2023余所自作121『純潔』

表TOP 裏TOP 裏NOV 120<121>122

「いや……っ…痛い……っ」
 小声で鳴く美幸の腰を抱え込んだ男がずぶずぶと肉槍を埋めていき、そして膣奥に大きな傘の先端が突き上げた。びくんと大きく跳ね上がった新妻の瞳から涙が飛び散り、濡れた瞳に天井の照明が映る。新婚旅行の宿は上質の離れであり、それは結婚まで性交渉を我慢してくれていた愛しい夫に初体験を捧げる時に恥ずかしい思いをせずに済む為の配慮だと感じていたが……。
 今、夫は美幸の隣で大きな鼾をかいて眠っていた。
「ひひひ……美幸ちゃん処女だったのかぁ」
 見ず知らずの男は恥ずかしがりながら入った混浴露天風呂で声をかけてきた親切な男の筈だった…露天風呂で新婚旅行の祝杯として美幸は詳しくない缶酎ハイを夫に差し出し、そして泥酔してしまった夫をこの部屋まで運んでくれた直後、美幸は襲われた。
 何度嫌だと言っても筋力で敵わない男に美幸の唇は奪われ、白い乳房は夫に見られる前に男に舐りまわされ無数の吸い痕と噛み痕をつけられ、そして執拗に性器を舐め回され指で膣内を掻き混ぜられ愛液がどろどろと溢れた状態になってから男の肉槍で一気に貫かれた。避妊具は着けられていない。ハネムーンベビーもいいけれど暫くは新婚気分を堪能したいと二人で語っていた美幸の膣を、見ず知らずの男の肉槍がぐちょぐちょと犯している。
「声を上げてもいいよお?旦那さんに美幸ちゃんがマン汁垂らして銜え込んでるのバレちゃうけれどねえ」
「嫌……っ……もうやめて…やめてくださ……ぃっ」
 夫の鼾を聞きながら何度も首を振る美幸は男の抽挿に揺さぶられ続ける。抵抗はしている、だが力で敵わない…縛ろうとしたり打たれそうになるだけで心が折れてしまう、夫は手を上げない人だから美幸が犯されたとすぐに判ってしまうだろう、それが怖かった。嫌いやっと小声で訴える美幸の白い腰を男が抱え込み、じっくりと男との交わりが処女肉に刻み込まれていく。男の突き上げの度に美幸の乳房がぶるんぶるんと激しく揺れ、男がそれを鷲掴みにして荒々しく揉みしだく。すけべなまんこだ、カズノコ天井って知ってるかと聞かれ、膣口のすぐ裏側にある場所を鰓でぐりぐりと擦られ、膣奥を傘の先端でくじられ続け、若妻の膣は見ず知らずの男の生の牡肉の形を教え込まれていく。激痛から始まった処女喪失が徐々に鈍痛へと変わっていき、そしてもどかしい疼きが高まっていく。
「いや……もうやめてください……おねがい、おねがいですからぁ……っ、もう……いやぁ……っ」
 自分の声が甘さを帯びていく恐怖に美幸は啜り泣く。気付いてはいないがもう白い腰は男の抽挿には逆らえずに破瓜の血と男と女の汗に濡れた布団の上で牡を受け入れる拙い淫らな前後動を繰り返し始めていた。悪夢からまだ時間は過ぎていない気がした…だが実は既に美幸は一時間以上執拗に男に犯され続けている。女を犯す事に一切抵抗のない男の慣れた性技に馴染まずにいられる筈がなかった…いや心はそれでも夫のものだった、だが、牝肉は処女を奪った頼もしい牡の肉槍に愛し気に絡み付いて精液を搾り取ろうとする本能に目覚めていく。新婚の閨にぐちょぐちょと新妻と間男の性器が貪り合う淫猥な音が籠り、淫臭が濃密に漂い、照明を落とさぬままの部屋で見ず知らずの男の目に美幸の乱れる姿が映る。嫌いやと言いながら全身を汗でびっしょりと濡らす若妻の薄い腹部がびくびくと痙攣する度に膣が牡を締め付け、膣奥に傘を突き付けた状態で腰を抑え込んだままにしておくとひいひいと鳴きながら腰を自ら振って男を貪ろうとする…処女にあるまじき淫乱な牝の痴態だった。これを夫が女にしたのならばどれだけ狂喜しただろうか、だが残念ながら若妻が銜え込んでいるのは見ず知らずの他人の肉槍である。
