『真夏日とセーラー服(仮)』遠雷05

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 降りしきる雨の中、濡れた小道にかこんかこんと心地よい下駄の音が鳴るのを聞きながら香澄は不安に視線を彷徨わせる。
 あの露天風呂に面した渓流から僅か上流にある温泉街は小綺麗に整備され風情があり、浴衣姿の宿泊客が思いの外多かった。旅館の名前の入った浴衣の家族連れもいれば華やかな柄で揃えた浴衣のOL風の一団もいて、昼過ぎからの大雨の後やや雨脚が弱まり観光客は減っていても宿泊客はそれなりに街歩きを楽しんでいる様子である。小雨の降る幅の狭い石畳の小道は町全体に漂う温泉と売店の店先で温泉饅頭を蒸している匂いが漂い、雨で和らいだ暑さと湿度が髪を結い上げている項に穏やかに纏わり付いてくる。
 旅館の番傘を持つサラリーマン風の二人組が香澄を怪訝そうに見たのは透明なビニール傘と浴衣姿の組み合わせが奇異に映ったのだろうか、瞳を逸らし、香澄は胸の前で重ねている傘を持つ手にきゅっと力を込める。呼吸が乱れる。白地に紫の桔梗柄の浴衣は清楚な衣装ではあったが生地が薄く、襦袢なしでは到底着られない物だった…柄は裾などにはあるものの胸や腰は白地そのままで、身体の曲線を悩ましく主張するだけでなく注視すれば胸の頂の色も判ってしまう。薄い布は汗で湿る程度でなく男達が別れ際に意図して浴びせたで湯で濡れ、胸と腰と背中の広い範囲に肌色と乳首の色を浮かび上がらせていた。
 当然の様に浴衣と帯だけしか与えられず教えられた場所へと歩く少女の頬は薄紅色に染まり、縮込まった身体は肩を狭めている分余計に乳房を強調してしまっている。
『零れてる………』
 温泉客の六人に代わる代わる何度も膣内と腸内に射精され、四時間が過ぎた後は洗浄の後更に男達に犯された…激しい雷雨の停電時に録画が途切れた穴埋めとして森の中と渓流の岩場で犯された動画は生配信されてしまっているらしい。雨の中の凌辱は夏場の為に身体を冷やしはしなかったが、短時間に十人以上に繰り返し犯された身体は疲れ切っている。
 精液がどろりと溢れ下着を身に着けていない内腿へと伝っていく感触に、香澄の顎ががくがくと震え汗が滲む。男達の精液もすぐさま洗浄されると思っていた香澄は身体だけを手早く洗われた後放り出され軽い衝撃を受けていた。早く洗い流したい不快な感触に泣きそうになりながら、漂う精液臭に気付かれてしまうのではないかと焦りながら、温泉街を歩かねばならない仕打ちに膝が震える。
 駅から離れた別荘地から駅近くの旅館街に近くなる程人は増え、狭い路地ですれ違う度に香澄は息を詰まらせ、そして腰の奥からとろりと精液と愛液の混ざった濃厚な白濁液が溢れ内腿が乾く間もなく穢れていく。その臭いの為か奇異な目で見られているのだと思う少女は自分自身がまず人目を引くのだと判っていなかった。
『あぁ……っ、つたってる…いっぱいあふれてる……』
 濡れた小道を下駄で歩きながら、濡れた浴衣は乳房や尻肉や腰にぴったりと貼り付き香澄の身体を卑猥に主張する。布の重なっている箇所はまだ少しは救いがあるが、乳房と尻肉にはっきりと貼り付き、透け、一歩足を滑らせる度にぷるんと弾み、布の抵抗はまるで他者の手で押さえられている様だった。ニップルリングも再び着けられ、小財布か何かの根付けの鈴を思わせる音を鳴らせているが、少女の胸を注視すれば痛々しい程しこった乳首を挟み込む妖しい金属飾りがあるのは一目瞭然である。
