2023余所自作134『オタク女子ハメ』

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■SIDE A
「それ『ハメ妹』の『萌美ちゃん』だよね」
「うん……」
 同人誌即売会会場で、アニメ化もしたフルムーン発近親相姦小説のキャラクターのコスプレだと一目見て判る少女に『一郎』は声をかけた。緩いTシャツにパンティが丸見えのミニスカートにピンク色のリュック…挿絵通りの衣装ではあるが灰色のパンティが丸見えのそれは痴女としか言い様がなかった。兄一筋の根暗少女である『萌美』を演じているのかノリが悪くぽつりぽつりと返事をする彼女は見事になりきっている。
「そっちは、一郎お兄ちゃん…?」
「そそ。手軽なコスプレ」学校の制服が挿絵に似ているのもありネクタイだけ変えてきた『一郎』はひらりとアニメショップでも販売しているネクタイを指で持ち上げて見せつけた。「どうせだからコスプレ広場で一緒に撮影しないか?」
「……。いいよ?」
 徹底したプレイなのか自分5に対し萌美1と言った具合のぽつりぽつりとした返事を聞きながらコスプレ広場に向かう一郎はちらちらと隣を歩く少女を見てしまう。どう見ても中学生〜高校生で十八禁小説など読んではいけない筈なのだが萌美はキャラになりきっている様子だった。ややつっけんどんと言っていい言葉少ないツンデレ妹キャラに対して地で『一郎』に近い一郎はほんの僅かに言葉遣いを気にするだけでよかった。時折こちらを見てそっぽを向いて唇を尖らせる所までなりきっていている萌美は可愛らしいとしか言い様がない…が、問題があり過ぎる。百五十センチ程の身長に小玉西瓜大の乳房が一歩歩く度にゆさゆさと大きく揺れ、灰色のパンティが丸だしな姿に周囲の男性だけでなく女性の視線も注がれまくっていた。コスプレはこれ以上の露出度の物が大勢いるのだが肌色タイツなどで防御している万全なエロスとごく普通の普段着での痴女プレイはいやらしさの質が違う。
「『萌美』は恥ずかしくないか?その恰好」
「お兄ちゃんに欲情して貰う為だもん……」ぽつりと答える『萌美』の頬が赤く染まる。「お兄ちゃんは…こんな格好の萌美、好き?」
 ちらりと見上げてくる少女が演技なのか地なのか判らないまま、コスプレ広場に向かうエスカレータで一段上からこちらへと振り向いている萌美に一郎は僅かに顔を寄せる。作品中ではそこでキスシーンになるのだが、まさかそうはならないだろうと思いながらのロールプレイ…だが。
 唇が重なった。
 周囲が騒めきカメラのシャッター音が鳴り響く中、一郎は萌美の乳房をゆっくりと撫で回す。Tシャツの内側の薄いチューブトップの乳首が立っているのを感じ、ぞくりと背筋が騒めいた。

■SIDE B
 甘えさせてくれるお兄ちゃんが欲しかった。
 コスプレ広場へと歩きながら『萌美』はパンティの内側がじんわりと濡れていくのを感じていた。見ず知らずの人とエスカレータでキスをしてしまった自分が信じられない。いやそもそも『萌美』の格好をしている自分が信じられない。引っ込み思案で人と話すのが苦手。いつも本ばかり読んでいて女の子の友達もいない。そんな萌美が溺れたのがフルムーンの小説だった。エロパロやハーレム作品の多い中、萌美が気に入ったのが『ハメ妹』だった。不器用で口下手な妹を甘やかしてくれる兄・一郎とどろどろの近親相姦に溺れておかしなプレイを繰り返す…当然十八禁作品なのだが萌美はハマった。只管読み返した。そうされたいと思いながら毎晩自慰に耽った。
 コスプレで会場を歩いてみたいと思ったのは魔が差したとしか思えなかった。萌美の衣装を着て、兄が隣りで一緒に歩いているつもりになって歩いていると、大勢の視線が刺さるのが嫌でも判る…馬鹿みたいなのかもしれない。こんな恥ずかしい恰好をして一人で歩いていて、隣に兄はいないのに。兄にだけ見て味わって欲しいのに。