「君の旦那様は、粗チンだからねえ。勃起してもこんなに大きくならんよ?美幸ちゃんの淫乱おまんこの入口をこちょこちょくすぐるだけのかわいいちんこでこれから満足出来るのかねえ?」
 ぶるっと身体を震わせて激しく首を振りたくるのは夫の悪口を言われたくないからなのか、それとも男のものなど憶えはしないという意識の表れなのか。
 不意に男に肉槍を引き抜かれ、美幸はあっと悲鳴をあげてしまう。極太の剛直に犯されていた膣がぽっかりと口を開け、解放された安堵感に息をつける筈なのに不可解な喪失感が腰から広がり戸惑いと不安に狼狽える若妻を、男が布団の上で転がした。
「――ぃ……や……っ!」
 並べて敷かれた布団の一方で高鼾をかいている夫の上に跨る体勢を取らされ、荒淫に奪われた体力にそのまま夫の身体に覆い被さり乗ってしまいそうになり四つん這いで踏みとどまった美幸を、背後から男が再び貫いた。後背位の知識はあるものの、愛しい夫に跨りその顔を真下に見ながら犬の様に犯される女の全身が鳥肌立つ。
「やめて……っ、夫の上で……やめて…ぇっ」
 哀願する美幸は正常位よりも更に密着度の増した肉槍の抽挿に涙を零す。一突き毎に俯せの乳房が淫らに弾み、夫の浴衣の胸板を軽く擦る。起こしたくない、気付かれたくない、それなのに、胸の揺れは収まってはくれない。ぐちょっぬぽっぐちょっぐぽっとあからさまな結合音が鳴り響き、美幸の内腿だけでなく男の袋にも垂れた薄桃色の粘液が糸を引いて夫の浴衣へと垂れていく。膣奥を執拗に突き回され、激しく膣口から膣奥までを抉られ続ける美幸の身体が淫らに撓り、男の腰の動きに合わせて従順な前後動を繰り返し、初夜の夫の上で妻と間男の濃密な獣交の舞いが馴染んだものへと、まるで唯一の相手の様な絡み付く動きへと変わっていく。はくはくと美幸の唇が震え、男に膣奥を突かれる度に甘い呻きが唇から零れる。
 夫の上で膣内射精の可否を聞かれ、何度も拒絶した。だが抽挿は執拗に繰り返される。若妻の歯がカチカチと音を鳴らして合わさり、何度も夫の上に崩れそうになり、全身が汗でびっしょりと濡れた若妻の牝肉が男をいやらしく喰い締める。見られたくない。気付かれたくない。その一心で堪える身体の熱が籠り、同じ様に…いや美幸の膣よりも熱い頼もしい牡槍に、意識が奪われていく。いやっいやっいやっいやっと小声で繰り返しながら白い腰が卑猥にくねり、淫らな若妻を嘲笑するかの様に長大な牡槍がずぶずぶと犯し、張り出した鰓が膣奥から掻き出してくる互いの淫液はすっかり掻き混ぜられ泡立ちクリーム状になり、互いの腰に塗りたくられ潤滑液となり更に性臭を濃密に漂わせ、動きを滑らかにしていく。耳を塞ぎたくなる程にいやらしく腰を打ち付けあう打擲音が鳴り響き。やがてめくるめく絶頂の波に美幸は浚われていく。
 夫の上で男に荒々しく乳房を揉まれながら首筋を噛まれ、朦朧としながら夫を時折見ていた瞳が焦点を結ばなくなり、口の端からだらしなく垂れる唾液が夫の顔へと垂れていく。強過ぎる酒を飲まされた泥酔の中でも淫猥な空気が伝わっているのか硬く勃起している夫の浴衣の腰を妻と男の潤滑液が垂れて重く濡らし、愛する者の肉槍の形と色を浮かび上がらせる…だが妻を犯しているのは別の男の肉槍だった。ぬらぬらとぬめる浴衣の上で時折びくびくと夫の性器が跳ねるその上で。
