■自循論::生命観

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生命とは、有限環境下で自己を複製し続ける現象である。
生命とは、形や移動の自由度としての「空間」と、 変化方向や因果律の義務としての「時間」を基盤とした 一定かつ有限の環境や法則に依存し、またそれらを巧妙に利用し尽くし、 自己複製を図る現象である。 増殖する生命と、それを支える環境・法則は、表裏一体の関係にある。 環境が無ければ生命は存在せず、生命が存在しなければ環境は意味を持たない。
科学・哲学・純粋数学・経済学・文学などを含む全ての学問や、 更に芸術、神、宗教を含めた、その総体よりも、 人間の方が大きい。 そして、あらゆる意味において、人間よりも生命の方が大きい。
通常、人間は、「人間が知る範囲の生命」を生命と呼ぶしかないが、 抽象的な生命の定義、すなわち 『生命とは、一定環境・一定法則下で、形そのものが、 その複製を形作るプロセスを指示するもの。』 という考え方をベースに、生命と呼べるものを拡張することができる。