2020余所自作67『獣のように』

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 もう季節は秋。夏場はきっと海で遊ぶ人達はいた…だろうか?海水浴場から離れた岩場の影で舞衣は喘いでいた。
 繊細な面持ちに似合う可憐な少女の様な甘い喘ぎ声ではない。それは野獣の様なあからさまな声だった。乳房と腿はむっちりと熟れている舞衣の身体を、男が背後から犯している。駐車所すらない道端に停めた車からこの岩場まで、所々に舞衣の服が落ちているだろう。まるで野獣に襲われたかの様に無残に引き千切られながら服を剥ぎ取られ、そして漸く立ち止まったと思った途端にこの場で舞衣は背後から貫かれた。牝肉は既にたっぷりと濡れていた。男のモノの先端からも夥しい先走りの汁が垂れていた。それでも苦しい。当然だろう、男のモノは舞衣の細腕と同じ位か…いやそれよりも太い。いつも挿入までに時間をかけてよく解してから挿入されていた剛直を一気に膣奥まで突き挿れられた瞬間、舞衣は失禁しながら達してしまっていた。
 もう秋だが綺麗に晴れた空は青く高く、海も心地良さげに波打っている。これで気温と海水温が高ければ絶好の海水浴日和だっただろう。だが秋の平日の岩場は人の手の入っていない自然そのものの光景であり、その中で舞衣は立ったままの全裸を海へと晒したまま、男に両手首を取られ淫らな熟れかけの牝の痴態を見せつけるかの様に犯されていた。
「お…おチンポ……いいっ!おチンポ気持ちいぃ……っ!」
 この男に犯されるまでは考えもしなかった名称を何十回何百回と言い聞かされ復唱し、やがてその名称以外は頭に浮かばなくなっていた愛しい肉棒のもたらす快楽に舞衣は繰り返し大声で繰り返してしまう。初めて交わったのは1年程前でそれからは週に1度は、いや隙あらば交わり続けていた。最初は戸惑いながらの逆上せた幼い恋心だったものが1カ月前まで色々と変化していった。男の底無しの性欲に従順に従っていた半年、徐々に男の性癖に染められ恥辱の調教を受け入れた半年…そして一カ月前にそれが周囲に見つかってしまった結果の急な別れ。噛み跡も平手の痕も縄の痕も何もかもが消えていく中、舞衣は不安に囚われ続けていた。強い性欲と強烈な性癖の主は自分がいなければ他の女性を見つけて満たされてしまうのではないかと常に不安が付きまとい、そして自慰でも満たされない日々。見るに見かねた舞衣の友人がどうにか連絡を取ってくれた遠い土地へ向かい、そして、都会時代は超一流企業勤務だったのが嘘の様な鄙びた田舎駅のロータリーで男の車に乗ってたった十数分後に、ここにいた。
「お前はチンポの事しか考えられないのか?」
「すきぃっ!あが……っ!ふと……ぉ…いっ、すきぃっ、すきなの……ぉ!」
 がくがくと震える舞衣の全身から汗が滴る。秋風は冷たい程ではあるが男の杭に深々と刺された蜜壺を中心に足の爪先まで狂おしい熱が広がり、結合部だけでなく素足の指の股までもがぬるぬると濡れていく。激しく喘ぎながら舞衣は目前の海の光景に視線を向ける。所々小島が見える。目を凝らせば遠い陸地も見える。都会育ちの舞衣の知っている夜の公園やビルの影や公園のトイレや駅の地下通路や電車内などと違う誰も訪れそうにない場所であったが、それがまるで野生の獣か原始の人間になってしまったかの様な異常な昂ぶりのスイッチを入れた。男に細いうなじを噛まれながら、背後からの突き上げに牝肉が内腿がびくびくと激しく痙攣する。見られたくない。見られてもいい。男にいやらしい牝だといつも噛まれている豊かな乳房を田舎の人間に見せつけてしまいたい。怖い。本当は見られたくない。今は噛み跡がない。男に支配されている印がない。
「噛んでぇ!もっともっと噛んでぇっ!舞衣のおっぱいも首もおしりも全部噛んでぇっ!」
「おチンポはもういいのか?」
「や……!やめちゃ……やあっ!舞衣のいやらしい牝豚のおマンコ…ぉおあっ!おくっ、ぐりぐり…きもちいいいっ!お兄ちゃんのおチンポ専用の舞衣のおマンコに…精液いっぱいくださぁ……い!いつもみたいに…あっつい精液をいっぱいくださぁいっ!でもでも噛んで!舞衣、お兄ちゃんのものだから……ぁ!」
 ぱんっぱんっぱんっぱんっと激しいリズムを刻む男の腰の打擲に合わせるかの様に舞衣の乳房が前後に激しく暴れる。――確かに高校入学した当時から少しいやらしい身体つきだと自分でも思っていたが、今ではもういやらしい牝の身体としか思えないし、見えない。執拗に男に揉まれ続けた乳房は可愛らしい日本製の下着ではもう収まりきらないたぷんたぷんと淫猥に揺れる牡好みの重量感のあるものに変わり…そして舞衣に植え付けられた歪んだ性癖は自慰だけでは抑えられないものとなり、男がいなくなって数日で密かに色々と試してしまっていた。
 下着なしで満員電車に乗り、男達の視線が硬くしこって薄いニットに浮かび上がる乳首と乳輪に注がれるのを感じ、ホームではわざと切符を落とし肩幅まで足を広げてからそれを拾ってみたり、男性用トイレの個室に忍び込んで自慰に耽り自室では得られなかった刺激に溺れ二穴を弄りまわしたり…だが最後の一線を舞衣は越えられなかった。いつも男の支配を最後は求めてしまう。昂りきった自分を叱りつけながら犯す男の不在に不安を覚え、他の男に弄ばれかけても逃げ出して泣いていた。
 例えばその辺りから船が出てきて漁師に見られてもいい。犬でも、ドライブ途中のカップルに見られてもいい。眉を顰められてもいいにやりと笑われてもいい、男に犯されながらなら何でもいい。こうして犯されるのがいい。
 自分がもうどうすればいいのかが判らない。男はこの土地に呼んではくれなかった。男は訪ねてくれもしなかった。
 自分も…思う。この土地は何もなくて、住むとはリアルに想像出来ない。
 もっともっともっともっとと餓鬼の様に強請りながら何度も絶頂を繰り返す舞衣に、男は何度も膣内射精を繰り返す。いつもそう。行為の後は舞衣の性器は男の形にぼっかりと形を変え、そして膣奥まで…もしかしたら子宮内まで男の精液が満たしていたのではなかろうかと思う程の大量の精液が溢れる。まだ高校生なのに。人の妻として人の母として生きるには覚悟のないまま、舞衣の身体と精神は男のものに変えられてしまっていた。ましてや、実の兄の妻にはなれないのだから。
「また射精するぞ、舞衣」
「来て……!舞衣の膣内にあっつい精液……どぶどぶ出してお兄ちゃんの素敵なおチンポ狂いのいやらしい牝犬おマンコの舞衣にご褒美くださぁいっ!」
 これだけでいい。
 男に支配されている時だけしか考えられない。
 どぶっと膣奥ではぜる精液の飛沫に深い絶頂に押し上げられて絶叫する舞衣のうなじに強く突き立てられた歯に滲む血を、男の舌が舐めた。
 激しい性交の後だけ、意識が遠のきかけている時に男は抱き締めてくれる。まるで唯一の宝物の様に腕の中深くに封じ込める様に、苦しくなる程強く。
 何故許されないのだろうか。これほど……、

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FAF202010082230

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