「あ……、あ、あ、ああああああああああああっ!」
「いひひひひっ……処女喪失で派手にいく淫乱まんこに種付けだ!」
 男へと自ら腰を突き出し捧げる体勢になり絶頂を迎えてしまう美幸の膣奥で、男の精液がどぷりどぷりと勢いよく爆ぜた。乳首もクリトリスも限界まで硬くしこらせ四つん這いの手足を限界まで硬く詰まらせたその汗まみれで濡れた白い身体の奥で、たっぷりと見知らぬ男の精液が処女妻の膣内に溜められていく。

 弾けた意識で呆然と蕩けている美幸を背後から抱えた男が夫の顔の上へと運び、初夜に見ず知らずの男に純潔を奪われた若妻と凌辱者の結合部をその鼻先から顎までに擦り付ける。愛する妻の膣奥から溢れ返る牝肉の悦びの証の愛液と寝取られた証の精液が濃厚に混ざり泡立つ牡と牝の淫臭を放つ熱い粘液が、それと気付けず高鼾を掻いて眠り続ける夫の顔にぬらぬらと塗り込めていく。
「いや……ぁ……」
 夫の顔に結合部を擦り付けられる悍ましさに弱く啜り鳴く美幸の膣がびくびくと男の肉槍を妖しく締め付け、穢すまいと祈る夫の口元にごぽりと淫交の子種汁を垂れ流してしまう。激しい交尾の余韻から抜け出せない美幸の腰が男と夫の間で卑猥に前後に揺れ、薄く開いた夫の口で処女妻が犯され膣内を充たす白濁液が漏れる鼾にぷちゃぷちゃと泡を作り割れる。夫の鼻がクリトリスに当たり、唇に膣口が、犯す男の猛々しい幹が、牡と牝の結合部が触れている羞恥に、美幸はよがり狂う。いやっいやっいやっと首を振る若妻の膣奥を男の肉槍がごつごつと突きまくり、夫の身体に倒れ込むまいと本能的に美幸は背後から犯す男の首に腕を回して縋り付いてしまう。初めての膣内射精の衝撃と目眩く絶頂の連続の罪悪感に夫に許しを請う言葉を何度も繰り返す美幸の腰が夫の顔をそっと撫でる様に揺れ動く…だがそれは男と快楽を貪る動きに他ならない。
 んむっと声を篭もらせ美幸の唇を男の口が塞いだ。蛞蝓を連想させる舌が若妻の舌を絡め取りじゅるじゅると唾液を吸う。腰を小刻みに揺らし膣奥を抉られながら唇を奪われ、美幸は夫の顔の上で白い身体を仰け反らせる。口内まで性感帯になってしまった強烈な快感はまるで獣に貪られているかの様な異常な被虐に彩られており、無垢だった処女妻は為す術もなく牡の抽挿に応える拙い…だが従順な腰遣いで弧を描く。夫の顔の上で。
 起きないで。
 頭の隅で何度も繰り返し許しを請う美幸の汗でびっしょりと濡れた身体が男に操られるままに夫の顔に淫液を塗り込める形で淫らに揺れ、その唇から悩ましい艶を隠しきれない嗚咽が零れる。恐らく夫の初夜があったとしても決して明るいままの閨では見せなかったであろう卑猥な結合部では赤黒い極太の陰茎が若妻の膣口からぬろぬろと長大な姿を露出させては送り込まれ、白濁液が淫猥にそれに絡み付く。
「太いちんぽで慣らされては粗チンにはもう我慢出来なくなるぞ、美幸ちゃん」
「いや……っ…そんな……ぁぁぁぁぁぁ……っ、あっ!ぁ……、あ、あっ、そこ……ぃやぁ……っ」
 膣奥を小突かれる快感にぶるぶると身を震わせる美幸の唇を再び男が奪い、口内で舌を執拗に貪られ軟体動物を思わせるよく動く舌に悍ましさすら覚えながら若妻の頭の芯が卑猥な感触にぼうっと妖しく蕩けていく。牡の精液を受け止めさせられたばかりの膣が膣奥に大きな傘を埋められたまま膣奥をくじられる刺激にはしたなく燃え上がる。膣奥で精液を浴びせられる熱さが身体に染み付いてしまったかの様に牝肉が愛し気に肉槍に吸い付き、締め付ける。んっんっんっんんっと甘えているとしか思えない鳴き声が小鼻から漏れ、愛する妻を寝取られた夫の顔に淫蕩に蠢く結合部を擦り付ける奥で牡肉が若妻を支配し逆らい様のない肉の絶頂を刻み込む。照明を灯したままの閨で間男の肉槍をその内側で貫かれている白い腹部がびくびくと痙攣し、感極まった美幸の喘ぎに唇が離れ濃い唾液が幾筋も糸を垂らす。
