『真夏日とセーラー服(仮)』驟雨・続04

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 ウエスト部分を折り返してある短いスカートはその裾も何カ所かをウエストに捩込まれて腰の大半を剥き出しにされ、セーラー服はたわわな乳房の上まで捲られた形で留まり、香澄の白い身体は大勢の男達の目の前で秘めておくべき場所を全て晒されていた。
「――ぃや……ぁっ!」
 射精中の男の熱い飛礫を喉奥に浴びていた香澄は、頭を押さえ込んでいた男の手の力の僅かな弛みに無意識に逃れようとして頭を引く。口内を犯していた赤黒い幹がぬぽりと抜けつつもまだ射精を続け、濃厚な精液が少女の顔に勢いよく浴びせられた。ボックス席の通路側の男の腰に顔を埋め、正面の座席に片足を乗せられもう一方の脚は高く掲げられている少女は放尿をしている犬の様な不安定な体制に頭を引く以上の動きが出来ず、至近距離からの射精を清楚な風貌に浴び続けるしかなく、大勢のぎらつく好奇の視線に顔を逸らす。
 やがて精液の残滓を絞り出して頬に塗り込んだ後、男は精液に塗れた香澄の上半身を二人掛けの座席の窓側へと転がした。
「ホームでオナるだけあって相当な淫乱だな」
 セーラー服のスカーフを引き抜き、ようやく勢いを失ったモノを拭い汚れた布を座席に落とした男は興味が無くなったかの様に座席を立ち、密集している他の男達をすり抜けて隣の車両へと移動する。
 男の居なくなった座席に誰が割り込むか、僅かな迷いの空気が漂う中、消えたくなる羞恥に項垂れる香澄はぐじゅりと膣内で動いた青年の指に全身を跳ねさせる。精神は残酷な辱めに嘆いていても、膣内をぐちょぐちょと掻き乱す青年の指に一気に煽られた身体は反応し、香澄は座席の上で声だけはかろうじて抑える淫らに蕩けた顔を晒しつつ首を振りたくる。乳首を尖らせ切った豊かな乳房が劣情の視線の先で大きく跳ね、愛液をたっぷりと溢れさせて抽挿を受け入れる膣口も、刺激を求めるかの様に艶やかに露出するクリトリスも全てが見せつける痴態としか映らないであろう姿が陽光を浴びていた。電車の揺れの中、薄い腹部と内腿がびくびくと痙攣し、細い腰が前後に跳ねる。
 ぐいと香澄の身体が引かれ、更に通路側へと大きく脚を開いた形へと向きを変えられた。窓側の座席に頭と肩を預けたまま左右に脚を開いたその中央で、青年の指が大胆に艶やかに濡れる鴇色の粘膜の孔にぐぽりと捩り込まれては引き戻され、香澄の腰が前後に泳ぐ度に乳房が弾む。
《香澄ちゃん、おっぱい揉みなよ》
「ゃ……ぁ……」
《乳首抓られるのも力任せに捏ねられるのも大好きだよね。いやらしい揉み方しないと…同級生の童貞卒業動画、ネットに流すよ?》
 びくりと身体を震わせた香澄の呼吸が止まる。自分が巻き込んでしまった同級生達はどうなるのだろうか、男性側も特定されて迷惑が及ぶのか、やはり恥ではあるのか、秘密にしないといけないのは判ってもその恥や問題の性別による違いが香澄には判らない。しかし、彼らを出来るだけ守らなくてはならない事だけは、少女には判っていた。
 おっと驚く周囲の声の中、香澄は羞恥に顔を歪めながら両手を乳房に当て、揉む形に動く。
「――……ぁ…あ!」
 自らの指が乳首に触れた瞬間、香澄の全身が大きく跳ね、そして細く白い指が豊かな乳房に食い込みねっとりと動き出す。片方は乳房を荒々しく捏ね回し、もう一方は初々しくも卑猥に尖る乳首を潰さんばかりに抓りながら身体をくねらせる香澄の腰は、青年の指を更に求める様にぐびりぐびりと蠢き夥しく愛液を溢れさせていた。
 命令に従わなくてはならない。そう考えていた少女の思考が乳首の刺激に弾け、降り注ぐ陽光がホテルの窓から注ぐものと重なる。執拗な辱めの言葉と同時に突き上げる太く逞しく硬く熱いモノが処女を失ったばかりの膣を穿ち、大きな手が乳首を抓り乳房を叩く。父親の知人に犯され熱い精液が注がれ続け、処女を奪われた痛みが淫らな奔流に変わっていく。
【たかが指で満足出来るかね?】
 答えたくない問いが執拗に繰り返され、答えられなければ身体中を抓られ叩かれ膣奥を激しく突き上げられ、答えれば答えたで猫撫で声で淫乱と罵られながら犯された。悍ましい記憶が頭の中で弾け、真っ白になった香澄の頭の中で男の声と辱めが反響し、全身ががくがくと激しく震える。まるであの男の動きをなぞる様に少女自身の手が荒々しく乳房を揉みしだき、嗜虐の視線を注ぐ乗客達の目の前で柔毛のない下腹部が指を深々と咥え込まされたまま前後に激しく揺れた。通話機越しの指示よりもこの場にいない男の声が頭の中で反響し、香澄を卑猥な命令と蔑みの言葉で支配し淫らによがり狂わせる。あれはオークションでの一度きりの行為なのだからもう二度とあの男に犯される事はない筈だが、あまりにも残酷な処女喪失が精神的外傷となっているのか、まだ一日と経っていない為なのか、少女の身体中が男の身体の余韻に絡め取られ燻り卑猥な自慰がエスカレートしていく。
