御蔵島日記


キューンと鳴きながらイルカが通り過ぎていく・・・。
生まれて初めてのイルカとの遭遇は、数秒で終わったけれど、
忘れられない出会いとなる。


  2000年6月、イルカに会いに始めて御蔵島へ行ってきました。
 お世話になった業者は三宅島の「マリンベース」です。現在復興のめど立たず。(T_T)
 以下は、2泊3日のうだうだ御蔵島日記です。
 ハワイのほうがすごかったので、そちらのほうもご覧ください。

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2000年6月16日 22:30

 竹芝桟橋より すとれちあ丸 出港
 まずは、三宅島を目指す。
 すとれちあ丸は、ライトアップされ豪華客船のようだ。
 (昼間見ると結構汚れていたが・・・。)
 釣り客のおっちゃんが多い。こういう人たちを「太公望」と呼ぶの?
 自分がイルカ目当てだから、みんなイルカに会いに行くのかと思ってたけど
 2等の客席はおっちゃんでごった返す?
 私もおっちゃんだけど・・・

 おっちゃんのタバコにへきえき。
 禁煙席もあることに帰りの船で気づく。
 11時から すぐに1時間くらい寝る
 おっちゃんのいびきより、若い男女の声のほうがうるさい。
 3時ごろまでくだらねー話しやがって。
 結局もう1時間くらいうとうとしたのかな?
 次は最低でも特2等だな。(飛行機で行けって?)

 船は大きいのであまり揺れない。横揺れ防止装置もついているそうで。
 横になるとゆっくりと横揺れを感じる程度、酔い止めも飲んだけど、その必要さらさらなし。

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06/17 5:00


 いよいよ下船が近づく。海だー。5年以上見ていなかったかな?
 ゆっくりと島が見えてくる。
 天気は曇天。このまま、もってくれるといいけど。
 海は凪いでいる。
 
 マリンベースの迎えの人が来ている。私の他、女2人男1人とマリンベースへ。
 自分の部屋へ案内される。普段は4〜5人部屋なのかな?
 週末とはいえ6月では、人は少なく、一人部屋だ。
 建てつけはいいとはいえない。トイレもちょっとくさいかな。でもしょうがないか。
 実家もつい最近まで、簡易水洗だった。
 でも窓から遠くに海が見え、眺めはよい。マリンベースって感じ。
 1時間くらいうとうとする。

8:00 朝食。和食。イルカのビデオかなんか見て気分は盛り上がる。
8:45 さて、漁港でドルフィンスクールだ。YさんAさんなんかと計5人だ。
 漁港だそうで波は全然ない。
 さっむーい!これじゃ先が思いやられる。
 イルカどころじゃないんじゃないの?
 多少の薄日は差しているのだが。
 
 深いところは4mだそうで、意外に潜れてしまうもんだ。
 小さな青い魚がすすっと珊瑚の陰に隠れる。
 ハコフグみたいなものがいたり、きれい。
 
 ここは南の島なんだなー。亜熱帯?

  
 少し気になるのは耳抜き。右の耳が抜けにくい。
 以外に大変だ。
 でもドルフィン・キックははすごく進むことに気づく。
 バタアシとは問題にならない。

 やはり睡眠不足。途中で気持ち悪くなる。(私は非常に朝に弱い (^^;)
 それが無ければ、ほんとに海の底はきれいだ。
 東京から船で7時間とは思えない。
 ダイビングの経験が無いので感激だ。俺だけか?感激してるのは・・・

 ワゴン車で、若鵜丸[わかうまる](我々を御蔵へつれてってくれる漁船)に直行。
 途中、得意の牛乳を買い込む。(私の胃袋は弱い (^^;; )
 マリンベースの用意してくれた、お昼の弁当は最低。油もんばっか。これじゃ、げろるだろっ。
 ご飯と梅干だけ食べる。

13:00 車の中からポツリポツリときていた雨。お弁当を食べているときは、やんでいたのだが、
 休憩しているころから、また少し降り出す。
 インストラクターの中山さんからチェックダイブなどの説明を受ける。
 いよいよだ。イルカ君待ってろよ。波をけ立てて出港だ !
 