 すれ違う人の視線を意識する度にうねる膣内からどろりと溢れた精液が膣口から内腿を伝い膝下までを濡らし、羞恥に赤面し溢れる精液に時折凍り付く香澄は先刻から何度か親切心で声を掛けられていたが、その度に首を振って誤魔化し続けていた。それは純粋な善意もあればそれ以外もあった。――すらりとした優美な身体に浴衣を纏い黒髪を結い上げた姿の一目で育ちの良さが判る少女な上、視線を注ぎ続ければ淫らがましく濡れた浴衣からは隠すべき胸の頂の初々しい鴇色だけでなく乳房の生白さも尻肉の形も露わに透け、僅かに俯く清楚な風貌は辱めを受けている最中の様に震え、羞恥に染まっている。荒淫の余韻で身体の仕草はどこかいやらしく、精液を意識してしまう足取りは常より腰を微妙にくねらせ尻肉が時折ひくりと震えていた。濡れた乳房を隠せないのは男達の命令だったが、それはすれ違う人々には判らない。
 早く休みたい。何時間も休みなく男達に同時に犯され続けていた身体は疲れて綿の様になっている。男達の命令がなければどこかで座って休みたいが、それは許されていなかった。誰にも見咎められたくないと言うのに、ニップルリングの三つの鈴だけでなく髪を結い上げている簪に幾つも下がっている短冊がしゃらりしゃらりと綺麗な金属音を響かせ人の注意を引く。人目を感じなくとも濃厚な陵辱の余韻がまだ残る身体が、人目を浴びる度に更に妖しく疼く。温泉街らしい木の案内札の一つに交番の文字を見つけた瞬間、香澄の身体がどくりと震えた。

 温泉街の駅前を抜け更に奥にある目的地の足湯に辿り着き、香澄は漸く安堵の息を漏らす。
 勢いを増した雨にそぞろ歩きの温泉客の足も途絶えがちなのか、駅前からは離れ古びた人気を感じない小さな旅館の並ぶ小道にある小さな足湯はまだ新しい造りだったが人気がなかった。ほっとして木の香りのする東屋風の建物に入り、少女はビニール傘を畳み入口に立てかける。
 そもそも親が多忙なのもあり旅行慣れしていない香澄は足湯はTVで見た服のまま足を浸けられる湯としての認識程度しかない。屋根と柱の他は高さ一メートル程の漆喰の壁に囲まれているだけの東屋風の建物の中は路地より二段上がった床の高さで縁台が並び、縁台の足元は確かに堀の様に湯が張られていた。入口以外の三方が足湯になっているその中央には砂利が敷き詰められた通路状で、向き合う縁台の間は一メートル程だろうか、八人も入れば満員になりそうな小さな東屋は、少人数のグループで寛ぐには向いているのかもしれない。電車のボックス席よりはゆとりのある場所だと思いかけ、その連想に少女は泣きそうになる。
 無人なのだから気にする必要はない、比較の問題で、ただ…ただここ数日接点が多かった為に頭に浮かんでしまっただけなのだと思いこむ様に何度も頭の中で繰り返し、入口の下足場と思われる素焼き風タイルの上で香澄は下駄を脱ぐ。下足場と足湯以外には何もなく、身体を隠して内腿の汚れを拭える様な更衣室や流し場などのない様子に香澄は所在なく立ち尽くす。疲れてはいるが足湯に浸かる気分ではなく、きっと命令に従って目的地に辿り着けたのだからきっとすぐに何処かへ移動してそこで洗浄して貰える筈だろう……。
「お嬢ちゃん退いてくれ」
「ひ……っ」
 不意に背後から声を掛けられびくっと振り向いた香澄は、番傘を差している初老の男達に慌てて東屋の奥へと歩を進めた。
『――え……?』
 よろける様に奥へ進んだ香澄を追う様に東屋の中へ入ってきた男達に、どくりと心臓が不吉に跳ねるのを感じながら隅へ避ける香澄に構わず、男達二人は下駄を脱ぎそのまま入口近くの縁台に腰を下ろし足湯に浸かり始める。
 これは予想外であろうが、だがどうすればいいのか判らず立ち尽くしているのも躊躇われ、香澄は身体を縮込まらせながら男達の真似をして浴衣の裾を軽く持ち上げて足湯に浸かった。