 発情に蕩けながら泣きじゃくる香澄の顔に、自ら荒々しく揉みしだく乳房に抓り上げる乳首に、青年の指が激しく突き挿れられる膣口とその上で自ら捏ね回すクリトリスに、大勢の男達の獣の様な視線が絡み付き、ぐちょぐちょと夥しい愛液が攪拌される淫猥な音は電車の走行音に辛うじて消えるか否かの大きさで座席に篭もり、十七歳の内気な少女の牝臭と精液臭が華奢な腰が前後に跳ねる度に恥知らずに振り撒かれる。
「ゆるして……ゆ…るして……くださ、――はあ…んっ、おじさま……おじさまぁ……っ」
 挿入されている指にあの凶悪な偉容が重なり香澄の腰がかくんかくんと前後に振りたくられる…だが所詮は指は指に過ぎず少女を失神させる程の強烈な刺激を与える事はない。全身が砕けてしまいそうな激しく頼もしい牡の一撃は今は与えられない、小声ながらも衆人環視の中で恥知らずにそれを求めていると判らないまま香澄は首を振りたくり全身でよがり鳴く。だがその痴態は一対一の寝室で見せれば男を悦ばせるものであっても、公共交通機関の中ではあまりにも大胆なもの過ぎるのであろう、香澄を取り巻く男達は離れた場所の他の乗客を意識してか誰も更なる辱めを行おうとはしなかった。
 もう駄目なのかもしれない。
 惨めな自慰に耽りながら香澄の瞳が欲情と絶望で虚ろに揺れる。もうこれ以上誰にも犯されたくない、迷惑をかけたくないと願っているのに、身体が狂おしい程に牡を求めてしまっていた。誰でもいいからこの疼きを鎮めて欲しい、ずぶずぶと犯して何度もなんどもいき狂わせて欲しい、一度で許されなくていい、いやずっと許されない方がいい、泣き叫んでも犯され続けて牡の獣欲を発散する為だけの牝として膣奥で喉奥で顔に乳房に身体中に精液を浴びせられたい。絶頂から抜け出せない膣に休みなしで代わる代わる突き挿れられて失神しても尚犯され続けたい。
 やがて窓を開けられている車内の隅で男達の食い入る様な視線に晒されたまま自慰に耽っていた香澄の全身から力が抜け、ぐったりと座席と床に崩れ落ちた。酷く惨めな虚脱感に、惚けていた顔が徐々に泣き顔に変わり香澄はほぼ全裸に近い状態のまま身を縮込まらせ声を殺して泣きじゃくる。
 がたんと車体が揺れ徐々に減速していく中、泣く香澄に男達の興が削がれたのであろう人垣が僅かに緩むのを感じながらセーラー服とスカートの裾を引き戻す。たくし上げているウエスト部分はそのままである為にスカートは辛うじて下腹部を隠せているかどうかで、薄地のセーラー服はつんと突き出す乳首の形と乳輪の鴇色をはっきりと浮かび上がらせていた。溢れる涙が精液と混ざりぽつりぽつりと胸元へ落ち、湿った生地に広がっていく。
 凌辱されずに済んだのは救いである筈なのに、陵辱するだけの価値すらないと侮蔑されているかの様な惨めさに香澄はボックス席の狭い床の上で縮込まる。あの男達が異常でこの男達が普通なのかもしれない…いやそうなのだろう、ホームでの自慰もあの日からの辱めの全ても異常なものであって嫌悪すべきものなのだ。そう考えながら少女は足元が崩れ奈落の底に落ちていく様な虚無感と、身体を支配する暗い疼きに泣く。消えたい。もう居なくなりたい。両親に合わせる顔もなければ、誰かに助けて貰えるだけの価値もない。どうすればいいのかが思い浮かばないのと同時に、自分を見下している男達がまるで異世界の生物みたいな理解不能な存在に感じ香澄は恐怖を覚える。自分の痴態を見物する汚さと自分を見下すその立ち位置は何なのだろう、皆帰宅すれば普通の家族なのだろうか。まだ香澄を辱める悪意がある男達の方が理解出来るかもしれない。
 かたんと大きく揺れた後、乗降扉の開いた音を聞いた瞬間、香澄は弾かれた様に逃げ出していた。
 強い陽光と重い雲の混ざった荒れる前の天候の人気のないホームに飛び出した香澄は、正面の線路に落ちそうになるのを避けて電柱に縋りつく。実際は機敏に走れてなどいないだろう。だが誰にも止められず、靴すら履かず、自分の行動を理解出来ずに呆然とする少女の背後で電車は発車していく。
 逃げ出してしまったと実感するまで呆然としていた香澄は、やがてずるずるとホームにへたり込んだ。

 下腹部と尻肉に直接触れるコンクリートの熱に慣れてきた頃、漸く香澄は周囲を見回した。
