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M型ライカの紹介です

M型ライカTOPICS

M型ライカについてNEWS

M型ライカは,レンジファインダー式カメラです。レンジファインダーカメラは一眼レフと違い,ファインダーと撮影用レンズが別々で,見た目と実写の位置がずれるという問題が生じます。
ライカM型のファインダーは,こうした問題を解決するため,被写体との距離に応じてフレーム(画角)をスライドさせる,パララックス補正機能が付いています。
レンズの装着は,Mマウントと呼ばれるバイヨネット式が採り入れられ,バルナック型ライカのねじ込み式に比べてより迅速にレンズ交換ができるようになりました。

  • M型ライカのファインダーは全てパララックス補正機能が付いています
  • 出計が内蔵されいるものとそうでないものがあります
  • M型ライカは,Mマウントと呼ばれるバイヨネットマウント方式でレンズの交換をします
  • Mマウントのフランジバックは,27.8mmに設計されています。厚さ1mmのMマウント・アダプターを供することで,バルナック型用に製造されたLマウントレンズを継承して使用することができます

M3 [露出計を内蔵しないM型ライカ]

M3 Leitz Canada
ポートレート・モデル撮影用に0.85倍以上のM型ライカを探しに出かけたところ,カナダ製のM3があったのでゲットしました (2004.3.8)。
M3のファインダー倍率は0.91倍で,50mmレンズを装着時ブライトフレームは,ほぼファインダーいっぱいに表示されます。 その他90mm,135mmのフレームがレンズに対応して表示されますが,この50mmの「太い」フレームはでんと居座った(表示された)ままです。
また75mmのブライトフレームがないので,ヘクトール73mmやズミルックス-M 75mmを使うにはちょっとしんどいです。M2以降のM型ライカのフレームの組合せと見え方にに慣れ親しんでいる私にとって,M3は寧ろ違和感を感じさせる存在です。

ライツ・ファンはカナダ製ライツの好き嫌いについてよく論議し,結果としてダメ押しをされることが多いのです〜(涙)。何を隠そう,このM3もカナダ製であります。 トップ・カバーに掘り込まれたM3の文字がドイツ製のに比べて大きい(いわゆる ビッグ M3 と呼ばれるエングレーブですね) ,ただそれだけの話です。下に挙げるM2 (2台目) も カナダ製ですが,どういうわけか私にはカナダ製が当たりやすいみたいです [本当にたまたまなんですよ〜]。

ちなみにErnst Leitz Canada(ELC)製M3は7,090台造られています。 参考までにWetzlar製M3クローム = 215,944台,M3オリーブ = 144台,ブラック・ペイント = 3,010台 がそれぞれ造られたとされています。

Big M3 Englave

この写真は,"Big M3"と呼ばれるエングレーブ(彫もの)を写したものです。「M3」の文字だけ,製造番号等に比べて大きく彫られているのがお分かりでしょうか。

 Leicaの筆記体ロゴの下には,"ERNST LEITZ GMBH, WETZLAR GERMANY"と彫られています。 ドイツ製との違いは,トップに彫られた 「M3」が製造番号の字よりも大きいかどうか・・・ただそれだけです。

『Big M3 というのはボディーが大きいのさ』などと まことしやかな持論(?)を語る人がいたりしますがちょっと違います。

0.85倍のMPにするか,0.91倍のM3にするか週末いっぱい考え,ついにM3を買うぞと決意して新宿に向かう途中,Yunaさんというモデルさんにばったりお目にかかりました。 そういうご縁もあり,勝手ながらこのM3を "Yuna" と名付けることにしました(笑)。

製造番号: 866890 / 1957年 カナダ(ELC)製

M2[露出計を内蔵しないM型ライカ]

M2.jpg (62831 バイト)M3が販売されたのに続き。廉価版としてM2が売り出されました。
M2のファインダーは,35mm広角レンズまでに対応していて,ブライト・フレームと呼ばれる撮影画角確認用の白い枠は,35mm,50mm,90mmの3種類のレンズだけに対応しています。そのためブライト・フレームがすっきりして見え,一番使い易いと思っています。

M3同様,M2のX接点とFP接点は大型の旧ターミナル接点が標準装備されています。スタジオ用大型ストロボで撮影をするときには [1]接点の形状が現行のと異なるため汎用性に欠けること,[2]市販のターミナル・アダプターを使っても不発が起こることがあること,などの理由によりシーベルヘグナーで正規改造をお願いして,現行の形状を持つシンクロ接点を埋め込んで貰っています (製造番号:960910)。

もう一台のM2 は,寧ろ屋外撮影用として用いていて,M4-Pの0.58倍のファインダーに正規改造してもらい28mmのレンズが使えるようにしてあります。ライカを使っての撮影では屋外シンクロを使わないと割り切っていますので,X/FP接点はオリジナルどおりにしてあります(製造番号:1099406)。

ELC製M2は1,580台製造されています。 参考までにWetzlar製クロム = 76,349台,M2モーター = 276台,ブラック・ペイント = 1,871台 がそれぞれ製造されたことになっています。 ライカ・フリークはライツ・カナダ製のM型ライカを嘲笑する傾向がありますが,製造台数が少ないという点からみればブラック・ペイントのM2よりも希少なんですよね(笑)。

[1] No:960910 / 1959年 ドイツ製, [2]No:1099406 / 1964年 ドイツ製

M5 [M型ライカで初めて露出計を内蔵]

