August 4, 2001
 最近、TWなどのトラッカーチューン(スカチューンなどともてはやされていますが、)の格好のアイテムとしてミニトレのタンクが買いあさられているらしい。なんだか、程度の良いものがだんだん無くなってゆくようで複雑な心境...。
ま、それは別としても最近ではネット・オークションなどでもGT/GRのタンクが売買されているのを見かけることが多くなってきていますが、GT/GR系のガソリンタンクって、年数が経っているものほど裏側がサビにやられていることが多いんですよね。特にコックの廻りを指で押すとブヨブヨしているものは要注意です。

私の場合、予備を合わせて2個のGR用タンクを所有していますが、2個共が例に漏れず裏側が錆びておりました。
幸いサビは表面だけのようで、あちこち指で押してもへこむようなことはありませんでしたが、精神衛生上よろしくありません(笑)。そこで本命タンクのほうを、この裏側の部分だけ再塗装することにいたしました。塗装の手順やテクニックは「TOUCH BIKE」や「MOTO MAINTENANCE」といった専門誌でたびたび特集されることもありますので、このへんは専門誌にお任せするとして、ここでは私の経験から得た内容を中心にご紹介したいと思います。


 まずはサビの状況を確認するためにパーツクリーナーや研磨剤などで泥や油汚れ、軽微なサビなどを落します。サビのひどい部分は180番と320番の布ペーパーを使い分けながら、地金が見えるまでサビを落としました。手の入りづらい部分はケミカルも併用します。サビの出ていない部分はそのまま上塗りしてしまう予定ですが、塗料の食い付きを良くするために600番、1000番のペーパーで表面を軽く砥いでおきます。

タンクにヘコミや傷などがある場合はこの時点で補修作業も行ないますが、今回は補修は不要でした。サビを完全に落としたら脱脂です。ここではスプレータイプの脱脂剤をサーっと吹いて、乾いた布で拭き取りました。脱脂剤は「シリコンオフ」といった名称でカー用品店に置いてありますよね! 1本あれば便利です。
1.塗装前の状態です。
2.サビを落したところ
3.プラサフを吹きました


次にマスキングですが、マスキングテープは新品を使うことをお勧めします。使い古しのテープは端部にごみや繊維くずなどが付いていることが多いですからね。このままのテープを塗り分け部分に使って塗装するとごみも一緒に塗装してしまい、テープをはがした時に泣くことになります。不用意にテープを地面に置くのも禁物。作業の合間も都度、きれいなビニール袋に入れて保管したいところです。また、しばらく使っていない古いテープは粘着があせてはがした時に粘着がベタベタ残ってしまうことがあります。たかがテープですが、この辺は十分に注意しましょう!
マスキング作業の途中も塗装面を指で触らないこと。せっかく脱脂した意味がなくなってしまいますからね!
それから、マスキングテープはこまめに貼り替えること。水砥ぎなどの作業でははがれやすくなってしまいますし、ごみが付着してしまいますので下地塗装とカラー塗装、クリア塗装の合間には必ず貼り替えたいところです。

それでは下地塗装を...。おっと、その前に塗装面のごみをエアーで吹き飛ばしておきます。下地塗装でも、本塗装でも、クリア塗装でも、とにかくごみ・チリの付着は大敵ですから、細心の注意を払いましょう。
下地処理の塗料にはプライマー系とサーフェイサー系がありますが、どちらもサビ止めの役割をしますし、仕上げの良し悪しを決めるための重要なものです。サーフェイサーは細かな傷を埋めてくれます。樹脂パーツには塗料を剥がれにくくするためにプライマーを使用するのが一般的です。今回は両者が一体になったプラサフを使用しました。

塗装は天気の良い日に決行しましょう!風の強い日はごみが飛んできて塗装面に付着しないように注意します。
まずは軽く一吹き。ここでは地金が隠れていないからといって厚めに塗ってはいけません。最初は塗料のノリを良くするためと、チジミ(塗料がしわ状に固まってしまう現象です、)を防ぐために軽く、でいいんです。
修正のためのペーパーがけを繰り返しながら、プラサフを3回ぐらい重ね塗りします。プラサフが完全に乾いたら、1000番程度のペーパーで軽く水砥ぎします。ここまでできたらこのまま本番塗りをしてもよいか、もう一度塗装面を確認しましょう。きれいな仕上がりは下地処理で決まってきますから慎重に。

カラー塗装でも、最初は軽く吹く程度にしておきましょう。少しずつ何度か重ね塗りして仕上げてゆきます。
まずは縁やヘコミのある部分など、面積の小さいところから塗り始め、最後に面積の広い部分を塗るようにします。
塗料のタレや気泡を防ぐためにはスプレーを離して塗ること。1回1回の塗りはけしてあせらず、少しずつ塗り重ねてゆくこと。それから、残量の少ない缶スプレーは使用しないこと。無くなる寸前の缶スプレーは「ぷっ、ぷっ」と塗料が粒状に飛んでしまい、せっかくの塗装面が台無しになってしまいます。

最低でも1日は天日干しで乾燥させます。塗装面に鼻を近づけて、まだラッカーの匂いが抜けていないような時はドライヤーの温風で乾燥を加速させる方法がありますが、これを使うのは表面がある程度固まってからにしましょう。

