2019余所自作03『混浴温泉での羞恥プレイ』

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 初体験を捧げた彼との初めての遠出、それもお泊りという状態に少女は頬を染めながらゆっくりと女風呂の隅にある階段を降りていった。首都圏ぎりぎりの温泉地のホテルには混浴露天風呂が併設されており、遅い時間に彼がこっそりと二人で入浴しようと言い出した時には驚いたものの、ホテルのロビーなどで見かけたのは確かに年配者が多くあの様子では夜遅くまでは起きてはいないだろう。
『恥ずかしい……』
 タオルを当てて胸と腰を隠す少女の肌を夜風が撫でる。室内風呂で洗った身体からは石鹸がにおい、これから彼に身体を委ねる準備は出来ているものの屋外で全裸になる羞恥に少女の頬が真っ赤に染まっていた。眼下の遠くには町並みの灯が見えるもののあとは森と星空しかなく、ホテルの敷地内なのだから獣が出てくる心配はないものの開けきった高台の丘の混浴風呂は見晴らしがよく、そして、遮るものが何もない。ぽつりぽつりとある小さな灯篭が灯っているがこれからの行為を考えるせいかそれはとても淫靡なものに見えた。
 源泉掛け流しの湯が流れる音の中、そっと少女は露天風呂を覗き込んだ。
「遅いじゃないか」
 男性特有の早い入浴で既に到着していた彼が露天風呂の奥の方で既に湯に浸かり、少女へと手をあげる。
「ごめんなさい。――でも……」
 彼とほんの少しだけ離れた場所にいる男達の姿にタオルを当てている手に力が籠もり、少女は顔を逸らす。
「早くおいで」
 社員旅行か何かだろうか、5〜6人の男達が少女と彼の会話に何かぼそぼそと小声で話している様子に少女は階段から先に進む事が出来ない。初めての彼に処女を捧げてまだ1ヶ月…当然他の異性に全裸を見られた事はない。男達の視線は容赦なく少女へと向けられ、何か不健全な空気が漂っている気がしてそっと少女は彼に救いを求める視線を向けた。
「おいで」
 有名大学に通い、洒落た外車に乗っている彼は初心な少女にとっては王子様の様な存在だった。女性へのエスコートも小説の登場人物の様で、まるで社会人の様な、いやもっと大人びた夢の様な世界の住人。そんな彼に呼ばれ、戸惑いながら少女はおずおずと男達を避ける形で露天風呂の縁を歩き、そして湯に足を入れる。
「タオルを浸けるのはマナー違反だよ」
 やはり男達の視線が自分に注がれているのを視界の端に確認しながら彼の横に浸かろうとした少女は、何も意に介していない口調で注意されて身を固まらせた。まさか見知らぬ男達の前で自分の大切な彼女が全裸を晒しても構わないのだろうか?いや、ここは露天風呂で、普通の風呂でもタオルを浸けるのはマナー違反だと言う事は一応少女は知っている。気にする方がおかしいのかもしれない…だが……。
 剃毛は3度目のセックスの時だった。『この方が可愛いよ』と言われ目を細めた彼にじっくりと愛され、何度も恥ずかしいポーズをとらされ、繋がり、そして写真やビデオで撮影されてから、少女は自ら体毛の処理を怠ってはいない。全ては彼に相応しい女性になる為だった。
『恥ずかしい……』
 するりと何気なくタオルを外す筈の手が小刻みに震え、身体が上手に動かない。早くタオルを置いて湯に浸かり彼の身体に隠れる様に湯に身を沈めたいのに……。
「そのまま止まって」
「え……」
「お前の可愛い身体をじっくり見せて」
 彼の微笑みに、少女の頬が染まる。先週よりもっと好きになって貰えれば、彼の好みの女性になれているのならば嬉しい…だが、彼と少女のすぐ近くに、たった3メートルと離れていない場所にいる男達にも少女の何一つ身に纏わぬ裸体は見えてしまっている筈だった。
「髪を掻きあげて、上に押さえて」
 手にしているタオルを彼の手が受け取り、身を隠す物がなくなった少女は希望に応えようと癖のない長い栗色の髪を両手で掻きあげ、頭の後ろで束ねる。乳房も下腹部も手で隠す事も出来ない少女の唇が震えた。露天風呂の湯気が水面の辺りで揺蕩い、柔らかな肌を暖かな湯気が撫でる…だがそれは男達の視線を妨げてくれるものではない。
 正面でゆったりと寛ぐ彼の視線を感じ、少女の胸が早鐘を打つ。いつもじっくりと時間をかけて愛される…裸体を鑑賞された後は優しくゆっくりと愛撫され、そして身体を全て彼に捧げている。避妊をしないのも彼に全てを愛される為であり、そして自分と真摯に付き合っている証だった。まさか男達のいるこの場で結ばれる事はないだろうが、それでもこんな場でも自分を愛でたいと思う彼の愛に、少女の頬が更に赤く染まり、そして、最近、ほんの僅かに芽生え始めている彼を求めてしまう恥ずかしい身体の反応を密かに少女は感じてしまう。
「背中も、見たいな」

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