2022余所自作110『喘ぎ声を録音して』

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「んはぁ……っ!おっぱい…おっぱいひっぱっちゃいやぁ……たぷたぷゆすられるの…だめぇ……っ!」
 通学路はいつも前夜の自分の自慰の嬌声を聞くのが日課な野乃花は頬を染めながら電車を待っていた。まだ処女。彼氏も作った事がなく、妄想の中の自分はいつもいやらしく意地悪に責められて何度もなんども絶頂をくりかえしているのに、本当は男を知らないのが実は少しもどかしい。Hカップの爆乳ばかり見る男子はどこか汚らわしいし…そう感じているが、妄想の中の野乃花はかなり貪婪である。通学途中の電車の中で痴漢に弄ばれるだけでなくて本番で膣内射精をされたり、全裸調教をされたり、そんな自分を想像すると身体が疼いてもう何時間でも自慰を続けてしまう。――それなのにまだ処女。もどかしい。
 昨日のネタは痴漢凌辱。前後から犯されて制服も乱れてブラジャーも剥ぎ取られて見知らぬサラリーマンに乳房を何度も噛まれて乳首を吸われて、処女喪失はバックからだった。いやらしい。どろどろに犯されたい。
 そんな野乃花が痴漢に遭遇しなかったのは本当に奇跡の様だった。いつも複数の男が狙っていたが運よく手を出されていないだけで、少し気の強そうな美少女はすぐに気付けば大声をあげて咎めそうに見えるのもよかったかもしれない。痴漢が嫌いな女性は本気で即座に拒絶するから敬遠される。
 だが野乃花は気付かない。イヤフォンで聞いている自分の自慰の卑猥な妄想と喘ぎが今日は操作ミスでスマホのスピーカーからも聞こえている事に。それを聞いている男達がにやにやと嗤いながら野乃花を狙っている事に。ただでさえ淫乱に見える爆乳の女子高生が痴漢にあってよがり狂っている音声を聞いているからには遠慮はもういらないだろうと思われている事に。
 次に到着するのは快速特急。連結部近くの車椅子スペースにまで押し込めば、もう四十分はそこの人の流れはない。
「ああっ……!きもちいい……っ!ののかのなかに、いっぱい出してぇ……!きて!きて!ぜんぶののかのいんらんおまんこのなかにしゃせいしてぇ……!」
 自分の指がぐちゅぐちゅと膣を掻き混ぜる気持ちよさを思い出し、パンティが既にぐちょぐちょに濡れているのを感じながら野乃花ははぁ…っと吐息を漏らす。自慰を今すぐしたいなと疼く野乃花は、自分をいやらしい目で眺め淫語にその貪婪な姿を期待する男達に気付けていない。
『4番ホームー電車が参りーます。白線の内側にお下がりください』
 ホームに響くアナウンスに遅れて、運命の電車が滑り込んできた。