「……」
 縁台に腰を下ろした瞬間、腰のぬるぬると滑る感触に頬が赤く染まる。取り敢えずこのまま男達が出て行くまでは大人しく待てばいいのであろうと思いながら香澄は乱れそうな呼吸を抑える。そんな様子がどこか可笑しいのか男達がちらちらと香澄を見るのを気にしない様に瞳を閉じ、少しだけ息を抜くと一気に疲れが押し寄せてきた気がした。
 あの露天風呂の六人に続いて男達に代わる代わる犯された行為は、やはり少女を疲れさせていたらしい。――あの雷雨の中、露天風呂で、香澄を性衝動の捌け口としてではなく上手に例えられないが何か違う扱いをしていた気がする。酔いの為に朦朧として細かくは憶えていないのだが、何か重要な事もあった気がする。終わるまで喉の渇きで咳込むと繰り返し飲まされた不慣れな酒は限界を越えていた筈だったが、激しい行為と露天風呂の湯の為か早く回り、そして早く抜けたのだろうか?思ったよりも酔いは抜けている気がした…だがまだ快楽も酒も抜けきっていない香澄のうつらうつらと眠りそうになるその視界の隅で、誰かが動いた。
 不意に左右に腰掛けた人の気配にびくっと香澄は身体を震わせる。
「お待たせ」
 耳元でかけられた親しみの欠片もない声に彼等の到着を知るものの、移動するのかなどの指示もなく戸惑う香澄をそのままに左右の男が目の前の砂利の上に鞄を置いた。その鞄の口から覗くレンズに気付き息を詰まらせた香澄は項垂れ腿の上で手を握る。何をされるのか、いや今ではなく後で使う為のカメラなのかもしれない…少なくとも第三者の前で酷い事はされないだろうと願う香澄の背後に回された男の手が、身八ツ口から浴衣の内側に潜り込んだ。
 どくりと脈打ち震え出す身体を甚振る様にたぷたぷと脇の辺りの乳房を揺さぶられ、東屋に鈴の音がちりちりと小刻みに鳴り響く。間近にいる足湯客に気付かれたくない一心で俯き続ける香澄の耳元でただ座っている時には鳴らなかった簪の短冊がしゃらしゃらと涼しげに鳴りかけていた。
 腿の上で手を重ねている為に自然と男の手から乳房を庇っている腕を男の指が卑猥な抽挿を思わせる動きで擦り、じわりじわりと男の手が弄ぶ範囲が広がり、俯く香澄の瞳に男の手が濡れた浴衣の下で乳房を揉みしだく状態がはっきりと映る。強まる雨の中、夕暮れ近い温泉街の東屋は暗くなりつつあったが、濡れて貼り付く白い浴衣は少女の柔肌と恥辱の手を露骨に浮かび上がらせていた。無関係な男達の前で辱められ耳まで真っ赤に染まる香澄は、少しでも早く筋向かいに座っている足湯客が退出するのを願うしかない。抵抗を諦めてはいても自ら進んで外せない腕をくぐり抜けた男の指が、恐れていた場所にたどり着き、浴衣を貼り付かせたままくいと曲がり、そして跳ねた。
 ちん!とニップルリングごと乳首を爪で弾かれた香澄の身体が縁台の上で跳ね、仰け反る。声だけはあげずに済んだものの全身ががくがくと震え、鈴と簪が鳴る中、声もなく顎を震わせる少女の瞳から涙が零れた。
 決定的な反応の後、元から隠す素振りのなかった男の手が荒々しく浴衣の下で白い豊かな乳房に指を食い込ませて荒々しく揉みしだき、貼り付く浴衣の胸元が内側から乱されていく。反応を隠そうとする香澄を嘲笑う様にニップルリングの鈴を男の指が前後に跳ねてあからさまに音を鳴らせ、裾野からぐいと搾られた乳房を揺さぶられる度に浴衣が帯から引き出され衿が乱れ緩んでいく。声をあげまいとする唇が綻び、上擦った甘みを帯びた乱れた呼吸が零れ鈴の音に溶け、震える香澄の脹ら脛の辺りで湯が微かに波打つ。
