2019余所自作38『出来ないおねだり』

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 休憩がてら少し微睡んでは、抱かれ続けていた。
 処女喪失してから1日半足らず、少し出血は収まってきているのは有難いけれど鈍痛は簡単には抜けてくれない。そもそも多分公孝のモノは大きいから処女でなくなっても負担は大きいのだと思う…それなのに。
「あ……っ…、ぃゃ……っ、だめぇ…っ…もうだめ……ぇっ」
 くちょくちょと音を立てさせて公孝の指が私の膣口を撫でる。あからさまな音と私の乱れた息遣いと声だけが広い部屋に籠もるのが堪らなく恥ずかしい。それに、明るい。もう夜明けでホテルの高層階は金色の日差しがもう差し始めていて、背後の公孝に支えられベッドの上で大きく脚を開いている私の下腹部で、公孝の指がぬらぬらと光を弾いている。何度も二人で入浴しているけれど膣内まで洗っているのに私の膣内は乾く間もなく愛液と…公孝の精液や先走りでぐちょぐちょに濡れさせられていた。信じられない。一日半前まではこんな酷い濡れ方なんてしなかったのに、まるで自分の身体が作り変えられてしまったみたいに、いやらしく、そして公孝に溺れて悦ぶ様になってしまっていた。
 膣口をそっと撫で回されながら背後から公孝に耳朶を甘く噛まれる。嫌いやと哀願が零れてしまうのは恥ずかしさからだった。――先刻まで公孝の長大なモノを受け入れていた膣は綻んでいて、人差し指なんて簡単に受け入れてしまえるだろう…自分の膣口が公孝の形に合わせて弛んでいる事実が堪らなく恥ずかしい、きっと、いや、絶対にこの人はそれが判っていて、だからこそ私の膣口を指先で執拗に撫で回して、そして時折少しだけ指を潜り込ませる。
「あ……っ」
 ぶるっと身を仰け反らせる私の乳房を公孝のもう一方の手が揉みしだく。やるせない。恥ずかしい。私の膣がこの男のモノの形に変えられているのを何度も実感させる様な指遣いは、優しげだからこそ、堪らなく恥ずかしい。
 公孝のモノは大きいから挿入されただけでもう強烈な刺激であり優しいセックスには為り得ない。それなのに、私は、それに既に溺れてしまっているなんて…気付かれたくない。それなのに……。
「公孝……っ、ゃ……ぁっ、それ…がまん……できない……っ」
「何の我慢?」
 人差し指の先を膣口にほんの少しだけめり込ませながら柔らかく問いかける幼馴染に、私は思わずその逞しい両腕に爪を立てて身悶えてしまう。内腿が小刻みに痙攣してシーツの上で腰がゴム鞠の様に上下に弾み、そして膣口からとろりと愛液が溢れて、公孝の指をぐびぐびと膣口のくねりが扱き上げて蠢くのを感じながら、私は喘ぐ。気持ちいい。確かに気持ちいい。でも、これじゃない。もどかしい。――でも、それをおねだりするのは、恥ずかしくて出来ない。
 きて。お願い。きて。
 背後の公孝のモノがお尻に当たっている。何度も膣内射精しているのにまだそれは衰えを感じさせなくて、その底なし具合がどこか怖いし奇妙に思うのに…堪らなく頼もしくて素晴らしいと思ってしまう自分が恥ずかしくて、それなのに意識がそこと指から離れられない。怖い。いやらしい女に変えられてしまうのが怖い。でも、それ以上に、欲しかった。
 公孝の指のリズムに合わせて身体が淫らにくねり、乳房が金色の陽光の中ぶるんぶるんと弾む。目に映る、公孝の腕。私の肌色よりも少し健康的に浅黒くて筋肉質で…素敵だな、と欲情で朦朧とする頭の何処かでうっとりとしてしまう。指が嫌いなわけではなくて、指も好き、上手な接吻も好き、広い肩も、着痩せする胸板も、声も、全てが好き…だけど、何もかもを支配してしまうその象徴は、いや、存在そのものが、ほんの少し、怖い。
 昨日のベッドメイク後からずっと絡み合っていたベッドのシーツは湿っていて、その中でも私の腰の下は湿り気程度ではなくはっきりと粘液を吸って重く色を変え…陽光の中、ねっとりと光を弾いている。愛液と精液、公孝が、私を少しでも気に入ってくれているかもしれない証。でも怖い。私はこんなに公孝の事しか考えられないのに、公孝は、どうなのだろう。
「公孝……、おねがぃ…か……かわい…がって……」

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