『喘ぎ声を録音して』おまけ

 背後から思いっきり押されてよろける様に車内に転がり込んだ野乃花はもう適度に…いやはっきりと混んでいる車内で転びそうになるが隣にいたサラリーマンに跳ね返される形で右奥へと足を縺れさせて進んでいく。転びそうな野乃花を避けて目の前が開け、そして右奥の車椅子スペースの窓際へと辿り着いてしまった少女は顔を真っ赤にして思わず周囲に頭を下げかける。
「――っ……ひ!?」
 不意に、唐突に乳房を鷲掴みにされて野乃花の顔が強張った。倒れそうだったのを起こそうとしてくれたのかと行動補足を反射的にしてしまったが、初めて他人に乳房を鷲掴みにされた衝撃は直前まで聞いていた痴漢凌辱のそれと重なり、どくんと全身が脈打つ。野乃花が身動き出来ずにいる間も乗客は詰め続け、そして男達に軽く密着される形になった時に電車が駅を発車し、窓と男達の間で爆乳の少女はよろける。よろけ、そして、男達に埋もれかけ、慌てて窓へと身を寄せようとした野乃花の身体を同時に男達の手が触れた。嘘。今まで痴漢に遭遇した事のなかった野乃花にとっては世の痴漢事情はメディアが誇張した都市伝説の様なものであり非現実の漫画か何かに近かった。それなのに、複数の手が今自分の身体に這い回っている。両の乳房が別々の男に撫で回され、尻肉を柔らかくなぞられ、スカートを捲り上げられ、そして、制服のブラウスの釦が器用に外されていく。妄想のそれよりも鮮烈なその刺激に処女の身体がぞくんと震える。
「ののかちゃんがOK子だって知ってたらもっと早くヤってあげたのになぁ」
 不意にイヤフォンが外されて男の声が聞こえた。おかしい。イヤフォンが外されたのに昨日の自慰の声が止まらない。強張りながら蕩ける身体にじりじりと瞳を動かして自分の手元を見た野乃花は、スマホから聞こえてくる喘ぎ声にびくっと身体を震わせる。まさか聞かれてしまったのだろうか?いや、多分、聞かれてしまった。一気に頬が真っ赤に染まり、そしてがくがくと身体が震えだす。その間も男達の手が野乃花の身体を這い回り、そして男の一人がイヤフォンの片方を少女の耳に戻し、そして手から取り上げたスマホを操作する。
「返して……」
「取らないよ。――録音と、LINEの友達登録させて貰うけどね」
 ぷちぷちと外されていったブラウスがゆっくりと野乃花を甚振る様に前を開かれ、満員電車の窓際で少女のブラジャーが露わになる。Hカップのブラジャーは二択しかない。可愛げも何もないベージュ系のフルカップか、もしくは……。
 夜の女もこんなに卑猥な下着はつけまい、そう言いたくなる総レースのブラジャーが露わになる。色だけは落ち着いたモカブラウンだが爆乳過ぎるが故に更に胸囲を目立たせるクッション部分はほぼなく、ストレッチレースで出来てるカップは貪婪な淫売としか思えない淫らさで乳輪も乳首も透かしている。いやらしい下着だとは思っている、それでも年寄り臭い巨大ブラジャーよりは少しでも綺麗な物を身に付けたい乙女心が最低な形で男達の前に露出してしまっていた。
「いや……っ、いやいや……っ、へんなことしないで……っ」
 若干スモークの入った偏光ガラス越しの陽光に晒されたブラジャー姿に弱く首を振る野乃花の上半身が、ずるりとブラウスの肩を落とされて露わになる。肩から鞄が落ちて足元を掠めていく。太腿の付け根が撫で回されながら、ぐいと男の足が野乃花の両足の間に割り込み、そして力任せに開かれる。みっともなく開かれていく足に、その付け根にふわりと空気が揺れた。
「ののかちゃんグチョマンじゃんもう」
 さして当人としては興味もないけれど同級生達に合わせて短くしているスカートは殆どパンティーを隠しているだけに過ぎず、そしてブラジャーと揃いのパンティーは同じストレッチレースのいやらしいものだった…それが撫でられている。ぬちっぬちっと男の指が動く度に淫猥な音が湧きたち、野乃花は自分以外のものによる初めての刺激にびくんと身体を仰け反らせる。自慰は次の動きも力の具合も想像がつく。だが他人からの刺激はそれの比でなく唐突で、そして強烈だった。仰け反る野乃花の乳房が前後にたゆんと大きく弾み、その一方の先端を不意に男が摘まんで引っ張った。
「ひぁ……っ!」
 紡錘形に突き出しているHカップの乳房が乳首を抓られる形に引かれ、野乃花は加減している自分の力でない男の指に無防備に小さな悲鳴をあげる。モカブラウンの総レースの下の鴇色の乳首が浅黒い指に抓られている…誰とも知らない男に、他の男達に見られながら。ぞくぞくぞくっと一気にいやらしい感覚が這い上り、少女の膣奥から自慰慣れだけはしている愛液がとろりと溢れ出す。一対一ならばまだ逆らう気になれたかもしれない、自慰を聞かれていなければ逃げ出せたかもしれない、スマホを操作されなければ睨みつけられたかもしれない、一度に全員から弄ばれていなければ誤魔化せたかもしれない。
 肩紐が落とされ、ブラジャーの金具が外される。嫌っいやっと繰り返す野乃花の声は、まるで自慰の最中の様に濡れていた。知らない。大勢に一気に身体中をとろとろに撫で回されながら、クリトリスを捏ねられながら膣口で弧を描かれる事も、パンティーを脱ぐ様に無言で催促する手がこんなに逆らえない事も、剥き出しの乳房をにやにやと見られ撮影される事がこんなに頭の芯を蕩かす事も。
 男の手に催促されるまま、上げた野乃花の片足から、ぐっしょりと濡れたパンティがゆっくりと脱げていく。

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