「旦那様の上で腹に種を仕込まれたいか?」
「ゃ……、いわない……で……ぇっ、いや……っ、あ、あ……っ、いわないでおねがい……っ、いわないでぇ…っ」
「まんこできゅうきゅう締め付けておいて何を言ってるんだ?ほらほらほらほら、ちんぽはどうだ」
「ぁぁ……っ…だめ…っ……だめだめだめだめだめ……ぇぇっ、おっとのうえでは……いやあ……っ」言わないで欲しい、夫の上では嫌、つまりそれは夫の上でなくて言わなければ許してしまう事を意味しているのに気付けないまま激しく首を振りたくる美幸の乳房がぶるんぶるんと大きく揺れる。初夜の初体験とは思えない程の激しい乱れ方に男の口がにやりと歪み、若妻の細越を掴んでいる手が抑え込み、軽い絶頂を繰り返している淫乱な牝肉から練れた肉槍を引き抜く。「――ぁ……」
 不意に引き抜かれた剛直に虚を突かれた美幸の顔が己を支配する牡肉への喪失感に驚き、そして物欲しげな切ないものに変わる。肉槍の径そのままに口を開いている牝肉がくぱくぱと蠢き、処女喪失から間もない初々しい色合いの粘膜が淫らに戦慄く。泥酔している夫の身体に崩れ落ちない為に男の首筋に縋り付いてしまっている腕をそのまま解けず、細く頼りない声を漏らす美幸の下腹部と夫の顔の間でぬろぬろと牡槍が前後に動き、自分だけでなく夫の顔まで穢されてしまう不快感に…いやそれ以外の別の衝動に美幸は首を振る。
「夫にまで……」
「僕はホモの趣味はないよ?ん?」
「……、おね……ぁ……ぁぁ……っ、おねがい……おねがいします……っ、そこでこするのは……ゆるして……」
「どこで擦るのはいいんだね?」
 男の言葉に、どくんと美幸の身体が脈打つ。夫の顔に男の肉槍が触れる生理的な嫌悪感よりも問いの答えが齎す結果が恐ろしかった…いや夫の為なのだ、何もかもが過ちでしかなく正しい選択肢が美幸には見えない。弱く啜り鳴く若妻と夫の間でぬろぬろと動く肉槍を恨めしく思いながら、その送り込まれる長大さを求めて牝肉が卑猥に蠢く切なさは強まる一方だった。それでも言葉に出来ない美幸の唇を男が再び奪い、舌が絡め取られる…だがその舌の動きは先刻程の卑猥さがなく明らかに加減されてしまっており、圧倒的な快楽漬けに慣らされてしまいかけているまだ夫を知らない若妻の疼きを煽り立てる。ぶるっと白い身体が震え、最初微かな動きだった腰の動きが徐々に、淫らなくねりへと変わっていく。泥酔している夫の上で背後から絡め取られている若妻の汗塗れの身体が男に媚びる様に淫らに擦り付き、そして男の傘が膣口の辺りへ戻されるのに合わせて自ら後ろへと突き出し、ぐぽりと膣口の窪みが傘に填まり込む。
「――ちんぽが欲しいか?」
 男の問いに顔を歪めながら、美幸は愛する夫の顔に下腹部の粘膜を重ねたまま見ず知らずの男のグロテスクな程大きな傘へとぐいと腰を突き出した。


「ごめん、昨日……結構…その……」
「ううん……気にしないで……」
 朝気拙げに謝る夫に美幸は首を振る。
 多分ばれない…そう思っても憂鬱さは消えはしなかった。罪悪感と、そして。
 昨日男に五度の膣内射精の後、夫の牡肉を一度だけ教えられた口腔奉仕で抜いている…その性器の、確かに、男の言うサイズの違いに美幸は愕然としてしまっていた。しかも早い。眠っている為だと何度心の中で繰り返しても嫌な心の曇りが消える事はなかった。激しく乱れた寝室の状態と美幸の様を自分の仕業だと思っている夫に、何を伝える事が出来るだろう。
