『真夏日とセーラー服(仮)』遠雷09

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 自分の物ではない、そう、誓って自分の荷物ではない。そう叫びたい少女の顔が青ざめ、全身ががくがくと震え出す。
 鞄の中から取り出された見覚えのある幾つものバイブレータと、そして大きなタブレットが一つ。学生証や着替えはなかった…だがそれが救いだとは少女には考えられなかった。
「――えらい荷物だな」
 呆れた様な警察官の声に顔を隠して蹲りたくなっても、香澄の手は後ろで縛られたままで自由にはならない。自分の荷物ではない、何の為に男達がこれを残していったかも判らない、だが、悪意だけは伝わってくる…何の意味かは判らないが……。
【ぁんっ……、あんっ!はずかし……ぃ……っ…おしりも……ぉ…おまんこも……ぃい…ぁぐっ……!はげしくしちゃ……やあぁん…っ】
 警察官がタブレットの電源を入れた途端に、追い詰められきった、だが甘くいやらしく快楽に溺れきった牝の嬌声が交番内に大音量で鳴り響いた。最大音量なのか音が割れる程のそれを警察官が慌てて下げようとするものの、それでも嫌でも聞こえてくる程度の音量よりも落ちず、そして、動画再生は終了しなかった。
「これU駅じゃないの?」
 不快そうな表情でタブレットの画面を見ていた警察官の声に香澄は弱く何度も首を振る…両手が使えるのならば耳を塞ぎたいが、両手を後ろに封じられている少女にはそれすら出来ず、容赦なく自分自身の喘ぎ声に己を辱められてしまう。ぐちょぐちょと忙しない抽挿音と男達の荒い息遣いが聞こえ、早朝の駅のホームでの前後同時に貪られる感覚が蘇り、自然と香澄の膣と窄まりはその時の蠢きをなぞってしまう。嫌いやと小さな声で繰り返す唇が震え、警察官に、無関係の人間に恥辱を知られる絶望感に目の前が暗くなり、そして身体中が敏感になっていく。
 今はまだ胸を絞り出され後ろ手に縛られている上に浴衣の前は全て肌蹴たままなのである。乳房も乳首も下腹部も全て露わで無数の唇や歯の痕も無毛の丘も薄暗い蛍光灯の下で照らし出されている。その場に屈み込み後ろを向いて隠したい…だが警察官の職務を妨げる事は出来ない、ただでさえ氏名すら黙秘しているのだからこれ以上は迷惑をかけられない。――そう自分に言い聞かせる少女の膣口がやわやわと揺れ、そして愛液がとろりと溢れていく。
「ずっとこんな事してるの?ほら、ちゃんと確認して」
 タブレットを見る様にぐいと肩を引かれ香澄の上半身が事務机の上に乗せられた。ひやりと冷たい事務机に顎から乳房と腹部が重なり息を詰まらせる香澄の目の前には大判のタブレットがあり、そこには全画面表示で香澄と判る少女が二人の男に挟まれ、膣と窄まりを犯されている姿がはっきりと映し出されていた。自分では見る事の出来ない局部の拡大動画に少女の顔が熱くなる。赤黒い幹が至近距離にある二つの孔をずぶずぶと貪っている…痛々しい筈の光景だがそれが痛々しいだけでない事は少女自身が判っていた。ぞくぞくとざわめく妖しいもどかしさと恥ずかしさに涙が溢れ、香澄は唇を震わせて喘ぐ。
「これ避妊具着けていないんじゃないの?」
「……。は……はぃ…、着けて…いらっしゃいませんでした……」
 窄まりの側には装着してある避妊具と、膣を犯す生の幹を指差されての問いに香澄は嘘をつく事すら考えられずに震えながら答える。画面の中では香澄自身が身も世もなくよがり狂い男の間で達し続けている。ぞくんと全身が震え、事務机突っ伏したまま浴衣を貼り付かせている腰がひくひくと揺れる。合わせた膝がもどかしく揺れ、後ろ手に縛られているその指が宙を掻く。
「じゃあ膣内射精させちゃってるの?」
 タブレット内の自分の喘ぎ声と警察官の声が頭の中で反響し、香澄は熱い息を溢れさせる。望んでいない、決して自ら希望して全員の精液を膣奥に浴びせられてはいないのだ、ただ自分には拒否権がないだけであり、好きで犯されてはいなかった。事務机に顎を乗せさせられたまま香澄は弱く首を振りたくり、小声で警察官に訴える。