 全く気付かれていないとは流石に思えなかったが、気不味さに立ち去って貰える事を願う香澄の片手をもう一方の男が引き、男の浴衣の内側へと招き入れた。
「ぁ……っ」
 丈の短い下着の上端から既に露出している猛々しい男性器に浴衣の内側で手を重ねられ少女の身体がぶるっと激しく震え、耳まで真っ赤に染まった香澄は俯いて肩で息をする。
 今来たばかりの足湯客には申し訳ないが早く立ち去って欲しい。それだけを願う少女の乳首を爪で抓られた瞬間、香澄の身体は男二人に挟まれたままびくんと跳ね、縋る様に男性の幹を指で握ってしまう。太くて熱い幹が指から余るのを感じた唇が微かに甘く鳴き、この数日で男を悦ばせる動きを仕込まれてしまっている白い指が淫らに絡み付き、男を扱きあげる。
 まだ見られていない。浴衣の内側でのみの秘め事なのだと祈る少女の顔はそれでも懸命に快楽を堪えていた。指先に絡み付く先走りの汁を感じ、躾られたままに吸い付きたい衝動を堪える香澄は、帯の蝶結びを解かれる感触にびくっと強張る。二重に巻いた帯はそのまますぐに落ちはしないものの、男の動きにするりと緩んでいき、浴衣を押さえていられなくなっていく。胸元が徐々に肌蹴ていくのを感じながら男の性器を愛撫する香澄の瞳がとろんと濁り、空いている手が頼りなく泳ぐ。
「オナニーともう一本擦るのとどちらがいい?」
 不意に訊かれた言葉に香澄は何度も弱く首を振った。腿の上に残ったもう一方の手をどうすればいいか、選択肢はある様でいてない気がする…いくら何でも足湯客の目の前で自慰行為に耽る勇気は少女にはなく、そして、選択肢を問われる時は男がそれを望んでいるのだと短い期間で学ばされている。何度も肩での呼吸を繰り返した後、香澄は自らそろそろと乳房を弄ぶ男の腰へと手を伸ばした。
 浴衣の合わせの向きでその男を直接愛撫出来ない香澄の指が浴衣の上から男のモノをなぞり、擦りあげる。これも太い。はあっと熱い吐息を漏らす香澄の耳に直接奉仕する手に先走りの汁が絡み付き捏ね回してしまうにちゃにちゃという音が届き、堪らない恥ずかしさに白い身体がくねる。硬い。擂り粉木の様な硬くごつごつとした猛々しいモノを両手で擦りながら、香澄の呼吸が密かに乱れ甘い声音を帯びていく。何十人にもう犯されているだろうか…初日からの手淫と口淫だけならばもう百回以上は穢されている。人数も相当な数になっているだろう。顎が外れそうな程大きな男性器が勝るのではなく程良い大きさの方が奉仕し易いのだと知ってしまった上で、何も知らなかった少女は淫らな性癖を刻み込まれていく。
 荒々しい凌辱や死にたくなる程の羞恥の方が、身体が過敏になる。滑らかにしゃぶれる傘と幹は奉仕し易いが、香澄の身体が蕩けるのは無理強いに近い獣の様な牡だった。ごつごつと硬い幹に、引き戻す時に抉る様な段差の激しい鰓に、硬く反り返るモノで蹂躙される程、気が狂いそうな程香澄は溺れる。十七歳の深窓の令嬢に濃厚に擦り込まれた精液で育てられた被虐的な資質は、最早引き返せないかもしれないレベルで淫らに芽吹き開花しているのかもしれなかった。手淫で終わらない事は判っている…男達を悦ばせればそれだけ確実に犯される、口か膣か窄まりか、ただ肌に射精される事はない。射精の前に絶対に一度は犯され絶頂が訪れる。仕方ない。逆らえない。選択肢はないのだから、男達に奉仕しなければならない。簪と鈴が鳴り響くのを遠く感じながら、香澄は震えつつ華奢な手でグロテスクなまでに硬くごつごつとした男性器を擦り立てる。