 激し過ぎる交わりに動けなくなっている美幸に優しく接してくれる夫に、新妻はまた小さく首を振る。

『新婚旅行なのにごめんね』
 言われてみればその通りである。一週間の長い宿泊の半分以上は実は夫の出張を兼ねており、美幸は昼間は古都で一人暇潰しをする事になっていた…それでも週末は二人で観光地巡りをする約束だった。だが取り敢えず四日間は夫は夕食まで戻ってこれない。淋しくないと言えば嘘になるが、昨夜…いや明け方までの行為で疲れ切っている状態の身体を休ませる気兼ねがないのは、正直助かる。
 昼近くになり漸く動ける様になった美幸は一人で離れの露天風呂に入る。
「ふう……」
 一晩見ず知らずの男に犯され続けた身体に残された大量の吸い痕と噛み痕をずっと洗い続けた肌は赤くなっていた。穢らわしい行為で犯された筈なのに頭の中がぼんやりしていて現実感がない。痕が残っているからには現実である筈なのに意識が記憶と向き合おうとしていない。嫌悪感も抵抗感も確かにある筈なのだが、ぼんやりとしている。
 ころろんと軽やかなベルの音が鳴り、美幸は慌てて身体をバスタオルで拭いながら露天風呂から和室の電話へと向かう。もしかして夫からの電話かもしれない。早く仕事が終わって外食に誘ってくれているのかもしれない。――だが夫からならばスマートフォンに連絡が来る筈だと美幸は思い浮かばなかった。そして電話でなくインターフォンなのだと気付き、取り敢えず用件だけ聞こうとした美幸は離れの扉の前で通話釦を押す。
≪美幸ちゃん、一人かい?≫朝まで聞き続けていた見ず知らずの男の声に、昨日処女を奪われたばかりの、まだ夫を知らない若妻の身体がびくりと揺れる。≪お見舞いにきたよ≫


「もう…やめてください。私、新婚旅行なんです。夫がいないのに……」
≪おや夫がいた方がよかったのかい?そうだよねえ?あんなに昨日よがり狂って…≫
「やめて下さい……っ」
 大きな旅館の母屋から日本庭園等を回り込んだ離れは母屋の客の気紛れな散策の可能性もあれば、当然必要ならば仲居や従業員も通るだろう。静まり返っている上品な庭園風の小道に面した玄関先で口にされる卑猥な言葉を誰かに聞かれたらと思うと美幸の血の気が引いていく。
「ひひひ…美幸ちゃんに選ばせてあげようか。こちらで昼からファックするか、ウチの部屋でファックをするか」
「嫌…ですっ」
 夫は口にしそうにない赤裸々な言葉を聞いた瞬間どくりと美幸の身体が揺れる。思い出す出さないよりも前に脳内からまだ抜けきらない濃厚な交わりが身体を絡め取り、膝ががくがくと震えだす。
「一人淋しいんだろう?腰が抜けるまで銜え込んだ身体、まだ疼いてるんじゃないかい?美幸ちゃんの淫乱おまんこはちんぽ好きだから一発目からアクメ憶えてたからなあ」
「お願いします…っ、やめてください……っ」
 どくんどくんと美幸のこめかみで脈が大きく鳴る。男の言葉が毒の様に浸透し処女を奪われてまだ数時間しか経っていない若妻の肌が騒めく。
「朝から粗チン君は美幸ちゃんを抱いてくれたかい?おっぱい揉んでくれたかね?どうだった?美幸ちゃんが鳴いて悦ぶ揉み方をしてくれたかね?おっぱいをぎゅっと握られながら乳首をじっくりしゃぶられるのが大好きだろう?音を立てて吸われるとおまんこでぎゅうぎゅう締め付けてくるからちんぽがとても気持ちよかったよ」
「やめて……おねがい…、やめてください……」