 操作出来ないタブレットの画面で執拗に、長々と、凌辱の光景が少女の目の前で流され続ける。ホームでの絶頂の後、通路の陰での悍ましいバイブレータが抜けない様に、そう、抜けない様に直している自分の姿と喘ぎ声に、虚ろに香澄は机の上に置かれたそれを見つめてしまう。電車内で与えられあの駅で自分を責め続けた肉色の極太のバイブレータ…凶悪に張り出している猛々しい鰓や幹に浮かび上がる大きな瘤、底の鈴、引き出す為の輪、間違いなくあの責め具だった。ぞくっぞくっと腰の奥から爪先まで妖しい甘い疼きが波の様に引いては押し寄せ、思わず瞳を閉じる香澄の腰が無意識に事務机の角に押し付けられ、前後に揺れ動く。
「――つまり、残留物の採取もしておいた方がいいね」
「ぇ……?」
 呆けかけた思考で警察官の言葉の意味を考えようとした香澄は、不意に浴衣の裾を捲り上げられ身体を強張らせる。
「ちょっと何角オナニーやってるのさ…ビデオでムラムラしちゃっても汚すのはやめてくれよ」
「ぇ……?きゃ…!な、何……」元から非力な上に力が入らない身体を片膝ずつ事務机の上に乗せられ、気付けば香澄は事務机の上に上半身を突っ伏して両脚を大きく開いて腰を高く突き出す体勢へと変えられてしまう。しかも浴衣は捲り上げられ後ろ手の上に乗せられ、ウエストから下は一糸纏わぬ姿である。「ゃ……あ…っ」
「机汚して何言ってるの」
 机を汚しているつもりはなかったがその言葉と恥ずかしさに机の上で震える香澄は、脇に置かれた幾つかの円筒形の容器に気付くのが遅れた。
 不意に、つぷりと何かが膣口から挿入された刺激に少女の全身が机の上で跳ねる。
 太くはない、指程度ですらない、細く硬い何かがずるりと膣に挿入される異物感にすっと血の気が引き、香澄の全身が強張った。何だろう、細く頼りないが、確かに何かが挿入されぐりぐりと前後左右に操られる感触に、不安が込み上げてくる。
「力抜いてて」
「は…ぁああうっ!」
 その言葉の直後、窄まりにも同じ様な物を挿入され、香澄の背が反り一段と高く腰が突き出される。思わず振り向く肩越しの視界には高く突き出した白い双丘が見えるものの、二つの孔に差し込まれているであろう細長い何かは角度的に映らない。
「採取してるだけだから気にしないでいいよ。この程度なら痛くないでしょ?」背後に立つ警察官が手を動かした瞬間、窄まりをこそばゆい刺激が一撫でした。指とも舌とも男性のそれとも違う細い何かが窄まりの皺の一つ一つに引っかかっては乗り越え回っていくそれは痛痒感に近く、少女の白い肌が鳥肌立つ。「こっちは残留物ないよね?」
 まるで珈琲カップのスプーンを回す様な自然な仕草に警察官にとっては日常的な検査なのだろうと思おうとしながらも、恥ずかしさに後ろを見続ける事も出来ず前を向く香澄の瞳に、明るい陽光の下、三人同時に犯されている自分の姿の動画が再生されているタブレットが映る。何処だろう。咄嗟にそれを思い出せない程に当たり前に二人同時でも三人同時でも犯されている自分を思い知らされ、くっと涙を堪える香澄の腰で、警察官の手に逆らう様に膣と窄まりの蠢きに操られる棒が動き、そして強引と呼ぶには僅かな動きでまた襞の一つ一つが捲られもどかしい疼きを募らせていく。採取にはどれだけの時間が必要なのか、どこをどう採られればいいのか解らない少女は、交番の事務机の上で剥き出しの腰を高く突き出させられたまま、執拗に窄まりを捏ね回す細い棒の齎すむず痒さを堪えるが、その身体の疼きをそのまま伝える様に窄まりの真下で膣内に挿入された同じ棒がまるで意志を持っているかの様にぐびりぐびりと淫らに動き、たかが細い棒一本で弄ばれているだけでしかない物足りなさを訴える愛液が溢れ、薄汚れた交番に牝臭が籠もっていく。
「――で、残留物は、あるの?」
「ざ…ん……?」
「精液だよ」
 警察官の問いに、びくりと少女の腰が跳ねる。