 もしかして足湯客の前でも犯されてしまうのかもしれない。足湯に浸かったまま背後から抱き込まれてこの硬く大きなモノで一気に貫かれて…浴衣は着たままだろうが、脱がされるのか、きっと乱れてしまう。この硬いモノで犯されれば簡単に達してしまう。はぁはぁと甘く喘ぐ少女はそれでも懸命に動きを堪えようとし、乳房を荒々しく揉みしだかれ乳首を抓られる度に仰け反り羞恥に蕩ける鳴き顔を足湯客の目に晒け出してしまっていた。香澄の希望を裏切る様に足湯客の視線がくねり続ける白い身体に突き刺さり、外は強い雨の降りしきる足湯に甘い嗚咽と簪と鈴の音が籠もる。
「香澄ちゃんが激しく擦るから丸見えになってるじゃないか」
 不意に香澄の頭に手を当て、男が向きを変えさせた。
「ぁ…あぁ……っ」
 浴衣の内側に潜り込ませ擦り立てていた筈のモノがいつの間にか肌蹴け完全に露出しているのを見てしまった瞬間、香澄はぶるぶると震え首を振る。濃紺のビキニパンツでは最初から収まり切らないであろう猛々しいモノは香澄の白い手で握り込んでも尚幹と傘を余らせ露出しており、ぬらぬらと垂れる先走りの汁は男性器全体だけでなく香澄の手とビキニパンツを滑らせていた。
「隠さないと痴女の香澄ちゃんが足湯で男のチンポを擦ってるのを誰かに見つかるかもしれないなー。警察を呼ばれるかな?」
「ゃ……」
「隠す?」明らかに嘲笑う響きの籠もった声に香澄は泣きそうになる。香澄自らは男性に性的悪戯など到底出来はしないのに、通報され咎められてしまう恐怖に香澄は首を振った。親に連絡されてしまえばどれだけ悲しませるだろう…しかも今香澄は襦袢どころか下着も身に着けておらず、痴女と間違われてしまってもおかしくはないのかもしれない。「――どうしたい?」
 男の言葉に、涙を零す香澄の指がきゅっと幹を裾から先端へと無意識に搾り上げた。
「……。咥えさせてください……」
 何も言わず行為に移る事は許されていない。男達に許しを乞わないといけない、いや、香澄がどれだけ牡を求める淫乱な牝であるか、ふしだらな行為を望んでいるかを伝えなければいけない。男性器で喉奥を突き上げられるのが好きな、先走りだけでなく精液を嚥下するのにも躊躇いの無い貪婪な牝。あぁ…と涙を零しながら肩で呼吸をする香澄の声は濡れていた。望んではいない、決して、本当は悦んでいない。ぞくんと全身に妖しい疼きが駆け抜け、何人もの男に同時に身体中を撫で回されているかの様な錯覚に顎が震える。今はまだ誰も直接香澄の裸体を視姦してはいない、電車内で、ホームの影で、駅のトイレで、地下室で、ホテルの浴室で、男達に囲まれ全裸で他の男の放ったばかりの精液を傘で顔に塗り込められながら何度もなんども哀願した口腔奉仕の言葉。言わなければ許されない。口淫の求めも絶頂間際の報告も、乳房を叩かれる事が好きな事も…いや好きではない、そんなはしたない行為はただ暗に命令されているからに過ぎない。――男達を失望させる度に際どい画像を配信され見知らぬ街で写真を撒かれる度に、恥辱を味わわされる度に、じわりじわりと枝を曲げ最後に折られる様に少女の心に隷属の影が落ちていく。
「へえ…人前でチンポしゃぶりたいの?」
「は…、はぃ……香澄の口に…おチンポを咥えさせてください……」
 涙を零し項垂れたまま香澄は肩で息をしながら哀願する。眩暈がしそうな程恥ずかしく逃げ出したいのに頭の中がぼおっと熱く滲み、身体中が蕩けてしまう少女を擽る様にもう一人の男が乳房を柔々と捏ね回し乳首を掻く。何も知らない足湯客の前で淫らな要求をしてしまう恥ずかしさにキツく瞳を閉じながら男の腰へと撓垂れ掛かる香澄の簪と鈴がしゃらしゃらちりちりと綺麗な音が鳴った。

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