 昼近くだと離れで昼食をとる客がいれば仲居が運んでくる可能性があった。美幸は食欲がなく注文をしていないものの他の誰かが頼んでいないとは限らないのである。いやそれよりも、男の言葉をこれ以上聞いてはいけない気がする。身体がぞくぞくと騒めく全身を撫で回され舐められている様な感覚に美幸の呼吸が乱れる。入浴前によく洗った膣からどろどろと溢れる精液の感触と臭いがまだ生々しく、扉一枚隔てて男を拒むバスタオル一枚の女の下腹部がぬるぬると泥濘んでいく。医療器具など使っていない洗い方なのだからまだ膣内には男の精液が残っており…そして男の存在と言葉責めに全身をびくびくと震わせる美幸の牝肉は卑猥な蜜を既に溢れ返させてしまっていた。
「今晩も露天風呂で話をしようか!美幸ちゃんのまんこの具合を粗チン君と語るのも楽しいかもしれないねえ」
「……、やめて……ください……」膝から崩れ落ちそうになり、美幸は乱れた呼吸を繰り返す。「せめて……せめてこの部屋では…やめてください……」
 開けてはいけない。そう思いながら扉の鍵に触れる美幸の指が頼りなく揺れる。昨日は酔い潰れた夫の介抱で男を部屋に上げてしまったが、今は違う。拒まなければいけない。最悪夫に打ち明けなければいけない。泣きそうな程苦しい…それなのに美幸の身体は熱く火照り、膣口は、牝肉は、ぐびぐびと男の不在を物足りないと訴える様に淫らに蠢いてしまっている。
 からりと、引き戸が若妻の手で開かれた。
「待っていてください…今浴衣を着てきます……」
 急いでいた為丁寧に拭えていなかった柔肌にバスタオル一枚を巻いただけの、初夜から明けて昼を迎えたばかりの牡を教え込まれたばかりの若妻は、男に目を合わせる事も出来ないまま身悶えに布の弛んだ無防備な背中を晒す。



 不意に背後から組み敷かれ美幸の身体は離れの式台に膝を突いてしまう。
「い……や……っ!」
 四つん這いになり男へと腰を突き出す体勢になった若妻の乳房がぶるんと揺れ、胸元で折り込んでバスタオルが解け背中に乗っているだけの状態になる。反射的に背後へと振り向いた美幸の瞳に半開きになったままの引き戸と旅館の浴衣姿の男の姿が映った。年齢は五十代だろうか、父親と大差ない年齢の男は昼の日差しの中で見れば高級旅館の離れに泊まるだけの裕福さを感じさせる精力的な…会社などでも役職に就いていそうな威厳を感じさせる顔立ちと姿である、だが、今その目は美幸を淫乱な牝を見下す支配的な牡の獣欲を濃密に滾らせている。特に、既に浴衣の腰を大きく盛り上げている長大な肉槍の存在が。
「いや……っ、いやぁ……っ」
 引き戸が半端に空いている。昼前の小道は誰かが何時通ってもおかしくない、夫が仕事に出ているのは仲居ならば知っているかもしれない。妻の不調に配慮を求める様に一言願い出ていてもおかしくない優しい夫である。そんな美幸が離れの玄関口で男に犯されていれば、それが夫ではないと判ってしまうだろう。新婚旅行二日目で間男を迎え入れている若妻…仲居から夫に告げ口される事はないかもしれない、だがそもそも見られる時点で問題なのだ。まだ一週間程滞在するのだから何度も離れに仲居が訪れる、それなのに昼間の情交を見られてしまっては……。
「ひひひ…美幸ちゃんはもうすっかり準備が整ってるじゃないか。この淫乱め、一晩でちんぽ狂いになったなあ」