 タブレットの中の少女は男三人に囲まれ脚を開かされ、今目の前にある凶悪な、男性器に非常によく似た、極太の、猛々し過ぎる凶暴な鰓と、これだけは肉体と異なる幹の幾つもの瘤がぼこりぼこりと不気味に隆起させた悍ましい責め具で犯されていた。自分では見る事が出来ない程の至近距離で、鴇色の粘膜の底にある秘めるべき場所に、赤黒い凶器が力強く捩込まれていく。幹の瘤がぐぼりと盛り上がっては沈み、他の瘤が同じ様に隆起する…ただでさえ太く猛々しい幹が更に膣内で瘤を暴れさせる感覚が蘇り、香澄は鳴く。今は膣内にそれはない、それはないと判っているのにまるで今膣内を犯されているかの様に身体が火照り、牝肉がうねうねと波打ち内腿が震えてしまう。それなのに操られているのは窄まりの細い棒だけであり…いやそこも堪らなくもどかしく熱かった。綿棒程度の細さだろうか、男性のそれより、指より、舌より細やかな挿入物に、身体が疼く。警察官の採取におかしな意味はないと判っており、邪な感覚など憶えてはいけないと律しようと思う少女の白い腰が、交番の事務机の上で前後に揺れる。
「膣にもアヌスにも精液あるの?ぶち込まれてるの?」
「ゃ……ぁ…、ぁううう…っ……は…、はぃ……ぁぅぅ…っ……おしり……の…はぁ…うっ…おしりに、だしてっ、いただいて…ま……す……ぅっ」
 外は雨が止まず引き戸も開け放ったままの湿度の高い交番内は山間の為か夏の夜にしては気温がさして上がらず、過ごし易い温度の中、少女の柔肌がしっとりと汗ばむ。
「何人ぐらいに出されてるの?」
「五…ごろにん……くらい……」
 目の前のタブレットの中の責め具の抽挿と温泉街に入る前の森と渓流での凌辱が少女の中で混ざり意識が朦朧としてくる。氏名と住所と電話番号だけは絶対に口にしてはいけないと誓う部分以外が砂糖菓子の様に崩れ溶かされていく感覚に堪えようとする少女の窄まりをねちねちと細い棒が捏ね回し続け、時折引き抜かれかけては棒の先端の膨らんだ部分が内側から窄まりを刺激し、そして再び奥へと挿入されては襞を捲り続ける。
「辛かったでしょうそれは。やめてって言わなかったの?」
「……」
「それとも、よかった?」
 警察官の問いにびくっと香澄は震えた…その問いの瞬間、軽く達しかけていた。アナルセックスで達したなど普通の少女が言える筈もない、しかもここは交番で、警察官の質問で、そんな変態の様な悍ましい行為で悦ぶなどといった異常な人間だと誰が言えようか。羞恥に頬が熱くなる少女だが、問いの瞬間、窄まりが妖しく蠢きもぞもぞと広がりそして縮込まっていた。渓流でも同じ様な体勢を取らされている。あの露天風呂の上流か下流か、渓流を隔てた場所に同じ様に観光バスなどが行き交う道路がある岩場で、ハイヒールだけの全裸で…転びそうな足元に必死で他に構う余裕がないから仕方なかったのだ、岩に手を突いて堪えるだけしか出来はしない、全身を雨に打たれながら、また対岸で誰かが見ていると教えられながら、何回も何回も気持ちいいと連呼して卑猥な名称を連呼させられ、自ら腰を動かし強請らされ、御褒美に連続で絶頂を与えられ鳴き叫んでも。
 目の前のタブレットの中の少女の膣口は執拗な抽挿に泡立った愛液と精液に塗れていた。ぐぽっぐぽっと突かれ引き抜かれる度に妖しい音が聞こえる。音量が大きい。喘ぎ声を必死に堪えているから抽挿音がはっきりと聞こえる。腰が前後に揺れ、粘液塗れの極太のバイブレータが凶悪な瘤を暴れさせながら膣口から引き戻され、押し込まれていく。
 唇が動く。鳴き声か、問いの答えか、とろとろと熱く蕩ける意識が答えていく。警察官の問いなのだから市民は答えなければいけない、氏名等以外ならば、答えていい筈だった。
 何故、今あの処女を失った…奪われた人の事を思い出すのだろう?最初の体位?どんな場所?昨日の事の上、あの出来事を忘れられる筈がなかった。でも思い出したくない、触れられたくない、重過ぎる、苦し過ぎる、残酷な記憶。触れられたくない。逆らいながら、だが引きずり出される記憶。可哀想と言われる事なのだろう…初めての人、初めての膣内射精の感想?何故?初めてセックスでいけたのは何時か?『初セックスで教えてくれるなんて小父様に感謝しようね』感謝?感謝すべきなのだろうか?無惨なだけよりは、いいのだろうか?判らない。
 唾液が垂れて、顎の下で僅かに溜まっていた。
 全身がびくびくと震え、もどかしさで頭の中が焼き切れそうな感覚の中、不意に香澄は下腹部の灼熱感に我に返る。
