揮していません。

 2009年5月31日(日)    Trample on ”Schatten!!”〜かげふみのうた〜1〜2回目終了
 仮面ライダーディケイド19話。3人で力を合わせることが本当の宝。昔話のようなオチにあてられてしまったのでしょうか。ディエンドがいい人になっていてとても違和感がありました。
 
 「Trample on ”Schatten!!”〜かげふみのうた〜」。1人目は紺野由貴。
 エンドロールが始まった時はびっくりしました。純粋に何で流れるのかわからなかったからですが、私と同じように感じた方も多いのではないでしょうか。
 マルチサイトビジュアルシステムをぼちぼち使うようになってしばし、ゲーム上の見た目ではわかりにくい第2部に入ってからそれは起こりました。別に大層なことではなくて由貴のエピソードが始まったな〜くらいだったのですが、シナリオ分岐したという意識は全くなくて、やっぱり視点は幾つあっても物語は一本道なのかしら、という感覚でした。それはあまりにも突然にHシーンが始まったからであり、キザイアの退場はそのためかと思わせるに十分だったからです。
 実際には違った訳ですが、それも仕方ないかと。だってHシーン以外で初めて出現した選択肢が「あくびをする」、「くしゃみをする」の2択ですよ。まさか、これだけでルート分岐するなんて誰が思うでしょう。でもしちゃうんですよ、本作では。しかも、そこから始まったのは凄まじいご都合主義シナリオですからねぇ。
 選択肢後、家の前まで送ると寂しそうな表情を見せる由貴→シャッテン出現→変身前に2人とも戦闘不能になるほどのダメージを受ける→理由がなければ出てこないはずの拓斗が出現→シャッテン真っ二つになって逃亡→由貴のエロスタンド発動→いつものパターンなら引き延ばしなのにすんなり苦い過去を語る由貴→どうしてだかHシーン→終了直後にシャッテン再来→全てを見透かすような拓斗(ずっと見てた?)→エンディング
 これがゲーム内時間では1時間で起きた出来事だったりします(マルチサイトビジュアルシステムでわかる)。文章量的にもかなり少ないです。個別シナリオとしてはちょっと記録的な短さ。シナリオ重視のゲームでこれより短い個別シナリオは滅多にお目にかかれないと思います。これで幸せそうなエンディングってさすがにどうかと。由貴との恋仲エンドがあるなんてまるきり想像していませんでしたよ。まさか、でした。
 2人目は弥栄ふうり&嵯王子巡。
 さすがに由貴シナリオのことがあったので今度は驚きませんでした。順番のように今度は2人のシナリオが発生。やっぱり選択肢はひとつだけでした。
 このシナリオで気になったのはなんだか由貴シナリオとネタが被り気味であるということ。こちらも父親が鍵を握る存在である、という設定。実は主人公もそんな感じなんですけど、このライターは父親に関して何か含むものでもあるのでしょうか。父親ネタがない、あるいはそう思われるキャラは全て両親と死別していますからねぇ。巡が母親ネタだから父親ではなく両親かもしれませんが。
 マルチサイトビジュアルシステムを活用するようになってきて良いな、と感じたのはIFシナリオの使い方。本編シナリオで特定の出来事をこなすとそれに応じたIFシナリオが見れるようになるという仕組み。思わせぶりな会話が発生すると出現したりすることも。
 あまり分量自体はないんですけど、本編では不可能な設定やキャラクター像が書けるのが強みになっています。用途はHシーンが主ですからここはご都合主義もどんと来いな訳です。ホームページで告知されている追加シナリオもこんな形になるのかな、と。
 それ以外の本編の視点変更という意味ではあまり重要性を感じません。あくまでここまでは、ですけど。視点変更って「この時、裏ではこんなことがあったのか!?」というのがないと意味がないと思うんですよ。補足程度というか容易に推測できる程度の内容ではね。ある出来事に対して印象が一変するくらいの描写があって初めて存在意義が生きてくるのではないでしょうか。残念ながらここまではそういったものがありません。

| 前の日記 | 日記目次 | 後の日記 |


| ホーム | サイトマップ | 更新履歴 | 徒然なる日記 | 不定期映画鑑賞記 | ゲーム感想 | 気になるタイトル | リンク |

このページに使用している画像は(有)ぱんだはうすの著作物から画像を加工、引用しています。他への転載等を禁じます。