 背後の引き戸を閉める事なく、男が浴衣の前を寛がせて肉槍が露わになる。気が狂っているとしか思えない…いやこの部屋に紐づけされているのは美幸だけであり男は認識されなければ恥をかくのは自分だけなのかもしれない。離れの前の小道は母屋の日本庭園にも繋がっており丁寧に手入れされている純和風の散策路でもありTVでも紹介されており、宿泊客だけでなく母屋の昼食や散策目当ての観光客が入り込んでもおかしくはない。
 ぞくりと戦慄きながら、美幸は四つん這いのまま少しでも身を隠そう逃れようと廊下へ膝を進めようとするが、ぎくしゃくとしか動けない身体はさしてその位置を変えられない。男から逃れようとする若妻の柔肌の上に乗っただけの、元から弛んでいたバスタオルが処女を奪われて間もない白い腰からウエストの方へと摺り上がり、男の吸い痕も噛み痕も手痕も生々しいぷるんと丸みのある尻肉が露わになる。剥き出しである。和室への障子を閉めてある玄関は引き戸から差し込む日射しで明るく照らされ、強張り…だがどこか淫靡に歪む若妻の泣き顔もぬらぬらと愛液を垂れ流しにしている膣口も快楽を教え込まれかけている窄まりも何もかもが丸見えになっていた。
「いひひ…そうも夫以外の前で尻を揺らしちゃいかんよ」
 男の手が美幸のバスタオルを剥ぎ取り、そして腰を両手で掴んだ。
「いやぁ……っ!」前戯も何もなくぬろりと肉槍で膣口からクリトリスまでを撫で上げられ、生々しい快感に美幸の背筋が仰け反る。ぐちょっぐちょっとあからさまな淫水を掻き混ぜる音が鳴り響き、若妻は男に腰を抱えられたまま激しく首を振る。「ここではもうやめて…やめてください……っ、夫にしられたくないの……っ」
「そうは言われても恥知らずな美幸ちゃんのせいで勃ったものを取り敢えず鎮めて貰わんとなあ…美幸ちゃんも我慢出来ないんじゃないかい?こんなにマン汁垂れ流してるじゃないか」
「……」
 もう二度とこんな事はないと思っていた。もう夫以外の男性と結ばれる事はないと思っていた。それなのに何故…何故自分は……。
 ずぶり、と男の傘が美幸の膣口に埋もれた。膣口のくねりを無理矢理抉じ開ける猛々しい傘に一瞬遅れて美幸の肌が一気に汗ばむ。声もなく限界まで仰け反る若妻の乳房がぶるんと大きく跳ね上がり、朝、申し訳なさげに仕事へと向かう夫を何とか送り出した玄関で淫行の痕も生々しい白い身体が牡に仕留められる衝撃に全身で戦慄く。あ、あぁぁぁぁぁ…と軽く切っ先を受け入れただけで卑猥な濡れた声が漏れ、男の手の中でひくひくと腰が痙攣する。
「美幸ちゃん、ちんぽはどうだね」
 男の問いに答えられないまま打ち震える美幸はじっくりと膣奥へと送り込まれていく肉槍に応じまいと身体に力を込めようとする。だが、たった一晩牡を教え込まれた牝は長大な牡肉を全身で悦び、煮え立った蜂蜜の様に甘く火傷をしてしまうかの様に美幸を蕩かしてしまう。
「言わないと、どうなる?」
 ずん、と膣奥を突かれ美幸は口を開いて喘ぎ声だけを何とか堪える。――判っている。男の問いには結局何もかも答えさせられる事は。それは執拗に、執拗に、聞き続けられるのだ。美幸の絶頂間際で動きを止めて、もしくは美幸が絶頂の連続に死にそうになるまで追い詰めて。結局逆らえない。命じられるまま夫の性器を舐り、あっけない程速く口内に弾けた精液のえぐみに吐き出しそうになりながら、それでも何とか嚥下しようとした初めて夫の精液を受け止めた若妻は、処女を奪った男に吐けと命令された…せめて口だけでも夫の精液で初めてを迎えたかった美幸は、その後、自分と男のねっとりとクリーム状に練り込まれた濃厚な淫汁をたっぷりと舐め、そして飲まされた…途中からは飲むのが当然になっていた。射精後の残滓を啜るのも。
 それでももう離れでは男の言葉に従いたくはなかった、せめて言葉だけでも。