「ぁの…洗面所を……お借りできませんでしょうか……」
 死にたくなる程の恥ずかしさだが何とか言えたのは相手が警察官だからだろう。ましてや交番で好き勝手に歩き回るのは躊躇われた。
 気付けば全身が汗に塗れ、高く突き出した腰の内腿は膝までねっとりと潤滑液で濡れていた。身体中が熱く、そしてもどかしい。だが性的なもの以外の肉体的欲求の方が今は強く、気恥ずかしさに縮込まりたいが蕩けた身体は妖しくもぞもぞとしか動かない。
「ん?ああ…じゃあこれに出して」
 警察官が引き返し別室から持ってきたのは洗面所への鍵や縄を切る鋏ではなく、紙コップだった。
「え?あ…あの……洗面所…あの……御手洗いをお借りしたいのですが……」
「だから、これに出して。話聞いていると随分怪しい事しているから尿検査もしておこう」
「え……?」
 尿検査と言うものは健康診断などで判るが何故今必要なのかが判らず戸惑う香澄は徐々に切迫する生理的欲求に身を捩る。事務机の上に突っ伏している乳房は何故か既に汗に塗れ、俯せで潰れる乳房が僅かに浮いて沈むその下で溜まった汗がぴちゃりと鳴った。
「当ててあげるからどうぞ」
 何の問題もない様な自然体で大きく脚を広げたままの香澄の下腹部に紙コップが押し当てられ、少女は焦る。肩幅よりも大きく膝を突いている体勢も高く突き出した腰も何もかもが恥ずかしくて仕方ないが、生理現象はそれとは次元が違う気がした…男達ならばまだしも、警察官は彼等の様な悪意もない純粋な第三者である。
「あの…一人で出来ます……」
「構わないよとっととやっちゃって」
「でも……っ」
「検査だからね下手に誤魔化される訳にはいかないの。――それとも何か後ろめたい理由でもあるの?」
 警察官の言葉に香澄は返答に窮して息を詰まらせる。もしかしておかしな薬物等の使用を疑われているのかもしれない。足湯での行為は痴女と勘違いされてもおかしくはないから、飲酒や最近は若い人の間でも違法に使用されている薬物を疑われている可能性はある。ましてや香澄は実際に飲酒を強要されているのだから警察官の予想は外れてはいない。未成年の飲酒はどれだけ罪が重いのだろうと不安になる少女は、そろそろ限界になる感覚に強張った。
「あ…の…っ、やっぱり一人で……っ」
「往生際の悪い子だね」
「せめて見な……きゃ……っ!」
 下腹部に紙コップを当てられたまま不意に腹部をぐいと押され香澄は悲鳴を上げてしまう。薄い腹部を探る様に押す警察官の手は汗で滑り、手を汚してしまう罪悪感に何か言葉を続けようとした次の瞬間、下腹部近くを押されて少女はびくりと固まり、そして細い棒を挿入されている二つの孔のすぐ近くから熱い液体が迸る。
「見ない…で……ぇっ!」
「見えてないよ。カップにじょぼじょぼ溜まってくのが判るだけ」
「いやぁ…っ……ぃゃぁ……っ」
 まるで野良猫を往なす様に腹部を押しながら撫でる警察官に、せめて少しで済ませようとしている失禁が止まらなくなり、雨音の中明らかに異なる水音が少女の後方で容赦なく続く。現行犯なのだから警察官も手心が加えられないのだろうか、鳴き咽ぶ香澄の目の前でタブレットの中の画像が変わり、少女は引き攣った悲鳴をあげる。
 少女の凌辱画像なのだからどこも見覚えがあって当然だった。だがそこは、その相手は、伏せなければならない人達であり、もしも手が動かせればすぐさまタブレットを裏返してしまわなければいけない画像に、失禁すら忘れて香澄はせめて顔で隠そうと事務机の上で前へ進もうと身を捩る。
《小早川……っ》
 少女の苗字を彼等が連呼するからではない。彼等は男達の様に顔を撮さない配慮も為されずに顔も声もはっきりと収録されてしまっていた。タブレットの大きな画面の中、駅の広めの洗面所で前後から香澄を犯し続ける彼等は、香澄の同級生達だった。

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201906162227

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