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農産物や農業問題について
〜その3、農作物は古来より国際派 〜
農園の野菜づくりをしながらそれぞれの野菜のルーツは何処にあり、どのように伝来したのかを調べてみた。
稲作は弥生時代に中国華南方面から朝鮮半島を経由して渡来し、九州から全国に広まり農耕の大本になったことはよく知られている。
身近な野菜類のルーツを辿るとネギ・ハクサイは中国、ナス・キュウリは インド、トマト・ジャガイモはアンデス高地、サツマイモ・トウモロコシは 中央アメリカ、キャベツは地中海沿岸、タマネギは中央アジア、ニンジンは アフガニスタン、ホウレンソウはペルシャ等々世界中から日本に伝来した ものである。
特に、大航海時代にコロンブスがトマト、ジャガイモ、トウモロコシを中央・南アメリカ大陸から持ち帰ったことにより、ヨーロッパ及びアジアの各地域に 広まった。このことにより穀物、野菜の生産が飛躍的に拡大し、世界の人口を支え、食生活を豊かにしていくことになった。
ジャガイモがヨーロッパの飢饉を救い、トマトにはイタリア料理を豊かにした という偉大な歴史がある。
最近では野菜の種子のほとんどが海外産であることにも驚きを感じる。
園芸店に行って種子袋の原産国表示を見ると、世界中で日本向けの種子が 作られていることがわかる。
ダイコン → イタリア
ニンジン → ニュージランド
カブ → デンマーク
ゴボウ → アメリカ
タマネギ → 韓国
ネギ → 南アフリカ
ホウレンソウ → イタリア
コマツナ → デンマーク
キャベツ → オーストラリア
ハクサイ → イタリア
エンドウ → アメリカ
ソラマメ → チリ
グリンピース → インド 等々
いつの間にか日本の畑に播く種子は世界各地の土地を利用して作られている のである。
それぞれの野菜の種子は上記以外にもさまざまな国で作られて いるのが現実である。
最近、国を開く、開かないといった議論が喧しいが、農産物はとっくの 昔より世界中から日本に伝来し、グローバルに交流していたのである。
これからの農業のあるべき姿は国際的な視野で考えることが必要であると 率直に思う次第である。
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