 離れの続く小道に、喘ぎ声が流れる。
 ぐぽっぐぽっと撹拌音と腰を打ち付けあう音が響く中、離れの一つの中途半端に開いたままの引き戸のその奥で、小道へと向かって上り框に座る男の上で背中を預けて跨り大股を開かされ貫かれている美幸の身体が激しく上下に揺れる。背後から乳房を荒々しく揉まれて乳首を抓られながら貫かれている結合部からは牡と牝の爛れた獣欲そのもののどろどろの粘液が大量に溢れ返り、乳房も下腹部も露わに小道にいつか通る人間に恥知らずな交わりを晒そうとしているかの様に若い牝の膣口に赤黒い長大な肉槍が激しく抽挿を繰り返す。
 ああっあああああっと美幸の口からはだらしのない喘ぎが溢れ、激しく突き上げる男に応え白い腰が卑猥に弧を描くのが、小道からの陽光に照らし出されていた。



 ごぽっと精液が膣口から溢れていく。
 畳んだままの浴衣を持つ事すら許されず、美幸は歩を進める。
 全裸に、下駄しかない。
 繰り返しの絶頂の後、漸く男を一度だけ射精して貰えた美幸は離れから出る事を許された。
 鳥が囀り、風が木立を吹き抜ける心地よい葉擦れの音が、日本庭園の鹿威しの音が、聞こえてくる。汗に濡れている全身を風が嬲る。――美幸は、全裸で小道を歩かされていた。男が身体を隠してくれているかと言えば、数メートル先を歩いておりまるで他人事の様である。もし誰かに見つかれば全裸で小道を歩く露出狂として扱われてしまうであろう。
 どろどろに濡れた内腿を伝う愛液と精液は膝までたどり着いている。膣口が騒めき、牝肉はずっと妖しく痙攣を続けており美幸の意識を根こそぎ奪っていこうとしている様だった…だが朦朧としきれない意識が羞恥心を激しく煽る。
 嫌…こんなのは嫌、そう思い意識を小道に向ければ向ける程自分がどれだけいやらしい姿をさせられているかを実感させられてしまう。玄関で新たに付けられた痕が、男の噛み痕の痛みが、身体を残酷に炙る。膣奥の重く甘い痺れが、もっともっと突き上げてと強請っている…もうしてはいけないのに、逃げ出せない。夫に隠す為に。
 ――それだけ?
 耳元で誰かが意地悪く楽し気に囁いている気がした。
 ――あの人の部屋についたら、もっといっぱい犯して貰えるんでしょ? もっと、時間をかけて、ちんぽで突いて貰えるのよ?
 白い内腿に垂れている白濁液が、ぬるぬると内股気味になってしまう肌を滑らせる。乳首が痛い位に硬くしこっている。しゃがみ込んでしまいたい位に恥ずかしいのに、何故自分はのろのろと歩けてしまうのだろう。
 一歩進む度に処女喪失から六度目の膣内射精で泥濘んでいる膣奥からは夫以外の男の精液が溢れていく。膣内がじんわりと熱い…牝肉で感じる射精の瞬間も精液の感触もすぐに憶えてしまった美幸はとんでもない淫乱の素質があるのだと、教え込まれた。違うと、何度も首を振りたくなった。熱い。膣内が、堪らなく熱い。射精後もとても猛々しい肉槍で丹念に塗り込まれた精液が膣を火照らせ、そしてじっくりと栓をされて溜め込まれた精液の感覚は、美幸に深く牝を実感させていた。昨日は五度も膣奥で射精されたのだから、もしかして男の精液は子宮までたどり着いてるかもしれない…いや、恐らく、溜め込まれた。それは牡と牝として自然な事なのだから。
 小道を抜ける風に、ぶるっと美幸は肌を震わせる。
 恥ずかしい、消えたい位に恥ずかしい。
 身体の、熱さが。

Next 122『カーテン』
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