クリア塗装にはぜひウレタン塗料を使いたいところです。特に今回はガソリンタンクの塗装でしたから、少々高価ですが2液性のウレタン塗料を使用しました。スプレーに記載されている注意事項を守りながら慎重に塗ります。1回塗るごとに2時間ほどの乾燥時間を置いて、丸々1本のスプレーを1日掛けて塗りました。

いかがでしょうか。個人的には満足のゆく塗装ができました!!! あとは3日ほど掛けて乾燥させて仕上がりです。本来ならばこのあと磨きの作業がありますが、今回は人目につかないタンクの裏側ですので省略いたしました。


August 8, 2001
 今回はタンク内のコーティングを行ないました。最初はサビ取りだけで済まそうとしていたのですがやっぱり、ということで(笑)。
ミニトレやGRの程度の良いものはだんだん入手が難しくなってきていますから、今のものを錆びだらけにしたくなかったんです。

コーティング剤は「KREEMタンクライナー」という、錆取り剤とライナー液がセットになったものを購入いたしました。タンク内は一度、錆取りを済ませていたので本当はライナー液だけが欲しかったのですが、バイク屋さんにはこれしか見つからなかったので、改めて錆取りも行なうことにしました。バイク屋さんの店員に小排気量なら2台分はコーティングできると伺ったので、予備タンクも併せて作業することにします。

まずはマスキング。ガソリンコック穴をふさぐには穴より小径のネジと水道配管用のシールテープを使って栓をしました。新聞紙でタンク全体を覆った後、さらに上からコンビニ袋を被せてマスキング完了です。

A液とお湯を注いでタンク内の錆取りを行ないます。この時は気が付かなかったのですが、お湯の温度が高すぎてタンクキャップ廻りの塗装がはがれてしまいました!お湯の温度には注意しましょう!
溶液が隅々にまで行き渡るように、タンクをこまめに振るようにします。

半日かけて錆取りを行なったあと、液を全部捨てて内部を乾かします。
その後、B液を注入してタンク内の洗浄を行います。

さていよいよコーティングですが、2度のコーティングを行なう予定ですので、分量に注意してタンク内に注入します。ライナー液はかなりの粘度があるので、隅々にまで行き渡らせるにはけっこうな時間がかかりそうです。
10分置き毎にタンクを上下左右に傾けてまんべんなく行き渡らせます。タンク内の様子をうかがう時は必ず息を止めてから覗きましょう!!! 間違って吸ってしまうとかなり気分が悪くなります。異臭もかなり発生するので、必ず屋外で乾燥させましょう。1度目のコーティングは画像の通り、我ながら上出来の仕上がりとなりました!

さて、1日おいて2度目のコーティングを決行したのですが…失敗してしまいました(泣)。タンクをいちどひっくり返してからしばらく置きすぎて部分的にライナーのカタマリができてしまったんです。使用上は問題ないのですがねえ...。
でもこれで作業はひとまず完了です!今週末からあちこち走り回れます!


August 15, 2001


 タンクとシートの取付けが完了していよいよ、実走行です。今日は少し長い距離を走りましたので、インプレッションなどもしたいと思います。
さっそくスタンドへガソリンを入れてもらいに行きましたが、混合給油って不便ですねえ。^_^;

出足はスクーターにも負けちゃいますね...。交通量の多い道では車にもあおられます。言い訳ですがGRのサスってけっこうフニャフニャなんですよね、それと(規定値をメモせずにタイヤ交換に持ち込んでしまったために)空気圧が少し低かったせいもあり、マンホールやギャップが恐くてあまり飛ばせかったんですよ(汗)。
最高速は80km/h...でやめておきました。もう少し回せたと思うのですが、シリンダーを組み直したばかりでもあり、焼き付いてしまったら、と思うと全開にできませんでした。


停車する度に再始動をグズることがあります。なにぶん古いバイクですから、ちょっとあせったりして(笑)。
排気に白煙が多いことから、少しカブリ気味なのかも。現在の混合比は40:1ですが、もう少しオイルを減らしても良いみたいです。このへんはプラグの焼け具合を見ながら調節したいと思います。

そうそう、フルフェイスではGRに似合わないと思い、出掛けたついでにメットを購入してきたんですよ。
ジェットタイプにBucoの短いバイザーを付けました。

NinjaやKDXも楽しいですが、GRはまた違った意味で楽しいバイクです。いよいよ私のGRライフが走り出しました!


August 26, 2001
(Special thanks; 田中@RD様)

 今日はGR君にチェーンガードを取り付けました。私のGR君は入手当初、チェーンガードが欠品しておりましたが、田中@RD様からGR純正のチェーンガードをいただきまして、これをさび落としし、再塗装して取り付けました。

チェーンガードを取り付けただけですが、見た目が引き締まったような気がします。このへんはもともとのGRのデザインが完成されたものであったんだなあ〜と、今更ながら感心させられますね!

今日はガソリンスタンドで空気圧の調整もしていただいたし、これでバッチリですね、ようやくツーリングなどにも出かけられるようになりました。