M5.jpg (44570 バイト)これまでのライカは,露出計を内蔵していなかったのですが,M5から露出計を内蔵しました。露出計が内蔵された結果,M5のボディは大きくなり,またこれまでのM型ライカともデザインが違って見えるようになりました。

M5発売当時,「これはライカではない」と批判されることが多かったようですが,ズミクロン90mmF2のような大きなレンズを使う際には,バランスが取れて持ちやすいと思います。 また,大型化してまで搭載したcds方式の露出計は案外正確です。白の3点吊り,黒の2点吊り(縦吊り式)とM5は3台経験していますが,いずれも露出計の精度の良さに驚かされました。

M5のファインダーは,バルサム切れのモノが多いのが難点です。このM5は,シーベルヘグナーで新品のファインダーブロックに交換してもらっていますが,部品代(ファインダーブロック代だけ)で10万円以上かかります。M5を購入の際は,ボディを前から見てファインダーの下半分に半月状がないものを買って下さい。

なお,M5の保管方法に関しては,(株)フォトメンテナンス・ヤスダから大変ためになる情報が一般公開されていますので,ぜひ参考にされて下さい。

No:1359878/1973年 ドイツ製

M6 [Leitz社 最後のM型ライカ]

M6_2.jpg (67264 バイト)M6クラッシックは,Leitzと書かれた赤い丸印(ロゴ)が付いた最後のモデルとなりました。経営がLEICA社に変わり,次に登場するM6TTLが発売されるようになると,Leitzのロゴが付いたM6は,「M6クラッシック (M6 Classic)」と区別して呼ばれるようになりました。

当時は,並行輸入品の流通は今ほど盛んでなく,都内の某デパートで定価(当時価格:42万円)で購入するしか新品を手に入れる方法がありませんでした。 なぜそこまでしてM6が欲しかったのかと言えば,M2の正規改造で述べた28mmのブライト・フレームに加え「露出計が内臓された」こと,また「ライカ・モーターが使えること」,ただそれだけの理由でした。購入時はサラリーマン4年生で資金繰りも厳しく,夜勤で稼いだりNTT株を手放したり,M4-PとM4-2の2台を売ったりしてやっとこのM6を買いました。

今となってはErnst Leitz Wetzlar GMBH製最後のM型機種となってしまったこともあり,保管モードに入っていますがシルバーの塗装は良くありません(防湿庫に入れっぱなしにしておくと白い粉をふいたようになってきます)。シルバーの中古品を買う場合は塗装の状態をよく確認されることをお勧めします。

No:1713792 1987年 ドイツ製

M7 [AE機能搭載のM型ライカ]

M7(Japan Model) 0.72倍 シルバー

M7_silver.jpg (51524 バイト)2002年の発表以来,M7はすぐにゲットできない状態が続きました。 確かこの0.72倍モデルと0.85倍モデルがほぼ同時に発売になったかと記憶しています。

0.85倍とか0.72倍というのは,ファインダーの倍率のことで,実物に対してどれくらいの割合に圧縮して見れるかを示します。 従って0.72倍よりも0.85倍の方が実物大に近い感覚でフレーミングができます。0.85倍のファインダーで50mmレンズを装着した場合,ほぼ肉眼で見たままの倍率で被写体と向き合えます。0.85倍のファインダーに50mmレンズ以下の広角系レンズを装着する場合は,別にファインダーを付ける必要があります。

0.72倍は0.85倍に比べ視野率は下がりますが,内蔵のファインダー(ブライトフレーム)が内蔵されていますので,35mmまでの広角レンズを使うことができます。 標準レンズに加え望遠系を多用される方は0.85倍,広角系を多用する方は0.72倍か0.58倍を選択することになります。

No:2781425 ドイツ製

M7 チタン (Titan) モデル

M7 TitanumライカM型誕生50周年を記念して,チタニウム素材をふんだんに利用して,世界で550台が製造されたモデルです。

製造番号3000000-3000049の50台は,35mm / 50mm / 90mmの3本の無垢チタン材が使われたレンズとセットになっています。

一方,製造番号3000050-300550の500台は,標準レンズ・ズミルックス50mm ASPH (同じく無垢チタン材仕様) とのセット販売となっています。 M7 チタニウム のボディは,合計550台製造されたことになりますが,いずれもボディのみの単品売りではなく,いわゆる1本もしくは3本のレンズとのセット販売となります。

M型ライカ50周年ロゴ2004年は,M型ライカが登場してちょうど50周年にあたります。これを記念し,M7 チタニウムのトップ・カバーには "1954-2004 50 JAHRE M-SYSTEM" のエングレーブが施されています。

M6 TTL は,「チタン仕様 (Titanium Finish)」 です。 並行して造られた ズミクロン 35mm ASPH (F2.0) / ズミルックス 35mm ASPH 50mm(F1.4) / ズミクロン50mm APSH (F2.0) / アポ・ズミクロン 90mm ASPH (F2.0) のいずれも,真鍮材にチタン塗装を施したものです。

M7 チタン と これに合わせて造られたレンズは 単なるチタン塗装(仕上げ)に留まらず,無垢のチタン材 が用いていられている点,製造には相当なご苦労があったのだろうと推察されます。M型ライカ生誕50周年 というイベントに対し,LEICA AG社が如何に本腰を入れているかを伺わせるモデルではないでしょうか。

製造番号:3000363 ドイツ製