 乗り換えた駅よりも鄙びたホームには人気がなく、無人駅と言う言葉が少女の頭を掠める。中途半端な山間で遠くの民家らしい屋根が鬱蒼とした木々の向こうにぽつりぽつりと見えるだけで、駅前らしき要素はホームの外れで線路を渡った先の駐車場と最近はあまり見かけない公衆電話ボックスくらいしかない。だが、今はそれが救いなのかもしれなかった…この姿をそのまま晒す勇気は少女にはない。
 よろめきつつ立ち上がった香澄はホームの半ばにある水道を見つけ泣き顔のまま息を付く。靴を履いていないままふらふらと歩き、水道まで辿り着いた香澄はハンカチ等がない事が判りつつ顔を洗い始める。思ったよりも冷たい水を手で受け何度も顔を洗っていくと精液のぬるつきが薄れ、それが消えても繰り返し洗い続けた後、口を濯ぐ。
 きゅっと蛇口を締めてから香澄は一瞬迷った表情になる。贅沢を言えば全身を洗い流したいが、いくら無人駅でも開けた場所で全裸になるのは躊躇われ、濡らせて肌を拭うハンカチも手元にはない。取り敢えず顔と口を綺麗に出来ただけでも良しと考えるべきだろう。濡れた手と顔を拭う物がなく仕方なく行儀悪く振っただけで諦め、湿ったセーラー服のウエスト部分の巻き上げを直し、下着すらない姿であるものの僅かに少女の顔に安堵の色が浮かぶ。実際には何一つ先が見えてはいないが、それでも少しでも姿を整えられたのは有り難かった。
「……」
 そして線路の向こう側にある公衆電話を見つめ、香澄は立ち尽くす。
 どこに電話をすべきなのだろう。警察に通報するのは硬貨なしでも可能であり、そして相手先の支払いでの通話という手段が確か存在した気がするが、だが、自宅にかけていいのか、香澄にはその一歩が踏み込めない。もしも男達が香澄の画像を使い脅迫をすれば両親は限界まで自分を守ろうとしてくれるだろう…だからこそ両親を守りたかった。巻き込みたくない。――それがもうどの形にせよ無理だと判っていても、それでも少女はまだ踏み止まってしまう。
 耳の通話機は電波の圏外なのか沈黙を保ち、指示はない。このホームにいればいつかまた到着するであろう電車には男達が乗っているかもしれない。自分で行動を決められるかもしれない機会に竦みながら、香澄は公衆電話へと歩き出す。
 ホームの突き当たりにある踏切もない線路の横断帯と自動改札機の小さなパネルと柵だけの改札を抜けた香澄は、車が折り返す為だけの、駅前ロータリーと呼ぶには小さ過ぎる空間の隅の公衆電話の扉を開けて中に入る。
 炎天下の公衆電話ボックスの中は暑く、扉を開いたままにしようとして少女は俯く。周囲には誰もいないのだから話を聞かれる事はない、だが、誰かに連絡をすると言う事は自分の身に起きた事を話すのを意味しており、誰にも、虫にも、風にも、聞かれたくはなかった。パタンと扉が閉まり、サウナの様な熱気の公衆電話ボックスの中で香澄は目の前の公衆電話を見る。熱い受話器を耳に当て、そして香澄は凍り付く。
 警察に通報して、そこからどうなるのだろう。男達は警察にも仲間がいると言ってなかっただろうか?いやだがしかし警察官全員が彼らの仲間である事は有り得ない筈であり、香澄は保護して貰えるだろう…だがその先は?男達は憂さ晴らしに香澄の画像を無差別に自宅周辺に学校に父親の会社にばら撒くかもしれない、事件がTVに流れれば香澄の情報も晒されてしまうかもしれない。汚らしい保身かもしれない、でも何もかもが壊れてしまう可能性に受話器を持つ香澄の指が震え出す。先刻の電車の人々の様に誰もが蔑み遠巻きに見るだけかもしれないし、同情して知らぬ振りをしてくれるかもしれない。だが、両親まで惨めな思いをするのかもしれない。
 暑い公衆電話ボックスの中で香澄の全身に汗が滲み、耳に当てている受話器からの発信音に少女は項垂れる。懸命に考えている筈なのに何一つとして決められない。この心の弱さが親友だと思っていた少女を憎ませたのだろうか、香澄にとっては眩しく勝気で生命力に溢れていた彼女ならばどの道を選ぶのだろうか…山間の駅にまるで滝の様な蝉時雨が溢れ、電話ボックスの内部にまで押し寄せ反響し香澄は眩暈を覚える。そう言えば昨日から食事らしい食事を摂っていないが、食欲はない。このまま消えてしまえば楽なのだろうか……。
 不意に聞こえた電話ボックスの扉を叩く硬い音に、香澄の身体がびくりと跳ねた。

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201709292024

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