 若鵜丸のエンジンは全開だぜっ。

 とにかく海はいい。すごい存在感。量感。こんな海の下でイルカが待ってるのか・・・。
 ちょっとうるっとくる。またまた俺だけかい?うるっときてるのは。
 海は凪いでいてほとんど船は揺れない。酔い止めは飲んだけど必要なさそうなくらい。
 でも、風で寒いよう。この季節、スプリングのウエット(半袖)では少し寒い。
 ウインドブレイカーは必須だ。
 
 三宅島から40分。
 面白い形の島がずんずん大きくなってくる。ひょっこりひょうたん島ではないけれど。
 なんかアニメチックな島だ。これが御蔵島か。
 平地なんか全然ない。全島民が250人なのにも納得。崖を削って家を建てている。
 こんなところに移り住んでくること自体不思議なくらい。
 さて。イルカがはねてお出迎えしてくれるのか?・・
 ぜんぜん出てこない。
 やはり探し回るのかな?島の向こう側(南)に回りこむ。われわれはスタンバイ。
 チェックダイブに備える。

 ギアナ高地のテーブルマウンテンのごとく、細長く滝が流れ落ちる。
 なかなか絵になる島だ。天国に一番近い島か?
 こちらから見て裏っ側には人の住む気配もない。イルカも安心なわけだ。
 などといってる間に、チェックダイブだ。

 イルカの影があったようで、チェックダイブのはずが、ドルフィンスイミングとなる。
 なんかインストラクターのお姉さんが叫んでる・・・。下をひょっと見ると、
 キューンと鳴きながらイルカが通り過ぎていく。
 何だそっけないなと思ったけど、この瞬間は一生忘れないだろう。
 水族館でなく、写真やテレビでもなく、本物のイルカとの紛れもなく初めての遭遇だ。
 もう、今日という日をイルカ記念日にしちゃうぞっ。俵万智か俺は・・・。

 エントリーの瞬間は、やはりぞくっとからだが冷える。
 さて、2度目のエントリー。チェックエントリーではなく、本番である。
 じっとしていると、船長さんが、「あんたら泳げるんだろー。泳いでいっていいんだよー。」
 って叫んでる。
 本で、イルカを追いかけてはいけないと聞いていたのだが、
 池袋エグザスで鍛えに鍛えた?フィンスィムでついていく。
 後は夢中であんまり覚えていません。
 
 覚えていることは、イルカたちと、何回かアイコンタクトがあったこと。
 キョロッとこちらを見ていた。
 最後から2回目のエントリーで、じぃーっという音で鳴いていたイルカがいた。
 
 だけどなんとなく消化不良? なんとなくおじゃま虫。
 人間は拒否されてはいないが、ほんとうは彼らにとって迷惑なのでは?

 耳抜きを忘れてしまい、耳が痛くなる。
 水泳で鍛えたのはいいが、悪い癖がついていた。
 鼻から、息を吐いてしまうし、なんせ息を止めていない。息を吐きすぎ。

 なぜかドルフィン・ウォッチングの方は男4人。女性はいない。
 船のへさきの方にイルカは集まってきて一緒に泳ぐのが好きだ。
 またいけそうだということで、またエントリー。
 結局、6回くらいエントリーしたと思う。
 水の中のほうが暖かく、船の上ではエントリーの指示を震えながら待つ。
 
 帰路につく。
 やはり風が冷たい。山中さんがウインドブレーカーを貸してくれた。

 風呂へ。お湯が何よりのご馳走だ。
 普段は湯船につからずシャワーだけの私も、今夜だけはさすがに、湯船につかる。

18:30 夕食。一人でなべを囲みなんとなくさびしい、しゃぶしゃぶだ。
 テーブルの配置何とかならないの? 私はほぼ菜食なので、肉は食べない。
 Nさんと、稲熊さんの話を聞く。
 イルカがトビウオを食べるときの話など。
 背泳ぎで水中を泳ぎ、トビウオが落ちてくるとき、顔を出してパクッとくわえるんだそうな。
 犬がフリスビーをくわえるように?
 やっぱり人間がイルカに近づくのは無理なのかなぁ。

 部屋に戻って、今日の泳ぎを反省。
 「耳抜き、耳抜き。」潜りながらやらなくては。
 それからドルフィン・キック。バタアシなんかダサいぞ。
 イルカの背中に向かって潜ってもだめだ。むにゃむにゃ。
 9時半ごろには床につく。
 
 1時頃目が覚め、3時間くらい眠れない。結局、合計6時間くらい寝た。
 普段9時間寝ている私にとって、まだまだ寝不足。
 すごい雨。バケツをひっくり返すというか、風呂桶をひっくり返すというか。
 降ったりやんだり、一晩中続く。

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06/18 7:00 朝食、パン。やはり、和食の方が・・・
 7:45 フロント集合のはず。なかなか迎えが来ない。
 メンバーは昨日の男4人と、新しい女の子3人だ。
 今日はスローだ。もっと早くやってくんない? こっちはカネ払ってんだよ。
 