 そんな萌美に、一郎が声をかけてきた。
 広いコスプレ広場ではやはり有名アニメのコスプレが多く、何十人もが取り巻いてや撮影順番待ちなどをしていて圧巻だった。普段着に近い『ハメ妹』はアニメではあるが地上波でもなく有名ではないのだろう。凄いねなどと話しながら広場の隅についた萌美と一郎は互いのスマートフォンを取り出して撮影をする。作品中では同人誌即売会ではなく買い物ついでのデートでの記念撮影なのだが広場に面した海を背にしての撮影は思った以上に作品の撮影に近く、お互いのスマートフォンを覗きながら少し盛り上がる。――でもこの後、作品で何をするのかをお互いに知っているので言葉は妙に途切れがちになる。
「――してみたい?」
「うん……」
 この後、兄と妹はセックスをする。しかも、この場で。作品中ではピクニック広場で誰にも気付かれずにだが、今、密かに遠巻きに見られているのは気付いている。実際には数人に気付かれていてもおかしくないのになと思っていた作品なのでこれは正しいだろう…それなのに建物の裏手で広場の殆どの人に見られていないのもあって、心臓がばくばくと騒いで堪らない、落ち着かない。
「お兄ちゃんは、したい?」
 答えは判っている気がした。作品中では、これから当然の様に兄妹はセックスをする。でも本当は赤の他人で本名も何も知らない。それなのに、したくて堪らない。
「おいで」
 バルコニーの段差に腰を下ろして開いた膝をぽんぽんと叩く一郎に、萌美はこくんと頷き腿に跨る…だがそれは背中を向けて。挿絵通りに、兄の膝の上で正面に向かって大股を広げる体勢で。そんな恰好をすれば元から剥き出しのパンティが更に丸出しになってしまう。恥ずかしい。それなのにうっとりとしてしまう。兄の手が萌美の乳房をゆっくりと撫で上げ、揉みしだく。ぞくんと身体が騒めいて喘ぎ声が漏れてしまう。気持ちいい。身体を軽く捻って甘える様に兄と唇を重ねて、舌を受け入れる。ぬちゅりと兄の舌が口内に捩じ込まれるのを悦んで受け入れて萌美は舌を絡ませた。頭の芯がぼうっと熱くなる。何回も何十回も読み返して想像していたシーンが再現されていく。お兄ちゃん好き、お兄ちゃん好きと繰り返しながら舌をぐちゅぐちゅと絡ませていると、兄の手がTシャツをスカートのウエストから引き出して直接乳房を揉みしだき始める。初めてのキス、初めての愛撫に頭がくらくらする。いやらしい。とてもとてもいやらしい。
 気付くと、遠巻きにしていた人達がもっと近くになってもう気にせずに堂々と兄妹のプレイを撮影していた。挿絵通りの構図になっているかが少しだけ気になる。昼間の明るい日差しの中、兄の上で喘ぐ萌美の腰が淫らに揺れる。繰り返されるシャッター音。作品通りに捲り上げられるTシャツとチューブトップに、乳房が露出した。ああああっと喘いでしまう萌美の乳首を兄が捏ね回す。
「お兄ちゃん……っ、気持ちいいっ」
 自分とは異なる異性の硬い指で乳首を掻かれ、萌美は背後の兄の首に両手で縋り付く。パンティの湿り気がもう気持ち悪いくらいになっている…他の人が見ている、撮影されている、もしかしておかしな場所に流出してしまうかもしれない。誰も信じられない場所なのに、頭の芯が煮え立つ位に気持ちいい。パンティの脇から潜り込んできた兄の指がぬろりとクリトリスを撫でた瞬間、萌美は初めて達した。自慰で達していた筈だったが段違いの快感に全身ががくんと跳ねあがり、兄の膝の上で腰が何度も痙攣する。ぐちょっぐちょっぐちょっとあからさまな粘液音が繰り返し鳴り響き萌美は兄に縋り付いて自ら唇を重ねて兄の舌を強請る。気持ちいい。とっても気持ちいい。尻肉の合間に挟まる形で重なっている兄の性器が猛っているのを感じて瞳が潤む。欲情してくれているのが嬉しい。パンティが端に寄せられてぐちょぐちょに濡れている性器が露出しているのも、それを更に距離を詰めている人達に撮影されているのが判っていてもやめて欲しいと思えない。兄との快楽が世界の全てになっていく。
「いいかな…?」
「して……セックスしてぇ……」
 少しだけ腰を浮かして兄が制服のズボンとトランクスを少し引き下ろすのを待ちながら、自ら萌美は秘部を撫で回す…ぐちょぐちょに濡れている牝肉を自ら確かめる…いやらしい妹のプレイ。もう至近距離…二メートルもない距離で囲んでいる人達の前で萌美は自らパンティを脱ぐ。あくまでも兄に見せつける為に腰を振りながら、乳房も下腹部も剥き出しになって少し足を開いた状態で肉襞を自ら開く。どよめきを聞きながら、意識はあくまでも兄に向いたまま。
「萌美、おいで」
「いいよ…お兄ちゃん」
 先刻と同じ様に膝を開いた状態で待つ兄に、妹は背中を向けた体勢で腰を突き出す。ゆっくりと尻肉を撫で回された後、引き寄せられた腰に肉槍が触れる。避妊具がない…それなのに嫌だと何故か思えなかった。兄妹のセックスはいつも避妊具なし…最後に膣内射精しないだけのご都合主義。でも自分は処女なのに。
 ずぶ、と兄の肉槍が突き刺さる。
「あ……ひ……っ」
 鋭い痛みが下半身に走り身体が硬直する中、身体が重力に従って落ちてしまう。ずぶずぶと兄の肉槍が貫いていき、強張る身体に乳房が揺れる。お兄ちゃんお兄ちゃんと何度も繰り返しながら身を捩る萌美に、兄がスマートフォンで兄妹の結合部を、兄妹の淫行を自ら撮影をする…周囲の人達はスマートフォンでなくプロの様な大きなカメラとレンズで撮影を繰り返し、萌美の処女喪失を記録していく。
「お兄ちゃん…しよ」
 鋭い痛みが徐々に鈍い痛みに、そしてもどかしい疼きへと変わっていく中、萌美は兄の上で徐々に腰を使い始める。気持ちいい…大好きな兄の肉棒がずりずりと処女肉を擦る痛みが、頼もしい悦びにすり替わる。んはっんはっと喘ぐ兄妹に撮影する人達は徐々に増え、だがそれに構わず萌美は兄を貪る。想像してたばかりのキスを経験のなさを埋める様に執拗に繰り返し、兄の首にしがみつきながら自ら腰を前後上下に揺らして抽挿を大きなものへとさせていく。じゅぽっじゅぽっと大きく鳴り響く潤滑液の音を聞きながら喘ぐ妹は、自問自答してしまう。欲しくないか?兄の精液が。――欲しいに決まっている。大好きな兄の精液なのだから。
「お兄ちゃん…なかに……して……っ」
「萌美!?」
「お兄ちゃんの、精子……中に出して……っ、きもちいい…きもちいいよぉ……っ」
 先走りの汁と愛液と処女喪失の破瓜の血液を含んだ薄桃色の潤滑液をだらだらと溢れ返させている結合部に、理性が溶けた妹の欲情顔に、異常なコスチュームプレイを何十人もが撮影する中、赤黒い肉槍がずぶずぶと牝肉に埋もれては引き戻され、その動きが滑らかに兄妹が互いに貪るものから、妹が牝の悦びに乱れるものへと変わっていく。いくいくいくいく…!と妹が周囲を気にする事すら出来ずに鳴き喘ぎ激しく達し、やがて兄のラストスパートが妹の膣奥を激しく突き上げる。
 異様な熱気と視線とカメラの向けられる中、どぷりと膣奥で弾けた兄の精液に萌美は甲高く鳴く。どぷっどぷっと一度ならず何度も爆ぜる熱い迸りに、妹は衆人環視の中白い内腿を、乳房を、脈動し精液を送り込んでくる肉槍を必死に絞り上げる牝肉を撮影されながら、最高の絶頂に蕩ける。
 じっくりと余韻に浸りながら舌を絡め、萌美は兄にしな垂れかかる。
「他のシーンも……する?」

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