 45分くらい遅れて?(はっきり計っていなかったけど)ようやく、若鵜丸出港!
 雨は降ってるし、なんかあまりよくないけど、きっとうまくいくさと思い込む。
 三宅島の海は凪いでいるし。
 今日は悲惨な結果になるとは思いもしなかった。この時までは・・・。

 ゲロッパ、
 帰路、男たちは無口だった・・・


 昨日よりうねりがある。船が少しバンピーだ。
 岡山の海事研修所でカッターを漕いだ事を思い出す。
 小学校5年だったかな?楽しかったな。

 もう、1回目のエントリーからやばかった。
 御蔵島の海は結構うねりが入っていた!
 船の揺れは結構、受身が取れて平気だと思っていたが、
 水面のアップダウンには無自覚だった。
 バスに酔ったときは、バスから降りてほっとするのだが、
 船からエントリーするともっと分けのわからない揺れだ。
 あっという間に気持ち悪くなる。
 船で下呂、水中で下呂、ダブル、トリプルで、来た!!!
 もう最悪っす。イルカどころじゃないっす。

 なんか海の下のイルカが遠く感じる。船でゲロッてる人間はこっけいだ。
 イルカもそう思ってるのかな?
 UFOで地球に来て呼吸困難になってる火星人みたいだ。まぁ、無理はよそう。
 外人さんとインストラクターが頑張って潜っていたので、トライはしてみたが、
 今日はもうだめ。
 
 でも最後に親子連れのイルカが下を通り過ぎていった。
 4回中2回のエントリーしかできなかった。
 全体にみても、時間が短かった。始めるのが遅すぎたんだ。女の子は不服そう。
 男5人中、3人がダウン。なさけねー。
 帰りの船で、サザン・オールスターズが空しく響く。
 女の子の楽しそうな声、男たちは無口だ。
 やはり寒いし・・・。ひでぇ顔してんだろうな。今。

 ・・・てな感じでマリンベースへ着く。昼ご飯はないんだそうで、
 帰り支度を整え、ビストロドルフィンへ。
 「宮本さ〜ん」と2階で呼ぶ声。
 やっとおっちゃんの名前を覚えてくれたか。うれしー。
 女の子に自分の名前を呼ばれるのも久しぶり?
 なんせこっちは、おっちゃんだし。ましてシャイだし。
 あまり時間はないので、紅茶だけ頼み、深澤オーナーにイルカの話を聞く。

14:30 すとれちあ丸出港。さらば三宅島よ。
 今度来る時は船酔い、水面酔い?を克服するぞ。リベンジじゃー。チャンチャン。
 すでに八丈島からの客も乗っているため、場所が取れない。
 Eさんたちは特1等、やはりこの位のところに乗らなきゃね。
 そこでYさんが撮ったデジタルビデオの鑑賞会。盛り上がる。
 
 本音で言うと、2日目はひどかったし、初日も、自分のイメージとは程遠かったのだが、
 ビデオを見ると、「すごいことをやったんだな。」と実感。
 実際このくらいの距離で、イルカと泳げたんだもの。
 まったくテレビ番組のよう。「生き物地球紀行」だぞ。まるで。
 「若鵜丸ドルフィンズ」結成、ということで盛り上がる。
 写真ができたらまた合おうと。
  
 調子の悪かったAさんが合流、デッキに出る。
 悔しいことに、だんだん空が晴れてくる。きれいな夕焼け。
 三浦岬が見える。海は凪いでいる。また自分の2等の席に戻り少し休む。

20:30 竹芝桟橋に到着
 また、現実に戻っていく。
 もう、揺れることのない地面に降り、船酔いの心配もなくなる。
 他の釣りざおを持った、浦島太郎たちと一緒に、街の人たちと合流。
 また、東京の人となる。
 待ってろよ。イルカたち。今度はこんなんじゃ済まさんぞ。

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 三宅島〜御蔵島では、雨か、うすぐもりだったのにもかかわらず、
 ウエットから露出していた体の部分は結構焼けました。
  
 この時、カメラを持っていなかった私は、このページに載せるべき、写真がありません。
 誰もが、写真を撮る必要はないとは思いますが、やはり、画像の説得力は大きいです。

 この時は消化不良に感じました。
 「イルカとコミュニケーション」とは程遠く感じました。
 しかし、たまたま、イルカが、フレンドリーな気分じゃなかったのか、
 それとも、私の力量不足だったのか
 ・・・実際、泳ぐだけでアップアップだったじゃん。用具に対する恐怖心もありました。
 シュノーケルから、水が入ってきやしないかとか。
 ともかく、「遭遇率99%」このうたい文句は嘘じゃないです。
 これだけはしっかと確認しました。

 今回は、消火不良だったドルフィンへの思いも、次のハワイで期待を大きく上回るものとなりました。 




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